【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~ 作:不知火新夜
「う、嘘だろ、あの徳松さんが、新入りに負けた…?」
「しかも、『秋雨の長次郎』の必勝パターンを前に、後攻1ターンで…?」
囚人ながら収容所のトップに君臨していた徳松と、今日収容されたばかりの隼、囚人達にとって結果は火を見るより明らかだと思っていた、思い込んでいたこのデュエル、だがその結果は、その囚人達が思い描いていた物とは正反対の物であった。
外野で見守る囚人の1人が言っていた『花札衛―雨四光―』と『イカサマ御法度』の必勝パターン、隼もそれによって展開を妨害されはした。
だが隼にとっては『少しばかり妨害があった程度』、過去に殆ど何もさせて貰えないという屈辱的な敗北を喫した身には、どうと言う事は無かったのである。
「フン。だから俺はあの時、一刻も早くアカデミアを叩き潰すべきだと言ったんだ。こんな雑魚が10年も負けなしでいられる程度の所に寄り道している暇は無いと。とんだ無駄骨だ、榊遊矢も赤馬零児も、好機を見出せない無能だったか」
「何だとテメェ、遊矢や社長を馬鹿にしやがって!」
「ちょっとばかり此処を見回しただけで隊長や社長を無能呼ばわりは聞き捨てならないね…!」
「おい、その遊矢にボロ負けしたのお前だったよな、あぁ?」
「待たれよ、皆の衆。この場での揉め事は控えるでござる」
「おいおい、落ち着けよお前ら。色々とヤヴァい状況なのは分かるけどさ」
「やれやれだぜ、全く…」
「Be quiet。まあ人材は無さそうだが、人員確保には行けそうじゃねぇか」
一方で勝利した隼は、徳松達を『雑魚』と吐き捨て、シンクロ次元に来た事を無駄骨と断じ、その決断を下した遊矢と零児を批判、それに我慢ならなかった刃と北斗、シンゴが食って掛かり、それ以外の4人が宥めようとしたその時だった。
「い、インチキだ!こんなの、インチキしたからに決まっている!」
「エクシーズ召喚なんてルールに無い召喚法を使いやがって!」
「ルールに無い事なんて反則だ!だからこのデュエルは無効だ!」
「正々堂々と勝負しやがれ、このインチキ野郎共!」
自分達の代表たる徳松の敗北という現実を受け入れられないのか、口々に非難の声を上げる外野の囚人達、その内容ははっきり言って言い掛かりにも程がある物であり、中には『お前が言うな』と突っ込みたくなる物まであった。
その余りの酷さに、もし徳松が普段の調子であったら、そんな外野に大喝を浴びせて黙らせていたであろう状態、だが当の徳松は自らの惨敗とも言える敗北に項垂れたままで、外野の様子に反応した素振りすらない。
歯止めになれる存在がその力を発揮出来なければ勢いづくのは必定、外野の非難も段々と激しくなっていた、が、
「待たれよ、皆の衆!ならば、シンクロ召喚を使えば問題無かろう!」
剣が言い放った一喝に、周囲は静まり返った。
徳松ならともかく、入って来たばかりの新入りの言葉に耳を貸さなそうにも見えたが、剣が放つ威圧感にあてられたか、非難を再開する者はいなかった。
「沈黙は是、と捉えるでござるよ。なれば徳松殿、某がお相手いたそう」
「ん?あ、ああ。さっきのリベンジとさせて貰おうか!」
「「デュエル!」」
先攻 Tokumatsu LP 4000 VS 後攻 Tsurugi LP 4000
「俺のターン!
まずは魔法『花合わせ』発動!」
花合わせ(アニメオリジナルカード)
通常魔法
1:デッキから攻撃力100の『
「花合わせの効果で、俺はデッキから4体の花札衛、『松』『芒』『柳』『桐』を攻撃表示で特殊召喚する!」
花札衛―松―(アニメオリジナルカード)
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 1
攻撃力 100
花札衛―芒―(アニメオリジナルカード)
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 8
攻撃力 100
花札衛―柳―(アニメオリジナルカード)
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 11
攻撃力 100
花札衛―桐―(アニメオリジナルカード)
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 12
攻撃力 100
「次に魔法『花積み』発動!」
花積み(アニメオリジナルカード)
通常魔法
1:自分のデッキから『花札衛』モンスター3体までを選んで発動出来る。そのカードを好きな順番でデッキの上に戻す。
「花積みの効果で、俺はデッキから3体の花札衛、『芒に月』『桐に鳳凰』『柳に小野道風』をデッキトップに置く。
続いてフィールドの松をリリースして手札の『花札衛―松に鶴―』の効果発動!
コイツを攻撃表示で特殊召喚し、1枚ドローする」
花札衛―花に鶴―(アニメオリジナルカード)
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 1
攻撃力 2000
「ドローした『花札衛―芒に月』の効果を、フィールドの芒をリリースして効果発動!
コイツを攻撃表示で特殊召喚し、1枚ドローする」
花札衛―芒に月―(アニメオリジナルカード)
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 8
攻撃力 2000
「ドローした『花札衛―桐に鳳凰―』の効果を、フィールドの桐をリリースして効果発動!
コイツを攻撃表示で特殊召喚し、1枚ドローする」
花札衛―桐に鳳凰―(アニメオリジナルカード)
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 12
攻撃力 2000
「ドローした『花札衛―柳に小野道風―』の効果を、フィールドの柳をリリースして効果発動!
コイツを攻撃表示で特殊召喚し、1枚ドローする。
俺がドローしたのは『花札衛―桜に幕』!しかしフィールドにレベル3の花札衛はねぇ。
よって柳に小野道風の効果で、このカードは墓地へ送られる」
花札衛―柳に小野道風―(アニメオリジナルカード)
効果モンスター/チューナー
闇属性
戦士族
レベル 11
攻撃力 2000
「俺は松に鶴、芒に月、桐に鳳凰に、柳に小野道風をチューニング!この時、柳に小野道風の効果でコイツらのレベルを全て2として扱う!涙雨、光となりて、降り注げ!シンクロ召喚!出でよ、レベル8『花札衛―雨四光―』!」
花札衛―雨四光―(アニメオリジナルカード)
シンクロ・効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 8
攻撃力 3000
「カードを2枚セットしてターンエンドだ!」
Tokumatsu
LP 4000
手札 0
モンスター 花札衛―雨四光―(攻撃表示)
魔法・罠カード セット×2
剣の提案で始まった、徳松と剣のデュエル、先手を取った徳松は、先程の隼とのデュエルと同じ様な展開でターンを終えた。
「某のターン!ドロー!」
「その瞬間、雨四光の効果発動!1500のダメージを受けて貰う!」
Tsurugi LP 4000→2500
「ふむ、何とも貧弱な一の太刀でござるな」
「何ィ!?」
「納得いかぬ、と言いたげな顔でござるな。ならば某がお見せしよう、我が剣、『薩摩示現流』の剣の教えを体現した、一の太刀を!
某はまず、魔法『封印の黄金櫃』発動」
封印の黄金櫃(準制限カード、2016年4月禁止制限より制限解除)
通常魔法
1:デッキからカード1枚を選んで除外する。このカードの発動後2回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加える。
「封印の黄金櫃の効果で、デッキから『妖刀―不知火』を除外するでござる。
次にフィールド魔法『不知火流転生の陣』発動」
不知火流転生の陣
フィールド魔法
『不知火流転生の陣』は1ターンに1枚しか発動出来ない。
1:1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札を1枚墓地へ送り、以下の効果から1つを選択して発動出来る。
●自分の墓地の守備力0のアンデット族モンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを特殊召喚する。
●除外されている自分の守備力0のアンデット族モンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを墓地に戻す。
「今発動した不知火流転生の陣の効果を、手札の『不知火の隠者』を墓地へ送って発動。
先程除外した妖刀―不知火を墓地へ戻すでござる」
「『おろかな埋葬』で直接墓地送りにした方が良くないか?」
「アイツ、プレミか?それともおろ埋を引けなかったか?」
剣が行っている一連の動きに、外野は訝しむ様な声を上げだした。
一見、手札3枚も使ってやった事は、デッキから除外した1枚のモンスターカードを態々墓地へ戻す、という回りくどい動き、これなら制限カードではあるが『おろかな埋葬』を使った方が効率的に見える。
だが、この動きには剣なりの戦略がある。
「続いて『ユニゾンビ』を召喚」
ユニゾンビ
効果モンスター/チューナー
闇属性
アンデット族
レベル 3
攻撃力 1300
そんな周囲の声を他所に剣が召喚したのは、互いに同じ歌を歌っている筈なのだが何処かずれている、でっぷり肥えたのと華奢なの、2人組のゾンビ。
「今しがた召喚したユニゾンビの効果発動。
デッキから『不知火の宮司』を墓地へ送り、ユニゾンビのレベルを1つ上げるでござる」
ユニゾンビ レベル 3→4
「更に魔法『生者の書―禁断の呪術―』発動!」
生者の書―禁断の呪術―
通常魔法
自分の墓地に存在するアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚し、相手の墓地に存在するモンスター1体を選択してゲームから除外する。
「生者の書―禁断の呪術―の効果で、たった今墓地へ送った宮司を攻撃表示で蘇生するでござる。
そして徳松殿、貴殿の墓地にある『花札衛―柳に小野道風―』を除外して貰おう」
「ちっ」
不知火の宮司
効果モンスター
炎属性
アンデット族
レベル 4
攻撃力 1500
剣が発動した魔法カードから出現した緑の表紙の本から禍々しいエネルギーが噴出し、それによって墓地から蘇ったのは、赤い法衣を身に纏った宮司。
「此処からが某の本領発揮でござるよ、徳松殿。
某はレベル4の宮司に、同じくレベル4のユニゾンビをチューニング!戦の神が現に降りて、今振り下ろす、死の刃!シンクロ召喚、レベル8!『戦神―不知火』!」
戦神―不知火
シンクロ・効果モンスター
炎属性
アンデット族
レベル 8
攻撃力 3000
シンクロ召喚の演出と共に登場したのは、左手には禍々しいオーラを纏う妖刀、右手には燃え盛る火炎が刀となった物を構える、武将の様な出で立ちの戦の神。
「シンクロ召喚した戦神―不知火の効果発動!
たった今シンクロ召喚の素材に使った宮司を除外し、攻撃力を1500アップするでござる!」
「攻撃力で雨四光を越えて来たか!」
戦神―不知火 攻撃力 3000→4500
「おっと、これだけで終わりと思うたら大間違いでござるよ。
此処で、除外された宮司の効果発動!
雨四光を破壊するでござる!神の呪炎!」
「な、何ィ!?」
その効果に徳松が驚く間もなく、戦神―不知火の右手の炎が勢いを増したかと思ったら、その炎に雨四光が何時の間にか飲み込まれていった。
徳松のエースである雨四光がまたしても突破され、このまま攻撃すれば文字通り『一の太刀』で勝負ありとなるこの場面、だが、
「示現流の教え、それは『一の太刀疑わず』、全てを込めた一撃こそが至高でござる!某のデッキの『一の太刀』は、まだまだこの程度のなまくらでは無い!
墓地の妖刀―不知火の効果発動!
このカードは、自分自身とチューナーでは無いアンデット族1体を除外する事で合計レベルと同じレベルのアンデット族シンクロモンスターを特殊召喚出来るでござる。
この効果は本来、このカードが墓地へ送られたターンには発動出来ないでござるが、この妖刀―不知火は不知火流転生の陣の効果により、
このターンに墓地へ『戻った』カードでござる、故に発動可能!」
「な、何だってェェェェェェェェェ!?」
「一度も墓地へ行っていないのに『送る』じゃねぇのかよ!?そんなのアリか!?」
「だからあんな回りくどいやり方を…!」
剣の展開は止まらない。
次は、俗にKO○MAI語と呼ばれるカード表記の裏を突いて、新たなるシンクロモンスターを出す。
「某はこの効果で、隠者と妖刀―不知火を除外し、アンデット・スカル・デーモンを攻撃表示で特殊召喚!」
アンデット・スカル・デーモン
シンクロ・効果モンスター
闇属性
アンデット族
レベル 6
攻撃力 2500
その妖刀―不知火の効果で登場したのは、名前の通り骨と皮だけの姿となった悪魔。
「まだまだ行くでござる!
除外された隠者の効果発動!
除外されている宮司と妖刀―不知火を共に攻撃表示で特殊召喚!」
妖刀―不知火
効果モンスター/チューナー
炎属性
アンデット族
レベル 2
攻撃力 800
「そしてこれが最後でござる!
某はレベル4の宮司に、レベル2の妖刀―不知火をチューニング!刀に宿る付喪の神が、あらゆる敵を地に伏せん!シンクロ召喚、レベル6!『刀神―不知火』!」
刀神―不知火
シンクロ・効果モンスター
炎属性
アンデット族
レベル 6
攻撃力 2500
そして、宮司と只ならぬ気配を放つ妖刀によるシンクロ召喚の演出と共に登場したのは、刀に宿りし神。
「バトルフェイズに入るでござる!
戦神―不知火でダイレクトアタック!チェストぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
Tokumatsu LP 4000→-500 LOSE
WINNER Tsurugi
「これが某のデュエル、『薩摩示現流』の教えを体現した、一の太刀でござる!」