【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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69話_まさかの再会

「その『龍の頭』の痣…!

遊星、なのだな、お前は…」

「びっくりだぜ、お前も別の世界とは言え転生して来たなんてな…」

「まさか、前世でのチームサティスファクションの面子が、こうして再び相まみえるとはな…」

「ああ、久しぶりだな、ジャック、クロウ、そして鬼柳」

「約1世紀振りだね、皆」

 

ダンテ達第2部隊と雪乃達第4部隊がシティの治安部隊『セキュリティ』によって捕まり、収容所に入れられている頃(ぶっちゃけこれも任務の中に入れていた事もあって冷静に対処できたが)、シュドナイさんの呼び出しを受けたらしい一団と俺達は会う事になったんだが、その中に、シティでデュエリストスターとして君臨しているジャックとクロウ、そして鬼柳の3人が、俺と同じく『遊戯王5D’sの世界』から転生して来た3人がいたのには、正直驚いた。

まあジャックに関してはさっきのデュエルログの映像で多分そうだろうとは思っていた(そして『龍の翼』の痣があった事で確信した)んだが、クロウ(『龍の尾』の痣があった)と鬼柳(何でか知らんが『地縛神CcapacApu』を持っていたし、ダークシグナーとしての記憶も持っていた。尚、『遊戯王5D’sの世界』でのそれとは違って、OCGのそれと変わらない感じだ)までそうだとは予想外だった。

 

「ジャック・アトラスにクロウ・ホーガン、それに鬼柳京介…

3人共、夢で見たままの人達ね。遊矢の場合と、どう違うのかしら…」

「大スターだと言われていた連中が、まさか遊矢の前世の仲間が転生した奴だったとはなァ」

「ほんと驚きだぜ、これ」

「ああ。ランサーズの任務で向かった先で出会うとは、これもまた運命と言う奴だろうか」

「運命って分かんないもんだよな。転生するの、遊矢兄ちゃんだけじゃねぇんだ」

「うぉぉぉ!この男権現坂、時も世界も越えた友情に今、猛烈に感動しておる!」

 

俺に関しての事情を知っている柚子達ARC-Vメンバーや、零児(シュドナイさんとのデュエルの後、V-CRANと合流した折、シュドナイさんに事情を話してこの件に入れて貰った)もその事にびっくりした様子だった。

 

「しかし驚きだな、まさかジャック達の前世の仲間が、別世界からやってきて再会するとは」

「運命とは分からない物だな、シュドナイ」

「本当にそうですわね。ですが1世紀の時を経てまた会えた、何だか心に響きますわね、お兄様」

『そうだね、ティリエル』

 

そしてジャック、クロウ、鬼柳の3人から諸々の事情を聞いていた、ジャックのマネージャーも兼ねていたシュドナイさんと、紫を基調としたツンツンヘアーが特徴的なライダースーツ姿の男性で、クロウのマネージャーであるシンジ、そしてまたかと言うべきか、どっかの愛染の兄妹そっくりな鬼柳のマネージャーの2人組(名字もまた『アイゼン』な辺り、狙っているとしか思えない)、ソラトとティリエルの兄妹もまた、俺とユベルの事や、その俺達が異世界から渡って来たという事実にびっくりしていた。

あ、シュドナイさん達には4つの次元の事、アカデミアによる各次元への侵略に関して話しているんだが、それ自体は「また世界の存亡を賭けた戦いが始まるって訳か」とクロウが即座に状況を読み込んだのを始め、皆してあっさり納得してくれた。

ジャックとクロウ、鬼柳は経験者だから分かるとしても、順応するの早くないか?

それと、ソラトの声が人工音声になっているのは、彼が全ろう(聴覚が全く無い状態の事)で、喋っても聞いている側は何言っているのか分からずトラブルになる事が多かったそうで、デュエルディスクに組み込まれた音声文字変換機能によってやりとりを行っているんだとか。

まあそれは良いとして、本題だ。

 

「それで、ジャック、クロウ、鬼柳。先程も言った通り、現在4つの次元の1つ『融合次元』の組織、デュエルアカデミアが各次元への侵略を行っている。既にエクシーズ次元が壊滅的な被害を受け、そして最近、俺達がいた次元もまた、斥候程度とはいえ侵略を受けた。撃退こそ成功したが、向こうもまた態勢を整えて再び攻め込んでくるに違いない。各部隊の調査の結果、侵入したと思われる形跡は余り無かったが、恐らくこの次元もまた標的にされるだろう。その前にこの事、この次元の皆に公表し、我々ランサーズを架け橋として2つの次元で同盟を結びたい。お前達3人はこのシティで『トリプルスター』として君臨していると聞いた。その影響力を駆使して、何とか協力を取り付けられないだろうか?」

 

それが、俺達ランサーズがこのシンクロ次元に入った目的。

それを考慮すると、ジャック達が、俺の前世の仲間がこの次元に転生して来たのは、しかもこの世界でもデュエリストスターとして名を馳せていたのは僥倖だったな、こうして昔の馴染みで出会えて、そしてその影響力から事を上手く運べる。

 

「お安い御用だ!俺達のつてを使えば余裕だぜ!」

「良いだろう、俺もこの世界で成さねばならぬ事がある。その邪魔をさせはしない!」

「ああ。折角この世界での人生に、デュエリストスターとしての人生に満足し始めて来たと言うのに、それを台無しにされる訳には行かないからな…!」

 

そんな俺の頼みに、3人共快く応じてくれた。

ジャックとクロウは勿論、鬼柳も乗ってくれたのは嬉しいな、誤解とは言え生前は色々と蟠りがあったし。

と思っていたら、

 

「ただ遊星、いや、遊矢と呼ぶべきか。その代わりとは言わんが、お前にデュエルを挑む!折角この世界で、再び相まみえたのだ!嘗てのライバルとして、何処まで実力を上げて来たのか、1度見てみたいという物だ!」

「あ、おいずるいぞジャック!抜け駆けすんじゃねぇ!」

「ジャック、いの一番に遊星とのデュエルで満足しようとは聞き捨てならねぇな!」

「皆血気盛んだね、まあ気持ちは分かるけど」

 

案の定と言うべきか、ジャックからデュエルを仕掛けられ、それに「抜け駆けはさせんぞ」と言わんばかりにクロウや鬼柳もやりたいと言わんばかりの様子で身を乗り出して来た。

だな、折角来たんだ、デュエルしないなんて選択肢は無い!

 

「良いぜ!ジャック、クロウ、鬼柳!早速デュエルを…」

「まあ待て。今すぐ、という訳では無い」

「うぉい!?」

 

と応じて、デュエルディスクを構えようとしたその時、何故か申し込んで来たジャックから制止された。

一体どうしたんだ?

 

「キングのデュエルはエンターテイメントでなければならない!そしてエンターテイメントは、大勢の聴衆無くしては成り立たん!明日、ライディングデュエルのサーキットにてお前を迎え撃つ!準備を整えて来い!」

「成る程な、分かったぜ!」

 

その後の『遊戯王5D’sの世界』そのまんまな言動からジャックの意図を察知した俺は、改めてジャックのデュエルの申し込みを快諾した。

ジャックと1世紀振りの、それもライディングデュエルでの勝負か、明日が楽しみだ!

 

------------

 

その日の夜、

 

『緊急放送です!シティが誇る3人のデュエリストスターの一角、ジャック・アトラスが明日、ライディングデュエルによるエキシビションマッチを行うと、急遽発表しました!その時の会見映像をお送りします!』

『シティの住人達よ!俺は明日、シティのデュエリストスターの一角としてでは無く、1デュエリスト『ジャック・アトラス』として伝説に挑む!俺の雄姿を見たくば、会場に集まるが良い!其処で明日、伝説の瞬間を目撃するであろう!』

 

ジャックの緊急会見が、シティ中に響き渡った。

 

「ランサーズ諸君、緊急連絡だ。今、シティのデュエリストスターとして知られているジャック・アトラスの緊急会見を聞いただろうが、明日のエキシビションマッチの対戦相手として、出場する事となった」

『え゛!?おい遊矢、おまえどうやってあのジャック・アトラスと』

『煩いぞユーゴ。隊長からの連絡の最中だ』

『失礼した、隊長』

『凄いわね、隊長。根回しが早かったじゃない』

『本当にそうだな、遊矢。それで、この世界のトップとの接触は図れたのか?』

 

その会見が響き渡る中、俺は第1部隊と第3部隊と回線を繋ぎ、そのエキシビションマッチに出場する旨を明かした。

それにはしゃいだ様子のユーゴはまあ放って置くとして、だ。

 

「いや、まだシティのトップ、行政評議会との接触は出来ていない」

『何、そんな悠長に構えていて大丈夫なのか!?先程隼達第4部隊と第2部隊が捕まっているという連絡が入ったと言うのに…!』

『落ち着きなさいユート、貴方が焦った所で事は運ばないわ』

「大丈夫だユート、収容所に侵入した風魔兄弟と遊香の話から第2部隊、第4部隊共に無事な状態だ。彼らを解放する手立て、行政評議会と接触する手立てもある」

 

今現在の状況は、第2部隊と第4部隊がセキュリティによってシティの収容所に入れられ(後、其処からの情報伝達の為に日影と月影、遊香が潜入していて不在)、ランサーズメンバーの半数弱は自由に動けない。

そんな状況下で悠長に構えていられないというユートの気持ちも分かる(それに、エクシーズ次元にいた頃からの仲間である隼が捕まっているのもあるだろう)が、

 

「ジャック・アトラスが『明日、伝説の瞬間を目撃するであろう!』と言っていただろう。それを実現して見せる。俺の『封印されていた』2つ目のデッキでな!」

 

------------

 

そして翌朝、

 

『さて、急遽始まりました、我らが誇る3大デュエリストスターの一角、ジャック・アトラスと正体不明のデュエリスト、榊遊矢によるエキシビションマッチ!まずは挑戦者の入場です!』

 

シティ中心部にあるライディングデュエル用サーキット、そのゲート内で、急遽こしらえたD―ホイールに乗りながらスタンバイしていた俺は、このデュエルのMCを務めるメリッサ・クレールの進行に応じる様に、発進させる。

 

『今回ジャック・アトラスに立ち向かうは、経歴も実力も一切不明!果たしてどの様なデュエルを繰り広げるのか!榊遊矢!

対するは、その榊遊矢を対戦相手に指名した、3大デュエリストスターの一角!会見では『伝説の瞬間を目撃するであろう!』と予言じみた事を宣言しておりましたが、果たしてその真意や如何に!ジャック・アトラス!』

 

更に続くメリッサの進行の最中に、俺、続いてジャックがスタートラインに付いた。

 

『両者ともに準備万端の様です!』

「行くぞ、遊矢。今のお前の全力を、このジャック・アトラスにぶつけて見せろ!」

「勿論だ」

『それでは始めましょう!』

 

 

 

 

 

「「『ライディングデュエル・アクセラレーション!』」」

 

そして、後にシンクロ次元で伝説として語り継がれていくデュエルは幕を開けた…!

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