初めての作品と言うことで少し緊張しています。
この作品はパワポケ10のライバル天道翔馬に“もし双子の弟がいたら”という設定です。
意見、感想募集しています。 自分のペースで投稿していけたらと思っています。 これからどうぞよろしくお願いします!
第1話 親切高校
ブロロロロロッ
「うっ、うう…気持ち悪い…まだ着かないのか。」
「大丈夫…じゃなさそうだな
チラッと左腕にはめた時計を見ると駅を出発してから有に3時間は経っている。 うう…早く着かないと結構やばい。
「全く酔いやすいのは昔から変わらないな。」
ふっ、と隣座席に座る友沢亮は笑った。
「君たちは御薗シニアの友沢君と天道君でやんすか?」
車窓の外に広がる木々を眺めていると、瓶底メガネをかけた坊主頭の少年が声を掛けてくる。
「ああ。俺は友沢亮だ。隣の酔って死にかけているやつが天道湊叶だ。」
「う…よろしく。」
押し寄せる吐き気と戦いながら何とかメガネ君に返事を返す。
「おお!やっぱりでやんす。オイラは
「 よろしくな荷田。」
「3年間よろしくでやんす!」
ああっと、短く返し頬杖を付きながら車窓外を見るとあれだけ繁っていた森が開けた。
「あれが学校か。中々凄いところに建っているな。」
さらっと亮がいい、それにつられ、僕も学校を見る。
え、待てよ。 何か凄いところに建ってるな!
アレ、ガッコウジャナーイ! ケイムショー!
「何だあの学校…」
「ん?湊叶どうしたんだ?酔い、治ったのか?」
「ああ、治ったよ。驚いて酔いが覚めたよ。」
「?何に驚いたのか知らないがもうすぐ着くから準備しろよ。昔から忘れやすいんだからさ。」
「もう高1だよ?幾ら僕でも流石に…」
亮はピッと座席についているネットを指さす。
「ペットボトル忘れてるぞ。」
「あ、はい、すみません。」
何であんなに冷静何だ。 あの学校を見て驚かない亮に驚いたわ。
なるほど、白石先生が見たら驚くぞって言っていたのはこの事か。
案の定、荷田君も口が塞がってないしね。
パンフレットには校舎内しか写ってなかったぞ。
荷物が纏め終わるとちょうどプシューっとエアー音が鳴った。
どうやら到着したようだ。
順番にバスから降りていく。
僕らが乗っていた他にもバスは有り、ぞろぞろと降りてくる。
親切高校内に向かう為歩いていると、
ドンッ! という衝撃が身体に走る。
「って!」
思わず大勢を崩し、尻餅をついてしまう。
「済まない。怪我はないか?」
「あ、うん。大丈夫だよ。」
パンパンっと制服に付いた土を落しながら答える。
「そうか。それなら良かった。なにぶん、荷物が重くてな。」
払い終え、声の主の方を見ると、赤毛寄りの茶髪でポニーテールの少女が居た。
「むっ、何だ人の顔をジロジロ見て。私の顔に何か付いているのか?」
「い、いや、何も付いてないよ!ごめん。」
「そうか。おっと、名前をまだ言ってなかったな。私の名前は神条紫杏。今後共宜しくしてくれ。」
「僕の名前は天道湊叶。天道でも、湊叶でいいよ。まぁ、呼びやすい方で。良かったらその重そうな荷物持とうか?」
「済まない。お言葉に甘えよう。」
出身中はどこだとか、他愛のない話をしながら体育館に向かった。
「済まないな。随分と重かっただろ。」
「うん。殆どの物は先に送ってあったのに何でこんなに重いんだよ。」
「ふふっ、秘密だ。」
「秘密かい。」
ははは、と笑いあった後神条に「じゃあ、また。」と告げ、体育館に入った。
並び順はクラス順になっており、事前に配布されていた用紙を見ながら席に向かう。
「おそかったな。どこで油を売っていたんだ?」
「ああ、ちょっとそこでね。」
亮の隣の席に腰掛ける。 因みに亮の隣は鼻息の荒い荷田君だ。
何でも女子を見て喜んでいるようだ。
さっきまで女子と一緒だったと伝えたらどんなことをされるんだろう。
黙っておくのが得策だな。
司会が入学式の進行を開始し出した。
在校生代表の挨拶のあと、新入生代表の挨拶になる。
『新入生代表、神条紫杏。』
「はい。」
神条が壇上にあがり、読み始める。
(へぇ〜、あいつすごいやつだったなぁ。)
挨拶が終わり、神条が席に戻る。
一人感心していると、すぅすぅ、と寝息が聞こえてきた。
右を見ると亮が眠っていた。
ったく、亮ってやつは。 ところ構わず眠るからな。
バスの中でも乗ってすぐに“ホーミング娘。”を聞きながら寝てくし。
荷田君に支えて置くように頼むと、ちょうど元田夢二校長の話しが始まった。
「あー!諸君!この学校は『親切』をモットーにしています。」
なるほど、だから親切高校なのか。
「この学校で、社会の一員として、周りのみんなの面倒をよく見る、『親切』な人になりましょう。」
ふむ、中々立派な思想だ。
「そして、この学校には、諸君らが社会の一員として生きていくために必要な物が、全て揃っています。よって、外に出ていく必要は有りません!」
へ?
頭に?マークを作っていると
【ガコン!】
と凄まじい音が響いた。
その音で隣で眠っていた亮も起きたようだ。
ふぅ、と息を吐きながら身体をほぐしている。
「…今のは扉の閉まる音?」
「…そうみたいでやんすね。あー、休日も外に出られないってまるで監獄でやんす!」
「荷田君、それは言い過ぎだよ。」
まぁ、でも、あながち荷田君の言っている事にズレはない。
僕らは野球をするつもりだけど、他の緩い部活に入り、休日を楽しもうと考える人たちも居るはず。 その人たちにとっては、辛くなるだろうなぁ。
校長の話が終わり、入学式が終了する。
女子から退場していき、僕らのクラスの番に成る。
再び寝かけていた亮を起こし、担任と思われる先生の後を追っていく。
教室への移動中、野球部のグラウンドが見えた。
「なぁ、亮。グラウンドどう思う?」
「実際に見てみないと分からないが、かなり良いと思う。 詳しくは野球部に入ってからになるとおもうが。」
そうだな。と相槌を打ち、教室へ向かう足を早めた。
『1年3組』
これから僕らが1年間過ごすことになるクラスだ。
担任の教諭の名は大河内将門。
空手と柔道の有段者らしい。
まぁ、見た目からしてガチガチの体育会系だしね。
と、ここまでは普通の学校なんだが実は…
「先生!質問でやんす!」
お、荷田君が行ったな。
「お、荷田か。熱心な生徒は先生好きだぞ。」
「このクラスには女子が居ないでやんす。入学式の時にいた女子はどこに行ったでやんすか?」
「ふむ、それはな。まぁ、大雑把に片付けると青春の滾りは思う存分部活に、勉強にぶつけろ!って事だな。色々と誘惑が多くなってしまうと不振に陥ってしまうしな。」
「なるほど、そうでやんすか。」
荷田君が先生に礼を言って席に座る。
しっかしびっくりしたなぁ。 あれだけいた女子も蓋を開けてみれば教室に居ないってどんなドッキリだよ。 パンフレットに書いとけよ。
でもあの人数だ。 絶対どこかには居るんだろうけど。
まぁ、僕には関係ないや。
簡単なホームルームが終わり、僕たちは3年間過ごすことになる寮に向かった。
寮は各部活によって分けられている。
入試のあと、高校での希望部活を記入する用紙が配られ、合格発表の時に学校に提出する。
僕たちの場合は野球特待生と入部しているので、野球部区域の寮室になる。
103号室が僕たちが1年間過ごす部屋だと、知らされそこに向かう。
「そうか。ルームメイトが出来るのか。」
「ああ。それにしても寮の部屋まで湊叶と一緒とはな。」
「僕もびっくりだ。」
部屋に着くと、既に先客が居た。
「君達が1年間一緒に過ごす後輩か。親切高校野球部へようこそ。俺は2年の
「僕は天道湊叶です。これからお願いします。」
亮も寺河さんに挨拶し、寺河さんはニコッとする。
「あと1人来るんだけど遅いなぁ。あ、この学校のこと色々と教えてやるよ。」
グラウンドの奥に見える森にはドーベルマンが離してあったり、『ペラ』と呼ばれる擬似紙幣があることも教えてくれた。
「あ、二人はさポジションどこだったの?良かったら聞かせて欲しいんだけど。」
「俺はピッチャーをやってました。球種は幾つか有りますが、自信があるのはスライダーです!」
「へぇ、スライダーねぇ。俺と決め球一緒じゃん。」
亮と同じスタイルの投手。
2年生ながらエースを張っている寺河さんを抜かなくては亮はマウンドに立てない。
「絶対抜いて見せます。」
「うん。待ってるよ。」
短く言い切ると、寺河さんは僕の方に振り向く。
「天道君はどこだった?」
「はい。えっと、僕はショートでした。守備には自信が有ります。」
「部屋は違うが俺と同じ学年に基宗ってのが居るからそいつを抜かなきゃな。」
「はい!頑張ります!」
うん。と満足そうに頷いた寺河さんは人懐っこそうな笑みを浮かべながら
「さっきも言ったけど、よろしくな。」
といい、僕らは照れながら「はい!」と返した。
そこを使うといいよ。 と支持を受け、僕らは4つある机の2つを借りた。
「そう言えば、あと1人の方はどんな人何ですか?」
僕が制服をハンガーにかけ、ロッカーに閉まっていると、寺河さんに質問する。
「ああ、
「す、凄いですね。それでキャッチャーですか。」
スピードボール。 僕が投げたくても投げれなかった、欲しくて欲しくてたまらなかったもの。
「何でもキャッチャーしかしたくないんだと。俺の球を受けている時が楽しいって言ってくれて嬉しいんだけど、俺が投げるより上に行ける気がするんだよな。」
「やかまし。エースのお前がそんなことを言っていてどうする?」
パッと、声のした方を見ると、薄い空色で、さっぱりした髪型の所謂イケてるメンズが立っていた。
「おっ!来たきた。遅かったな大也。」
「データを纏めていたら遅くなってしまってな。天道湊叶と友沢亮だな。俺は坂内大也だ。これからよろしくな。」
荷物を置くと、坂内さんはバットを持って部屋から去って行った。
「どこに行ったんですか坂内さんは?」
亮が器用に教材等を纏めながら、寺河さんに問う。
「まぁ、見ての通り素振りだな。入学当初から欠かさずやってるんだわ。まぁ、俺も一応してるんだけどあいつの素振りの量には敵わないな。」
「そうなんですか。」
「湊叶、用意が終わったら素振りしに行くか。」
「うん。僕の課題はバッティングだからね。」
「あ、それ俺も行くわ。一緒していいか?」
「ええ、勿論。さぁ、行きましょう。」
こうして、僕の親切高校での3年間が始まった。
友沢君の弟たちは天道家が世話をするといった感じとなっております。
第1話、お読み頂きありがとうございました!