冒険者派遣会社 飛行島本店   作:Hershel

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獅子と剣精、田舎風で鈴が鳴る
村の湖の異変を調査せよ


本日は快晴。飛行島の掲示板には、新たな冒険者派遣の依頼が貼られていた。

簡単なものから難しいものまで。報酬も様々。

子供の依頼者から、お年寄り。村総勢での依頼もある。

飛行島に所属する冒険者の数は多いものの、依頼の数も相当なもので、捌いて行くのはなかなか困難なものだ。

 

 

 

 

「さてっと・・・今日の依頼は何かねぇ」

 

毛先が虹色に輝く獅子の鬣を持つ青年、魔剣士《ダグラス・ウィンゲート》。

彼はとある事件で、飛行島の船長である赤毛の青年と協力関係を築き、そのまま飛行島に乗り込んできた冒険者。

実力は折り紙つきで、相手の力を奪って自分のものとして使うことを得意としている。まさに魔剣士の名にふさわしい。

と、そんな彼が一番最初に目にした依頼は・・・

 

「村からの依頼か・・・

『村の湖が、最近変なんです。何が変かというと説明しづらいですが、とにかく変なんです。

ぜひ調査お願いします』・・・ね」

 

内容的には、そこまで骨の折れそうな仕事ではない。手ごわい魔物と戦うってわけでもないだろうし。

 

「報酬は・・・って」

 

ダグラスはその金額を見て驚く。

 

「に、二十万ゴールドだって!?4人で割っても、一人五万ゴールドじゃねえか!」

 

その額で何ができるかとか想像しながら、ダグラスはその依頼に手を伸ばしていく。

 

「これは、行くしかないねぇ」

 

そう言って、掲示板に貼られた一枚の張り紙を取る。重ねてまだ3枚残っていることは、一番乗りということだ。

 

「さて、受付に行くかねぇ」

 

そう言って、掲示板の隣にあるアジトへと足を運ぶ。

 

 

 

 

 

「あら、ダグラスさん。いらっしゃい」

「よっ、ヘレナさん」

 

優しく微笑みかける受付嬢、ヘレナ。その姿を見て、頭の上に手を当てて、前に突き出して挨拶する。

 

「早速だけど、依頼申請できるかい?」

「はい、少々お待ちくださいね」

 

受付に依頼の紙を渡すと、ヘレナは後ろの机で正式な手続きを行う。印が押されて、控えの紙を渡される。

 

「はい。村に伺ったらしっかりご挨拶してくださいね」

「了解」

 

そう言われると、他の冒険者が来るのを待つ。最大四人で依頼を受けるのだが、当日の正午までは待機時間となる。それまでに四人集まれば、その時点で出発しても良い。

だが、集まらないときは、正午になって受付に行けばキャンセルすることも出来る。

集まらなくても依頼を受けることはできるが、四人いないと厳しい依頼もあるため、そこは冒険者達の判断力が重要となる。

 

ソファーに腰掛けたダグラス。そうしている間に、続々と冒険者達がアジトに入ってくる。腕利きの冒険者から、子供のような冒険者、さらにはロボットや人形まで。この飛行島は本当に変わり者だらけだ、とダグラスは改めて再認識する。

と、アジトの扉が大きな音を上げて開けられる。右手に握り締められた紙を勢いよく受付に叩きつける。その姿は薄着を身に纏った小さな少女だった。

 

「ヘレナさん!依頼お願いします!」

「おはよう、ダリアちゃん。でも、ちゃんと列に並ばなくちゃ駄目よ」

「あっ」

 

そう見て隣を見てみると、数人の列が見えた。

 

「あはは、ごめんなさい」

 

そう言って、一番最後尾に並ぶ。冒険者達はくすくすと笑っており、少女はどこか恥ずかしそうにしている。

そして、ついに少女の出番がやってきた。

 

「はい、ヘレナさん!」

「はい。お預かりします」

 

子供と会話するように、ゆっくり話すヘレナ。押印すると、控えの紙を少女に渡す。

 

「ちゃんと村の人に見せるのよ?」

「はーい!」

 

そう言うと軽くお辞儀をする。

 

「もう一人は、あの人ね」

「あっ!」

 

ヘレナがダグラスのことを見つめると、その視線の先に、少女も目を移した。

ダグラスは軽く手を振ると、少女は目を輝かせてぶんぶんと手を振った。

 

「ダグラスだー!!」

「よぉ、ダリア。今日はお前と一緒か」

 

この少女の名は《ダリア・ハーヴィー》。妖精だ。

妖精でも立派な冒険者で、努力家故剣の腕に関しては中々のもの。ダグラスもよく剣の稽古の相手をしている。

 

「今日はダグラスと同じなんだね、よろしくー!」

「おう、よろしくな」

 

そう挨拶し合うと、ダグラスとダリアは固い握手をする。その間に、小さな風輪の音が鳴り響く。

 

「ふふっ、仲良しなんですね」

 

そう言って、くすくすと笑いながら二人の傍に立つ、風輪を背負った女性。

 

「えっと、確かあんたは・・・」

「風輪売りのスズネだー!」

 

ダリアが指を指してそう答える。指を指すな、と小声で言ってダグラスはダリアの指を下げさせる。

 

「はい。今回の依頼の件で共に行動させていただきます、《スズネ・ハヅキ》です。よろしくお願いしますね」

「こっちこそ、よろしくな。スズネ」

 

そう軽く挨拶を交わすダグラスとスズネ。会話が弾んだ頃に、最後の冒険者がやってきた。

右手に大きな桑を抱えた麦ら話帽子の大男。上半身は裸体で、傷跡がいくつもある。

 

「おめら、俺と一緒に行く冒険者かぁ?」

 

なまった口調で話しかけてくる大男。少し威圧感を覚えたダリアはダグラスの後ろに慌てて隠れる。その姿を見たスズネはくすくすと笑っている。

 

「あぁ。俺は《ダグラス・ウィンゲート》。この後ろにいるのがダリアで」

「スズネです。よろしくお願いします」

 

ダグラス達は軽い自己紹介をする。それを聞くと、大男は顔が緩み

 

「俺、《タイキ・グリーンファーム》っつぅんだぁ」

 

桑を一度下に下ろす。

 

「いつもは畑、耕してるべ。よろしくなぁ」

「農家さんなんですね」

「ここの野菜、美味いからなぁ。あんたが作ってたんだな」

 

タイキはなまりのある口調ながらも、二人とすぐに打ち解ける。未だにダリアだけ警戒している。

 

「んで、なんて俺、その子に嫌われてるだぁ?」

 

タイキはダリアに目を向けると、ダリアは隠れてしまう。タイキは少し落ち込んだ表情になる。

 

「まぁ、直ぐ慣れるって。そんなに気になさんな」

「わかったべ」

 

顔を上げ、頷くタイキ。さて、これで人数は揃った。

 

「んじゃ、行くとしますか!」

 

「ヘレナさん、人数が揃ったんでそろそろ出発するぜ」

「はい、分かりました。それじゃ、目的地の近くまで飛行島で行くわね」

「よろしくお願いします」

 

ダグラスが飛行島の移動手続きを済ませ、スズネが礼をする。未だにタイキはダリアに警戒されている。

ダグラスは皆のほうに身体を向け

 

「ま、頑張るとしようや、ご一同」

 

そう一言放つ。その後皆が一斉に頷く。目的はデンノ村。この村で、四人の小さな冒険が始まる。





みたいな感じで進行します。メインでやっている小説があるため、こちらは低速更新になるかもしれません。よかったらたまに覗いてあげてください。

始めまして。Hershelと申します。こういう自己満足作品をちょこちょこ上げていくので、暇でしたら閲覧してくださいな。お気に入り、感想などあれば嬉しいです。感想は返信しますので些細なことでも書いてくだされば喜びますw
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