ちょんじさんのモンハン世界旅行   作:乾いた妖怪

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ワールド来月か......。ベルナ村どうしようかな。


進んだような、そうでも無いような

6. 狩猟依頼

 

「おぉおかえりニャル灰のハンター」

「かーちゃんホント名前覚えれないねー」

「フフフ、実はわざとニャル」

「フフフ、知ってるー」

 

「「フフフフフフフフ......」」

「お前ら......」

 

どーも、天を仰いだちょんじさんでーす。探索から帰ってきたら夜になっていたので今日は昨日の次の日。朝起きて真っ先に向かったのはアイルー屋台。中華鍋を背負った料理長と我が主人アッシュは何やら通じ合ったかのように笑い続けております。

 

因みに、さしみんは今回使用したバイクの整備をするために自宅に引きこもっている。

 

「あぁそうニャル灰のハンター、お前サマに依頼が来ているニャルよ、今思い出したニャル」

「え、誰から?」

「ワタクシニャル。ニャハ」

 

灰のハンターってのはアッシュの事、刺身のハンターはさしみんこと刺身魚雷、無口のハンターは土方の事、眉毛のハンターと言ったら眉毛。この料理長はそれぞれ特殊な呼び方をするな。

 

「どんな依頼なの?」

「ワタクシの知り合いの隊商が、遺跡平原の近くのルートで、クンチュウに進行を阻止されているそうニャル。ちょいと行きて、虫の阻止を阻止してほしいニャルよ」

「ほーん、分かった。ソフィアちゃんに聞いてみるね」

 

了承の意を伝えたが、料理長の話はまだ終わらない。

 

「ついでに眉毛のハンターも誘って行くといいニャル」

「マグ?なんで?」

「可愛い女子は虫とか苦手と、相場は決まっているからニャル。それに、あやつは最近ワタクシの屋台を利用してナンパしかしてないから、ここらで一発働いてもらうニャル」

「絶対そっちが本音だよね」

「ニャハ、まぁ肉壁位には役に立つニャルよ」

「分かった。声かけてみるよ」

 

眉毛の扱いひでぇ。まぁ改めて顔合わせをするには丁度いいか、檸檬とかいうあいつのオトモアイルーは正直気に食わんが。

 

アッシュはマイハウスの隣、マグに与えられた部屋に向かう。ノックをして、中から入れと言われたので扉を開ける。

 

「おぉ?アッシュじゃないか。何の用だ?」

「取り立てに来ましたー」

「なっ!?バカな、あの事は誰にも言ってないし口止めもしたのに!」

「そうだね。誰にも聞いてないよ」

「くっ、またお得意の勘かよ!ってかお前が来るのはおかしいんじゃないか!?」

「うるさいなー。で、払うの?払わないの?」

「ぐぐぐぐ......もう少し、あと一週間待ってくれ!それで何とか工面するから」

「待てない今日終わらせて」

「はぁ!?ちょっと急すぎないか!?いくら何でも無理だ!」

 

ナニコレ修羅場?どうなってんだよとアッシュを伺う。すると「後で説明する」と口が動いたので見守ることにした。

 

「そう、払えないんだ」

「い、一週間...いや、三日だけ」

「ダメ」

「っぐぅ!」

 

それまで凄く冷たい顔をしていたアッシュだが、徐に花が咲いたような笑顔に転じた。

 

「そんな君にいい仕事があるよ!」

「嫌な予感しかしねぇよ!!」

「知らない、自業自得」

「......くっ」

 

何も言い返せなくなった眉毛に、クエストの準備を整えるよう伝えて、彼の家を出る(因みにクエストの内容は伝えていない)。そしてそのまま受付に向かう。そこでソフィアにクエストを受注してもらうのだ。

 

ソフィアというのはキャラバンの受付嬢のことだ。知的美人で眼鏡属性を持つ「出来る女」を体現する容姿と裏腹に、モンスター愛が炸裂しまくる残念属性、結構な頻度で躓いて書類をバラまくドジっ娘属性も持った所謂「濃いキャラ」である。

 

「あらアッシュさん、お元気ですか?そうですか」

「返事させて」

「料理長さんからクエストが届いてますよ?」

「うん、遺跡平原でクンチュウだよね」

「もう聞いてらしたんですね、話が早くて助かります。クンチュウの生態について、聞きたいことはありますか?」

 

今眼鏡がキラリと光ったような。見間違いか?

 

「んー大丈夫ありがとう。マグと出てくるから、手続きお願いしまーす」

「そうですか、分かりました。お気をつけて」

 

無事手続きが終了したようだ。眉毛を待っている間に、先程の事を説明してもらおう。

 

「さっきのマグとの会話?あー、あれはね、まぁ時々発生するイベントだよ」

 

曰く、アイルー屋台でナンパ→通ぶってツケで払う→後でちゃんと払う。という流れが、いっそ本当にツケで良くね?となって、ツケでナンパ→ツケでナンパ→ツケでナンパの無限ループ。借金地獄展開余裕と。

 

「にしても今回は12650zかー、随分溜めてたみたいだねー」

「何でそこまで詳しい金額がわかるにゃ?」

 

料理長はそこまで言ってなかったと思うが......

 

「料理長が『肉壁位には』って言ってたでしょ?あれが10000超えてるっていう暗号なんだよ。あとはマグ本人の反応から予想した」

「お前何者だにゃ......」

「たーだーの転生者だよー。ちょっと目が鋭いだけの」

 

もうそれただの転生者じゃないよね。

 

いやただの転生者ってそもそも何だよって話か。

 

「よし、お待たせ!」

「やっと来たか12650z」

「呼び方酷くね!?」

 

眉毛合流。あんまりな呼び方に、彼の後ろについて来ていた檸檬が「このメスコロス...」とかブツブツ言ってるけど流石に実行しないよね?ね?したら阻止するけど。全力で。

 

「で、結局何のクエストなんだ?」

「クンチュウ」

「おk、分かった俺帰って寝るわ」

「逃がさん」

「がああっ、ダメだ!クンチュウはっ!クンチュウだけはダメだ!ゲネルやアルやネルは許すけどクンチュウだけはダメなんだっ!」

「何言ってるの!今回のは自業自得って言ってあるでしょ!それにこのクエストは罰ゲ...贖罪の意味もあるんだから!逃げるなんて許しません!」

「オイコラちょっと本音が聞こえたじゃねぇか!やっぱり俺個人への嫌がらせじゃねぇか!」

 

あ、檸檬、マタタビ要るか?おう、いっぱいあるから持ってけ持ってけ。ん?いやついこの前な、樹海行って来たからついでに採取しといた。ところでさ、お前の主人どうしたのアレ。すんごい取り乱してるけど。あー、脚がいっぱいあるのがダメなタイプなのね。確かにクンチュウぐらいだよなぁ、ああいうのは。

 

「もう!いい加減にしなさい!」

「えげぶっ!?」

 

Oh...喉元にエルボー......下手すりゃ死ぬぜそれ。ん?檸檬大人しいな、どうした?あー、克服して欲しいのか。無理じゃね?諦めない?まぁ頑張れ。

 

「うわぁ時間ヤバイよ!早く出発口に行こう!」

「おう、ってこの荷物眉毛どうするにゃ」

「引き摺ってもいいから早く!」

「お、おう、じゃあ檸檬、頭持ってくれ、俺脚持つにゃ」

「...しょうがないニャ」

 

アッシュを先に行かせて竜車を待たせることにした。そして檸檬に合わせて眉毛を運んでいく。まぁ向こうに着くまでに目を覚ますだろう。覚ますといいな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あーたぁらしーいーあーさがっ来た!きーぼーおのーあーさーだっ。よーろこーびに...」

「煩いよっ!?なに耳元で歌ってんの!?おはようっ!!」

「おはよう!」

「おはようにゃ」

「おはようございますニャ!ご主人様!」

 

眉毛起床。我が主人のモーニング(朝じゃないけど)コールを受け飛び起きた。不満タラタラでも寝起きの挨拶はする所が眉毛が眉毛たる所以なのだろうか」

 

「眉毛関係ないよね!?」

「なにっ貴様読心術を!?」

「声漏れてたから!」

「ねぇマグ、マグ!」

「何だゆぉ!?」

 

茶番を繰り広げる眉毛と猫。割って入るは灰の狩人、その手に持つは......

 

「やめろ!こっち持ってくんな!あっちやって!てか討伐しろよそういう任務だろうがッ」

「ほらほらよく見てみ?だんだん段々可愛く見えて......」

「こねぇよ!無理!ムリだから!」

「ちぇー、分かった」

 

クンチュウだった。しかもあろうことか、アッシュは全力で嫌がるマグの目の前で、クンチュウの生解体ショーを始めた。剥ぎ取りナイフで腹を裂き、中身を抉り出していく。何故か妙に手馴れてやがる。

 

あ、中身はエビっぽい。ちょっと美味そう。

 

「あ、結構イケそうじゃない?焼いてみる?」

「ブルータス、お前もかにゃ」

「あ、ちょんじもブルータス?」

「そんな事より眉毛の顔色ブルーデスにゃ」

「ありゃ、ホントだね」

 

漫才のようなやり取り(てか普通に漫才)を経て何を思ったか眉毛は放置。切り分けたクンチュウを串に刺して肉焼きセットを地面にセット。

 

って食うのかよ!?そんな気はしてたよ!!

 

「加減がわかんないから調整とか無意味だと思うんだあたしは」

「肉焼きの歌は肉焼きにしか適用されないからにゃ」

「そゆこと。うん、こんなもんかな」

 

上手に焼けましたー?

 

「腹が減っては戦は出来ぬってね?ほらマグ、お食べ」

「..............................むり」

「いくらなんでもそれは酷にゃ」

「んーじゃあしょうがない。いただきまーす!」

 

図太さ天下一かコイツ。そして気になるお味は......?

 

「...うん、塩振っとけば良かった」

「まぁ、そんなもんにゃ」

 

余談だがバルバレでは比較的塩などの調味料、胡椒などの香辛料は他所と比べると随分と安価だ。街全体が市場とも言える拠点だから当然といえば当然だな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「っ!転がって来た!ちょんじ!」

「おうにゃ!」

 

下り坂を降りてくるクンチュウをアッシュの目の前に落ちるように武器で弾く。

 

「よしよし来た来たっ!必殺!超ウルトラスーパーダイナミックミラクルハイパーアルティメットグローバルエクセレントデリシャスボンバード迫力シュートオオオォォォォ!!」

 

天地鳴動の蹴撃。アッシュの必殺技、超ウルトラスーパーダイナミック...長いな『ぶっちゃけただの蹴り』が炸裂。飛んでったクンチュウは狙い違わず走り周っていたマグに直撃コースだ。

 

「ぅおおおお!?ふっざけんな!やめろ!」

 

すかさず片手剣の盾、バックラーで弾き飛ばす。その一撃がトドメとなり、動きを止めるクンチュウ。

 

計16匹目の討伐完了だ。あと4匹で依頼完了だな。

 

「次来た!ちょんじ!」

「おうにゃ!!」

「お前らいい加減にしろおおおおぉぉぉ!!」

「ヤッパリコロシテイイカニャ?」

 

遺跡平原に眉毛の悲鳴が木霊した。

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