転生を繰り返す魂を持った青年―ToLoveる偏―   作:総司

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ララって会話でハートマークを出しているけど、スマホでやってるからかハートマークが出せない……。
ハートマークを出してる人はどうやってるんだろう?


第一話

 

高校に入学して約一週間が経過していた。

 

そして一週間でオレの席は窓際の一番後ろになった。

 

理由はこのぬらりひょん独特の重力を無視して後ろに伸びてる髪型だ。

 

後ろの席のクラスメートから苦情が来て強制的に一番後ろに席替えさせられたわけだ。

 

小学生のころから新学年になるたびに一番後ろに席替えさせられる。

 

オレはぬらりひょん独特の髪型はカッコいいと思うんだが……それとこれとは話が別か。

 

「おーいリクオ! 今日ゲーセン行かないか? この間新しいゲームが入荷したしよ」

 

鞄に教科書の類いを入れ、帰宅準備の整ったオレにサルのような顔をしてツンツン頭で中学から知り合いの猿山が話しかけてきた。

 

「悪い、今日は遠慮しとく」

 

「うーん、そうか。じゃ他のヤツを誘うか」

 

オレが断ると猿山は他のクラスメートを誘うためにオレから離れていった。

 

さてと、帰るか……そうだ、味噌と牛乳が切れてたな。

 

買って帰るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「お帰りィーリク兄ぃ」

 

買い物を済ませ、帰ってくると美柑がリビングのソファに座り、ポテチを食べながら雑誌を見ていた。

 

「お父さん今日も帰り遅くなるってさー」

 

「そうか」

 

オヤジは今日も遅くなるのか。

 

オレ、と言うか美柑のオヤジは人気漫画家で複数の漫画を同時に連載している。

 

そしてオヤジは仕事をするためにマンションを借りてそこで仕事をしている。

 

ハッキリ言って一年を通して会わない日数の方が多いと言える。

 

これはお袋にも言える事だが。

 

お袋はファッションデザイナーで海外で暮らしてる。

 

会う回数で言えば海外に暮らしてるお袋の方がオヤジよりも少ない。

 

オヤジはまだ歩いて行ける場所にいるからな。

 

「あれ? どうしたのその買い物袋」

 

「ああこれか? 味噌と牛乳、切れてただろ。冷蔵庫入れとくからな」

 

「本当、ありがとう」

 

美柑との会話を終え、冷蔵庫に味噌と牛乳を入れたオレは二階の部屋に歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リク兄ぃ、先にお風呂入っちゃってよ」

 

今日も美柑の晩飯を食べ終わり、片付けをしていると美柑にそう言われた。

 

「いや、今日は美柑が先に入れ。普段オレの後なんだ、たまには一番風呂をしろ」

 

「でも私まだ洗い物あるし」

 

「洗い物ならオレがする。遠慮するな」

 

オレは美柑を泣かば強引に台所から追い出し、風呂に向かわせる。

 

美柑は普段オレに遠慮してるのか一番風呂はオレに譲り、美柑は洗い物を済ませてから風呂に入る。

 

「少し強引だったかも知れないが、こうでもしないと美柑は一番風呂入らないからな」

 

そしてオレは片付けと洗い物を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リク兄ぃ、お風呂上がったから次入って」

 

「ああ」

 

片付けなどを終え、リビングで適当にテレビ番組を見ていると風呂から上がった美柑がやって来た。

 

「って美柑、まだ髪が濡れてるぞ」

 

「あとでいいよ。今はアイスを食べるか牛乳を飲みたい」

 

オレの横を通り過ぎようとする美柑の腕を掴み、オレの膝の上に座らせる。

 

「きゃ!? リ、リク兄ぃどうしたの?」

 

「どうしたの? って決まってるだろ、美柑の髪を拭くんだよ」

 

濡れたまんまで放置して風邪を引かれても困るし、髪も傷む。

 

「リク兄ぃ強引なんだから……」

 

「いくらでも言え」

 

オレは美柑が持っていたタオルを受け取り、タオルで髪をパンパンと叩く。

 

そしてブラシで髪をとかし、毛先に溜まった水分をタオルでまたパンパンと叩く。

 

次に櫛を使いブラシと同じようにしてこれを数回繰り返す。

 

そう言えば美柑は髪の痛みとか気にするのだろうか?

 

それにあんまり化粧とかにも興味があるように見えない。

 

美柑ぐらいの年頃なら多少なりとも化粧とかに興味を持ちはじめても可笑しくないと思うが。

 

美柑が化粧を少しでもしてるところを見た事がない。

 

今のところあまり興味が無いのか?

 

「ほれ、終了だ」

 

「あ、ありがとう」

 

美柑は一言礼を言うと立ち上がり台所に置いてある冷蔵庫に向かっていく。

 

立ち上がった時にチラッと見えた美柑の顔は赤くなっている気がした。

 

まぁ、風呂上がりなんだ、当然か。

 

『シン、知っているかい? フラグと言うのは案外簡単に立つものなんだよ。ハーレム築ける時は築いちゃいな、You』

 

…………オレを転生させた神の声が聞こえた気がした。

 

……気のせいだろう。

 

よし、オレも風呂に入りにいくか。

 

「あ! リク兄ぃ、リク兄ぃがお風呂に入ったら洗濯するからシャツとか洗濯機に入れといて!」

 

台所へと向かった美柑の声が背後から聞こえた。

 

「わかったよ」

 

そういや昨日は洗濯物少なかったな。

 

昨日と今日のを纏めて洗濯するわけか。

 

……今日はオレのあとの方が美柑としては助かったかもしれないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

髪と体を洗ったオレは浴槽に浸かっていた。

 

「ふう……」

 

風呂はやはりいい。

 

「ん?」

 

オレが浴槽に浸かっていると ボコッ ボココッ と空気の泡のようなものが現れ、バチバチ と電気のようなものが泡の周りを走る。

 

「……こいつはなんだ?」

 

そして泡の周りを中心に光だし、浴槽が爆発した。

 

「グハッ」

 

爆発したことにより浴槽にたまっていたお湯はオレの顔面に向かって来たり、お湯の雨をオレにプレゼントした。

 

いや、それよりも重要なことは先ほどまでオレ以外には誰もいなかったのにいきなり一人の女が現れた事の方が重要だ。

 

「んーーっ 脱出成功っ!」

 

オレの目の前に急に現れた女は全裸で桃色の髪を伸ばし、スタイルのいい美少女だった。

 

この女、どうやってここに来た? 転移魔法? いや、この地球上に魔法が無いのは確認積みだ。

 

となると機械を使用してのワープ? いや、それもあり得ない。

 

オレの前世ならともかく、この世界の文明レベルはそこまで発達していない。

 

じゃあどうすればここまで急に来れる?

 

……そもそもなんで全裸なんだ?

 

「ん?」

 

オレの存在に気づいたのか女は首を傾けながらオレを見る。

 

「…………取りあえず前を隠せよ」

 

こいつは男に裸を見られても大丈夫なのか?

 

オレが裸を見てしまったにも関わらず怒る事も悲鳴をあげる事もしない。

 

いや、悲鳴をあげられるとオレも困るが……。

 

取りあえずバスタオルを貸すか。

 

いろいろと聞きたい事があるが全裸では問題がある。

 

オレは浴槽から上がり、バスタオルを取りに出た。

 

「リク兄ぃ! 急にお風呂から出てこないで!」

 

ドアを開けると美柑が洗濯した服などを干すために洗濯機の蓋を開けてる途中だった。

 

「あー、悪い」

 

「ねえ、さっきお風呂場からスゴい音してたけどなにしてたの?」

 

「浴槽が爆発して桃色の髪をした美少女が急に現れた」

 

「は?」

 

美柑は信じられないと言った顔をしてオレを見てくる。

 

確かに普通は信じられないよな。

 

「信じられないなら浴槽を見るといい、裸の女がいるから」

 

口で言っても信じられない事は実際に本人の目で見た方がいい。

 

「誰もいないけど……」

 

「……なに?」

 

美柑の言葉を聞き、浴槽を見直すと女はどこにもいなかった。

 

「リク兄ぃ……年頃なのはわかってるけど、妄想と現実の区別くらい――痛!」

 

小悪魔てきな笑みを浮かべる美柑のデコにデコピンを一発喰らわす。

 

美柑は少し涙目になりながらデコを押さえ、オレを見てきた。

 

…………少し強すぎたか。

 

「言っとが、オレは現実と妄想の区別くらいつくぞ。それと悪いが寝間着に着替えるから少し離れてもらえるか」

 

「むーーーー」

 

美柑はデコを押さえ、涙目のまま離れていく。

 

……謝罪として今度なにか買ってやるか。

 

そしてオレはバスタオルで体を拭き、寝間着に着替える。

 

しかし、あの女はいったいなんなんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風呂から上がったオレは階段を上り、自分の部屋のドアを開ける。

 

「あ、タオル借りてるよー」

 

「……なんでいるんだよ」

 

先ほど浴槽に突如現れた女がバスタオルを体に巻いてオレのベットに座っていた。

 

「聞きたいことはいろいろとあるが、お前誰だ?」

 

「私? 私ララ」

 

「ララ……外人か」

 

「外人って言うより、デビルーク星から来たの」

 

「つまり宇宙人か」

 

「まぁそーゆー事になるね――地球から見たら」

 

なるほど、宇宙人か。

 

この世界は宇宙人がいるのか……驚きだ。

 

それに日本語が通じてる、日本語は全銀河共通の言葉だったのか……。

 

しかもララは地球の事を知っているが、オレはデビルーク星なんて知らない。

 

そしてララはそのデビルーク星から来たと言っている。

 

つまりデビルーク星ってのは地球よりも文明が進んでいて宇宙船があり銀河をまたにかけて移動出来る。

 

「でだ、なんでいきなり風呂場に現れた?」

 

「ああそれはね、これを使ったの!」

 

ララはオレに左手首を見せる。

 

左手首には……ウサギ? いや、なんか違う。

 

ウサギ? のようなブレスレットが付けられていた。

 

「コレ!! 私が作った『ぴょんぴょんワープくん』!! 行き先の指定は出来ないけど生体単位での短距離ワープが可能になるの!」

 

「ワープか、それはスゴいな。しかし、そんなものを使うって事はなにか起こったって事だな」

 

なんせなにも起こらなければ使う必要がない。

 

しかも行き先の指定が出来ないって事は下手をすれば海底や岩の中にワープする可能性だってある。

 

もっとも、ララの言う短距離がどれくらいなのかわからないし、ワープして死ぬような場所には行かないようにしてるのかも知れない。

 

「追われてるんだ…………私」

 

追われてる? 単純に考えれば身代金目的の誘拐が思い浮かぶが、他の理由もありえる。

 

「地球まで来れば安全だろうって思ってたけど追手が来ちゃって…………ヤツら船に乗せられてもう少しで連れ去られる寸前だったの。このリングを使わなかったら今頃…」

 

『ララ様――』

 

部屋の窓を開け、けったいなヤツが入って来た。

 

生き物としての気配がない――ロボか。

 

「ペケ! よかった――!! ペケも無事に脱出出来たのね!」

 

『ハイ! 船がまだ地球の大気圏を出てなくて幸いでした!』

 

ララとペケと呼ばれたロボは再会出来たのが嬉しいのか笑顔……いや、ペケの方は表情が無いからわからないが、抱きあう。

 

『ララ様、あの目付きが悪く、変な髪型の地球人は?』

 

ペケはオレに気がついたらしく、オレを指さしながらララに聞いてきた。

 

しかし、初対面の相手に随分な言いぐさだな。

 

「この家の住人だよ。そー言えばまだ名前聞いてないね」

 

……オレ、名前言ってなかったな。

 

「リクオ、結城リクオだ」

 

「ふーーん、このコはねーペケ」

 

『ハジメマシテ』

 

「私が造った“万能コスチュームロボット”なの」

 

コスチューム、つまりあのペケは服に変身するのか。

 

そしてララはバスタオルを取り、ペケに“ヨロシクー”と言うとペケの体が光だし、裸だったララを包み込むとララは体のラインがハッキリとわかる服を着ていた。

 

それにララに尻尾があったな。

 

あれがデビルーク人の証か?

 

だが、日本語は通じても地球人と宇宙人とじゃ服の概念が全く変わるもんだな。

 

あの服かなり恥ずかしいぞ。

 

それにララとペケが会話をしている。

 

どうやら変身しても会話は出来るようだ。

 

――――――なにかが高速でこの部屋に近づいて来てる。

 

ララの言ってた追手か。

 

「ララ」

 

「なに?」

 

「来るぞ」

 

オレがそう言うと同時に開けられた窓からサングラスをかけ、黒服の二人の男が土足で侵入してくる。

 

そして二人の男にもララのような尻尾が生えていた。

 

しかし服越しでもわかる、この二人かなり鍛えられてる。

 

一般人、いや、例えボクサー等と言った格闘技等で鍛えた人間でも勝てないだろう。

 

オレが二人の男を観察してる間にも話が進んでいき必死に抵抗するララを無理矢理連行しようとしていた。

 

ララと出会ってまだ一時間も経ってない。

 

だが、ララのあれだけ必死な姿を見るとな。

 

誰かを守りたいと思う気持ちに出会ってからの時間は関係ないな。

 

オレは右手をララを拘束しようとしている男とは違う方に狙いを定め、魔力を集束し、圧縮していく。

 

圧縮しなければ集束するほど巨大な魔力の塊が出来てしまう。

 

それに、圧縮すれば周りの被害も少ない。

 

魔力を圧縮していった結果、オレの手には握り拳サイズの真っ黒な魔力の玉が出来上がる。

 

もう少し集束と圧縮をすれば段違いの威力になるが、この家を破壊するわけにもいかない。

 

「一人は退場願おう」

 

オレはそのまま魔力を男の一人に向かって放出する。

 

「ガッ!?」

 

放出した魔力は無防備な男の脇腹に命中し、高速で開けられた状態の窓から飛ばされていった。

 

「なんだ!? 地球人! きさま今なに――!?」

 

ララを拘束していた男はララの拘束を緩め、叫びながらオレを見るがオレは殺気をぶつけながら相手が襲って来てもいけるように畏も発動させる。

 

畏なら技を発動するのが簡単だ。

 

だが、魔法なら魔力を放出し、圧縮あるいは性質変換等と言った事をするためタイムラグが少なかれある。

 

(なんだ、この地球人の殺気は! まるでザスティン隊長から向けられた殺気のような……)

 

「ララが何者でなぜお前たちに追われてるのかは知らない。だがな、嫌がっている女を無理矢理連れていくのは感心しないな」

 

「リクオ……」

 

「クッ! 地球人、今日は退いてやる! だが、後日ザスティン隊長が地球人の前に現れるだろぅ! ララ様も帰る準備をしておいてください」

 

残った男はそう言い残し、オレとララの前から姿を消した。

 

しかし、オレとララとで口調が違う。

 

もしかしてララはデビルーク星の貴族のような存在だったりするのか。

 

「リクオってスゴいんだね! 私みたいに発明品持ってるの?」

 

男がいなくなり自由になったララがオレに近づき、オレの右手を掴んであらゆる角度から見てくる。

 

「別に発明品を持ってる訳じゃない。オレには少し特殊な力があるだけだ」

 

「そうなんだ」

 

「今日はもう安心だろうがねんのためにこの部屋で寝てろ」

 

本来なら追われてる理由を聞きたいところだが、出会って間もないオレが聞き出しても答えるとは思えない。

 

…………………ララなら答えそうだ。

 

 

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