3度目の人生は静かに暮らしたい 作:ルーニー
あれは嘘だ。
いやまぁ自分の中ではそう言うわけではないのですが、全然話が進まない。どうしてこうなった。
「…………」
夢を見ていた。懐かしくもあり、同時に忌まわしい
それを見ていた俺は、それを夢であると理解できても抜け出せないでいた。普通ならば夢であると自覚出来た瞬間には眠りから覚めるはずなのに、醒めることはなかった。
それに戸惑いを感じながら、しかしそれでもなお流れ続けるそれを俺はただ見続けることしかできなかった。
まず映し出されたのは雑木林が茂る空間だった。学外学習という名目でこの地を訪れた俺たちは環境を守る人たちの仕事についてを学んでいた。
森の中だということで年甲斐もなく友人と秘密基地だのなんだのとはしゃいで、それを見つけた先生に怒られて、べつにいいじゃねぇかと文句を言って、そして吹き出すように笑っていた。中学生だからこそ出来た、気分も高揚とした、この時だからこそ出来たことがあって本当に楽しかった。
次に映し出されたのは綺麗な海の見える空間だった。仲の良かった友人が男女ともに水着になり、砂浜や海の中で遊んでいた。
砂浜では大きな、無駄に立派な城が築き上げられ、男に女体として立派なものが出来上がっていた。それを見て俺を含めた全員が笑っていて、それをされた本人は恥ずかしかったのか顔を赤くして暴れていた。海ではライバルだと言い張っている2人が遠泳をしてした。2人ともいい勝負で、どちらも本気で泳いでいたせいか砂場についたときには2人ともぐったりとして倒れていた。昼には素朴な、具の少ない焼きそばやカレーを文句を言いつつも笑みを浮かべてみんなで食べていた。
次に映し出されたのは複数人が机に座ってカードを手に握っている空間だった。それは部活動でボードゲームやカードゲームをしていたところだ。
手に握られていたカードには和風チックに書かれたゴキブリやカメムシ、ネズミが描かれており、それを伏せて隣や正面の人に対して何かを言いながら差し出していた。その空間では自分がやっているもののほかに1、3、6と書かれたカードにコインの絵が描かれたカード、8組の表になっているカードの山を何枚もとっては一喜一憂する友人。そこには、間違いなく普通の日常があった。
そして、最後に映し出されたのは、俺の、知り合いと、小学生から高校生ぐらいのクラスメイトと、友達と、親友と、先生の、腕、足、胴、頭、死体、死体死体死体死体死体、その周りには魚面の鱗の生えた人間もどき蛇の頭部を持つ人もどき、巨大な雲のような姿をした異形、巨大な魚面の異形、ゼリーのような身体を持つ様々な器官を外に出している化け物、蛙のような頭部を持った毛の生えた化け物、他にも正気無くして見ていられないものどもが辺りを囲っている。そして、その中に立っている、
ま た 会 お う
そして、男は、身体を、肥大化させて、液体を滴らせた触手をいくつも出し、この世のものとは思えない声を、笑い声を上げて、人を、
いやだ。嫌だ、
まだ生きている親友を助けようとするが、身体は全く動かなかった。ただ、
その時だけ、身体は動くようになった。慌ててその触手の行く先を見ると、その先には、家族が、
赤い花を3つ、床に咲かせた。
お……いで……たす……くだ……。
呆然と、何も考えられなくなった俺に、声が、聞こえる。まるで少年のようなその声は、きっと
おねがい……助けて……。
ぐるりと、全身がありえない方向に曲がっている知り合いが、下半身がミンチになったクラスメイトが、頭だけしかなくなった友から、顔の半分が消え去った親友が、なんの色も無くなった闇のような目をこっちに向けてくる。その表情は、どうしてお前が生きているんだと、そう言いたげな表情で俺を見ていた。
やめろ。そんな目で俺を見るな。俺は、助けようとしたんだ。だけど、身体が動かなかったんだ。足も、腕も、指先も、口も、何もかも動かなかったんだ。
助けて……。助けて……。
助けて……助けて……。
助けて助けて。
助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて。
少年の声だったものは、いつの間にかノイズのように変わり、少年や少女、青年、男性、女性へと変化していく。そして、その声はいつしか、怨嗟へと変わっていった。他人を蹴落としてでも救われようと、ただただ自分だけが助かろうとしている怨念が、俺に向かって近づいてきていた。
やめろ。
その顔は、苦痛で顔が歪み、怨念で顔は人でなく、顔の半分が無くなり、けどしっかりと俺を見て少しずつ俺へと近づいて行った。
来るな、来るな!
逃げたくても、身体は動かない。呼吸だけが荒くなり、必死に足を動かそうとする。そして、下がろうとした右足が、スライドするかのように動いた。だが、動いたと思えばまた動かなくなり、バランスを崩して背中から崩れ落ちた。
そして、それを絶好の機会と言わんばかりにズルズルと俺の知る顔をした化け物が近づいてくる。それから俺は逃げることができず、ただそれが来るのを待つことしかできなかった。
やめろ!俺は、死にたくない!まだ、生きていたいんだ!
そんな願いすら叶わないのか、それらは俺の足に、身体に、腕にしがみつく。触れられたところから鉄のような、しかし生温かさすら感じる臭いが鼻腔を刺す。ぬたぁとした気持ち悪い感触と、決して放すことのないキツく握られる。
そして、そのまま、手が、顔が、闇が、俺の頭を、胸を、脳を、心臓を、掴んで……
そ し て … … 。
「しんや!しんや!」
「っ!?」
気が付けば、目の前にははやての顔があった。荒い呼吸のまま辺りを見回すと、俺は居間のソファに寝かされていたのが理解できた。まだ荒い息をなんとか整えようと深呼吸をし、心配そうに俺の顔を覗き込むはやてはやての後ろには父さんと母さんが心配そうに俺を見ていた。
「よかった……!やっと起きたんやな……!」
安心したようにはやては俺に抱き付く。父さんと母さんはとため息をついて各々椅子に座り、すぐに俺の調子を調べるためか脈や体温を測り始めた。
「……どう、したんだ?」
「どうしたって、それはこっちのセリフやで!急に倒れたと思ったらうなされ始めるし、顔色も悪くなるし、心臓やって止まったんやで!?」
抱き付いていたはやては目じりに涙を貯めて、必死に泣かないようにしているのが目に見えてわかった。
……心臓が、止まった?死に、かけたの、か?俺は?
「っ……!」
突然、脳裏にさっきまで見ていた景色が映し出され、そして次の瞬間にはあの玉虫色の不定形が目の前に広がっている映像が映し出された。それを認識し、理解する前に胃の中のものが逆流してくる。慌てて口に手を当てるが、それでも胃の中のものすべてが口の中を蹂躙し、容量が収まりきらずそのまま外へと溢れ出た。
「ごぶっ!ごほっ!ぉぇっ……!」
「しんや!?大丈夫なんしんや!?」
不幸中の幸いというべきか、はやてには吐瀉物はかからなかったが俺の服やソファ、床に飛び散り嫌な臭いを出していた。
「信也!大丈夫か!?」
「ぉぇっ……!ぉっごほっ!はぁ、はぁ……」
父さんが背中をさすり、一通り胃の中のものが吐き出されたからか何とか呼吸できるようにはなった。しかし、まだ気持ちの悪さ、気分の悪さは一切取れることはなく、ただただ胸のムカつきと吐瀉物の不快な臭い、臓器の不調が脳に突き刺さった。
「大丈夫か?」
「……だい、じょうぶ……」
なんとか息を整えようとするが、無理だ。脳裏に玉虫色の不定形が、
全身が震え、顔から血の気が引き、歯がかみ合わない。満足に体を動かすこともできず、
「もう、今日は安静にしていなさい。もし明日も調子が悪いようなら学校にも休むことを連絡するから、安心しなさい」
「…………」
母さんの言葉に、返事はできなかった。無理やり体を動かし、自室に向かってフラフラとしながら歩く。机やいす、壁、そして段差に手をつきながら、自室に入る。
……準備、しなくては……。
「……彼は大丈夫でしょうか?」
「あぁ、申し訳ない。うちの長男があなたの顔を見るなり気絶するなんて」
「いえ。それについては確かに傷ついた部分もあるのですが、数秒とはいえ心臓が止まるなんてことがあるなんて。不幸中の幸いというべきか、幸運だったと言うべきか。すぐに意識を取り戻して本当に彼よかった。あの姿を見ているとむしろ彼の心配しかないですよ」
「詳しく診ないとわからないですが、あの様子は心的外傷によるものだと思います。失礼ですが、息子と何かありましたか?」
「いえ。彼と顔を合わせたのはこれが初めてですよ。しかし、心的外傷ですか。いったい彼になにがあったんでしょうか」
「そればかりは、親である私たちも分かりません。何度か聞いたことのですが、どうも口が堅くて教えてくれないんですよ」
「……あまり私が踏み込んでいいものではないですね。失礼しました」
「いえ、いい子なのは間違いないのですが、どうも非現実的なものを信じる節がありまして」
「非現実的な……?いわゆるオカルティックなものですかな?」
「えぇ。それに、なぜか混じりっ気のない純粋な金属や、最近だとナイフも欲しがるようになりまして。まるで見えない何かに怯えているようにも見えるんですよ」
「……そう、ですか。いえ。これ以上はさすがに聞くモノではないですね。では、これで私は失礼します」
「わざわざ落とし物をお届けしていただけたのに、何もできずに申し訳ありませんでした」
「いえいえ。私は当たり前のことをしたまでですよ。それでは、彼にも身体を大事にしてくださいとお伝えください」
「本当にありがとうございました、名井牧師さん」
みなさん、感想欄で主人公を化け物みたいに言ってましたけど、主人公は人間ですからね!?どこぞのインスマス面の探偵やトリガーハッピー、戦闘民族みたいな戦闘力なんてないですよ!?
呪文なんてどれも最低1ラウンド、おおよそ10秒前後かかるものばかりです。それを戦闘中に、しかも味方なんていないのにできるわけないじゃないですか!戦闘力なんて成人男性にも満たないものです。準備していなければ数の暴力で勝てるわけないんですよ!
もう一度言います。主人公は一般人です!正気を失ってて邪神とそれに類する脅威に怯えている、魔術や儀式を行っている至って普通の一般人です!←
と、まぁそれは置いておいて。冗談抜きでいい加減無印だとわかる描写を入れたい。だけど主人公が扱いにく過ぎて本編に介入しにくい状態になってしまった。誰だこんな主人公にしたのは!私だチクショウ!
いや、本当に主人公が扱いにく過ぎる。原作キャラに会うことはできても事件自体に介入なんて、A'sに行くまでできるのだろうか。おかげでどうやって原作に絡ませるか頭抱えている状態です。もっと単純な主人公にすればよかった!
いい加減魔術や儀式を行う様を書きたい←