3度目の人生は静かに暮らしたい 作：ルーニー
ティンダロスの猟犬弱すぎぃ！という声が多いですねぇ。さすが猟犬安心と信頼の恐怖ですね。知ってたら誰だって相手したくないですもんね。
というか未来過去を見ると猟犬が来るなんてメリット以上にデメリットが大きすぎな気が……まぁクトゥルフだしね(白目)
「……失敗したか……」
狂信者共がいるとわかった現在。忌々しいことだが、授業を受けなければ行動ができなくなるため小学校にきたのだが、そこでやや疲弊した様子の高町を見て、ティンダロスの猟犬が奴らを■すことに失敗したことを理解した。
「ティンダロスの猟犬を退けるだけの力を持っているということか……」
だが、ティンダロスの猟犬は不死の存在。封印をしなければ決して追うことを止めない存在だ。特殊な呪文と真球を用意しないと封印することはできない。
ただ、奴を一時的に退けることはできたはずだ。読んだ手記には何年も前に消えたティンダロスの猟犬に襲われたと書かれていたものがあった上に本人からそれを聞きだすことができたから知っている。まさかとは思うが、あのティンダロスの猟犬を倒したのか？
だが、高町は見たところティンダロスの猟犬の舌を受けたような様子はない。あの場にいたのは高町と同じぐらいの年齢の子供だけだった。機械的な杖のようなものを持っていたが、精々が警棒かスタンガン程度のものでしかないはずだ。あんなものでティンダロスの猟犬を倒したとは思えない。
……いや、まさか、ティンダロスの猟犬を封印したのか？いや、まだわからない。やつらがティンダロスの猟犬を理解しているのかどうか、調べなければ分からない。
ティンダロスの猟犬に通常の攻撃はほぼ意味をなさない。魔術的な攻撃を行って初めてダメージを与えることができるんだ。通常の武器や兵器でダメージを与えるには多量の、それこそマシンガンやミニガンと言ったようなものでないとやつを倒しきることはできなかったはずだ。これから考えるに、奴らは魔術師であるということはまず間違いないだろう。
だが、ティンダロスの猟犬を封印したとは思えない。もしかすると、ただ追い返しただけの可能性もある。再び高町をつけ狙う可能性がある以上、こっちで封印する方法を立てておかないと自分の身も危ないか……。急いで真球を手に入れる必要があるな。
しかし、やつらは一体何者なんだ？ティンダロスの猟犬を利用するためにわずかしか接していなかったが、それでも魔術師というには年齢が低すぎる。
狂信者の子供か？あり得ない話ではないか。子供すら利用する連中とは、さすが狂信者だ。が、子供だろうと容赦はしない。俺の日常を壊すようなら、■す。関わっているであろう人間クリーチャーすべてを■す。
だが、やつらは何を知っている？何を利用している？
炎の精を理解していない様子を見るにシュブ＝ニグラスに関する記述のみがある魔導書を読んだ魔術師の可能性が高いだろう。だが、奴らはなぜシュブ＝ニグラスを召喚しようと考えているんだ？豊穣を狙っているのか？だがこの土地で豊穣を願ったところで大したことにはならない。
世界の混乱を望んでいるのか？それならばアザトースを呼べばそれで事足りる。思い出したくもないがナイアルラホテプでもそれは十分に、いや、あの邪神は自分で勝手に行動を起こしているか。
分からない。奴らが何を望んでシュブ＝ニグラスを呼ぼうとしているのか。何が目的で邪神を呼ぼうとしているのか、分からない。
今までの被害を見るに、人的被害は森林での被害以外にほぼない。森林テロでも人的被害は破壊された物での傷がほとんどだ。無いに等しい。テロ以前に行方不明となった人物もいないようだが、この街の外を考えるとそれも意味はない。だが邪神を呼ぼうとしているのに多くの人間がいなくなったという情報は一切入ってきていない。長年の行方不明者を数えれば可能になる程度の数にはなるだろうが、それだけ長い時間を費やしたというのに、そんな慎重なことをして来たやつがこんな簡単に露見するような真似をするとは思えない。
邪神を呼ぶために行動を起こしているのなら、もっと大々的な、それこそ教団が存在してもおかしくはないのに、どうしてここまで稚拙なことが起きている……。
「……まて。本当に奴らは邪神を呼ぼうとしているのか……？」
ふと、今まで感じていた違和感が、それであると仮定するならパズルがピッタリと埋まったかのように無くなって頭の中で様々な予想が立てられていく。
「邪神を呼ぼうとしていない？逆にシュブ＝ニグラスとは知らずに呼ぼうとしている？眷属だけを呼び出して満足している？本当にテロを行おうとしている？何をしたか分からずに放置している？何をしたのか理解できていない？召喚したことすら気が付いていない？」
考えれば考えるほど、やつらが何を考えているのか分からなくなる。何を見て感じ、何を感じて崇拝し、何を崇拝する根拠とし、何の根拠を基に行動しているのか。
だが、それが狂信者だ。通常では理解できないことを平然と盲信しているからこそ狂信者であり、盲信しているがゆえに理解できない行動をとる。
そして、狂信者に年齢はない。親、友人、隣人、教会、宗教、教師。幼い子供はそれらから強く影響を受け、狂っていく。そこに疑問はない。"みんながそうだから"自分もそうしているとしか思っていないから。
だが、あくまでも家族全員が狂信者である可能性があるというだけだ。高町がどこかで狂信する対象、あるいは狂信者に出会った可能性がある。
「高町の家を見張るか……」
高町の住む場所は知っている。そこで情報を集めた方がいいかもしれん。だが、今知能と言語能力を持つ神話生物はいない。星の精は言葉を出すことができない。屍食鬼は作った故に知能が低い。ゾンビも同じだ。
屍食鬼でもキミタケのように特殊な条件で屍食鬼となって人の知性を持った存在もあるが、ここにキミタケのような存在がいたのか確認もとれていない。いれば利用することができたのだが、いないものをねだっても仕方ない。
どうする？これまでと同じように星の精や屍食鬼を使って怪しい奴らを片っ端から■すか？だが、そんなことをしたら奴らの使っている魔術が、ティンダロスの猟犬を傷1つも負わずに対処できるような魔術を持つ奴らの背後が何なのかを明確にしないまま殺すのはマズい。
今までは黒い仔山羊を召喚した奴を殺せばいいと思っていたが、ティンダロスの猟犬を倒したとなれば話は別だ。やつらはどうやってティンダロスの猟犬を倒したんだ。何の魔術を使ったんだ。なぜ、傷も負わずに対処できたんだ。
ティンダロスの猟犬の対処の仕方を知っている可能性はある。あるが、それならばなぜシュブ＝ニグラスを求めている？もしくは黒い仔山羊のみを望んでいた可能性もある。
だが、その理由はなんだ？狂っているがゆえに、ただ見たかっただけなのか？召喚したかっただけか？それとも、誰かを殺すためか？
「……いや。待て。怪しい存在と言えば、ずっと前からいるじゃねぇか」
そうだ。ここ最近ずっとこっちを、はやてを見ていた猫がいるじゃないか。
ここ最近は見ないと思っていたが、まさか、ずっとはやてを見ていたのははやてを生贄にするために？黒い仔山羊の生贄を確保できたからいなくなった？
また現れるようになったのは、シュブ＝ニグラスの召喚の生贄にするためにすきを狙っている？
「……■す」
……いや、落ち着け。感情的になるな。猫の主を■すのは確定だが、他の連中がそうである可能性があるというだけでまだ確定したわけじゃない。
以前もあっただろうが。ろくに情報を集めずに敵だと思って■した連中が、俺と同じ災厄を防ごうとしていた連中だったことが。■されかけたことだってあった。
その結果どうなった。邪神が、古の神が地球に来ただろう。なんとか追い返すことができたが、それでも精神も、身体も、街も見る影もなくなっただろうが。
まずは、情報だ。正しい情報がなければ、また邪神が来る。正しい情報を持たなければ、はやてが、死ぬ。父さんと、母さんも、死ぬ。
「……従属させるか」
あの事件が起きてからずっと持っている魔力の籠った鉄を握りしめ、座っている高町に視線を向けた。
やるときは、誰も高町に目を向けていない授業の中で、だ。
頭の中で高町にかける呪文と時間、そして情報の伝達方法を考えながら、静かにその時を待つ。
もし、狂信者なら、高町とそれにかかわる全てを、■す。
早くヴォルケン戦隊と会わせたい。というか早くA's行きたい。でも展開を進められない。
もうどうすればいいのよ！(逆ギレ)
ということでどうも。専門学校行くことになってもはや余裕がなくなってきた作者です。
いやぁ。猫にとばっちりが行きましたね！ついでにおじさんにも！はたして猫ちゃんズは生きていられるのか。こうご期待！(ﾃﾞｷﾈｪ
ティンダロスの猟犬について様々な意見が来ましたが、個人的にここまで弱くしたのは相手にしてるの魔術師じゃなくて魔法を使うことに長けている魔導士だからという理由です。
さすがに普通の魔術も少ししか知らない人と同じように苦戦するのもどうなのかなぁという考えがあったのであぁなりました。
でもアースラの乗員何人かはPOW吸い取ってもよかったですね。そこは失敗でしたはい(ゲス顔)
ということで、ついに原作キャラに魔術かけ始めましたようちの主人公。思考の迷走も始まりましたし、下手すれば原作キャラまともに生きていられない可能性が出てきましたよ。
いやはやなの覇さんたちの運命はどうなるんでしょうねぇ。
いやホントどうしよう(ﾎﾞｿｯ