元1話を分離させました。
長すぎたもので…。
それでは、新2話です!!
どうぞ。これは転生する直前の話です。
Vol.2 Breakup
西暦2015年、7月16日。天気、曇り。
「よっしゃあ!6-3で
俺は今、最高に喜んでいた。
天にも喜びを突き上げんばかりにガッツポーズしていた。
6月26日のアップデートから早20日、S勝利したのに何故か出ない、という苦節をたくさん経てようやく手に入れたお気に入り空母である。
喜ばないわけがない。
今のどんよりとした曇り空とは真逆の喜びようだ。ヒャッハァァァァァァァァァ!!!
「ぜってー手放さねぇ。お前はもう俺のもんだ○龍ぅー」
幸運のあまり、意味不明な言語が俺の口から出てくる。
―――だいぶキモいセリフだが、今はまぁしかたがないだろう。後生だから許してくれ。
…お、読者のみなさん、こんにちは。このたびは、俺の良く分からん日記みたいなもんを見てくれてありがとう。
…せっかくだし、自己紹介でもしようか。そのほうが分かりやすいだろう。
俺の名前は
自分で言うのもなんだが、家事全般が基本的に得意で、特にラーメンを作らせたら高校生で俺の右に出る者はいないと思う。―――自信のある奴はかかってこいや。
…んで、俺は基本
特にラノベは、本当に大好きだ。G○文庫は神だと思う。
最近は艦○れにどっぷりハマっちゃっている。はじめたときは、まさか総プレイ時間が4000時間を超えてしまうレベルまでハマるとは思っていなかったぜ。よく高校受験通過できたな、俺。
そして俺は、艦こ○を見るたびに、「ああ、俺もリアル提督になってみたいなー」と本気で思うのだ。
そう、
俺は、―――「異世界」というものに本気で憧れている。
ワクワクドキドキの冒険に、手強いモンスターとの戦い、そして出会う―――美少女。
これさえ揃えば、後は完璧に愉しむほかない。
いやだって、美少女に好かれるって、そりゃ最高だとは思わないか?
天空から落ちてきたら必ず美少女と出会う。
本当に、異世界というものはつくづくうまく出来ていると思う。
俺の中にある、大きな信念が、そこへ行くことを後押ししてくる。
その信念は、「可愛いは正義」だ。
いつでも思うが本当にそうだ。可愛い女の子は、何時だって場を和ませるための起爆剤、いなかったら最悪だぜ。まぁ、世のブスを侮辱しているわけではないんだがな、それでも面白いヤツはいるし。
そして小説家○なろうやハーメ○ンで読むネット小説で、異世界に転生して頑張る主人公は、皆すごくカッコイイ。ハーレム作って、努力して、真っ直ぐな生き方で。
俺は、本当に、ソイツらになりたかった。
…うん、なりたかったのだ。
現実には、なれるわけがない。
―――まぁ、なれないことなぞ普通に分かってたしさ。俺はいつも、そういう夢を見ては諦めて、日々を過ごしてきたんだ。そう、ただのロマンチストなのさ…。
男はロマンチスト、女はリアリスト、とはよくいったものだ。
俺らの心情を、的確に表している。
俺ら男は、誰しもが、心にロマンを持って生まれてくる。
ロマンは一言では説明できない。一人一人の、自分が内に秘めるものによって、大きく違う。
それが俺は、世間一般で言う「異世界転生チーレム無双」っていうやつだっただけだ。
うん、以上、自己紹介終わり!…なんか書いてて悲しくなってきたぞな…。
「お休み、
さて、その異世界転生願望が強い16歳男である俺は、そろそろ眠ろうかと長い欠伸をする。
人間の3代欲望のひとつは睡眠だからね。1日くらい眠って過ごしたい。が、艦○れを捨てることは俺にはできない…。
うーん、難しいね、選ぶって。
「―――はぁー…。今日も3時間超えてるな…」
もちろん、しっかりセーブをしてパソコンの電源を落とすことも忘れない。
―――ちょっと名残惜しいけど、仕方ないんだぜ…俺は徹夜なんてできるような人間じゃないしな…。
雑念を首を振って追い出す。いらない雑念。消えよ煩悩!
―――ま、俺には軽く除夜の鐘以上の煩悩があるんだけどな。1700回くらい鳴らしてくれれば、ちょっとは変わるかもしれんが。
「んー、しょっ、と」
無駄なことを考えながらも、手早くパジャマに着替える。
そして電気を消すと、布団にもぐりこんだ。
毛布をかぶって、包まる。
―――あ、言い忘れてたけど、今は7月16日の
まあそのせいで最近睡眠不足が激しいんだが。眠たいんだこれが…現国とか死ぬぞ俺。
でも、そうも言っていられないような学校生活だしなぁ。矛盾。
―――つまり、○これは大事だということだろうか。オオゴトじゃなくて、ダイジ。
普段どおりにベッドに飛び込んで、普段どおりに眠る。
そんないつもどおりの日々が終わりそうになっていた、
―――そのときである。
俺の部屋が、異変を示す。
…チック、タック、チクタク、チクタクチクタクチクタクチクタクチクタク―――。
俺の部屋の時計が、ひとりでに動き出したのだ。
「―――ん?なんだ?」
俺はそれに気づいて、むくりと起き上がった。
そして部屋にかかっている、シンプルなアナログ時計に目を向ける。
あれは100均の時計だが質はいい。狂うなどということはまずありえないのだが…。
しかし俺はそれを見て、普段の40倍くらい驚く。
「―――な、なんじゃこりゃあ!?」
思わず、そう声を漏らさずにはいられなかった。
何せ、時計の長針と短針が、猛スピードで左回転しているのだ。
1と3のところにあったはずの針は、いまや回転しすぎて取れるのではないのかと心配してしまう位の速さで、大きく回っている。
「―――え、まさか、他の時計も?」
まさかと思った俺は、急ぎ愛用の目覚まし時計をチェックする。
表示が「2015年7月16日、午前1時13分」だったディジタル目覚まし時計も、液晶に表示されている数字は、めまぐるしく変動していた。
というかもう変わりすぎて、新種の故障にしか見えない。
…何か壊れてしまったのかと判断した俺は、バシバシと時計を叩く。
―――しかし、戻らない。
(…んじゃぁ、電池換えてみるか)
電池をとって、一回リセットしてから、もう一度電池を入れる。
―――結果は、変わらない。元の故障状態に戻っただけ。
(―――おかしい)
何かが、明らかにおかしい。
現代人の範囲では、説明できないことが、今この部屋に起きている。
俺は、なんかしちゃったんだろうか…。
―――ヤバい、そう考えるとなんかもの凄く不安になってきたんですけど!
心因性ってバカにならねえな、今度からは面倒なことは極力考えないようにしよう。
あー、駄目だ。ガラにもなく混乱しちゃってるぜ。
俺は基本、やるときはやる奴だからな。もうしかたがない、慣れるしかないんだ。
―――めまぐるしく動く時計には、いまだに慣れないけどな…。
ええと………外でも見て、気持ちを落ち着けるか。
俺は窓のそばに歩み寄る。
いつもならば故郷
今、俺の部屋の窓に映る景色は、
「―――ピンクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!??」
そう、真ピンク。
見事なまでの、蛍光ピンク。
目に入る情報の一切を消し飛ばす、見事なまでの桃色の光。
それが部屋の窓から、一気に侵入してきた。
部屋の中が、某ピンクパ○サーのような蛍光ピンク色に染まる。
たとえるなら、ピンク色の蛍光ペンのインクを、部屋中にぶちまけたような。
それも、他の色を残さず、すべて染め上げるような感じで。
慌ててカーテンを閉めようとしても、光はそのカーテンの色すらも蛍光ピンクに塗り替える。
つまり、何も見えないのだ。
机の上にあるものはおろか、自分の体すら蛍光ピンクに塗れて、もう何がなんだか区別がつかない。
俺は蛍光ピンクに染まってしまったのか…。
そんな錯覚を抱かせるほどの圧倒的な光を前に、俺は、意識を失った。
―――まさか、コレが、転生の、前触れじゃ、ないよな…?
最後に1つ、そんなどうでもいいことを思いながら。
いかがでしょうか?
次の3話は、元2話を分割して出します。
それでは、また3話で!!