異世界転生『ノー』レム無双   作:M崎

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 ヤバいですね…テスト前なのに執筆にハマってる自分がいますね…。

 それでは、第3話、どうぞ。

 期待は全くしないで下さい。完全に一時のテンションで書ききりました。


Vol.3 Transmigrated

 

 ????年?月?日。

 

 

 死に掛かってる俺の意識に、直接、声が響いてきた。

 

 

 ―――聴け 炎の子らよ (きらめ)御魂(みたま)

 

 

 ………ん、…あ、れ…?

 

 

 ―――黒き闇に崩された宇宙(せかい)

 

 

 …なんか、声が、聞こえる…。

 

 

 ―――神が見捨て(たも)うた不可避の宿業(しゅくごう)

 

 

 ん…なんだろ…?なんかの、詠唱…?

 

 

 ―――炎鎚(えんつい)迅光(ひかり)偉力(つよさ)に変えて

 

 

 …聴いた、ことがあるような……。

 

 

 ―――一度(ひとたび)(いくさ)を引き(おこ)す我に 預けてはくれまいか

 

 

 ………ない、ような…。

 

 

 ―――魂を(ほむら)に昇華させ 我に託してはくれまいか

 

 

 …でも、不思議だ…。

 

 

 ―――死とは(すなわ)ち平等の真髄

 

 

 ………こうして、聴いてる、だけで…。

 

 

 ―――韋駄天、偉丈夫、皇帝、奴隷

 

 

 …なんか、懐かしい…。

 

 

 ―――(すべ)てを(ただ)の魂へと化かす (ただ)の光へと戻す

 

 

 …なんともいえない、懐かしい、気分になる………。

 

 

 ―――おお なんと歎美(たんび)(きらめ)きであるか!

 

 

 ………どうして、だろうな…。

 

 

 ―――死こそが 世を(たす)くための唯一の(しるべ)か!

 

 

 ……こんなにも、文言は、意味不明、なのに…。

 

 

 ―――死の先に待つは極上の至福 神の与えし最上の極楽

 

 

 …すっと、耳に入ってくる………。

 

 

 ―――(しるべ)の矛先は皆が一様 辺鄙(へんぴ)(みち)でも|終着は同様

 

 

 ………まるで、体が、覚えようと、してるみたいに…。

 

 

 ―――ならば 神に反駁(はんばく)し 団匪(だんぴ)となるもまた一興

 

 

 ……俺の頭に、刻み込まれていく…。

 

 

 ―――我は炎の(みかど) 魂と(ほむら)を繋ぎし新たなる(しるべ)

 

 

 …ん…ほんと、何でだろうなぁ…。

 

 

 ―――神に(すご)み 神に(むか)い 神を(くだ)す 魂の(もと)なる(あるじ)

 

 

 …ひょっとして、これ、俺が使う、チート、なんじゃね?はは……。

 

 

 ―――(とが)ありし者よ 罪無き者よ 我に平伏(ひれふ)

 

 

 …こんな、面倒な、チート、やだけど…。

 

 

 ―――いざや始めん 神罰の儀を

 

 

 …ま、使ってみたら、わりかし強いんだろう、な…。

 

 

 俺の意識は、再び暗転する。

 

 

 

                      ★

 

 

 

 「―――うー…うーん………」

 

 あれから、どれだけ経っただろうか。

 俺は、強い光を感じて、目を開ける。

 意識が急速に覚醒していくのを、目で感じる。

 ―――あれ?俺、なんで生きてるんだ…?

 俺は誰で、ここはどこだ…?

 

 普段なら分かるはずの、簡単なことが全く分からない。

 頭で考えようとしても、それを上書きして消してくるような存在が頭にこびりつく。

 

 ううん、どうも記憶がこんがらがってるようだ。

 俺は、今まで何をしてたんだっけ…?

 

 俺は自分の頭の中の、記憶の糸を1つ1つ手繰り寄せる。

 

 雲○、蛍光ピンク、艦こ○、午前1時13分、蛍光ピンク、時計、針、蛍光ピンク―――蛍光ピンク?

 

 ―――あ、そうだ、思い出した…。

 確か、カーテンを開けたら、視界を蛍光ピンクに塗りつぶされたんだよな。

 んでその前は…ええと、えーと…あ。

 

 

 「そういや、時計が逆回転してたな」

 

 

 その一言で、俺はすべてを思い出した。

 そう、俺の名前も、俺の出身地も、俺の今までのいきさつも。

 うん、一応、ほぼ全部思い出したよ。

 

 ただ、1個だけ、1個だけ、まっっっっっっったく分からないことが1つある。

 それは、

 

 

 (―――俺は何で、こんなところをふわふわと漂っているんだ…?)

 

 

 そう、「ここはどこ?」という、単純な疑問である。

 ドラ○もんのタイムマシンがある空間のように、色々な時計がぐるぐると回転しているよく分からない通路に、1人、漂っているのだろうか。

 

 うん、全然分からん。俺、艦○れの電源切っただけなのに。

 

 うーむ…どうすればよいのか。俺はこのままふわふわ浮いてればよいのか…?

 うんうん考えていると、ふと1つ、考えが浮かぶ。

 

 あ、これってひょっとして、死ぬ前振りなんじゃね?

 

 わが生涯に、一片の悔いなし!とか言って。何を悔いるんだか知らんけど。

 ぎゃはは、そうなったらマジで面白いわ。俺の死に様どんな感じなんだろうなー。

 

 死んだら生まれ変われるのかなー。「転生」ってリアルであんのかなー。

 あって欲しいなぁー。

 

 あー、生まれ変わったら美少女に会いたい。

 つーか、ラノベの主人公になりたいぜ。

 例を挙げるなら、ダン○ちのベルくんとか、ワ○ブレの灰村とか、劣等○の達也とか、生徒会の一○のキー君とか、艦こ○の提督とか!…最後ラノベ関係ある…か。うん、一応出してる人もいるし。スニー○ーとかフ○ミ通とかで。

 あいつら見たく美少女と出会い、美少女と恋に落ちて、美少女を幸せに導きたい。

 

 うん、これが、俺の些細な夢。

 超ちっぽけな夢。

 でも、でっかい夢。

 

 俺の置かれている状況は分からないけど、1つだけ、願うとするならば。

 

 ―――神様、もし俺が転生するんだったら、なんかの主人公にさせてね?

 

 だな。はは、なんだこりゃ。

 俺が他愛のないことを想像して1人、笑い呆けていると、

 

 

 「―――あなたの願い、聞き届けましたよ?須藤(すどう)雅哉(まさや)さん?」

 

 

 突如上から、からかうような声が、楽しげに聞こえてきた。

 コロコロという鈴の音のような、可愛らしい笑い声。

 耳に入るだけで、人の心を惹きつけて止まない、魔性のクリアヴォイス。

 

 当然、こんな声を男が出すわけがない。女の声だ。

 そして、こんな…こんな可愛い声を出すなんて、彼女はさぞ美少女にちがいない!!

 俺は1人結論づけ、条件反射的に天を仰ぎ見る。

 そして、

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉッッッ!!!」

 

 雄叫びを上げた。

 なぜならそこには、整った顔にえも言われぬ美しい白いドレスを纏った、「貴婦人」としか形容の出来ない美女が、不思議そうな顔で、俺を見下ろしていたのだ。

 そう、見下ろしていた。

 

 

 ―――何故か、俺の真上から。

 

 

 ええと、つまり、俺の真上ということは、ですよ。

 真下にいる俺には、彼女が身に付けているドレススカートの、その中までもが見えてしまうわけで…。

 彼女の真っ白い脚や、奥の純白の布地までが俺の目に入ってきてしまい…。

 

 「かはっ」

 

 俺は喀血した。あまりの破壊力に。

 ―――すごいな…これが………理想郷(ユートピア)、か…。

 またひとつ、俺は、歴史の……発見者と、なってしまったぜ…。

 

 思わずサムズアップしてしまう。

 グッジョブ、神様。俺、今なら死ねるよ。

 

 しかし彼女は、俺の奇怪な行動の数々に対し、その端正な顔を歪め、怪訝そうな顔をするだけ。

 理想郷(ユートピア)がまるっと公開されちゃっていることには気づいていない。

 ああんもう可愛いなああの子は!

 

 俺としては別にそのままでも良かったのだが、そろそろ気づいてもらわなければ俺の出血量がデンジャーゾーンを超えちゃうので、血を噴きながらも彼女の足元に向けて指差す。

 

 ああもう気づいて教えてあげるとか俺マジ紳士。

 

 その彼女は、紳士な俺の指差す先を、綺麗なブルーの目でゆっくりと追う。

 そして、気づいた。

 自分が、とんでもない状態に、あることに。

 俺が、血を噴いた理由に。

 

 

 「っっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!―――ばかっ!!!」

 

 

 さっきまでのオトナな雰囲気はドコヘヤラ。彼女は、顔を林檎のように紅潮させ、慌ててドレススカートの裾を押さえる。

 きっ、と涙目で俺を睨みつけると、俺の元まで急いで降りてくる。

 そして目に一杯涙をためて、その華奢な右腕を振り抜いた。

 

 パァン、という乾いた音が、不思議な空間に鳴り響く。

 

 俺は平手打ちの痛みを左頬に感じながら、菩薩のような清らかな顔になり、言う。

 ああ、もうここまで来たんだ。死んだって全然オッケー…。

 

 

 ―――我が生涯に、一片の悔いなし、と…。

 

 

 かつてない幸福を感じながら、俺は気を失った。

 ―――俺は、俺の反応は、間違って、ない…ぜ………(ガクッ)。

 

 

 

                   ★

 

 

 

 (…あぁ、またやってしまった…)

 

 須藤雅哉が昏倒した後、彼女―――天城奏多(あまぎかなた)は、早速後悔していた。

 

 無論、自分が須藤雅哉に平手打ちを食らわせ、意識を奪い昏倒させてしまったことに対してである。

 すまないという謝罪の念と、自分のすることに対する疑問が湧いてくる。

 数少ない転生者(インカーネイター)に対する仕打ちとして、これは流石にやりすぎではないのか。

 その疑問は心にこびりつき、なかなか離れない。

 天城奏多の美しい顔が、悩ましげに形を変える。

 

 普段、転生者に対しては毅然と振舞う()である彼女も、裏では苦悩を積み重ね、疑問を抱いているのである。

 そこだけ見ると、まさに普通の悩める少女であった。

 

 (―――ああもう、何悩んでるのよ私!悪いのは須藤雅哉でしょ!?だったら当然の報いじゃない!!)

 

 その悩みを須藤雅哉に対する逆ギレで発散する。大分酷い方法だが、されたことがされたことだけに、後ろめたい気持ちは全く沸き起こらない。

 

 そして彼女は、暇つぶしついでに、つい先ほど昏倒させた彼の顔を見る。

 

 その顔は、とても殴られた男の顔には見えない。

 例えるなら、南極点に初めて到達した人が、していそうな顔で。

 すがすがしく、一欠片の後悔も残していない、とても晴れ晴れとした顔だった。

 

 (………本当に、なんでそんな顔が出来るのよ…)

 

 怒りよりも呆れが、先に顔に出る。

 何をどう解釈したら、ここまで清らかな顔が出来るのか。

 彼女には到底理解できなかった。

 

 そして何よりも。

 

 (―――なんで、須藤雅哉の顔は、あなたにそっくりなのかしらね………雄也(ゆうや)…)

 

 彼女が神になる前に、愛していた男の顔と、この顔がどうしても重なって見える。

 彼女の腕の中で、大魔術1つと引き換えに、その儚い命を散らした男の、その死に際の顔と。

 いやな思い出が、彼女の中に沸き起こる。

 

 (ああ…もういいわ。嫌な思い出を思い出してしまう)

 

 須藤雅哉の顔から目を逸らして、思考を強引に中断させる。

 そうでもしないと、自分がまた、壊れてしまいそうで。

 

 「―――少し、あなたには意地悪をしないといけないみたいね…須藤雅哉…」

 

 そんな彼女としては、とりあえず須藤雅哉に逆ギレして、彼の転生先を非常に特異なところに変えることしか、出来なかった。

 須藤雅哉に対し、相当酷い仕打ちを行った彼女は、茶目っ気たっぷりにウィンクする。

 

 (一応、あなたの夢はかなえてあげたから、これで許してね…)

 

 途端、須藤雅哉の肉体が、空間に溶け消える。

 彼の夢だった、転生の瞬間である。

 

 今このとき、彼の肉体は消え、第2の人生が始まる―――。

 

 

 ―――はずが、ちっともしまらないスタートとなってしまったことに、彼は気づかない。

 

 

 

 




 はい、どうでしょうか。

 次の更新が、いったい何時になるのかは分かりませんが、とりあえず頑張りたいと思います。

 下手したら10月かもしれん…。

 あ、艦これの16話は、近いうちに出しますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

 ではまた。
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