問題児たちと記憶を失った少年が少し遅れて空から落ちて来るそうですよ? 作:ヘイブン
最近仕事が忙しくて
投稿できませんでした。
あ、お気に入りしてくださった方々
ほんとにありがとうございます
それではどうぞ
「そういえば、御崎さんって魔法が使えるんですね」
黒ウサギが思い出したかのようにそう尋ねると
「うん、そうだよ。
僕の居た世界では普通だったね
みんなが魔法を使えてたよ」
まるで過去を話すように答える御崎・・
その異変に気付いた十六夜が
「おい、待てよ。
まさか記憶が戻ったのか?」
「あれ?言ってなかった?
戻ったと言うよりなんて言うか・・
細かいことまでは、思い出せないけど
なんか名前見たときに鍵が外れた感覚がして
そしたらある程度の記憶が流れ込んできたみたいな?」
「「「「「言ってないよ」」」」」
「アハハ、ごめんごめん」
笑って誤魔化そうとする御崎であった。
そしておもむろに白夜叉に
「ねぇ白夜叉、このゲーム盤
もうちょっと使っていいかな?」
「かまわんが・・・なにをする気だ?」
「ちょっと感覚取り戻したくて」
そういって右手を開いてゆっくり前に突き出すと
手のひらから炎が出てきた
「ほう・・・お主は詠唱なしで
魔法を放つことができるのか」
「うん、なんて言ったらいいか・・
思い描いてる魔法を形にできて
詠唱や魔方陣を使わず
どんな魔法でも使えるてきな?
まぁ、
僕自身生まれた時からかなり魔力を持ってたらしく
気づいたら魔法全部使えてました的な?笑」
「ちなみにどんなのが使えんだ?」
「んーたとえばこの炎を・・」
すると突然、炎の威力が上がり
形を変え、大きくなり
ドラゴンの形をした炎が出来上がった
そして黒ウサギの方を向いて
ニヤリと笑って
「そのまま黒ウサギにどぉぉぉぉん」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
炎竜を黒ウサギに放った・・・・
黒ウサギは、炎に飲み込まれ悲鳴を上げ
炎がなくなったあとには、
焦げた黒ウサギの姿があった
「お、お馬鹿様ですかぁあ
御崎さんだけは、まともだと思ってたのに
やっぱり問題児なのですよぉぉ・・」
「あら、黒ウサギの丸焼きね」
「おいしそう。」
「御崎グッチョブ」
「ごめんね、ちょっとノリでwww」
「どうしてそんなに息が合うんですか
この問題児様達は」
スパァン、スパァン、スパァン、スパァン、
と黒ウサギのハリセンがゲーム盤に響いた
その後、サウザンドアイズを後にした一行は、
半刻ほど歩きノーネームの居住区についた
「この中が我々のコミュニティでございます
本拠の館までは、さらに歩かなければならないのでご容赦ください
この近辺はまだ戦いの名残がありますので」
「戦いの名残?噂の魔王って素敵ネーミングな奴との戦いか?」
「は、はい」
「ちょうどいいわ。魔王が残した傷跡、見せてもらおうかしら」
・・・・門の向こう側は、一面廃墟であった
飛鳥と耀は、息をのみ十六夜は、残骸を手に取り
御崎は・・・・
“ザー”
とテレビの砂嵐の音が流れたかと思うと
頭の中に廃墟と化した街が見え
それを見ている自分
そして
目線の先にたたずむ黒い影
ザーッと音が鳴り
頭に流れた映像は、そこでおわった
御崎は、冷や汗をかいて
青ざめていた・・
「御崎さん大丈夫ですか?」
横から黒ウサギに声をかけられ
驚いたが冷静になりもう一度あたりを見回した
「土地の魔力が全く残ってない・・」
「それだけ魔王の力は、強大だと言うことです
この土地も見せしめのために
魔王が残していったものです・・・」
(この土地まさかあの黒い影がやったの?
・・・いや、あの町はもといた世界の風景だった
このことは、皆に内緒にしておこう)
そしてコミュニティーの奥に進み
水路に水樹を置き
女性陣は、風呂へ
御崎は、適当に部屋を選び
そのまま眠りについた
翌朝
御崎たちは、“フォレス・ガロ”えと向かった
しかしそこは、森のように木が生い茂っていた
それを見たジンは、
「やっぱり・・・・鬼化している?いやまさか」
「ジン君。ここにギアスロールが貼ってあるわよ」
ギフトネーム名 ハンティング
プレイヤー一覧 白谷 御崎
久遠 飛鳥
春日部 耀
ジン=ラッセル
クリア条件 ホストの本拠内にいるガルド=ガスパーの討伐
クリア方法 ホストが指定した特定の武具でのみ討伐可能。
指定武具以外は、ギアスによってガルド=ガスパーを傷つけることは不可能
敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合
指定武具 ゲームテリトリーにて配置
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下
ノーネームはギフトゲームに参加します
“フォレスガロ”印
「ガルドの身をクリア条件に・・・・
指定武具で打倒!?」
「こ、これはまずいです!」
「このゲームはそんなにまずいの?」
「いえ、ゲームは単純です。問題はルールです。
操ることも傷つけることもできません」
「ギフトではなくギアスによってその身を守っているのです」
「すいません僕の落ち度でした。
契約書類を作った時にルールもその場で決めておけばよかったのに」
「でも大丈夫なんじゃない?
契約書類には指定武具って書いてあるし
それで倒せばいいんでしょ?」
「そ、そうですよ!
必ずなんらかのヒントがあるはずです
この黒ウサギがいる限り反則はできません」
参加者4人は門をあけ突入した
それと同時に森が退路を塞ぐ。
緊張している飛鳥とジンに耀が助言する
「大丈夫。近くに誰もいない。匂いでわかる」
「あら、犬にもお友達が?」
「うん。20匹ぐらい」
「詳しい位置はわかりますか?」
「わからない。どこかの家に潜んでいる可能性は高いと思う」
「じゃあ今度は僕が探すね」
そう言って御崎は、右手を前にだし
指先から光のしずくを地面に一滴垂らした
するとそこを中心に薄い光のドームが広範囲に広がった
(すぐ後ろに黒ウサギたち・・
あの建物のなかにガルド発見
上に飛んでるのは敵?一応警戒しておくか・・)
「今のは何かしら?」
驚いた表情で飛鳥が尋ねる
「ん?索敵魔法だよ!」
「そんなものも使えるなんて便利なものね」
「それよりもガルドを見つけた。あの家の中だね
それに指定武具らしきものもそのすぐそばにあったよ」
4人は、ガルドがいる建物へと向かった
「ガルドは、二階にいたよ。
ジンと飛鳥はここで待ってて
僕と耀でなかを見て来る」
「待ちなさいよ。私も行くわ」
「もしもの時のためだよ
2人には退路を確保してほしい」
2人を残し御崎と耀は、ガルドがいる扉を開け中に入ると
「GEEEEEYAAAAaaaa」
そこには、言葉を失った虎がもう突進してきた
「まずい、逃げて二人とも!!」
「ジン君貴方だけでも」
「で、ですが」
「いいから逃げなさい」
飛鳥は『威光』を使いジンとともに外へ脱出した
耀は、虎を止めていたが
惜しくも薙ぎ払われてしまい
ガルドがとどめをさそうとしてた
御崎がそれを止めようとガルドの周りに
炎を展開させた
一瞬ひるんだガルドであった
目標を御崎に向け突進しようとしたが
耀が十字剣を取ろうとしたとき
それに気付いたガルドが再び耀に襲い掛かった
反応が遅れてしまった御崎は
耀を助けるべく
体に“雷属性の付加魔法”をかけ
一瞬で耀のそばまで行き剣とともに脱出しようとしたが
ガルドの手がすぐそこにあり
耀は、それを食らってしまった
御崎は、耀と十字剣を抱え
窓から外えと脱出した
飛鳥たちと合流し御崎は、耀の傷を止血していた
飛鳥は虎退治に行き一時して
木々は、一斉に霧散した。
黒ウサギが耀を抱え工房へといき
ジン、十六夜は何か残党と話しているようだ
その後いちどコミュニティーに戻り
黒ウサギ、十六夜そして御崎は、談話室にいた
「そういや例のゲームはどうなったんだ?」
「例のゲーム?」
「ああ、なんでもそれに元仲間が景品としてでるらしく
その仲間を取り戻してほしいとさ」
「そのゲームなんですが・・」
「「ゲームが延期?」」
「はい………申請に行った先で知りました、
このまま中止の線もあるそうです」
黒ウサギはウサ耳を萎れさせ、口惜しそうに顔を歪めて落ち込んでいる。
「つまらない事してくれたな」
「ほんとだね。白夜叉に言ってどうにかならないの?」
「どうにもならないでしょう。
どうやら巨額の買い手が付いてしまったそうですから」
「チッ。所詮売買組織ってことかよ。
エンターテイナーとしちゃ五流もいいところだ。
"サウザンドアイズ"は巨大なコミュニティじゃなかったのか?プライドはねえのかよ」
「仕方ないですよ。"サウザンドアイズ"は群体コミュニティです。
白夜叉様のような直轄の幹部が半分、傘下のコミュニティの幹部が半分です。
今回の主催は"サウザンドアイズ"の傘下コミュニティの幹部、"ペルセウス"。
双女神の看板に傷が付く事も気にならないほどのお金やギフトを得れば、
ゲームの撤回ぐらいやるでしょう」
「まあ、次回に期待するか。ところでその仲間ってのはどんな奴なんだ?」
「そうですね・・・
一言でいえば、スーパープラチナブロンドの超美人さんです。
指を通すと絹糸みたいに肌触りが良くて、
湯浴みの時に濡れた髪が星の光がキラキラするのです」
「へえ?よくわからんが見応えはありそうだな」
「それはもう!加えて思慮深く、黒ウサギより先輩でとても可愛がってくれました。
近くに居るならせめて一度お話ししたかったのですけど・・・」
「ねえ。それってさっきからそこにいる人?」
御崎の指した方を向くと、
ガラスの向こうでにこやかに笑う金髪の少女が浮いていたのだ。
黒ウサギは跳び上がり急いで窓に駆けよる。
「レ、レティシア様⁉︎」
「様はよせ。今の私は他人に所有される身分。
"箱庭の貴族"ともあろうものが、モノに敬意を払っていては笑われるぞ」
黒ウサギが錠を開けると、
レティシアと呼ばれた金髪の少女は苦笑しながら談話室に入る。
「こんな場所からの入室で済まない。
ジンに見つからずに黒ウサギと会いたかったんだ」
「そ、そうでしたか。あ、すぐにお茶を淹れるので少々お待ちください!」
黒ウサギは小躍りするようなステップで茶室に向かう。
十六夜と御崎の存在に気が付いたレティシアは、
彼らの奇妙な視線に小首を傾げる。
「どうした?私の顔に何か付いているか?」
「別に。前評判通りの美人・・・・いや、
美少女だと思って。目の保養に観賞していた」
その回答にレティシアは心底楽しそうな哄笑で返す。
口元を押さえながら笑いを噛み殺し、
なるべく上品に装って席に着いた。
「ふふ、なるほど。君が十六夜か。白夜叉の話通り歯に衣着せぬ男だな。
しかし観賞するなら黒ウサギも負けていないと思うのだが。
あれは私と違う方向性の可愛さがあるぞ」
「あれは愛玩動物なんだから、観賞するより弄ってナンボだろ」
「確かに。あれほど弄りがいのあるのはいないんじゃない?」
「ふむ。否定はしない」
「否定してください!」
いつの間にか戻ってきた黒ウサギが紅茶のティーセットを持って口を尖らせ怒る。
「レティシア様と比べられれば世の女性のほとんどが観賞価値のない女性でございますら、
黒ウサギだけが見劣るわけではありませんっ」
「いや、全く負けちゃいねえぜ?
違う方向性で美人なのは否定しねえよ。
好みでいえば黒ウサギの方が断然タイプだからな」
「・・・。そ、そうですか」
「まあ僕はどっちもかわいいと思うけど」
不意打ちの言葉に思わず黒ウサギとレティシアは頬が紅くなった。
「そ、そうだ。レティシア様!どのようなご用件ですか?」
慌てて黒ウサギは話題を戻す。
「用件というほどのものじゃない。
新生コミュニティがどの程度の力を持っているのか、
それを見に来たんだ。ジンに会いたくないというのは合わせる顔がないからだよ。
お前達の仲間を傷つける結果になってしまったからな」
「やっぱあの鬼化した木々は君の仕業だったんだね」
「なんだ。気付いていたのか?」
「うん。ゲーム中に誰かが見てたのは分かっていたよ」
「そうか」
レティシアは安堵するようにため息を漏らす。
「吸血鬼?なるほど、だから美人設定なのか」
「王道だね」
「は?」
「え?」
「「いや、いい。続けてくれ」」
十六夜と御崎はヒラヒラと続きを促す。
「実は黒ウサギ達が"ノーネーム"として
コミュニティの再建を掲げたと聞いた時、
なんと愚かな真似を・・・と憤っていた。
それがどんな茨の道か、お前が分かっていないとは思えなかったからな」
「・・・・・」
「コミュニティを解散するように説得するため、
ようやくお前達と接触するチャンスを得た時・・・
看過出来ぬ話を耳にしたわ、神格級のギフト保持者が、
黒ウサギ達の同士としてコミュニティに参加したとな」
黒ウサギの視線が十六夜と御崎に移る。
恐らく白夜叉にでも聞いたのだろう。
四桁の外門に本拠を持つ"階層支配者"の白夜叉が、
最下層である七桁の外門に足を運んでいた理由は、
秘密裏にレティシアを此処まで連れてくる為だったのだ。
「そこで私は一つ試してみたくなった。
その新人達がコミュニティを救えるだけの力を秘めているのかどうかを」
「結果は?」
黒ウサギは真剣な双眸で問う。レティシアは苦笑しながら首を振った。
「生憎、ガルドでは当て馬にもならなかったよ。
ゲームに参加した彼女達はまだまだ青い果実で判断に困る。
・・・こうして足を運んだはいいが、さて。私はお前達に何と言葉をかければいいのか」
自分でも理解できない胸の内にまた苦笑する。
十六夜は呆れたようにレティシアに笑う。
「違うだろ。レティシアは言葉を掛けたくて古巣に足を運んだんじゃない。
古巣の仲間が今後、自立した組織としてやっていける姿を見て、
安心したかっただけだろ?」
「・・・ああ。そうかもしれないな」
十六夜の言葉に首肯する。
「ならその不安、払う方法が一つあるんだが」
「何?」
「簡単な話だよ。
レティシアは"ノーネーム"が魔王を相手に戦えるのかが不安で仕方ない。
ならその身で、その力を試せばいい。
————どうだい、元・魔王様?」
十六夜の意図を理解したレティシアは一瞬唖然としたが、
すぐに哄笑に変わる。
「ふふ・・・なるほど。それは思いつかなんだ。
実に分かりやすい。下手な策に弄さず、
初めからそうしていればよかったなあ」
「ちょ、ちょっと御二人様?」
「ゲームのルールはどうする?」
「まあ力試しだからな。手間暇かける必要もない。
双方が共に一撃ずつ撃ち合い、そして受け合う」
「地に足着けて立っていたものの勝ち。
いいね、シンプルイズベストって奴?」
笑みを交わし二人は窓から中庭へ同時に飛び出した。
窓から十間ほど離れた中庭で向かい合う十六夜とレティシア。
少し離れたところに御崎と黒ウサギは立っていた。
「へえ?箱庭の吸血鬼は翼が生えてるのか?」
「ああ。翼で飛んでいる訳ではないがな。
・・・制空権を支配されるのは不満か?」
「いいや。ルールにはそんなのなかったしな」
レティシアは十六夜の態度をまず評価した。
ギフトゲームにおいて、対戦者は全てが未知数であると考えるのは基本である。
例えば、鳥が自由に空を駆けることを猿が不平不満を漏らしたところで、
ギフトゲームでは"空すら飛べない猿が悪い"としか弁のしようがない。
自らのギフトで如何に未知の相手と対抗するかを競うことこそギフトゲームの真髄であり醍醐味なのだ。
(なるほど。気構えは十分。あとは実力が伴うか否か・・・!)
満月を背負うレティシアは微笑と共に黒い翼を広げ、
己のギフトカードを取り出した。
金と紅と黒のコントラストで彩られたギフトカードを見た黒ウサギは蒼白になって叫ぶ。
「レ、レティシア様⁉︎そのギフトカードは」
「下がれ。これは力試しとはいえ、コレは決闘であることに変わりは無い」
レティシアのギフトカードが輝き、封印されていたギフトが顕現する。
光の粒子が収束して外殻を作り、突然爆ぜたように長柄の武具が現れる。
「互いのランスを一打投擲する。受け手は止められねば敗北。
悪いが先手は譲ってもらうぞ」
「好きにしな」
投擲用に作られたランスを掲げ、
「ふっ—————!」
レティシアは呼吸を整え、翼を大きく広げる。
全身を撓らせた反動で打ち出すと、
その衝撃で空気中に視認できるほど巨大な波紋が広がった。
「ハァア!!!」
怒号と共に放たれた槍は瞬く間に摩擦で熱を帯び、
一直線に十六夜に落下していく。
流星の如く大気を揺らして舞い落ちる槍の先端を前に、
十六夜は牙を剥いて笑い、
「カッ————しゃらくせえ!」
殴りつけた。
「「————は・・・!??」」
「わぁお!」
素っ頓狂な声を上げるレティシアと黒ウサギ。
感心している御崎
鋭利に研ぎ澄まされた、
大気を易々突破する速度で振り落とされた槍は
たった一撃で拉げて只の鉄塊と化し、
散弾銃のように無数の凶器となってレティシアに向けられた。
鬼種の純潔である彼女なら、
たかが銃弾如きなら振り払う事もできただろう。
しかし第三宇宙速度に匹敵する馬鹿馬鹿しい速度で迫る凶弾を退ける事など、
今の彼女には不可能だった。
(こ・・これほどか・・・!)
尋常外の才能を目の当たりにしたレティシアは、
自分の目測の甘さを恥じ入る。しかし同時に安堵した。
(これほどの才能ならばあるいは・・・)
血みどろになって落ちる覚悟を決め目を閉じる。
その瞬間、レティシアの前には透明な壁があり
目を開けると彼女を抱えた御崎が立っていた。
「あ、ありがとう」
「別に気にしなくていいよ」
レティシアは顔を赤くして礼をいう。
レティシアを降ろし、
いつの間にか近付いていた黒ウサギがレティシアのギフトカードを取る。
「何を!」
レティシアは声を上げる。
黒ウサギはギフトカード見つめ震える声で向き直る。
「ギフトネーム・"純血の吸血姫ロード・オブ・ヴァンパイア"
・・・やっぱり、ギフトネームが変わっている。
鬼種は残っているものの、神格が残っていない」
「っ・・・!」
「なんだよ。もしかして元・魔王様のギフトって
、吸血鬼のギフトしか残ってねえの?」
「・・・はい。武具は多少残してありますが、自身に宿る恩恵は・・・」
「ハッ。どうりで歯ごたえが無いわけだ。
他人に所有されたらギフトまで奪われるのかよ」
「いいえ・・・魔王がコミュニティから奪ったのはギフトではありません。
武具などの顕現しているギフトと違い、
"恩恵"とは様々な神仏や精霊から受けた奇跡、
云わば魂の一部。隷属させた相手から合意なしにギフトを奪う事は出来ません」
「レティシア様は鬼種の純血と神格の両方を備えていたため
"魔王"と自称するほどの力を持っていたはず。
今の貴女はかつての十分の一にも満ちません。どうしてそんなことに・・・!」
「・・・それは」
「まあ、話があるならとりあえず屋敷に戻ろよ」
「・・・そう、ですね」
御崎達は屋敷に戻ろうとする。
すると遠方から褐色の光が四人に射し込み、
レティシアは叫ぶ。
「あの光・・・ゴーゴンの威光⁉︎まずい、見つかった!」
「ゴーゴンの首を掲げた旗印・・・・!?
ダメです!逃げてくださいレティシア様!」
黒ウサギの声も虚しく、レティシアは瞬く間に石像となり、
横たわった。
そして、光の射し込んだ方向から
、翼の生えた靴を履いた騎士風の男たちが飛んでくる。
「いたぞ! すぐに吸血鬼を捕獲しろ!」
「ノーネームもいるようだが、どうする!?」
「邪魔するようなら、切り捨てろ!」
空をかける騎士たちの言葉を聞き、十六夜は黒ウサギに尋ねる。
「なあ、黒ウサギ。あっちもああ言ってることだし、邪魔をしてきていいか?」
「お気持ちはわかりますが、我慢してください!とりあえず本拠に・・・」
「これでよし。今回の交渉相手は、箱庭の外とはいえ、
一国規模のコミュニティだからな。奪われでもしていたら・・・」
「箱庭の外ですって!?」
黒ウサギが十六夜の説得をしている途中、聞こえてきた言葉に抗議を上げる。
「彼らヴァンパイアは箱庭の中でしか太陽の光を受けられないのですよ!?
そのヴァンパイアを箱庭の外へ連れ出すなんて・・・」
「我らの首領が取り決めた交渉。部外者は黙っていろ。」
気がつくと、百に匹敵する軍勢が空を飛んでいる。
こんな規模での不法侵入をするのは、
“ノーネーム”だということで見下しているからこそ、やる行為だ。
「ねえ君たち、そろそろ帰んないと
不法侵入で消し飛ばすよ?」
「み、御崎さん?」
御崎は空に手を掲げ
光る球体を作っていて
いまにも放とうとしていたとき
「こらっ」
「いたっ」
十六夜がげんこつで止めた
「まあ落ち着けよ
ここで戦ったらサウザンドアイズとの戦争になる
つか俺が我慢してるのに一人でお楽しみとは
どういう了見だオイ」
「ご、ごめんねー」
そうしているうちにペルセウスは
不可視のギフトで退散するのであった。
その後御崎、十六夜、飛鳥、黒ウサギは
サウザンドアイズへ白夜叉の下へと向かった。
ふー
まさかの8000字超え
つかれたぁぁぁぁぁぁ
なんとかここまで持って来れましたが
ぜんぜん話進んでくれない・・
次回は、対ペルセウス
戦闘までもっていけたらなと思ってます
では、感想お待ちしております