自殺願望の錬金術師が幻想入りするそうです。   作:クレシアン

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今回は日常編です。
戦闘シーンよりは書きやすいです。


平穏に隠れた影

「羨ましいねえ、僕も兄ちゃんみたいな変換能力が欲しかったよ。」

 

 

僕はタオルで濡れた髪を拭きながら

ベッドに身を投げて話す。

 

 

「文句を言うな愚弟が。

俺はもう帰る、本体(・・)の用が終わりそうだ。」

 

 

 

兄ちゃんは淡々と作業の様な冷たい声で、

 

 

 

「そっか、残念。

それより用事って?」

 

 

 

「調子に乗っている国を一つ消してきた。」

 

 

「うげ…また殺ったの?」

 

 

とんでもない事をまた。

 

 

 

「単なる暇つぶしだ、じゃあな。」

 

 

「あ、うん。また来てね。」

 

 

「…気が向いたらな。

それともう一つ。」

 

「⁇」

 

 

「シルトエットが帰ってきた可能性がある。」

 

 

「姉ちゃんが⁉︎」

 

 

「可能性だ。あの愚妹が…

絶対に見つかるなよ。」

 

 

 

「…っ、わかってる」

 

 

 

そう言うと兄ちゃんは影となり消滅した。

 

 

 

「……大丈夫だよな、ここは…」

 

 

 

 

僕の声が誰もいない部屋に響く。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

翌朝

 

 

 

 

 

 

「新しーい朝が来たーきぼーの朝だ。」

 

 

 

 

僕は伸びをしながら玄関から外へ出る。

 

 

 

 

「………」

 

 

 

…油断してました。

腑抜け気持ちで軽く歌う姿を妹紅さんに見られてしまった。

 

 

 

なんだろうね、こう、

 

 

 

 

「ちょっと自殺してくる。」

 

 

 

 

「いやまてまてまて⁉︎

わ、悪くない歌詞だったぞ‼︎」

 

 

妹紅さんが僕の肩を掴む。

 

「なんのフォローにもなってなくない⁉︎」

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

「ふぅ…ちょっと落ち着いてきたかな…」

 

「私は何も見ていないし何も聞いていない、それでいいか?」

 

 

「ソウデスネ、タスカリマス」

 

 

 

いや、そうして貰えると本当に助かるよ。

 

 

 

「そういえば…昨日と見た目が変わったな、それも変換能力か?」

 

 

 

 

「変換能力じゃなくてこれも錬金術の一つだね、最も変えたんじゃなくて元に戻したのさ。」

 

 

「⁇」

 

 

 

「僕が作られた時の姿がこれだね。

人里じゃあ目立つから遠慮してたけどもうかなり目立っちゃったからね、取り繕う必要もないかな。」

 

 

 

僕は白く染まる髪と黒目を指差した。

身長と顔は特に変わりないし、誰が見ても僕とはわかるだろう。

 

 

 

「実は妹紅さんと同じ髪の色だったわけさ、兄ちゃんや姉ちゃんとは違う色だけどね。」

 

 

 

「ルーカスの製作者の拘りを感じるな。」

 

 

 

御主人様(マイマスター)の事だから案外何も考えてない可能性もあるけどなぁ…ウロボロスもそうだろう。」

 

「それは同感だ。」

 

 

 

 

 

 

などと軽く雑談を交えた後、僕は人里へと向かった。

 

 

妹紅さんは誰か喧嘩するそうだ。

なんでも普段から良くじゃれ合っているらしい、僕もそういう人がいただろうか。

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「すみません、上白沢慧音さんを見かけなかったかな?」

 

 

 

「慧音先生かい?見てないな。」

 

 

 

僕は周りの人に聞き回るがなかなか情報が得られない。

 

 

 

「うーん、妖怪が出現してない時は何をしようかなあ。」

 

 

 

街の修復は終わらせてしまったし。

 

 

 

 

仕方ないから団子屋さんへ入った。

 

 

 

「おばちゃん、団子一つ……っと申し訳ない、先客が来た様だね。」

 

 

 

 

僕は背の弓を取り出す。

 

 

 

「ウロボロス、距離。」

 

「対象との距離は5.03km

風向きは北東、風速8.2kt。」

 

 

「了解、ちょっと遠いなあ。」

 

 

 

僕は思い切り弓を引き絞る。

 

 

「皆さん少し離れて!超遠距離狙撃‼︎」

 

矢は綺麗な回転と共に宙を斬る。

 

 

「命中した。」

 

 

「またつまらぬ物を射ってしまった…ってか?」

 

 

 

そんなやり取りをしてると周りから拍手が聞こえてくる。

 

 

 

「ありゃま、やっぱり顔が知れてしまったかな?」

 

「これだけ派手な事をすれば当然だろう。」

 

 

 

僕は衣服を変えネクタイを締める。

やっぱりスーツじゃなきゃね、スーツに煙草が1番。

 

 

 

 

 

 

「いってえええええ⁉︎」

 

 

 

急に手に痛みが走る。

 

 

 

「油断してた……君か…」

 

「〜♪」

 

 

 

僕は後方へ目をやる。

 

 

 

えっとー、チルノさんに大妖精さん…だっけ?

 

 

「だめだよルーミアちゃん!」

 

 

 

大妖精さんがルーミアさんを止める。

やっぱりしっかり者みたいだね。

 

 

 

 

「君達はどうしたのかな?

僕に用?」

 

 

 

「えっとー…なんだっけ?」

 

 

 

チルノさんが用件を忘れた様だ。

大丈夫かこの子。

 

 

 

「けーね先生にルーカスさんを呼ぶように言われたんです。」

 

 

 

大妖精さんが。

 

 

ふむ…僕に?まあこっちから会うつもりだったけどなんだろう?

 

 

「まあとりあえず行ってみよう、案内は頼めるかな?」

 

 

「あたいに任せなさい!」

 

 

 

用件忘れた奴が何言ってんだ。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

「せんせー、連れてきました。」

 

 

「お、そうか。

よくやった、えらいぞ。」

 

 

 

慧音さんが3人の頭を撫でる。

ほのぼのするねえ。

 

 

「どーも、ルーカスでーす。」

 

 

さて用件は何だろう。

 

 

 

「悪いな急に呼び出して、先程も一体仕留めたそうじゃないか。」

 

 

「まあそれが仕事ですから。

普段何すれば良いのかわからないけど…」

 

 

 

「その件についてだ。

ルーカス、君に私の手伝いをして欲しい。」

 

 

 

「手伝いって先生の事?

別に暇だからいいけど。」

 

 

 

「本当か⁉︎助かるぞ。

早速手伝ってくれ。」

 

 

 

こうして僕は先生もやる事になったとさ。

 

 

 

 

 

 

人間や妹紅さんや慧音さん、妖精達と関わっていく日常も悪くないと思ってた。

 

 

 

 

けど一週間後、あの事件が起きる。

 

 

 

 

その未来は、見えなかった。

 

 

 

 

 




ルーカスの兄はとある国の政治家をしています。
最近その国に逆らった国が消滅する事件が多発しているとか。


ルーカス30人分の戦力はあります。
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