自殺願望の錬金術師が幻想入りするそうです。   作:クレシアン

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シルバーウィークは遊びまくりました。
反省してます。
土日にもう1話更新できたらなと思っています。


悪運には悪運が重なる可能性を含む。

 

 

「今日なんだか天気が優れないや…」

 

 

 

僕は寺子屋の窓から外を見上げる。

既に授業が終わり、僕以外誰もいない教室に声が響く。

 

 

今日は例の三人組の他、ミスティアことみすちーさんやリグルさんに強制的に遊ばされた為、無駄に疲れてしまった。

 

慧音さんは博麗の巫女、博麗霊夢さんの他、様々な有力者との用事があるらしく、今日は僕だけが教師の担当をしている。

 

 

 

人里に着いて8日、未だに牛鬼の出没は絶えないが、そこそこ人里の暮らしにも慣れて来た。

まあ、変わった事と言うなら…

 

 

 

 

「いや、だから僕は柄じゃないですって阿求さん…」

 

「何を言ってるのですか!

牛鬼に臆することなく立ち向かう姿、最近では人里の英雄だと噂になってますよ?」

 

「なんすかその噂…

てか誰が流行らせたんだか…」

 

 

稗田阿求さん。

彼女が書くなんたらかんたらに是非載せたいとか。

 

 

 

「とにかく何回も言うけどそんな柄じゃないんです、見る限りその幻想郷縁起とやらに書かれる程僕は立派じゃない。」

 

 

 

「むう……」

 

 

阿求さんはつまらなさそうな顔をするけど…

僕はそんな大した存在じゃない。

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

2日前

妹紅さんと対峙したあの場所だ。

 

 

 

「妹紅さんには話しておこうと思う。

僕が力の残量が無くなるまで死んだ場合について。」

 

 

 

僕は真剣な顔をしてスーツの袖を捲り肘の裏を見せる。

 

61、最近では最高に多いであろうその数を示す。

 

 

「未来を視たり身体を再生すると減るこの数値が0に近づけば、僕の身体は退化してする。

さらにその状態で死ぬと、僕は1年間この世には居られない。」

 

 

「1年間もか?いや、1年経てば戻れるのか?」

 

 

「そう、身体は死んでも僕の魂は1年間かけて新しい身体に憑依する。」

 

 

「魂のみの移動…私と少し似ているかもしれないな。」

 

 

僕は軽く頷く。

 

 

「しかしただ憑依するんじゃない。

僕にとって、自分にとって今現在1番大切な人の身体に宿るんだ。」

 

 

「1番大切な人……そいつはどうなるんだ?」

 

 

 

「存在が固定されている僕の魂にかき消される、即ち死に至る。」

 

 

 

「‼︎」

 

 

「その際に僕は変換能力を手に入れる…。

変換能力の最大の弱点は、自分と大切な人を殺さなければならない。」

 

 

 

「おいおい…いくらなんでもリスクが大き過ぎやしないか。」

 

 

 

「だから言っただろう、未来視なんて大したことないんだ。」

 

 

 

 

大したことない。

自らの大切な人を奪う存在なんて。

だからこそ僕は完全に消滅する方法を望む。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

今日の『やるべき事』が終わった今、

僕は団子屋で思考の波に身を投げる。

 

今日は夕刻、妹紅さんと久しぶりに手合わせする約束をしていたけど妹紅さんが帰宅するまでまだ時間はある。

状況を整理しよう。

 

 

牛鬼、名の通り牛の頭をした妖獣。

 

普通なら浜辺に生息する筈だが例外として川や湖、森や山間部にも出現し、毒を吐き人を喰らう。

 

 

そんな奴らが何故人里に?

それだけじゃない、数はそこそこ居る筈だがあえて単体で攻めて来る。

目的は人里の支配?

それともそれこそ幻想郷の異変とやら?

 

 

 

「自分より実力が下の者が不規則な動きをした場合は、大抵何か作戦があると踏め。」

 

 

僕は弓の師匠、ロビンフッドさんに言われた事を思い出す。

 

 

作戦か…これは僕にも当てはまる。

妹紅さんとの戦いはそれによる勝利だ。

 

 

不規則、確かにそうだ。

単体での攻撃、例えばこれが複数によるものだったらどうだろう。

 

僕だけでは対処し切れず、

それこそ人里の危機により幻想郷中から強い強い人達が駆けつける。

 

 

それを奴らはわかっている。

 

つまり…

 

 

「こりゃあ、認めたくないけど…

なるほど…」

 

 

 

僕は団子を食べ終え、店の外へ出る。

 

 

 

 

わかってしまった。

 

有力者達不在。

つまり攻め時は……

 

 

 

 

「ウロボロス、敵の数は?」

 

 

「……90いや100を越える数だ。

確実に此方へ向かって来ている。」

 

 

 

 

 

「すーはー…」

 

 

 

僕は深く深呼吸をする。

 

さて、きっちりと仕事はしないと。

 

 

 

 

 

「妹紅さんすみません、どうやら約束は守れなさそうだ。」

 

 





今回は短めでした。
次回は人里の英雄編、一章の最終話となります。
恐らく長くなるかと。
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