高校はテストさえきゃ最高なんですけどね…
<魔法使い…ですか。この僕が?>
僕は改めて聞き、いや、書き返す。
正直才能とか言われてもわからないのだが…
「とりあえず私の家に招待するわ。
着いて来なさい。」
僕は言われるままアリスさんに着いて行き、しばらくすると本当に家が見えた。
本当にこの森に住んでるのか、おっかない人だったらどうしようか。
「何ぼさっとしてるのよ、早く上がりなさい?」
僕はこくりと頷く。
なーんか緊張してきた。
しかしその緊張はすぐに驚きに変わる。
「‼︎⁉︎」
部屋のなかで人形が自立して動いている、まじですか…‼︎
「なに驚いてるのよ、私からしたらあなたの方がよっぽど珍しいし、羨ましいわ。」
「⁇」
僕は首を傾げる。
「詳しく説明するわね、私はこの通り人形を操る魔法を使えるの。」
人形か、確かに阿求さんから聞いた事があった気がする。
「そこでルーカス君、あなたは私が自作する人形の最終目標にとても近いの。」
……うん?
あー…えーっと……
あ、そういうことか!
僕はある結論にたどり着く。
アリスさんは人形を操る魔法使いだ、その人形に対して何らかの目標があるのだろう。
人形は既にそこそこ自立機能していて部屋の掃除をしている、僕にとっちゃ凄い事だ。
でもアリスさんは同じ様に作られた存在である僕が目標に近いと言った。
<つまりは魔法を教えるから僕について調べたい、という事ですか。>
「物分りが良いわね、実際あなたは錬金術を習得する学習能力と退化をもする身体、様々な精神も持っている。とても制作された存在とは思えないわ。」
アリスさんが作る人形の上位互換が僕かどうかは別として、僕について情報提供するのは全然問題ない。
しかし
紫さんとの約束もあるし、慎重に伝えなくてはならない。
どうやって誤魔化そうかな…
1.紫さんには悪いけど一連全てを明かす。
2.罪悪感はあるけど嘘をつく。
3.その部分を教えないと宣言する。
1は…まあきついな。
紫さんは神出鬼没らしい、バレて幻想郷から追い出されたら困る。
2は自身の生命に関わる。
自身の罪悪感もアリスさんに疑われた場合も首を絞めることになる。
ただでさえ残量が無いのだ、危ない橋は渡るべきではない。
3が一番現実的だろう。
恐らく魔法を教わる交換条件になるから重要部分を伏せるのは良くはない。
けれどもこれが一番良い、未来は見えないけどなんとなくそんな気がするんだ。
<わかりました、まずは僕、ホムンクルスについて説明しましょう。
ホムンクルスは人間の身体の元を素材に魂を特殊な術で憑依させ、特別な環境で放置させる事で誕生します。>
「なるほど……1から作るのね。」
僕は頷きなかまら机に紙を置き、絵を描く。
絵の上手さは気にしないでほしい。
<誕生した時の姿は10歳、ちょうど今の僕くらいの姿で他人の感情を受ける事で心身共に成長していきます。>
<しかし身体の成長が止まるのも、必要となる感情もランダムで決まるみたいです。>
「だいたいは理解したわ、それでホムンクルス作成の際に必要な術とは何かしら?」
……そろそろ言うべきか。
<ホムンクルスを作成する際に必要な術を教える事はできません。>
「どうして?」
<なぜならそれは僕が一番求めている物であり、10年以上かけていても未だに見つからないからです。>
僕は頭を下げる。
事実は伝えた、アリスさんは怒るだろうか、弟子の件は無くなってしまうだろうか…
「わかったわ。
交換条件の通り、魔法を教えましょう。」
え…?
これでいいの⁉︎
と、僕は拍子抜けした様な顔をしたであろう。
それに対してアリスさんは
「別に構わないわ。
ルーカス君はそれを探す為に幻想郷に来たのでしょう?
いかにもあのスキマ妖怪が関わってそうなものね。」
ぎくっ‼︎
なかなか鋭いですね……
「それにそんな辛そうな顔している人にさらに追い打ちをかけるなんて事はしないわよ。」
ありゃま……
珍しく顔に出ちゃったかな。
「師弟共に求める物が一緒ならさらに好都合じゃない、よろしくねルーカス君。」
と、アリスさんは握手を求めてきた。
<よろしくお願いしますアリスさん。>
こうして僕は魔法使いの弟子となったのさ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「私が魔法使いを勧める理由は2つあるわ。」
アリスさんは僕の紙を借りて説明し始める。
「1つ目は単純にルーカス君の戦力になりやすいからよ。
錬金術と同じく魔法も知識と努力さえすれば直ぐにモノになる、強くなりたいならピッタリね。」
なるほど…どうもイメージし辛かったけどそうだったのか。
確か弾幕ごっこだっけ、錬金術じゃ厳しそうだからこれも魔法の方が良いかもしれないね。
いろんな攻め手も覚えてはみたいけれども。
「2つ目はルーカス君の才能が物凄いからね、あなたは魔法使いになるために生まれてきたと言っても過言じゃない程に。」
これはどうもイメージし辛い、あれか?ハ○ー・ポッターみたいな?
僕はあの作品好きだぞ。
「動くには体力が必要と同じ様に魔法を使うには魔力という力が必要なの。…ルーカス君は魔法を使わずとも身体から魔力が溢れだしている、恐らくあのフラワーマスターも気付いてるでしょうね。」
<魔力……
そういえば
……錬金術を使うにあたって魔術師、魔法使いとの争いは避けられないだろう。
けれどルーカス、お前は心配するな……とかなんとか。>
「恐らくルーカス君の身体に大量の魔力を組み込んで魔法使いと対峙する際にむやみに殺させない為かしら?…この量の魔力を用意するあなたの御主人様って一体……」
それは僕の御主人様ですから。
「それはさておき、まずはあなたがどの魔法が使いやすいか確認するわね。
魔法と言ってもいろいろなタイプがあるわ、私の様に人形を操ったり属性を操ったりとね。」
なるほど。
僕は日記にメモをしていく。
「最初は基本的な事よ、外に出て試してみましょう。」
僕らはアリスさんの家の外へ出る。
「魔力を固めた弾丸、これをこうやって……」
アリスさんの掌に丸いエネルギーの様なモノを出し発射する。
おお……!
「大切なのは自分に魔力がある事をイメージして集中するのよ。
さあ、やってみなさい?」
ふむふむ…
(僕に魔力があることをイメージして…)
あれ?何も起きない……
「ルーカス君には錬金術を使い続けてきたせいか物体を変化させるイメージがついているのかもしれないわね……」
魔法は新たに生み出す力…ってことか、確かに錬金術とは似てる様で別かもしれない。
ならばそのイメージを消すまでだ。
(魔力のイメージ……
そして発射‼︎)
へ…?
ドカン‼︎
僕から発射された菱形のエネルギー弾丸が木々を粉砕した。
「ま…まさかここまでの魔力量とは…どうしよう……」
2人は唖然とする。
そして僕はふと錬金術の練習を思い出した。
僕には才能を動かすセンスが全くない。
僕の好きな漫画に才能は開花させるもの、センスは磨くもの。という言葉があります。
アインシュタインの名言からしたら開花させるものは1%だけでいいんですよね。
ルーカスの才能は何%でしょうか?