本当に嬉しいです‼︎これはやる気出ますねえ。
ルーカスの修業はまだまだ続きます。
この機会にいろいろと酷い目にあってもらいます。
ちなみに今回は番外編もありますよ。
『………』
せっかく話せる様にはなった、なったけど…‼︎
机に山積みにされた本を取る。
かれこれ4時間は経過している。
「ルーカス君が圧倒的に足りないのは魔法自体の知識。今日はこの本の魔法をできるだけ覚えなさい。」
アリスさんはそう言いどっかに行ってしまった。
…しかしまあ錬金術を覚えた時を思い出す。
1週間で覚えた僕をわりと皆褒めてくれたっけな。
『おっと、もう最後の一冊だったか。』
僕はパラパラと捲りながら日記に書き足していく。
数十ページに渡ってしまったがこの日記なら問題ない。
『くあああ〜疲れたあああ〜』
本を閉じた後に伸びをする。
海外スパイの仕事の時に語学の勉強もこんな感じだった気がする。
『しっかしまあ…魔法を上手く使えるかどうかは別問題だなあ。』
大量の本を本棚に戻す。
上の段は背が届かないので梯子を錬成した。
『これは……⁇』
本棚の奥に一つ本を発見した。
年頃の男だったらエロ本でも隠してるであろう奥。
まあアリスさんが渡し忘れたのだろう。
『ふむふむ……
他人の技巧を略奪……おや?大きくバツが書かれている。
この魔法は欠落品なのかな?
単に奪うのに悪意があるからかもしれないけど
『まあ面白そうではあるから一応書き写すかな。』
そういや多くの異変解決に携わっている霧雨魔理沙さんとやらは他人の道具を奪……借りるのが上手いらしい、アリスさんから愚痴の様に聞かされた。
今度こそ書き終える。
本棚に戻し、アリスさんはまだ帰らない様なので外に出てみた。
『イメージ…イメージ…』
弾丸をイメージして…発射‼︎
掌から放たれた球型のエネルギーの様な物がまた木々を粉砕する。
『…………』
だめじゃねえか。
弾幕ごっこって確か殺さない為の解決法かなんかじゃなかったっけ…
これじゃあ命中したらスプラッタだ。
それでも丸っぽくイメージした通りにはなったし前よりはスムーズだから上達はしてるか。
「…もう読書には飽きたの?」
ありゃま、アリスさんに見られてた。
ちょ、顔怖い怒らないで。
『終了したので実際に試してみようかと思いまして。』
「え…⁉︎も、もう終わったの?」
『
少しドヤ顔をしてみる。
「やるじゃない、流石は私の弟子ね。」
アリスさんに頭を撫でられ、僕は微妙な顔をする。
「どうかしたの?」
『
「え…?」
『アリスさんの言動がです。
なんだか懐かしくて。』
「ルーカス君の御主人様は今はどうしてるの?」
『今はもう生きていません。
いや、僕が殺したと言うべきか。』
「ルーカス君が殺した…⁉︎」
『もしあの日に戻れるのなら…僕は何だって差し出します。』
けれどももう戻らない。
兄ちゃんの力をもってしても……御主人様だけは蘇りはしなかった。
『なんか微妙な雰囲気になってしまいましたね…すみません。』
「気にしないで。
…特訓を再開しましょう。」
どうやら気を使わせてしまった様だ。
「先程のルーカス君を見る限り確実に上達はしてるわ。
それでもまだ実績で使うには程遠い。」
『うう……ごもっとも…』
「着いて来なさい。」
アリスさんが森の奥へと進む。
「ここは魔法の森といって一般人が来るには危険な場所だわ。」
『しってます。』
「それでも今のルーカス君の実力をつけるにはもってこいの場所、という事で強引な手段に出るわね。」
『強引……⁇』
なんか嫌予感がする。
「今から魔法のみでこの森を一週間過ごす事、それができるまで
『な……』
『なんだってえええええ‼︎‼︎⁉︎』
森に僕の悲鳴が響く。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
日記
1470年
シルトエット姉様に僕が街で淫行をしていた事がばれてしまって御主人様とアルトラス兄様に怒られてしまった。
どうやらいけない事だったらしい。
怒られる際に残量は減ってしまったが今は限りなく最大に近い。僕が生きていく為に、他の方法を探す事にした。
皆はその決意を嬉しく思い、いろいろな常識を教えられた僕は基本的に放任主義になった。
幸いな事に優秀な錬金術師の御主人様の名前を出せば国王に会う事すら許される程の権利があるようだ。
数日後、僕はある男性と知り合った。
レオナルド・ダ・ヴィンチと言う素晴らしい人だ。
彼は様々な学を持っていて、周りのつまらない人間とは全然違った。
最後の晩餐、あれを見た時は僕は黙り込んでしまった。
今迄にない描き、先に行き過ぎた芸術。完全主義。
未来を見透かす様な綺麗な眼。まさに万能人。
僕は彼と彼の描く絵が大好きだった。
彼は僕の存在を認めてくれた、僕達は親友になった。
彼と僕が話しながら彼が絵を描いている、そんな時間がなによりの宝物だ。
1519年
僕はマゼランと言う男性と知り合い、初めて海を渡るという内容に興味が湧いたので一緒に着いて行く事にした。
しかし。
嵐によって海に流れだされた僕は溺死し、餓死し、鮫に食われ、幾度も幾度も幾度も死に、ついに残量が尽きた。
僕は蘇った、レオナルド・ダ・ヴィンチの身体へ。
彼は僕のせいで死亡した。
僕は泣いた、毎日の様に泣き、もう一度残量が尽きる前に御主人様に止められるまで泣いた。
そんな僕に御主人様は言った。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ死んでなどいない、お前の魂の中で、永遠に生きている。」
僕の親友の話をしよう。
彼は完全主義者だった。
彼の芸術は後世にも伝わった。
彼は先を行き過ぎていた。
飽くなき探究心
尽きることのない独創性
万能の天才
彼はまだ生きている。
僕の魂の中で、未来すら見据える眼と共に。