友達から質問があったので答えておきます。
Q.ルーカスはどんな錬金術も実現可能ですか?
A.原子の結合の軌道(S軌道とP軌道)を上下させる事が苦手です。
本来なら炭素原子の結合の度合いを変化させれば硬さが変化するので木片でも牛鬼を貫くのは容易です。
しかしルーカスはその作業を苦手としあまり使いたがりません。(できない訳ではない。)
Q.アブソリュート=ゼロを使用すれば大体は勝てるのでは?
A.絶対零度を起こすには実戦にしてはかなりの時間と手間を要します。油断をしてたもこたんや間抜けな牛鬼ならなんとか使用できる程度です。
しかし命中精度を下げて使用すれば多少はマシになるので防御には使えるかと。
Q.ルーカスの兄に友達は居ますか?
A.友達はいませんが姉弟がいますしお目付役やお付きの人間とはそこそこ仲が良いです。
また過去の友人を現在に復活させる事も可能です。
リアルチート。
「……そして丁度一週間経つけれど、大丈夫なのかい?
ホムンクルスとは言え弱っている男の子を森に置き去りにするなんてとても師匠のする事とは思えないな…」
一週間、ルーカスの声を取り戻すのに成功した本人、森近霖之助は溜息をつきながら何かの作業を続けている。
「私の弟子よ?
そんな事で死ぬ訳無いでしょう?」
「それを含めても大胆な手に出たね。君らしくないんじゃないか?」
「…正直、私もわからないのよ。
天才級の魔力量を持ちながらも活かせてない、普通は優秀な素材には優秀な技師が付きもの。
やれる可能性は全部試させて貰うわ。」
「しかし…仮にルーカスが魔法以外に錬金術や変換能力を使用したらどうするんだ?」
「それなら大丈夫よ。
あの子は嘘が吐けない、見れば明らかじゃない。」
『全くそうですよもー、僕は嘘はつきませんて。』
「「‼︎」」
噂をすればという言葉の通り、ルーカスは入り口でいつも通りの笑顔を見せる。
しかし服は無惨な程ボロボロで、全身に様々な傷、一番特徴的なのが左眼の閉じられた目蓋についた打撃痕だろう。
「無事に帰って来た…とは言えないね、一体君に何が起きたんだい?」
ルーカスは左眼を指差す。
『魔法以外の能力の使用を禁じられたので再生機能を無理矢理取り除きました。
後は有るとどうしても使用してしまいそうなので左眼をすりつぶしておきました。
あとは単純に受けた傷です。』
「わかった!わかったから早く傷を治しなさい‼︎」
アリスは鬼気迫る様にルーカスに指示する。
『うーん…久しぶりに再生するなあ。っと⁉︎』
ルーカスは再生機能を直し、傷を癒している最中にアリスに手を握られ驚く。
「私の説明の仕方が悪かったわ。
ごめんなさい…そこまで追い込むつもりはなかったのだけど…」
『あはははは全然大丈夫ですよ。本来の人間なら
「こう言う時は『寂しかった』とか言うものだよルーカス。」
霖之助がこそこそと話す。
(やっぱりアリスも心配してたんじゃないか、少し安心したよ。)
『確かに寂しくないと言えば
そう言うルーカスのフードからフェネックの様な生物が肩に乗り出す。
『何だ結局出て来たのか。
こいつは森で仲良くなった動物でして、なんと程度の能力持ちでもあるんですよ。』
「よろしくお願いします、私ウロボロスと命名されました。
以後お知りを。」
『まあ無駄話はここまでにして、修業の成果をお見せしましょう。』
「あ、ああそうだね。
せっかく命懸けの特訓も終わったんだ、これは期待できるな。」
僕は人を連れて森へと入った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「さて、特訓の成果はもちろん
で見せてもらいましょう。」
『魔力の弾ですね。
わかりました。』
ルーカスは左手を掲げる。
菱形の魔力の塊は細かく分裂していき、数十本の矢の形を取る。
『散弾・Lv.4‼︎』
矢は大木に向かって発射され、それぞれが突き刺る。
(魔力の変形も威力の調節も完璧…‼︎それにしても…)
「矢の弾幕…なるほど、考えたわね…」
『慣れている物を弾幕にした方がやりやすいですから。それと、これだけじゃないですよ?』
ルーカスは矢が命中した木を指す。
「これは…魔法陣…?」
『焼き尽くす煇炎の宴。
斯も懐かしき夏夜の煌きを此処に写せ。
ファイヤーワークス‼︎』
大木の魔法陣が焦げ、バチバチと美しい炎を上げる。
「おお…これはなかなか映える……良い魔法だな。」
「炎の魔法…いや、違う……これは…
『確かに略奪魔法をモデルにはしましたが、やや違います。
僕は他人の技術を自分の魔力で模倣しただけ。
僕は
「拝借魔法……それでも略奪魔法をベースとする以上魔力消費量は異常。これがあなたの答えなの?」
『確かに魔力消費量は多いですが僕の魔力量なら大丈夫ですし…なにより見本をイメージしやすいのは大きい。
これが、1人だけでは何もできない、
僕の答えです。』
ルーカスは拳を固めアリスに突きつける。
「……合格、いえ100点満点ね。
あくまでも多様性に拘りつつ不器用さをカバー。
ルーカス君に相応しい魔法…見事としか言いようがないわ。」
『よし!やったなウロボロス‼︎』
「ルーカス様なら当然の事です。」
(他人と関わらずして生きてはいけない弱点も一つの個性として武器とまで昇華させた。
…本当に優秀で天才な弟子ね。)
喜びを表面に出す姿を見て、アリスは密かに思った。
「さ、早く戻りましょう。
久しぶりにルーカス君の料理が食べたいわ。」
『はぁ…ようやくまともな食べ物にありつける……霖之助さんも一緒にどうです?』
「せっかくだけど店を空ける訳にはいかないし遠慮しておくよ。
それと…」
霖之助さんが僕にしか聞こえない声で話す。
「ああ見えてもアリスは君の事を心配していた様だ。
今回は決して乱暴では無く苦肉の策だったと思ってほしい。」
『わかってますよ。
直接言わなくとも感情でバレバレですから。』
「ならいいんだ、とにもかくにもお疲れ様、今日はしっかり休むと良い。」
『はい、是非そうさせてもらいます。』
こうして僕の一週間に渡る特訓は終了した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
翌日
『実戦?ですか。』
僕は食卓の対に座るアリスさんの言葉を言い返す。
「ええ、ルーカス君もせっかく身につけた魔法を使ってみたいでしょう?私も拝借魔法に興味があるし。」
『別に構いませんが誰が相手なんですか?』
「私がしても良いのだけど、あなたがいない間に既に約束しておいた人がいるの。」
(仮に僕が帰って来なかったらどうするつもりだったのだろうこの人。)
「どうせそろそろ来るわよ。
こちらから迎えに行くまでもないわ。」
と言った瞬間か同時か。
家の扉がいきなり開けられる。
「約束通り来たぜー!」
「…………」
アリスさんの顔と感情で理解した。
「人の家に入る時くらいノックしなさいよ…」
「そこに居るのがアリスの弟子か⁉︎……こりゃ確かに物凄い魔力量だな。」
だめだ聞いてねえこの人。
『ルーカス・ローゼンベルグと申します。よろしくお願いします。』
「ルーカス様の使いのウロボロスです。以後お知りおきを。」
「なんか堅っ苦しい奴だな〜。
私は霧雨魔理沙、アリスと同じく魔法使いだぜ!」
聞いた通りの人で逆に安心した。
「それにしても…」
魔理沙さんがニヤニヤと見てくる。
何?幻想郷では初対面をガン見するのが風流なの?
「へー、なかなか可愛い顔してるな〜こういうのがアリスのこ…」
「わー‼︎‼︎‼︎
ちょ、ちょっと魔理沙‼︎」
『⁉︎』
魔理沙さんが何かを言おうとしてアリスさんが大声を出して遮る。
「あはははは悪かったよ。
じゃ、外で待ってるから準備ができたら来てくれ。」
と外へ行ってしまう。
『準備ってなんですか?』
「え、ああ、まだ話してなかったけど、ルーカス君には魔理沙が相手になるわ。
もちろん幻想郷での戦い、弾幕ごっこよ。」
『魔理沙さんが…』
実戦でいきなり大物と勝負じゃないですか。
「そんなに不安な顔しなくても良いじゃない。
魔法使いとしては魔理沙の方が10枚くらいは上手だけど、ポテンシャルはルーカス君の方が圧倒的よ。」
10枚は上手ってそれ雲泥の差はありませんかね。
弟子にもう少し気をつかってください。
次回はルーカス初の弾幕ごっことなります。
拝借魔法の細かな説明とルーカスの使い獣の説明は後日します。