まさか、まさか20時に寝落ちするなんて‼︎
『怖い怖い怖い怖い‼︎
あんまり揺らさないでえええ‼︎』
「うるさいわね、ちゃんと捕まってれば大丈夫よ。」
アリスさんの背中にしがみつきながら叫ぶ。
見て見て御主人様!僕空飛んでるよ‼︎
あははははははは☆
…何故こうしてるかって?
経緯はこうだ。
昼食の際にアリスさん曰くその知り合いとは上空に…ひぃぃぃ落ちる‼︎
紫さんの能力の拝借、『テレポート』は一度見た場所じゃないと移動はできない。
さらにスカイウォークでは移動速度が遅いから…ちょ、まだ説明中‼︎
○ ○ 以下省略 ○ ○ ○
「ふぅ…着いたわ。」
『あ、ありがとうございます……』
「じゃ、私は用事があるから時間になったら迎えに行くわ。」
『えっ…行っちゃうんですか⁉︎』
「素直だし話せばわかる人だから大丈夫よ。それじゃ、期待してるわ弟子君♪」
…逃げられた。
まあ頼みに行くのは僕だし仕方ないよね。
にしてもこの階段を登るのか、きつそうだな。
静かな場所は嫌いじゃないけどね。
5分後
『〜♪』
口笛を吹きながら階段を登り続ける、この身体じゃちょい応えるな。
スカイウォーク使っても意味ないしなあ。
「…ルーカス様」
『わかってる。』
誰か来る。
僕は口笛を続けながらも警戒する。
少し歩き続けたところ、上から緑の服の白髪の少女が降りて来た。
なんか近くに浮いてる…
こりゃどうも本人っぽいな。
僕は彼女が持つ二つの刀を見、確信した。
「迷子ではなさそうですね、やはり侵入者でしたか。」
『否定できませんね。』
「見た事のない顔、貴方外の世界の刀ですか?」
『そうですよ、少し此処に用がありまして。侵入させて頂きました。』
「それならば斬らせて貰います!」
『えぇ…』
マジな辻斬りだ。
正気かこの子、いや幻想郷だから仕方ないのか?
どちらにせよ、
『未来視+魔眼解放。』
売られた喧嘩は買うまで。
「この雰囲気…魔法使いですか」
『正確にはその弟子ですね。
ルーカス・ローゼンベルグ、是非手合わせ願いたい。』
それが目的。
僕が言うのもなんだけど教えを請う技術を持っているか確かめたいのだ。
「良いでしょう。
魂魄妖夢、いざ‼︎」
『っ‼︎』
速い。
あっという間に間合いに入った‼︎
僕は間一髪で斬撃を避けるがもう片方の刀で追い打ちをかけられる。
『イージス‼︎』
それを防ぎ、後方の階段へ後ろ向きへ飛び降りる。
『追尾爆破弾』
「くっ…‼︎」
矢が妖夢さんへ向かうが彼女の足元で爆発する。
「ルーカス様!後ろです‼︎」
『ぐはっ⁉︎』
爆煙に隠れて…‼︎
なんつー機動力と瞬発力だ。
胴体を斬られた僕は階段を駆け上がる様に退く。
「傷が再生した…⁉︎」
『あはははちょいと訳ありな身体でして。』
「ホムンクルス…ですか、全く未知の種族ですね。」
『あ、なるほど斬ればわかるんですね。』
「…?何故それを。」
未来が視えますからねー。
『まあまあそんな事どうでもいいでしょう、さあ再戦です。』
「……余計に怪しいですね、手並み拝見のつもりでしたが本気でいきます!」
ちっ、まだ速くなんのか!
僕は斬撃を避けるが余裕が無いのが自分でもわかる。
『ウロボロス、頼む‼︎』
「了解です。
…平面角15°、189°、切り返しの281°‼︎」
『ほいほいっと!』
「13°、157°、41°、180°、327°‼︎」
僕はウロボロスに指示された通りの攻撃を避けていく。
「攻撃が読まれている…⁉︎」
つってもこっちは疲れる一方だけどな。
早いうちに決めないとまずいな。
「24°、176°、0°来ます‼︎」
『スタミナもあるのか、羨ましい‼︎』
焦るな焦るな…
チャンスは必ず来る。
「…すみません!読み逃しました‼︎」
『うおっ‼︎』
切り上げからの回し蹴りが命中し、階段に叩きつけられ、起き上がろうとした僕の喉元に刀が突きつけられる。
「どうやら攻撃を読む力にも限界があるみたいですね、追い詰めました!」
『ありゃま…こりゃ凄いな。』
「見惚れましたか!
妖怪が鍛えたこの楼観剣に、斬れぬものなど、あんまり無い‼︎」
おお…!
よくわからんけど決め台詞っぽくていいね。
『あーそれもそうなんですけど。』
「⁇」
『言動に見合わずなかなか可愛いらしいの、履いてますね。』
「なっ…」
はい隙あり。
『あんな一瞬で見える訳ねえだろうが‼︎』
僕は隙ができた彼女の刀を1本蹴り飛ばす。
「しまった!」
『紫さん借ります!
テレポート‼︎』
僕は彼女の数下段へ転移する
「っこれはまさか…⁉︎」
『ルーミアさん、アリスさん
以下略!影暗人形‼︎』
黒い影が4体妖夢さんへ向かう。
「小癪な!不意打ちなど恥ずかしくないのですか⁉︎」
影を斬りつける彼女が言う。
『こうでもしないと勝てないのですよ、こちらの間合いですがどうしますか?』
「…ならばこうします。」
『痛っつ‼︎』
後ろから妖夢さんの近くにいた何かに突進される。
これ操作できんのかっ…
「これで決めます、
獄神<業風神閃斬>‼︎」
やべっ、態勢崩してたから避けられない。
ならばこちらも…‼︎
『魔理沙さん借ります!
神を穿つ破の剛撃、全てを弾き我が腕の糧とせよ‼︎』
『覇道<サングレイザー・アンカー>‼︎』
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
「はあ…はあ…とんでもない強敵でしたが…」
煤けた服を払いながら妖夢は階段に突っ伏している僕を眺めた。
「ルーカス・ローゼンベルグ、彼は一体何者だったのでしょうか…」
そう言いながらも階段に突き刺さった白楼剣を回収しに下段へ降りようとした、が。
『いや、見事でしたよ。
ついつい魅入っちゃいました。』
「〜っ⁉︎」
倒したであろう僕が。
「な、ど、どうして…」
妖夢さんは何もわからない様子だ。
まあ僕がしたのだけど。
『僕を倒すなら少なくとも後約30回は倒さないと駄目ですよ。』
僕は肘の裏を見せびらかす。
「30回…嘘でしょう⁉︎確かにあの時斬りつけた際に…」
『まあ斬ればわかるとか信憑性も不安でしたが未来視で確信までは持っていけましたし。』
「未来視⁉︎いや、それ以前にあの情報が嘘だなんてありえません。」
『じゃあその情報を間違って捉えていたら?』
僕は頭を指差す。
『君も知っているでしょう。
歌で人を惑わしてしまう夜雀さんの力を。』
「ミスティアさん…ですか?」
『そうそう、ミスティアさんことみすちーさんの能力を拝借して妖夢さんの判断力を誤認させた。』
「し、しかし貴方は歌ってなど…」
『口笛ですよ。』
「あ、ああ、まさか、最初から⁉︎」
『はい、歌にアレンジはつきもの。
まあ僕の場合口笛にしただけですけど充分かな。
階段に寝っ転がってるのも影暗人形ですし。』
「…しかし今の会話で貴方の特徴は掴みました、30もの命を持つならばその回数殺すまで。」
妖夢さんが楼観剣を構える。
『かなりしんどいと思いますよ?
だって…』
僕は白楼剣を抜き、妖夢さんと瓜二つ、変わらない構えを取る。
「そんな馬鹿な……どうして貴方がそれをっ⁉︎」
『白楼剣は魂魄家の者にしか扱えないと?ううん、それはあってるよ。』
「<借りる魔法>の影響?いや、それを以ってしても不可能な筈…」
『僕がいつ借りるのは技術だけだと言いましたか?』
「…え?」
『今の僕は魂魄家の血を拝借しています。
改めて名乗るとルーカス・魂魄・ローゼンベルグかな?
なんかおかしいな。』
どうでもいいですけど血液を拝借しただけでその家を名乗るなんて図々しく、勘違いも甚だしいですよね。
それを可能にするのがルーカスなんですが。