特訓の成果を見せる時が、
今ここにあった。
〜昨夜〜
「なるほど、確かにその作戦なら動きは封じられる可能性がある。
その先はどうするんだ?」
「長期戦用の作戦もあるけど微妙だからなあ、距離を置いて攻めまくって防御を崩す。まずはそれ。」
〜〜
「爆破散弾Lv.31‼︎」
(特殊弾でも複数の弾幕を可能にしてる…特訓の成果が出てるわね。)
耳を塞ぎたくなる様な破裂音が辺りを包む。
「……さすがに防ぎましたか。
リターンオブ=ゼロを防ぐなら当然っちゃあ当然か。」
(それでも凄い威力…!
ちっ…この杭が邪魔くさい‼︎)
「ならばお次はこれで、
魔理沙さん借りますよ。」
ルーカスは手を挙げる。
「あれは…!
魔理沙さんのマスタースパーク⁉︎」
「いや……あれは…
嘘……でしょう…?」
巨大な魔力の塊が5つに分かれ、各々がレーザーを作り出した。
「誇示〈マスタースパーク・クィンティプル>‼︎」
「…!!!」
(この……威力は‼︎)
「……ウロボロス、仕留めたか?」
「いえ、まだですね。」
(そうか、防御魔法を……意外だな。
でも確実にダメージは効いてるか。)
「くっ………」
「耐えますね幽香さん。
だんだんとこちらも痛々しい気分になってきましたよ。」
「……同情…かしらねぇ……はぁ…はぁ…」
「いえいえ、むしろここからですよ。妹紅、借りるぞ。」
「なっ……!」
ルーカスの手から巨大な火柱が上がり、空を射抜く。
「焼き尽くせ!せーの、アルメキア=アドラメレク‼︎」
「くっ‼︎ああああああ‼︎」
炎が周囲を包み込む。
「やったか…?」
「っ……まだです!」
(おいおいまじかよ!
魔力を暴発させて相殺しただと⁉︎)
「もう…左手……は使い物に…ならないか…ふぅ…」
「っ……‼︎バインドが⁉︎」
ルーカスはさらに距離を取ろうとするが、脚に蔦の様な物が絡まる。
「‼︎⁉︎」
(なんだ……?身体が…痺れ……)
「……攻撃に夢中で…気付かなかった様ね……それは神経毒の作用を含む異端の花よ……」
(そんなのアリかよ⁉︎)
幽香は呼吸を落ち着かせ、続ける。
「大抵の勝負相手は空中だから使い道は無いと思ったけれど。
貴方には有効みたいね。」
(くそっ、スカイウォークを維持すりゃあ良かったか‼︎)
「貴方は目の前の人物の未来を捉えても自身の未来は視えない。
傘と貴方の攻撃で姿を隠していれば奇襲は容易い。」
「………なら……ば‼︎」
僕は自身を分解して爆発させようとするが。
(ぐっ⁉︎なんだ⁉︎頭が痛……‼︎)
「…貴方は身体は再生するけど痛みは覚えているし表情にも出る。
つまり、」
「がはっ⁉︎」
傘が……僕の身体を貫き……
「杭の構造は理解した、外すのにもう時間は要さない。
……そして、貴方は精神的なダメージを再生する事はできない。
その神経毒は脳も侵食する。」
右手で……僕の首を……掴む。
「あの時の様な油断はしない、残量を確実に減らしていく。」
(なん……なんだ…あんたは……強すぎる……化け物かよ……)
なんで…敵わないんだ……僕は…敵わないから修行…して……なのに。
ああ……もう……何発殴られてんだ……勝てない……勝てない……
遠くで……アリスさんが…御師匠様が…駆け寄ろうとしているのがわかる。
「ルーカス君‼︎」
「待ってください!」
「妖夢‼︎離しなさい!ルーカス君が」
「信じなくてどうするんですか⁉︎
アリスさんは、ルーカスさんの師匠です‼︎彼を信じなくて、どうするんですか‼︎」
…御師匠様……妖夢さん…
……情けないったらないなあ……僕は2人に…恩返しもできてないってのに…
ここで……根性見せなくて…
「いつ見せんだろうがあああ‼︎‼︎」
「っ⁉︎」
ルーカスは思いっきり額を幽香の頭にぶつけた。
「この……‼︎」
幽香は拳を握りルーカスに叩きつけた。
しかし、
「がっ‼︎」
「っ⁉︎」
(拳を……噛み付いて防いだ⁉︎
くっ……食い千切られる……‼︎)
(やれやれ、咄嗟の思いつきが先生の頭突きとルーミアさんの嚙みつきとはね。)
幽香は身体を捻りルーカスから距離を離した。
「……どーも、頭突きしたおかげで頭が冷えてきたよ。
額割れたけれども。」
「………大した根性ね。
でもバインドも無しの状態で私に勝てるの?」
「しがみついてでも勝ってやる。
んでもって思いつきました。」
風見幽香さん、
貴方の攻略法を。
僕の親友達、いや、かつての想い人の話をしよう。
彼女は光を知らずして光を求めていた。
彼女は運命を求めていた。
僕は彼女達を、
続く