自殺願望の錬金術師が幻想入りするそうです。   作:クレシアン

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ついに始まってしまいました学校。
これからはやや(そこそこ)更新頻度が落ちます。
悪しからず。


何年経とうとも先生という存在から学ぶ事は絶えない。

 

「僕はホムンクルスです。

紫さんにこの地へ招待されました。」

 

「紫さん……?八雲紫の事か。」

 

 

 

僕は正直に事実を伝える。

 

 

ん…?何か聞こえるな。

 

 

 

「あやややや?そこにいるのはもしかしてルーカスさんじゃないですか!どうして寺子屋の先生と?」

 

 

「あ、文さん、昨日ぶりだね。

まあいろいろあってね。」

 

 

文さんは綺麗に着地し僕に声を掛ける。

 

 

「見ましたよ、一連の流れを、

出来上がった新聞を届けるつもりがヒーローインタビューになってしまいそうです。」

 

 

「射命丸文、そこの者は?」

 

 

 

女性が文さんに話しかけた。

2人は知り合いなのかな。

 

 

「ルーカスさんですか?

昨日取材に協力して下さった方ですよ。ほら、」

 

 

文さんから新聞を受け取った。

文々。新聞、なるほどねぇ…

というより僕が牛鬼を倒した写真がある。…いつの間に撮ったんだ?

 

 

 

「そうだ文さん。

どうして僕の姿が変わったのに気づいたんだい?」

 

 

 

「そりゃあ気づきますよ。

ルーカスさんから感じられる雰囲気は特徴的ですからね。」

 

 

なるほど、でもこのままじゃこの女性にはわかりにくいよね。

 

いちいち人体錬成するのも面倒だし、ここは一つ『力』を見せつけてみよう。

 

 

 

「よっと。」

 

 

僕は一つ指を鳴らす。

周りの人が驚愕しているけど気にしない気にしない。

 

 

「「⁉︎」」

 

「あややや…これは…」

 

 

「これでわかりましたか?

僕は写真の人物ですよ。」

 

 

 

僕の身体は何も変化はない。

ただ周りの人からは見えるであろう。

 

 

今の僕は昨日の僕の姿をしている。

もう一度指を鳴らして姿を戻す。

 

 

「慶や慈を糧する程度の能力。

僕の力を持ってすればできなくもない、という事です。」

 

 

 

「いや、全くわからないが…良いだろう。ここは信用してみよう。」

 

 

 

女性も納得したようだ。

 

 

 

「先程の無礼な態度、すまなかった。

私は上白沢 慧音だ。」

 

 

 

「いえいえ理解頂けたようで幸甚に存じます。

僕はルーカス・ローゼンベルグ、なんだかんだでホムンクルスやってます。」

 

 

僕は慧音さんと握手を交わした。

 

 

 

「それと文さんもありがとうね、今度お礼でもさせてよ。」

 

 

「いえいえ、お礼ですか…私は大体妖怪の山に居るので是非来てください。」

 

 

 

そういうと文さんはまた物凄い速さで飛んでいった。

すごいなあ。

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

「僕も働かなきゃだめかなぁ、いつまでも無一文じゃきついし。」

 

 

「なんだ金がないのか?」

 

 

「昨日幻想郷に来たばかりなんで、住居も金もなくって。

敷地さえあればなんとかなるんだけどね。」

 

 

「それなら私の知人が良い場所を知ってるぞ。

夕方だが今日落ち合う約束もしている。」

 

 

「そっか、ならそれまで慧音『先生』の仕事の様子でも見よっかな。」

 

 

「⁉︎…どうしてそれを、」

 

 

「まあまあ、そんな事どーでも良いじゃん。

僕としては知識はできるだけ持っておきたいし。」

 

 

 

 

「…まあ良いだろう、ついて来い。」

 

 

 

 

そうして僕は慧音先生について行き予想通り寺子屋にたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

「本日慧音先生の授業の見学をさせて頂くルーカスと申します。

皆よろしくね。」

 

 

「「「よろしくおねがいしまーす」」」

 

 

 

僕は先生に勧められ軽く自己紹介をし、教室の後ろへ行く。

 

あ、ルーミアさんだ、手を振ってる。

隣に居るのはお友達だろうな。

 

 

 

 

 

 

(強そうな雰囲気は感じたけどこうして見るとちゃんと先生だなぁ、慧音さん。)

 

 

 

 

あ、頭突きした。

相当痛そうだなありゃ。

 

 

 

 

内容は歴史みたいだ、生徒達は頷いたり首を傾げたり欠伸をしたり。

 

 

わかるよその気持ち。

 

僕だって作成されてから140年は歴史の事なんて興味なかったし。

 

 

 

 

 

「けーねせんせー、どうして歴史の勉強なんてしなきゃだめなんですか?とても将来に必要だとは思えないです。」

 

 

 

 

 

 

おっとなかなか鋭い質問だ。

生徒の1人である男の子がしたみたいだな。

授業を見る限り一番賢そうな子だ。

 

 

慧音さんも何かを言おうとしたけど言葉を飲み込み、悩んでいるようだ。

 

 

 

 

どれお兄さんが答えてあげよう。

 

 

 

 

「…少しいいかな?」

 

 

「?」

 

 

 

 

生徒達が一斉に僕を見る。

 

 

 

 

 

「慧音先生には悪いけど確かに歴史は将来必要ないかもしれないね。」

 

 

 

 

「なっ…!」

 

慧音さんは驚いた顔をした。

 

 

 

 

「けれども君達は普段している『遊び』が将来必要だとは思うのかい?」

 

 

 

 

「そ、それは…」

 

 

「それは別だから、なるほどそれも一理ある。

遊びと歴史の勉強は別だ。」

 

 

僕は少し間を置き、

 

 

 

「ただ、君達が本当に将来に必要だと思っている事はほんの僅かしかないんだ。

君達がその僅かだけを今から学んだら君達はあっと言う間にその将来に辿り着いてしまう。それでも良いのかな?」

 

 

 

 

「それは…困ります。」

 

 

 

「そうだね、だから君達は不必要な事をたくさんして大人になる。

たくさん遊んでたくさんの事を学ぶんだ。

歴史の勉強もその一部。

だから不必要だと思っても精一杯時間を掛けて学ぼうよ。

そうしたら立派な大人になれるよ。」

 

 

 

「「はい!!」」

 

 

 

 

 

 

納得してくれたようだ。

先生も頷いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

放課後の教室、僕と慧音さんは軽く掃除をしている。

 

 

 

「すまないな、いろいろと。」

 

 

 

「ただで授業に参加できたんだから安いもんだよ。」

 

 

 

 

「それとさっきの言葉、かっこよかったぞ。

私も感動してしまった。」

 

 

 

慧音さんは嬉しそうに褒めてきた。

 

 

「あははは、煽ててもなにも出ませんよ?」

 

 

「しかし何故あの様な事を?」

 

 

 

「……昔僕も教師をしててさ。」

 

 

 

「ほう、君もか。」

 

 

 

 

「教師の他にも料理人、医者や警察、ついには暗殺者までやった。」

 

 

「…………」

 

 

 

 

「この作り物の僕でさえ何にでもなれた。

元気いっぱいでたくさんの疑問がある、希望があるあの子達が損をしてしまうのはもったいないと思ったからさ。」

 

 

 

 

「なるほど…な、ルーカス。

仕事が無いそうだが、一つ任せていいか?」

 

 

 

「ほほー、この僕にですか」

 

 

 

「最近人里を襲う妖怪が増えていてだな。

それによる街のダメージもでかい。」

 

 

 

「妖怪退治に街の修復ですか。」

 

 

 

「鋭いな、かなり収入もあると思うがどうだ?」

 

 

 

「もちろん引き受けましょう、しかし新参者の僕に任せていいのかな?」

 

 

 

 

「君は強さだけでなく人を思いやる気持ちにも長けているらしい。

それに君の近くにいるととても暖かい、不思議な感じがするのだ。

そんな達者である君が損をしてしまうのはもったいないと思ったからさ。」

 

 

 

 

「!…こりゃあ一本とられたなぁ。

よろしくね、慧音さん。」

 

 

 

 

 

僕達は改めて握手を交わした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なるほど妖怪退治か。

どうせ消えるのだし別にいいだろう。

 

 

 

 

 




ついに脱NEETしたルーカス。

先生の知人?あの方しかいないじゃないですか。
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