SAO『罪と罰』 〜何故彼は力を手にしながら表舞台に現れないのか?〜   作:トアール凡人

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First sectionはプロローグです。
原作キャラとの絡みは少ないですが
情報屋さんは頻出です


First section ②〜コンビ結成〜

 

 

剣とはなんだろう。

鉄の塊を職人が丹精を込めて長い作業の末に完成する芸術的とも言えるモノ例えば日本では「刀」「剣の道」中世ヨーロッパでは「レイピア」「騎士道」などといわれる。過去の先人たち、たとえば侍と呼ばれるもの、騎士(エクイテス)たちは剣を己の分身と考えていたという共通認識がある。現に、侍は維新後の廃刀令で消え、騎士は新たな兵器の台頭で衰退した。

いや、それだけにとどまらない。

剣とは武器か?

それによって身体を傷つかせ場合によってはその命を奪える悪魔の道具だろうか

いや、それだけじゃない。

剣というものによく付属される「武士道」「騎士道」「剣の道」古の先人たちはこのような精神論を掲げて剣とは何かを模索してきた悪く言えば、剣の使用を正当化しそれを学ぶ若者たちに剣を使う心得、技術、そして何より人を殺す覚悟を伝えてきた。

では、ここで問いかけよう。

この仮想空間と現実とが混在してしまったデスゲームにおいて「剣」とはなんなのだろうか?

 

全てが始まったあの日からもう一ヶ月

彼は、この世界で初めて出会った彼女と

行動を共にしていた。一週間の期限付きだったが特に何の問題もなくむしろレベリングなども安定して行えていたのでなんやかんやで今もこうしてコンビを続けている。朝起きて顔を洗うのも、朝ご飯をたべるのも、町に出て物色するのも、狩りをするのも、夜一緒に寝るのも(ベッドは別)基本的には一緒である………決して下心があるだとか、御都合主義のアレな場面などは決して決してない。

ただ、合理的だからそうしているだけだこの世界から脱出するにはソロでいるよりも、背中を任せられるパートナーがいる方がもしかすると、場合によってはもっとも効率的かつ安全なのかもしれない。

たしかに、もしもデスゲームなんてふざけたことにならなければ彼はソロで生きていけたであろう。もともと、1人でやっていくつもりだったのだ。けれども、ゲームオーバーがそのまま人生のゲームオーバーにつながる以上、安全性を高めるために複数人で行動したほうが危機を回避できる。かといって、ズラズラと数十人で行動すると、今度は集団の統率という面で不効率である。特に、オンラインゲーマーなんて者は基本的に自分のステータスの向上がまず、最優先であることが多い(偏見だろうか?)人が多ければ多いほど、戦闘後の戦利品とかを巡ってトラブルを起こしやすい。少人数でかつ相互間が緩やかにつながった者だけでグループを組んだほうがこの世界ではいいのかもしれない。……まあ、彼の場合そんな人は彼女しかいないのだが

 

「なあに〜コッチを見つめちゃって。私のBeautiful な顔になんかついてる〜?」

 

どうやら、物思いにふけていたら彼女のほうを見ていたらしい。

 

「いや、別に見てない」

 

見てません。本当に見てないよ。

 

「ところで、ハニー例のアレだがどうするんだ?」

 

「…そのハニーって勘違いされそうだからやめてほしいなあ〜。私の名前を呼んでよダーリン♪」

 

「やめてくれないか、勘違いされる」

 

ハニーというのは彼がつけた少女へのあだ名だ。プレイヤーネームから連想した結果なのだが……

 

「それより質問の返事がほしいのだが」

 

「攻略会議でしょ?知ってるよ〜

人が集まるのかは知らないけど〜」

 

攻略開始から一ヶ月が経ち、ようやく第一層のボス部屋が発見された。ペースが遅いように思えるが、命がかかっている以上慎重にこしたことはない彼はハニーに答えはわかっているものの一応念のために問いかけた。

 

「行くか?「めんどう〜♪♪」

 

即答だな。

はっきりいって彼らは一ヶ月この世界にいて、それなりにレベルや武器も上げてきているが素人である。初のボス攻略である以上、予想もしない事態が発生するのは必然である。ベータテストの時とボスそのものは同じらしいが、能力、特性等々変化があるかもしれないこんな頭のおかしいデスゲームの開発者がすんなり攻略させるわけない。天才はいつの時代も変人であるから。だから、今回は外からの見物としたいのだ。

 

「まあ、同感だ。一回目からはりきってボス戦に参加して、お約束のように退場させられるのは嫌だからな」

 

「君は冷静なのに、ときどき世界を履き違えているね〜。主人公だったら補正がかかってget out(退場)なんかしないよ〜〜」

 

「ふん、主人公なんていないし、存在したとしても俺は脇役だよ。紳士は常に裏舞台で活躍するのが鉄則だからな」

 

「そこで、自分のことを紳士と言えるところがまた………」

 

呆れかえって普段の口調が変わっているぞ。

 

「ともかく、今回は様子見ということだな」

 

「Yes♪♪というわけで〜ご飯食べに行こう〜‼︎」

 

「脈絡が無さ過ぎるだろ!」

 

「細かいこと気にしないしない♪♪」

 

口笛を吹きながらハニーは彼の手を引いた。彼女は普段は何を考えているのかわからない爛漫さがあるが、こうゆうときの表情はまごうことなきかわいらしい少女なのだ。

 

「今日は何にしようかな〜♪パフェとか?」

 

「それはデザートだろ」

 

コツンと彼女の頭を叩くすると、ハニーはわざとらしく潤んだ目をして

 

「いた〜〜い、紳士にあるまじき行為だ〜」

 

「ちょっと小突いただけだろ…」

 

「あぁ〜少女に対する非常なる暴言に飽き足らず、暴力を振るうなんて、野蛮人そのもの。よよよよよ………」

 

「満足したか?」

 

「まんぞくした〜」

 

そんなこんなで、当たり障りのない会話をしつつ今日の晩餐に向かうのであった。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「ん〜〜delicious!!やっぱりご飯は最高だ〜」

 

一通り料理を食べ終わり、夜の町に繰り出す二人組

 

「今日の店はまあまあだったな。悔しいがあの科学者の才能のおかげで、美味い料理を味わえるからな」

 

「でも〜自分で作るとなるとコレがめんどうだよ〜。料理スキルなんて上げる人いるのかな〜〜??」

 

「それはレディとしてどうなんだよ」

 

「今の時代は男の子も料理するのだよ〜」

 

リアルでは特に自炊をしたことがないので、あまり興味がないのだが…そういえば、さっき道でパンに何か塗って食べてる人がいたな。片方のフード被った女性がすごい勢いで食べていたが

 

「まぁスキルに余裕ができたら考えないこともないな」

 

「おー♪♪それはそれは楽しみだ〜」

 

「お前は作る気ないのかよ…」

 

女性は男性の胃袋をつかむと昔からよく言われるが、その通説が逆になる日も近い将来起こるのかもしれない。

そうして夜は更け、翌日初のボス攻略が実行され見事攻略組は第一層を突破した。

 

1人の犠牲と、1人のプレイヤーの自己犠牲によって。

 

 

 

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