SAO『罪と罰』 〜何故彼は力を手にしながら表舞台に現れないのか?〜 作:トアール凡人
ゲーム
特に戦いがあるようなファンタジックなゲームの楽しみとはなんだろうか。やはり、ダンジョンを巡り奥深くに潜むボスを倒すのが醍醐味といえる。だが、そう簡単にボスをたおせてしまうのもあじけないものであるから、畢竟、モブモンスターとの戦闘を繰り返してレベリングをする必要がある。それは単調な作業であるが、ゲームを進めるには必要不可欠であることは間違いない。低レベルクリアなんてものに挑戦するツワモノもいるだろうが、ゲームオーバーが許されない
この世界ではそんなことはできない。
だから、彼もまた今出てくる敵を殴り、また出てくる敵を斬り、またまだ湧いてくるザコをバサバサとさばいているのだが、やはり、レベリングは忍耐なのだろう。
「……ふーこんなもんかな」
いつもならここでパートナーが
「んふふ〜まだまだだね〜♪」
とか言いそうだが、今日はそんなリョーマくん発言をするハニーとは別行動をとっている。なぜかって?そんなの前回の話を見れば………
「私たちのギルドをつくるよー〜‼︎」
そんな、最近流行のわけわからない部活作りをする二次元キャラのようなことを言い出した彼女は
「私に任せて〜♪キミは来る日に備えて修行をしようね〜」
という書き込みを残してどうやら、どこかに行ってしまったらしい。まったくせめていつ帰ってくるくらいは書いておけよ。お母さん怒っちゃうよ女の子が夜遅くまで遊んでちゃいけません!という、冗談はよそにして『来る日』ってなんだよどうせ彼女のことだからまた面白いことしようと画策しているのだろうが。
彼は今日の狩りを終え、繁華街の路地に入った酒場に入った。まだ、昼間のためだろうか。NPCの店主以外には誰もいなかった。頬にペイントをした怪しいプレイヤーを除いて
「やあ!久しぶりだナ。お姉さんちょっと寂しかったヨ」
「別に、毎日毎日前線の情報を送られているからな。俺はそうでもない」
「つれないナー」
情報屋のアルゴ。通称鼠彼は、彼女とはまだ短い仲ではあるが諸事情によりアルゴのお気に入りパート2となり(パート1は言わずもがな)アインクラッドの情報は常に(一方的に)流れてくるのだ
「珍しいナ、ハーちゃんがいないなんて」
「そうか?というか、お前あいつにあったことあったか?いつも俺が一人の時にしか会ったことがないよな??」
「でも、オイラの知ってる限りでは朝昼晩歯を磨く時も一緒なんだロ?」
「だから、お前はどうしてそんなこともしってるんだよ……」
「否定はしないのかヨ‼︎」
あ?だってこの世界じゃあ歯を磨かなくてもいいだろう?オレとハニーが一緒に歯を磨いていると仮定する。ここでアインクラッドのシステムには歯磨きはない。すなわち一緒に歯磨きをすることはない。これは仮定に矛盾する。よってこの情報はガセである。 QED(証明完了)
うん、我ながら頭の悪さが滲み出た気がするぞ!
「情報ソースを明かしたら商売にならないからナ。1000万コルでなら売るぞ?」
「それは婉曲的に売らないことをいっているぞ」
「キミとキー坊だけの、特別価格だゾ。驚きの半額!」
「どっちにしても買わんぞ、それほどブルジョアでもないしな」
キー坊って誰だっけ?ああ一層でやらかした少年のことか今度、「鼠に悩まされている同志会」で語り合いたいな、まあ会うことはなかろうが。
「それで?今日はなんで一人なんダ?」
「別に…たいしたことではない」
「ハーちゃんと別れたのカww」
「言葉が足りなかったのは謝るから、メモを取るのをやめろ」
彼はアルゴがどこからか取り出したメモ帳を取り上げた
「まったく……なんかギルドを作るらしいぞ。それであちこち飛び回ってるらしい」
思い立ったらまず行動!周りの人間のことなんか全然考えない‼︎……どこの世界のSOS団長様だよ。
「ふーーん。じゃあキミはいま暇なんだナ?」
「まあそうなるな」
「じゃあ……」
「?なんだ」
「付き合ってくれないカ‼︎」