SAO『罪と罰』 〜何故彼は力を手にしながら表舞台に現れないのか?〜   作:トアール凡人

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元ネタが分かる人がいるでしょうか?
3話連続物です


First section ⑥〜森と地下に帰るⅠ〜

 

自然風景を思い浮かべよといわれて思いつくものというと緑に覆われた山だとか森林であろうか。人間というのは不思議なもので自分よりも広大で美しいものをみると、心が落ち着きそれにあこがれをもつ。おそらく、写真や映像でそういった風景を見る人は多いと思う。実際にその目で見る人もいるだろう。

だが、実際の現場の中に入ってみるとそこは都心のスクランブル交差点のように無秩序な草木が生い茂り、まさに足を踏み入れることのできない状態であるもので、さらにはそうした草木の中からは普段はお目にかかれないであろう奇妙な地面を這うものたちや、ブンブンと飛ぶのはいいが

その飛行する姿は彼らのはるか上空を飛ぶ鉄のかたまりでできた人間の乗り物にも負けず劣らず必ずしも美しいとはおせじにもいえないような人間との交友関係はそれほど深くはない、生き物たちが突然現れるのである。コレには我々現代的社会システムの住人には到底対応しきれないものであってそれが、ファンタジー要素も加わったこの世界ではいうまでもないことになるのは火を見るよりも明らかなことで……

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

第三層主街区でもっとも高い建築物であるこのホテルの頂上から街の外を見渡せば一面の木、木、木、木、木木を3個書いて森という漢字を先人は作ったがまさにその通りなのである。思えば、現実ではあまり外に出なかったし、ましてやここまで周りが緑一目のような場所には行ったことはほとんどないため、こうしてひとときのティータイムに興じられるというのも不本意だが嫌ではない。

テーブルの向こうの少女も普段と違い外をぼんやり眺めていてまことに絵になるような味のある空気を周辺にだしている。彼としてはこの落ち着いた平穏さが

すばらしく、心にゆとりをもたせてくれているのだ。さて、一口お茶を飲もうかとカップに手を伸ばしたのだが……

カップは一人でに彼の手から離れていった。

いや、カップは勝手には動かない動くとしてもそれは目の前にいるような人の安らぎの時間を削るようなやつなのだろう。

 

「よし!森に行こう〜!!」

 

「唐突すぎる……」

 

いくら以心伝心という言葉があろうとも

今の文脈で国語の問題を出してみろ

 

「なぜ、森に行くのか」

 

こんな設問を試験で出したらクレームどころの騒ぎじゃなくなるぞ

彼は一呼吸おいて彼女からカップを取り返して一口お茶を口に含んだ。そして設問の解答を尋ねた。

 

「……理由は?」

 

「せっかくファンタジー世界みたいな層に来たんだから、ちょっとは探検してみたいと思わない〜〜??」

 

実に、妥当な解答だと思う。小学一年生だったらの話だがな。

 

「しかし……本格的な洞窟探索となると

モンスターや仕掛けもわからなくなってくるしな……」

 

「細かいこと気にしない〜私とレットのレベルなら楽勝だよ〜」

 

人はそれを死亡フラグとよぶんだぞ 先人たちがそれで何人犠牲になってると思ってるんだ。作者という神の無慈悲さにアーメン

 

「私、この探索が終わったら

レットと一緒に……」

 

「わかったからこれ以上余分なセリフを言うな」

 

「じゃあ決まりだね♪」

 

フラグを立てすぎるのはあからさま過ぎて見苦しいと思い、言うのをおしとどめだが、先が思いやられる……というかお前もその名前で呼ぶのだな。誰だ教えたのは。ああ、あの情報屋か…フラグなんてものは一個でも立ててしまえば、全知全能のフラグの神様の地獄耳に入ってしまうということに気づいたのはここから数時間後の事後であった。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

先ほども言ったように第三層のテーマは森だ。小さな木でも直径1メートル高さは30メートル以上もある森の中に一歩踏み入れればまるで太古昔からそこにあったような古樹たちが幾重もなく連なり、人間というはかない生き物にその翁たちは言葉も発することなく威厳と尊厳溢れる神秘的な様子を見せつけてくるのだ。特に、そういった木々の下ではあまり光が届かないのだが、その間から差し込んでくる小さな光がいっそう森の幻想さを醸し出しているのは実に、風情がある。もしここに平安の女流批評家がいたら、きっとこう言っただろう「いとをかし」

 

「だが、世の中はそんなに甘くはないんだな〜」

 

「そのようだな」

 

森と一体化しているのでおそらく初見だったら気づかないだろう木の形をしたモンスターが三体、いや五体俺たちを囲んでいる

 

「んふふ〜〜♪じゃあレットが三匹やっちゃって♪」

 

「ちゃっかりしてるな……」

 

といいつつも敵は襲ってくるので彼は剣をなんちゃってウッドに振り下ろす。

 

「ギィヤーーーー!!!」

 

もう一撃今度は敵の目に差し込む形で

突きを放つと、モンスターは青いポリゴンとなる。すかさず残りの2体にも連続して切り込んでいく。彼の剣は力強さというよりもむしろ剣を振るう姿の美しさが特徴的である。まるで相手と踊りを踊っているかのように、けれどもスポットライトは常に彼に向けられるような華麗なステップを踏んでいる。

 

「さっすが早いね〜〜」

 

対して、彼女の場合は『遊び』のようだけれどもその裏には真っ直ぐな『本気』が隠れている。一見、敵を弄んでいるように剣を振るうのだが、実に最後のトドメでは遊びながらもその息を確実にとめるような、悪く言えばいささか残酷なまでにその一撃をいれる。

 

「んー私の方が1秒早かっね〜」

 

「俺の方が1匹多いんだから明らかに五分五分、というかこっちの勝ちだろ」

 

「細かいこと気にしない〜〜」

 

それでも心強い少女である多分、彼らは現時点でも攻略組を含めてトッププレイヤーの一員と言える。それは、彼らが織りなす対照的な戦い方がより双方の能力を高め合った賜物でもあるのだろう。実際、1日のほとんどをレベリングに費やし、無駄話の多い食事の席でも互いの1日の戦いぶりを茶化しながらも指摘しあって切磋琢磨しているのだ。

 

「まあいいか……」

 

彼はほのかに笑みを浮かべて

剣を収めた。

 

しばらく探索を続けていくうちに

気づいたらレベルが一つ上がっていたのだが、どうやら彼女はお気に召していないようだ。

 

「んーなんか面白いことないかな〜」

 

「近くに洞窟があるんじゃないか?

たしか、なんとかグモの……」

 

「レディーをそんなグモのいる所に連れて行く気なの〜?デートにはふさわしくないと思うけどな〜」

 

いつからデートになってるんだ

 

「そうはいってもあまり道を外れすぎるのも危険じゃないのか?」

 

「私はレットとなら

道を外してもいいよ♪」

 

「道の意味がちがうわ」

 

なんて冗談をいっていると

なにやらハニーが首をかしげた。

 

「ねえーアレなにかなー?」

 

彼女が指をさした方を見ると

草によって覆われているが

なにやら直径二メートルくらいあるだろう穴が空いていた

 

「……わからん」

 

「わからないですましたら警察はいらないよ!!どれどれ〜」

 

ハニーが穴に近づいていくが

瞬間、何かの気配を察した

前を行く彼女の右手側を

凝視すると例の木のモンスターがいる

 

「おい!!」

 

「えっ?」

 

その時振り向いた時に彼女は足を草にとられてしまった。ハニーの身体が倒れていく。

むろん、普通ならそんなこと起こり得ないが、フラグの神様は余すことなくそのご利益を下々の人間に分け与えてくれるのだから仕方がない。

だが、さすがに穴に向かっていく少女の体をみてぼんやりしていられるくらい精神が筋肉でできてはいなかった。

 

「危ない!!!」

 

彼は急いで彼女に駆け寄るが

その腕を掴んだまま体勢を崩して

二人もろとも暗黒の世界にいざなわれる

 

「えっ…」「おい…」

 

「ウワーーーーーーー!!!」

 

「アーーーーーー!!!」

 

木の形をしたモンスターは目標を

見失って穴のある方向を見つめている。

 

穴からは男と女の悲鳴がこだましていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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