キセキの忠臣蔵   作:あるく天然記念物

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主人公、泉岳寺に行く
fateのソーシャルゲーでハッキリした。俺はギルガメッシュを許さねえ!


第九話 泉岳寺

 

「よっと……ここみたいだな」

 

 安兵衛との勝負の後、内蔵助に一言入れた俺は、ある場所に来ていた。その場所は、

 

「ようやくだぜ、泉岳寺」

 

 俺が赤穂にいたころから、何かしらの手がかりがあると思い続けた場所、泉岳寺だ。

 

「さてと、ざっと歩き回ってみるか」

 

 それから寺の中をくまなく詮索してみたもも、何一つ現代に戻れる手がかりは見つからなかった。

 

「ふむ。寺に無いとなると、やはり神籤が怪しいな」

 

 俺が元日に引いた大大凶の神籤。

 寺に手がかりが無いとすれば、この神籤こそ何かが深く関わっているはず。

 早速俺は寺で神籤を買いに行った。

 

「すいませーん。誰か?」

 

 一応どこにどんな目があるかわからないので、面倒だが変装の意味も込めて敬語で話す。

 

「はいはい、どのようなご用で?」

 

 売り場に行き声をかけると、奥から住職のような人物がやってきた。

 

「すいません。実は、ここに来た記念に今年最後の運勢を占いたくて神籤を引きたいのですが?」

 

「そうでしたか。少し待っていてくだされ、今持ってきますから」

 

 住職は少し席をはずした後、箱を持って戻ってきた。

 俺は住職に神籤の代金を払う。

 

「確かに。さぁどうぞ、好きなのを御引きくだされ」

 

 箱に手を入れ、中から一枚取り出す。

 引いた神籤は大吉。

 どうやら勝負無しには天運は働かないようだ。

 となれば、最終手段にでるとするか。

 

「おや、大吉ですか。これなら今年も最後までよき日でありますな」

 

「えぇ、ありがとうございます。それと、一つ訪ねたいことがあるこのですが、よろしいでしょうか?」

 

「はい? 別に構いませんが、何でしょう?」

 

「実は、私はこれでも占いや厄払いなどを学んでまして」

 

「ほぉう、占いや厄払いですか。今時珍しいですな」

 

「いえ、それほどでも。それで、ここの神籤を使った儀式あるいは別の占いなどがあると、風の噂で耳にしたのですが、何かご存じでしょうか?」

 

 これが最終手段、聞き込みだ。

 これで何の情報も入ってこなければ、もうお手上げだ。どうしようもできないな。

 マジでなんかあるよな?

 そんな俺の不安に天運が働いたのか、まさかの情報が手にはいることとなる。

 

「占いや儀式ですか………あぁ、そう言えば」

 

 住職は顎に手をやって少し悩んだ後、何やら思い出したように目を軽く見開いた。

 

「何か、心当たりでも?」

 

「はい。実は、この泉岳寺の神籤には大大凶の神籤が毎年一枚だけ入っているのです」

 

 ビンゴ。

 神籤の中でも大大凶を指名してるとなれば、嫌でも俺と関わりがあるはず。

 

「そうなんですか。で、それが何になるのでしょうか?」

 

「その大大凶の神籤なのですが、今年の元日に儒学者でもある荻生祖徠様が、渡せと言って持っていったのですよ」

 

「……わざわざ大大凶を、ですか? しかも引いたのではなく、持っていったと」

 

 引いたではなく、持っていった。つまり、それ相応の理由があるということになる。

 

 

「左様。しかし、祖徠さまにどの様にお使いになるのか訪ねても、住職が知る必用はないとの事で、何も教えてはもらえませんでした」

 

「そうですか、それはお気の毒に」

 

「いえいえ。しかし、何故祖徠様は大大凶の神籤を持っていたのでしょうか? そなたも占いの知識に何か心当たりはありませんかね?」

 

「すいません。私も神籤を使用した物など初めて知った身でして。そのお話をと思い、此処に来たようなものですから」

 

 まぁ予想以上の収穫だったがな。

 

「そうですか。いやいや、私も知らない身ですから、そう頭を下げずに」

 

 さて、ここまでは順調。なら、もう少し聞き込んでみるか。

 

「……ところで、気になったのですが、その神籤を持って行った荻生祖徠様とは、どの様な人物なのでしょうか?」

 

「荻生祖徠様ですか? 祖徠様は先ほど申したように儒学者でして、将軍綱吉様の使用人である柳沢吉保の相談役にございますが、それが何か?」

 

「いえいえ。ただ、どのような人物が求めていたのかが気になったもので。ですが、その様な身分の高い方と今回の大大凶の神籤。全くと言っていいほどに結びつきませんね」

 

 いや、それは嘘だ。正直憶測ばかりだが、実際に何らかの結びつきがあることがわかった。

 

「では、私はこの辺で。本日はお忙しい中、私どもの雑談に時間を割いていただき、誠にありがとうございます」

 

「いや、私どももこうして会話を楽しめましたので。それでは、帰りの道中お気をつけて」

 

「はい。それでは、再び縁があれば」

 

 住職と別れの挨拶を済ませ、泉岳寺を後にする。

 さて、予想外なほどに情報が集まりまくったな。

 儒学者、荻生徂徠。

 こいつが今年の元日に大大凶の神籤を持っていったと。

 それも俺がタイムスリップした時と同じ日に。

 確実に何か知ってやがるな。

 あくまでも仮定だが、この時の、つまりは元日、この日に大大凶の神籤を使ったら何かが起こって、そして現代で同じ大大凶を引いた俺もそれに巻き込まれた、と言うことになるな。

 いや、待てよ。確かエモシチ曰わく、今年の元日は皆既日蝕が目撃されたんだよな。そして現代でも皆既日蝕が観測された。だとしたら、日蝕もその何かの発現条件に加えた方がよさそうだな。

 とすれば、条件は皆既日蝕のある元日に大大凶の神籤を持っていること、だな。

 しかし、肝心のそれで何が起こったのかが分からん。

 いや、俺がタイムスリップしたという馬鹿みたいな事が起こった訳だが、それよりも遥かにこの時代で起こったことの方が重要な筈。

 それに、どうやら幕府も何らかで一枚噛んでやがるな。

 徳川綱吉の使用人である柳沢吉保の相談役の荻生祖徠が神籤を持っていったのだから。

 最悪、その祖徠とやらに喧嘩売りに行く必用も無きにしもあらずだな。

 

「まっ、喧嘩を売るにしても、未だ不確定要素がふんだんにあるし、もう少し情報を集めてからにするかねぇ」

 

 とりあえずは今日はここまでにして、俺は道場に戻った。

 




短い? 大丈夫! 最終的には結構な文量になるから
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