ファーランの弟が生きるためにどうにか頑張るお話。   作:霜月@

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第八話

入隊式から3年後。訓練場では第104期訓練兵団、総勢218名の3年に及ぶ訓練過程が終了し、解散式が行われていた。

 

 

訓練兵団を卒業した後、訓練兵には3つの選択が迫られる。

壁の強化に努め各街を守る「駐屯兵団」。

犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む「調査兵団」。

王の元で民を統制し秩序を守る「憲兵団」。

 

 

 

「無論、新兵から憲兵団に志願できるのは成績上位10名だけだ」

 

 

 

先程、その憲兵団に行く権利が言い渡された、成績上位10名が発表された。

 

 

 

首席 ミカサ・アッカーマン

 

2位 ライナーブラウン

 

3位 ベルトルト・フーバー

 

4位 アニ・レオンハート

 

5位 エレン・イェーガー

 

6位 ジャン・キルシュタイン

 

7位 マルコ・ボット

 

8位 コニー・スプリンガー

 

9位 サシャ・ブラウス

 

10位 クリスタ・レンズ

 

 

 

 

「___後日所属兵科を問う。これにて第104期訓練兵団の解散式を終える!以上!」

 

「ハッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解散式を終えた後、訓練兵達は食堂で宴会を行っていた。

 

 

 

「…10位以内おめでとう。ベルトルト、ライナー」

 

「ありがとう、ヴィーネ」

 

 

 

ヴィーネは2人が上位に入れたことを心から祝いつつ、クリスタも上位に入れたことにホッとした。

 

 

 

「お前、最初は2位だったじゃないか。どうしてここまで落ちたんだ?」

 

「……、周りが凄く上達したからじゃない?」

 

「なんか怪しいな…」

 

 

 

 

信じられない、という目で見るライナーとベルトルトに、ヴィーネはぎこちなく目をそらす。

解散式を終えたとはいえ、まだ兵団には所属していない。バレるなら兵団に入ってからだ。

 

 

 

「君らは憲兵団に行くの?」

 

 

その質問に、ライナー達は「憲兵団」と答えた。

 

 

「そう…やっぱり寂しくなるな」

 

 

ヴィーネがそうこぼすと、ライナー達はわたわたとして弁解をしはじめた。

 

 

 

 

「い、いや憲兵団には行くが、お前ともう会わないなんて事は無いぞ!?」

 

「ちゃんと時間を見つけて会いに行くよ!!」

 

「……そんな慌てなくても。そうだね、暇があったらみんなで出かけよう。」

 

 

 

 

 

ヴィーネは、ライナー、ベルトルト、を大切に思っている。

リヴァイも含めて、この3人は命に代えても守ろうと決めていた。

兵団は異なってしまうが、助けを求められたら必ず飛んでいける自信があった。

 

同じくライナー、ベルトルトもヴィーネを大切に思っていた

 

お互いが、お互いを大切だと思っていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝てっこない!!」

 

 

 

トーマスの声が食堂に大きく響いた。

周りが声のする方向へ注目する。トーマスは周りを気にしながらも、言葉を続けた。

 

 

「お前だって知ってるよな…今までどれだけ喰われたか。人口の2割以上失って答えは出たよ……」

 

 

人口の2割以上。ヴィーネは宿舎でアルミンの言っていた、ウォール・マリア奪還作戦の話を思い出す。

 

 

「人類は、巨人に勝てない」

 

 

 

食堂が一気に暗くなり、沈黙が流れた。

上位に入れ無かった訓練兵は大半が駐屯兵団に行く。

 

例え調査兵団に憧れていたとしても、入る勇気など出なかった。

 

 

 

 

 

 

「それで……?」

 

 

この沈黙を破ったのは、やはりエレンであった。

 

 

「勝てないと思うから諦めるのか? 確かに、ここまで人類は敗北してきた。それは巨人に対して無知だったからだ。巨人に対して物量作戦は意味がない。負けはしたが、戦いで得た情報は確実に次の希望につながる」

 

 

 

人類は一度も巨人に勝てたことは無い。しかしエレンはその敗北が次の勝利に繋がるというのだ。

 

 

 

「俺たちは、何十万の犠牲で得た戦術の発達を放棄して、大人しく巨人の餌になるのか?俺は巨人を一匹残らず駆逐して、狭い壁の中から出る!人類は、まだ本当に敗北したわけじゃない!」

 

 

 

 

本当に敗北したというのは、きっと人類が絶滅した時だ。

エレンは母親を目の前で喰われ、その日から巨人を皆殺しにすると誓った。地獄を見てきた彼だからこそ、この言葉を言えるのだろう。

 

 

「っ……」

 

 

エレンはそのまま走って、外に出てしまった。

それをミカサとアルミンは慌てて追いかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…泣いてたね、エレン」

 

「大丈夫かな」

 

 

 

出て行った後、周りがざわざわとし始める。

エレンの演説が効いたのか、雰囲気の変わった訓練兵が見受けられた。

 

 

 

「確かにエレンの言う通りだが……その前に俺は、目的がある。だから俺は憲兵団に行く。」

 

「…それでもいいと思うよ。選択は自分で決めるものだ、誰も文句は言わない。」

 

 

 

 

ベルトルトもか、とヴィーネが聞くと、ベルトルトは頷いていた。

 

 

 

 

この時、ライナーとベルトルトが悲しい顔をしていたのを、ヴィーネは忘れない。




ヴィーネ・チャーチ


16歳(第104期訓練兵団卒業時)
身長177cm、体重64kg
地下街に住んでいた少年。一足先に地上へ行った兄達を待っている時、人攫いに遭い、その一人から兄とその仲間1人が巨人に喰われ死亡したと聞き、絶望から勢い余って人攫いの一人を殺害。リヴァイが保護した後、冷静になり兵士になることを希望し、第104期訓練兵団へ入団。卒業時は11番で卒業した。
戦闘能力は非常に高いが、表情の変化に乏しい為、誤解を受けやすい。ただ、言葉は比較的素直なので、話せば分かる。



格闘 行動力 頭脳 協調性
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