希望と絶望のアポカリプス√r   作:桜彩(さや)

13 / 29
14話のお届けになります。
今回で、守護神官のひとりが明らかになります。

カード効果など、サイトで掲載しているのと多少違くなっていますので、追々サイトの方を修正します。
ではどうぞ!!!


Turn13

「ふふ…さあ、見せてやれ。ドメス世界のカオスの力を!!」

「承知した…俺様はレベル8になった『豊穣のアルテミス』と『マンジュ・ゴッド』でオ ーバーレイ」

 

レーヴィンの言葉に、男が動く。

 

「2体の光属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築…エクシーズ召喚」

 

『アルテミス』と『マンジュ・ゴッド』が光の渦に飲み込まれる。

 

「ーーーっ!?」

 

その瞬間、悪寒が姫の体を振るわせた。

 

(な、なに…!?)

 

思わず、自分の体を守るように両腕で囲む。

 

「なんだ、この力は…!」

「っまさか…!!」

 

デュエルを見ている遊馬たちもそれを感じたようで、その顔に緊張が走っていた。

 

「光臨せよ、DNo..27。まばゆき聖なる光よ、神のごとく輝き我を勝利へ導け…『聖神の宣告者(ホーリーライト・デクレアラー)』」

 

 

『DNo.27 聖神の宣告者』

光/8/天使/攻撃力2000

 

 

「DNo.!?」

 

魔法カードで、フィールドのモンスターレベルを8にしたパーミッションのプレイヤーがエクシーズ召喚したのは、ランク8のDNo.。

現れたモンスター…DNo.に、姫だけでなくIIIや、デュエルを見ていた遊馬たちも目を見開いた。

 

「レーヴィンお前、ただの人間にDNo.をっ…!!」

 

DNo.を、操られているとはいえ人間が召喚したことに、遊馬がレーヴィンを睨んだ。

 

「何を言っている?彼らは私の命令通りに動く『駒』。どう使おうと私の勝手じゃないか?」

「お前っ…」

「サタンのため、そしてドメス世界のため、勝つためならば手段は選ばない!さあ、やれ!!」

 

レーヴィンが指示する。

 

「俺様は『聖神の宣告者』で『クリスタル・エイリアン』に攻撃」

「え…!?」

「『聖神の宣告者』の攻撃力は『クリスタル・ エイリアン』より下なのに…!?」

《これは何かあるぞ!》

「気をつけろ、Ⅲ!姫!!」

 

遊馬が声を張り上げた。

 

「分かってるってば!私は『希望皇ホープ』の効果発動!ORUを1つ使って、モンスター1体の攻撃を無効にする!ムーンバリア!!」

「そうはさせん!」

 

レーヴィンがそう言うと、男はまた動き出した。

 

「俺様は『聖神の宣告者』の効果発動…ORUをひとつ使い、発動したカード効果を無効にし、破壊する」

「なんですって…!?」

 

宣告者(デクレアラー)共通のカード効果の無効・破壊能力。

姫は顔をしかめた。

 

「さらに、無効にしたのがモンスター効果の場合、そのモンスターのランク×400ポイントのダメージを相手に与え、俺様たちは与えたダメージ分、ライフを回復する…」

「バーン効果にライフ回復効果だと!?」

「『ホープ』のランクは4…よって1600ポイントのダメージを貴様等に与える…」

「っ、きゃぁぁぁ!!」

「うわぁぁっ!!」

 

【姫&Ⅲ】LP2400→800

 

「そして俺様たちは、与えたダメージ分のライフを回復する…」

 

【男A&B】LP2400→4000

 

「った…」

 

 

なんとか立ち上がり、デュエルディスクを構える。

 

「まだ立つか…」

「だが…モンスターが効果破壊されたことで、俺の罠『ゴースト・エクシーズ・リバイバル』が発動する…」

「え!?」

 

このタイミングで暗黒界のプレイヤーの罠!?

 

「このカードは、自分、もしくは相手のモンスター・エクシーズがカード効果で破壊され墓地に送られた時、LPを1000払うことで発動出来る。このカードとそのモンスターエクシーズをエクシーズ素材として、そのモンスターのランクと同じかひとつ上のランクを持つモンスターエクシーズをエクシーズ召喚が出来る」

「は、はぁっ!?」

 

コストがたったの1000ポイントで、相手のモンスター使ってエクシーズ召喚!?

 

「俺は『ゴースト・エクシーズ・リバイバル』と『ホープ』でオーバーレイ・ネットワークを構築…エクシーズ召喚。いまこそ姿を見せよ…DNo.20、闇よりいでし暗黒の騎士、『暗黒騎士ゼウディアス』」

 

 

『DNo.20 暗黒騎士ゼウディアス』

闇/5/戦士/攻撃力2500

 

 

【男A&B】LP4000→3000

 

「2体目のDNo.だと!?」

《罠で相手のモンスターをエクシーズ素材としてくるとは…》

「あのねアストラル…」

 

アストラルが感心したような声でいうけど…

 

(ピンチなの分かってるのかな!?)

「ただし、『ゴースト・エクシーズ・リバイバル』で特殊召喚したモンスターは、このターンのエンドフェイズまで、攻撃力が1000ポイントダウンする…」

 

 

『DNo.20 暗黒騎士ゼウディアス』

攻撃力2500→1500

 

 

(攻撃力1500…それなら、『クリスタル・エイリアン』の攻撃力の方が上…)

 

暗黒界のプレイヤーの言葉に、私はほっと息を吐いた。

 

「安心するのは早い」

 

レーヴィンが笑みを浮かべた。

 

「っ…どういうことよ」

「すぐに分かるさ」

 

顎でしゃくって、レーヴィンはパーミッションのプレイヤーに先を促した。

 

「まだだ…『聖神の宣告者』の攻撃は終わっていない…やれ」

「…!」

 

そうだ。

今はまだ『聖神の宣告者』のバトル中だ。

 

「『聖神の宣告者』のさらなる効果…このモンスターは、自身のランク以下のレベル、またはランクを持つモンスターとバトルするとき、戦闘では破壊されない。そしてバトルしたモンスターを、ダメージ計算を行わずに破壊する」

「なんだって!?」

「さらに、この効果の発動には、ORUを消費しない」

 

『聖神の宣告者』が『クリスタル・エイリアン』に攻撃し、そのまま『クリスタル・エイリアン』が破壊される。

 

「くっ…けどっ!この瞬間、罠発動!『ストーンヘンジ・メソッド』!!」

 

 

くるりと、伏せられてきたⅢのカードが起きあがる。

 

「このカードは、自分フィールドの先史遺産モンスターが戦闘、もしくは効果で破壊されたとき、デッキからレベル4以下の先史遺産モンスターを1体、表守備表示で特殊召喚する!」

 

 

『ストーンヘンジ・メソッド』

通常罠

自分フィールド上の「先史遺産」と名のついたモンスターが戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時に発動できる。

デッキからレベル4以下の「先史遺産」と名のついたモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターは表示形式を変更できない。

 

 

「僕はデッキからレベル4の『先史遺産カブレラの投石機』を特殊召喚!」

 

 

『先史遺産カブレラの投石機』

地/4/岩石/守備力1800

このカード以外の自分フィールド上の「先史遺産」と名のついたモンスター1体をリリースし、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力をエンドフェイズ時まで0にする。

 

 

「ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは、表示形式を変更出来ない!」

「ふん、モンスターを増やしてきたか…だが、まだだ…」

「…!」

 

そうだ、フィールドにはもう1体のDNo.が…!!

 

「俺様は『ゼウディアス』で『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を攻撃」

「はっ!?」

「ま、また攻撃力が低いモンスターで攻撃…!?」

 

ってことはまた何かするつもりだ…!!

 

「『ゼウディアス』の効果発動…このカードが特殊召喚されたモンスターを攻撃するとき、ORUをひとつ使うことで、ダメージステップ終了時まで、『ゼウディアス』の攻撃力はバトルしたモンスターの攻撃力の半分を足した数値となる」

「は!?」

 

つまり、『ゼウディアス』の攻撃力は『オッドアイズ』の攻撃力の半分の1250ポ イントアップする…!

 

 

『DNo.20 暗黒騎士ゼウディアス』

攻撃力1500→2750

 

 

「『ゼウディアス』の攻撃力が…」

「『オッドアイズ』を上回った…!」

「やれ、『ゼウディアス』」

 

『ゼウディアス』は、指示されたとおり『オッドアイズ』にむかってくると、手に持つ斧を『オッドアイズ』に振り下ろす。

そして『オッドアイズ』は、痛みの声を上げながら、フィールドから姿を消した。

 

「っ、『オッドアイズ』…!」

 

【姫&III】LP800→550

 

「メイン2…俺様は手札から『オーバーレイ・キャプチャー』を発動…相手フィールド上のモンスター・エクシーズのORUをすべて墓地に送り、その後このカードを、自分フィールドのモンスター・エクシーズのORUとする」

「…!ORUを墓地に…?!」

 

 

『オーバーレイ・キャプチャー 』

通常魔法

相手フィールド上のエクシーズ素材を持ったエクシーズモンスター1体と、自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

選択した相手モンスターのエクシーズ素材を全て取り除き、このカードを選択したエクシーズモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする。

 

 

「俺様は『ラグナ・ゼロ』のORUを墓地に送る」

 

これでもう、『ラグナ・ゼロ』の効果は使えないっ…

 

「そして『オーバーレイ・キャプチャー』を聖神の宣告者のORUに変換…俺様はこれでターンエンド」

「この瞬間、『暗黒からの誘い』、『ゴースト・エクシーズ・リバイバル』の効果は消える…」

 

 

【姫&Ⅲ】

LP 550

 

手札×2

 

ペンデュラムゾーン

スケール1星読みの魔術師

スケール8相生の魔術師

 

フィールド

『神葬令嬢ラグナ・ゼロ』(攻撃力2400/ORU×0)

 

魔法・罠 なし

 

 

手札×3

 

フィールド

『先史遺産カブレラの投石機』(守備力1800)

 

魔法・罠 なし

 

 

【男A&B】

LP3000

 

男A

手札×0

 

フィールド魔法

『暗黒界の門』

 

フィールド

『DNo.20 暗黒騎士ゼウディアス』(攻撃力2500/ORU×1)

 

魔法・罠

なし

 

 

男B

手札×2

 

フィールド魔法

『天空の聖域』

 

フィールド

『DNo.27 聖神の宣告者』(攻撃力2000/ORU×2)

 

魔法・罠

なし

 

 

 

「な、なんとかもった…!」

 

はあ、と詰めていた息を吐いた。

 

「だけど、僕らに残されたライフはたったの550…」

「しかもあっちのフィールドにはDNo.が2体…」

 

これは正直ちょっと厳しい。

 

「そうだ、諦めてサレンダーしろ。こちらのフィールドにはDNo.が2体。もう貴様等に勝ち目はない」

 

サレンダー。

敗北を認め、降参すること。

 

(負けを…認める…)

 

 

ーーーそんなの…

 

 

「サレンダーはしないよ」

 

隣に立つⅢが、きっぱりとレーヴィンの言葉をはねのけた。 

 

「なに?」

「もう一度言うよ。僕らはサレンダーなんかしない、絶対にね」

 

まっすぐにレーヴィンをみて、Ⅲはそう言った。

 

「愚かな…貴様等のライフは残り僅か。フィールドには表示形式が変更できない下級モンスターと、ORUのないモンスター・エクシーズ…対してこちらのフィールドにはDNo.が2体。それでも諦めず、サレンダーしないというのか?」

「確かに状況は僕らの不利だ。だけど、絶対に諦めない」

「…そうだね」

 

だってまだ…

 

「まだ私たちのライフは残ってる」

「それに…」

 

Ⅲはちらりと、遊馬を見た。

 

「僕は教わったんだ。どんな状況でも諦めず、自分を、カードを信じて一歩前に踏み出すことが出来れば…どんなときでも道は開けるって。だから諦めない、これが僕なりのかっとビングだ!!」

 

 

ーーーその時だった。

 

 

かっと眩しい光が、お社の奥からこちらに向かって飛んできたのは。

 

「え?な、なにっ?」

 

その光はまっすぐ飛んでくると、ふわりとⅢの前で止まった。

 

《この光は…?》

「なにが起きたんですの!?」

「まさか…この感じは、」

 

遊馬たちも突然のことに、それぞれが驚きのあまりか、ただただその光をみた。

一方のⅢはそれに手を伸ばすと、一瞬びくっと体をふるわせたけれど、すぐに泣き笑いのような笑みを浮かべた。

 

「…待たせて、ごめんよ」

 

そして、小さく呟いた。

 

「Ⅲ…?」

 

声をかけると、Ⅲはにこりと笑った。

 

「大丈夫。…いくよ、僕のターン、ドロー!!」

 

【Ⅲ】手札3→4

 

「僕は手札から魔法カード『パレンケの石棺』を発動!このカードは、自分フィールドに『先史遺跡』と名の付くカードが存在するとき、カードを2枚ドローする!」

 

【Ⅲ】手札4→3→5

 

「さらに魔法カード『エクシーズ・トレジャー』を発動!このカードは、フィールド上のモンスター・エクシーズの数だけドローすることが出来る。フィールドには3体のモンスター・エクシーズ。よって僕は3枚のカードをドロー!」

 

【Ⅲ】手札5→4→7

 

「立て続けにドローカードを…」

 

なんてドロー力なのよ!?

 

「ーーーよし!僕は永続魔法『先史遺産-ピラミッド・アイ・タブレット』を発動!このカードは、フィールド上の先史遺跡モンスターの攻撃力を800ポイントアップさせる。さらに『先史遺産アステカ・マスク・ゴーレム』を特殊召喚!」

 

 

『先史遺産-ピラミッド・アイ・タブレット』

永続魔法

自分フィールド上の「先史遺産」と名のついたモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。

 

 

『先史遺産アステカ・マスク・ゴーレム』

地/4/岩石/攻撃力1500

自分のターンに自分が「オパーツ」と名のついた魔法カードを発動している場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

「先史遺産アステカ・マスク・ゴーレム」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

 

 

【Ⅲ】手札7→5

 

「『アステカ・マスク・ゴーレム』は、そのターンに自分が先史遺跡と名の付く魔法カードを発動したとき、手札から特殊召喚出来る。そして僕は、『先史遺産ゴールデン・シャトル』を通常召喚!」

 

 

『先史遺産ゴールデン・シャトル』

光/4/機械/攻撃力1300

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

自分フィールド上の全ての「先史遺産」と名のついたモンスターのレベルを1つ上げる。

 

 

【Ⅲ】手札5→4

 

「僕は『カブレラの投石機』の効果発動!1ターンに一度、『カブレラの投石機』以外の先史遺跡モンスターをリリースすることで、相手モンスター1体の攻撃力をゼロにする!」

「ちょ、Ⅲ!?」

 

あの『聖神の宣告者』は、どちらのターンでも効果を使える共通効果を持ってる。

それなのに効果使うとか嘘でしょ!?

 

「大丈夫」

「大丈夫って…!」

「僕は『アステカ・マスク・ゴーレム』をリリースして効果発動!!」

 

止めようとしたのを遮って、Ⅲは『カブレラの投石機』の効果を使う。

 

「甘いわ。『聖神の宣告者』の効果発動。ORUを使うことで、モンスター効果を無効にし、破壊する。そしてそのモンスターのレベル、もしくはランク×400ポイントのダメージをあたえる」

 

これで1600のダメージを受けて負けるっ …!

 

「そうくると思ったよ」

 

ふっとⅢは笑うと、迷いなく手札のカードを抜き取った。

 

「甘いのはどっちかな?僕は速攻魔法『痛魂の呪術』を発動! 」

 

Ⅲが抜き取ったカードをディスクに置くと、バリアのようなものが私たちを包んだ。

 

「『痛魂の呪術』は、相手のカード効果で自分がダメージを受けるとき、一度だけそのダメージを無効にして、そのダメージを相手に与える!!」

「…!」

 

 

『痛魂の呪術』

速攻魔法

相手がコントロールするカードの効果によるダメージを1回無効にして、その数値のダメージを相手に与える。

 

 

【男A&B】LP3000→1400

【Ⅲ】手札4→3

 

「だが、無効になるのはダメージのみ。『カブレラの投石機』は破壊される」

「それくらい分かってるさ」

 

レーヴィンの言葉にⅢはそう返して、さらに手札を一枚抜き取った。

 

「そこまで僕は無策じゃないよ!僕は魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地から、いま破壊された『カブレラの投石機』を特殊召喚する!」

 

【Ⅲ】手札3→2

 

「そして『ゴールデン・シャトル』の効果発動!!」

「…!そっか、たしか『ゴールデン・シャトル』の効果は…」

 

フィールド上の『先史遺跡』モンスターすべてのレベルをひとつ上げることが出来る。

 

「先に『宣告者』の効果を使わせるために、あえて『カブレラの投石機』の効果を使ったのか…」

《確かにあのDNo.の効果は強力…》

「ああ。けどそれはORUがあればだ。なくなればもう、その効果は使えない」

 

遊馬が小さく頷いた。

その顔には、笑みが浮かんでいる。

 

「…まさかⅢがそうだったのか」

《どういう意味だ?遊馬》

「…すぐに分かる」

 

遊馬の言葉に、アストラルたちは再度デュエルに注目すべくこちらを見る。

 

「『ゴールデン・シャトの効果で、ゴールデン・シャトルとカブレラの投石機のレベルは4から5になる!」

 

 

『先史遺跡カブレラの投石機』

☆4→5

 

『先史遺跡ゴールデン・シャトル』

☆4→5

 

 

「これでフィールドにレベル5のモンスターが2体…」

 

ってことはマシュ=マック…?

 

“さあ、主よ…我を呼びたまえ!”

「!?」

 

すると、どこからか聞いたことのない声が聞こえてきた。

あまりに突然のことに、キョロキョロと周りを見るけれど、らしき人は見当たらない。

 

「うん、長い間待たせてごめんよ。また一緒に戦おう!僕はレベル5になった『ゴールデン・シャトル』と『カブレラの投石機』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築…エクシーズ召喚!!」

 

2体のモンスターが、光の渦に飲み込まれる。

その瞬間、とても大きな力を感じた。

DNo.の時とは違って、強くて、でも優しい…そんな力を。

 

 

そして、その渦の中から現れたのはーーー…

 

 

「現れろ、LNo.3!自の信じる者を守るため、その聖なる力で蠢く闇を浄化せよ!プロミネンス・オブ・スヴェード!!」

 

 

『LNo.3プロミネンス・オブ・スヴェード』

地/5/サイキック/攻撃力2600

 

 

「リ、LNo.!?」

 

なんでⅢがLNo.を!?

 

「LNo.だと!?…そうか、貴様がっ…」

「…」

 

レーヴィンは現れた『LNo.03プロミネンス・オブ・スヴェード』を見て、そしてそれを召喚したⅢを見た。

そのⅢは顔を伏せていたけれど、顔をあげると、まっすぐにレーヴィンを見た。

 

「…久しぶり、って言うべきなのかな。嫉妬神レーヴィン」

「やはり貴様かっ…」

 

Ⅲを見るレーヴィンの顔には、言葉ではいい現れないほどの憎悪で満ちていた。

 

「必ず、貴様だけはこの手でねじ伏せてくれるっ…優しさの称号を持つ守護神官 、メルデク!!」

「え…!?」

 

しゅ、守護神官!?

 

「マジかよ…」

「ミハエルさんが…?」

「Ⅲが守護神官のひとりだと!?」

《まさか…》

「やっぱりⅢがメルデクだったか」

 

驚く私たちを余所に、遊馬だけはひとリ嬉しそうに笑っていた。

 

「Ⅲ!いや…メルデク!!勝てるな?」

「もちろん。お任せください、我が神」

 

Ⅲはそういうと、目の前のデュエリストたちと向き合った。

 

「このターンで終わらせるよ!僕は『プロミネンス・オブ・スヴェード』の効果発動!このカードが召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠を一枚破壊出来る!僕は『天空の聖域』を破壊!!」

 

効果が発動され、『天空の聖域』が破壊される。

 

これは完全に、パーミッションのプレイヤーのプレイングミスだった。

まだ効果を使っていなければ、『聖域』は守れたかもしれない。

 

「『天空の聖域』は破壊はしたけれど…まだ、あっちのフィールドにはDNo.がいやがる」

《いや…まだあのLNo.はORUを使った効果を使用していない》

「ということはつまり、ORUを使った効果こそ、あのLNo.の真骨頂…そういうことなのかしら」

「どうなんだ?遊馬」

 

シャークの問いに、遊馬は「その通り」と頷いた。

 

「『プロミネンス・オブ・スヴェード』の効果は、『ホープレイV』と似てる」

「『ホープレイV』と?」

 

『ホープレイV』の効果。

それは、ORUをひとつ使い、相手モンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える、というもの。

 

 

ーーーつまりは。

 

 

「さらに僕は、『プロミネンス・オブ・スヴェード』のORUを使った効果を発動!自分フィールドのカードを1枚破壊することで、相手の特殊召喚されたモンスターを破壊し、その元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える!」

 

やっぱバーン効果!?!?

 

「僕は『先史遺産-ピラミッド ・アイ・タブレット』を破壊し、効果発動!『ゼウディアス』を破壊!!」

「くっ…」

 

『プロミネンス・オブ・スヴェード』のORUがひとつ消えると、赤い光線のようなものが『先史遺産-ピラミッド ・アイ・タブレット』と『ゼウディアス』に直撃し、その2枚を破壊する。

 

「『ゼウディアス』の元々の攻撃力は2500。よってその半分の1250のダメージを受けてもらうよ!!」

 

【男A&B】LP1400→150

 

「そしてこの効果で相手に与えたダメージ分、ターン終了まで『プロミネンス・オブ・スヴェード』の攻撃力はアップする!!」

 

 

『LNo.3プロミネンス・オブ・スヴェード』

攻撃力2600→3850

 

 

「これで相手のライフは残り150…でも…」

「ああ…『聖神の宣告者』は自分のランク以下のランク、レベルを持つモンスターとバトルする時、問答無用で相手モンスターを破壊する効果を持ってる…」

「『プロミネンス・オブ・スヴェード』のランクは5。いくら攻撃力をあげても、『聖神の宣告者』に攻撃すれば、破壊される」

《しかし、IIIがその効果を忘れているとは考えづらい》

「このターンで終わらせるとは言ってたが…」

「遊馬…このデュエル、本当にこのターンで終わるんですの?」

 

シャーク、Ⅳの心境も含め、璃緒が遊馬 に聞く。

 

「…終わるさ」

 

璃緒の問いに、遊馬は少し唇を持ち上げて笑った。

 

「いくよ、僕は『プロミネンス・オブ・スヴェード』で『聖神の宣告者』に攻撃!!」

 

Ⅲが指示すると、『プロミネンス・オブ・スヴェード』が『聖神の宣告者』に向かっていく。

 

「愚かな…『聖神の宣告者』の効果を忘れたのか?『聖神の宣告者』は、このカード以下のランク、もしくはレベルを持つモンスターとバトルするとき、そのモンスターを破壊する効果を持つ。返り討ちにしろ、『聖神の宣告者』」

「忘れてなんかないさ」

 

にやり、とⅢが笑う。

 

「残念だけどそうはいかないよ!『プロミ ネンス・オブ・スヴェード』の3つ目の効果発動!」

「は、はぁっ!?」

「3つ目の効果だと!?」

 

見ているⅣとシャークの声がハモる。

璃緒とアストラルも、目を見開いて驚きを現している。

かくいう姫も、まさかこのエクシーズ・モンスターが3つの効果を持ってるとは思わなかったため、目をぱちくりとさせた。

 

(効果を3つも持ってるモンスターなんてそうそういないしなぁ…)

 

なんて思いながら、『プロミネンス・オブ・スヴェード』の効果発動を待つ。

 

「『プロミネンス・オブ・スヴェード』がバトルする時、相手はモンスター効果を発動出来ない!!」

「な、んだと…!?」

 

Ⅲの口からい言われた効果に、パーミッションのプレイヤーは愕然といった様子でひざを突いた。 

 

「だから言ったろ?このターンで終わるって」

 

遊馬は嬉しそうに呟いた。

 

「『聖神の宣告者』の効果は発動せず、バトル続行!いけ、『プロミネンス・オブ・スヴェード』!『聖神の宣告者』に攻撃!!」

 

『聖神の宣告者』の攻撃力は2000。

『プロミネンス・オブ・スヴェード』の攻撃力は3850。

 

「攻撃力の差は1850…」

 

そして相手のライフは150。

伏せカードもない。

 

(……完璧に積んだな、これ)

「ホーリーフレア・ライトニング!!」

 

Ⅲが攻撃名を叫び、『プロミネンス・オブ・スヴェード』が『聖神の宣告者』に向かって光の玉を連続で放つ。

そして爆発音のような音と共に、『聖神の宣告者』は戦闘破壊された。

 

【男A&B】LP150→0

 

 

 

WIN

姫&Ⅲ

 

 

「やった…」

 

ふう、と息を吐いて、姫はDゲイザーを外した。

デュエルが終わると、ふたりはその場にどさりと倒れた。

 

「ちょ…!」

 

思わず駆け寄って、暗黒界のほうのプレイヤーを起こす。

 

「大丈夫ですかっ?!」

 

いくら今までデュエルしていたとはいえ、彼らは操られていただけ。

放っておくこともできなかった。

 

「大丈夫だよ、姫」

 

そんな姫の都もとへ、Ⅲが近づいてくる。

 

「え…?」

「レーヴィンの洗脳が切れて、気を失ってるだけだ。すぐに目を覚ますよ」

「ほ、ほんとに?」

「うん」

「よ、よかった…」

 

ほっと息を吐いた。

 

「…負けたか」

 

かつんっ、と足音がする。

顔を上げると、5メートルほど前に、レーヴィンがこちらを見下ろしていた。

 

「っ…!」

「やはりただの人間は使えないな…ほんと、クズだなぁ」

「なっ…!」

 

あまりの言いぐさに、頭にきた。

人を洗脳してデュエルさせといて、使えなくなったらクズ呼ばわり?

 

「あんたねぇ…!!」

 

言い返そうと口を開く。

しかし、そんな姫とレーヴィンの間に、IIIが前にすっと間に入った。

 

「相変わらずの人間嫌いだね、レーヴィン」

 

Ⅲの言葉に、レーヴィンはふん、と鼻を鳴らした。

 

「そういうあんたは相変わらずの人間贔屓じゃないか、メルデク」

「別に贔屓してるわけじゃないよ」

 

互いに睨み合うⅢとレーヴィン。

 

「こんな弱い命を、なぜあんたたちは守ろうとしてんの?弱いものはより強い者の糧となる。そしてその強い者が世界を統べる。これが世の理だってのに。こんな…」

 

ふっと、レーヴィンが私の方を見る。

 

「弱々しいモノ。庇ってなんの意味があるのさ」

「相変わらず言ってくれるね」

 

ぴきりと、Ⅲの眉間に皺が寄る。

 

「確かに人間はひとりじゃ弱い。だけど、だからこそ互いに無い物を補って、支え合って生きている。君らだってそうじゃないか?サタンの封印を解くために、協力しあってる」

「我々を人間と一緒にするな!!」

「…やっぱり、耳を傾けてはくれないんだね」

 

目を伏せるⅢ。

その声色は、悲しそうだ。

 

「我々は戦う宿命…デュエルだメルデク!!」

「…いいよ。僕のデュエルで君の目を覚ましてあげるよ!!」

 

互いにデュエルディスクを構えるⅢとレーヴィン。

 

「姫さん、こちらへ!!」

「で、でもこの2人がっ…」

「俺とⅣで運ぶ。お前は璃緒と下がれ」

 

Ⅳがパーミッションのプレイヤーを。

そして凌牙が、暗黒界のプレイヤーの腕を自分の肩に回す。

姫は璃緒に立たされて、遊馬たちとともに下がった。

 

《ついに守護神官とセブンシンスのデュエルが…》

 

ぴりぴりとした空気が肌を刺す。

 

(Ⅲ…)

 

さっきまでのデュエルで、ダメージは残ってるはずなのに…

 

(負けないで、Ⅲ…!!)

 

ぎゅっと両手を組んで、Ⅲの勝利を祈る。

 

「行くぞメルデク!」

「「デュエ「なにをしている、レーヴィン」

 

デュエル開始、と同時に、それを遮る声がする。 

 

「…ルシファー」

 

奥の暗闇から現れたのは、ルシファー。

 

「昨日の…セブンシンスっ…!」

 

昨日の、姫とベルブのデュエル中に現れたセブンシンスのひとり。

 

「…LNo.は回収し損ねたのか」

 

Ⅲを一瞥して、一言呟いた。

 

「何の要?いまからメルデクとデュエルするところなんだけど?」

「……メルデクとのデュエルはまたにしろ」

「なんだと?」

 

ルシファーの言葉に、レーヴィンが片方の眉を吊り上げる。

 

「守護神官とのデュエルをまたにしろ?どういうつもりだよ」

「どうもこうもない。こちらの世界でシンセス・フィールドなしでのデュエルは身体にかなりの負荷がかかると言ったはずだ」

 

シンセス、フィールド…?

 

「…ちっ」

 

レーヴィンはデュエルディスクを下げると、ルシファーのもとへと歩み寄った。

 

「あーあ、なんか興醒め。メルデク。あんたとのデュエルは次の時まで預けておく。せいぜい首を洗って待ってろ!!」

「いつでも受けて立つよ」

 

Ⅲがそういうと、レーヴィンとルシファーはふっと姿を消した。

 

「…Ⅲ」

 

しん、と静まり返る中。

遊馬が数歩前にでて、Ⅲを呼んだ。

呼ばれたⅢは、遊馬と向き合う。

 

「お帰り、Ⅲ…いや、メルデク」

「遊馬…」

 

Ⅲは顔を綻ばせると、すぐにまじめな顔になり、片膝をついた。

 

「遅くなり申し訳ありません、我が神。慈悲の守護神官、メルデク。ただいま戻りました」

 

恭しく頭を垂れるⅢに、遊馬はもう一度、「お帰り」と声をかける。

 

「また、よろしくな。…Ⅲ」

 

そういって、遊馬はⅢに手を差し出した。

Ⅲは垂れていた頭をあげると、

 

「うん、よろしくね遊馬!!」

 

にっこりと笑って、差し出された遊馬の手を握り返した。

 

「さて。LNo.手に入れた訳だし、とっととずらかろうぜ」

「そうだな。とりあえず他のみんなに連絡を…」

 

Ⅳの言葉に頷いて、遊馬はDゲイザーで連絡をとるため操作を始める。

 

「ねえ。その2人、本当に大丈夫なの?」

 

シャークとⅣに支えられている2人は、まだ目を覚ます気配がない。

 

「呼吸はしてるし、大丈夫だろ」

「いやそんなあっさり…」

「心配いらないよ、姫」

 

IIIが姫の言葉を遮った。

 

「普通の人間じゃ使えないDNo.を無理やり使わされたことで、彼らの体が疲れているだけだよ。疲れがなくなれば、すぐに目を覚ますから」

「なら、いいんだけど…」

 

もう一度、顔色の悪いふたりを見る。

いまは、Ⅲの言葉を信じるしかないか…。

 

「みんな」

「遊馬」

「連絡とれたのか?」

「ああ。あっちも『駒』になった人たち全員、正気を取り戻したらしい」

「良かったですわ…」

 

ほっと璃緒が息を吐いた。

 

「うん、ほんと良かった…」

「とりあえず飛行船に戻ろう。葉月たちもそっちに戻るってさ」

「そういえば、遊馬たちはどこから入ってたの?」

「あー…」

 

Ⅲが聞くと、遊馬、凌牙、璃緒、アストラルが一斉にⅣを見る。

 

「え?」

「Ⅳ兄様?」

 

全員の視線を一斉にうけた当のⅣは、明後日の方向に顔を逸らした。

 

「なにかあったの?」

「なに、どうしたの?」

 

私たちが聞いても、Ⅳはそっぽを向いたままで答えてはくれない。

 

「Ⅳの『ジャイアント・キラー』だよ」

「! 遊馬てめえ!!」

「別に隠すことないじゃん。なあ?」

 

Ⅳが叫ぶと、遊馬は隣に立つ神代兄妹に同意を求める。

 

「そうだな。別に隠すようなことじゃねえな。どうだ璃緒?」

「私もそう思うわよ?アストラルはどう思います?」

《私か?私も別に隠さなくても良いと思うが》

「てめえらぁっ!!」

 

くわっと叫ぶⅣだが、全員そんなのなんのその。

遊馬が「こっち」と歩き出す。

 

「で、なんで『ジャイアント・キラー』?」

「洗脳されて『駒』になったデュエリストとⅣがデュエルしたとき、『ジャイアント・キラー』の一撃で穴が空いて、そこから入ってきたんだ」

「「………」」

 

『ジャイアント・キラー』の一撃で穴?

嘘、マジで?

 

「Ⅳ兄様…」

「Ⅳ…」

 

いくらなんでもやりすぎ、という意味合いを込めてIVを見ると、IVはふんっと鼻をならした。

 

「うっせえ!こうやってお前等と合流出来たんだから結果オーライだろ!!」

 

いや、そういう問題じゃ…

 

(いや、これ以上言えばⅣがさらに拗ねるしやめとこ…)

 

色々と言いたいことはあったけど、それを飲み込んで、姫はみんなの後を追いかけた。

 

 

...




と、いうわけで守護神官1人目はIIIでした!

メルデクという神官の時の名前は、メルキセデクという天使からとりました。
メルキセデクは平和と正義の天使です。
旧約聖書の登場人物で、いと高き神(一説ではアブラハム)の祭司で、サレムの王として出てくるそうです。

IIIに痛魂の呪術使わせたのは完全な趣味です(笑)
ヒロインのデッキをEMEmじゃないのは、ライフが4000だから。
アニメの4000だとトリック・クラウンの効果を存分に使えないので、普通のオッドアイズEMにしました。


どうでもいいけどペンマジ高い!!!
ストリクスばっか再録しないでペンマジも再録ぷりーず!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。