希望と絶望のアポカリプス√r   作:桜彩(さや)

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Turn28

【カイト】

LP1600/手札×2

 

モンスター

超銀河眼の(ネオ・ギャラクシーアイズ・)光子龍(フォトン・ドラゴン)

 

魔法・罠

伏せ×0

 

 

【ベフェール】

LP2500/手札×2

 

モンスター

『DNo.44 占星暗黒龍ビロンズ』

 

魔法・罠

伏せ×0

 

 

「目覚めよ、DNo.44…死を司る竜よ。いま暗黒の力を持って、終末の帳を降ろさんーーー…《占星暗黒龍ビロンズ》!!」

 

 

『DNo.44 占星暗黒龍ビロンズ』

闇/8/ドラゴン/攻3000

 

 

「《ビロンズ》の効果発動なんだな。オーバーレイユニットをひとつ使うことで、相手モンスター1体を破壊するんだな!さらにぃ!それがモンスター・エクシーズの場合、その攻撃力分のダメージを相手に与えて、さらに与えたダメージ分、僕はライフを回復するんだな♪」

 

 カイトの場には、《超銀河眼の(ネオ・ギャラクシーアイズ・)光子龍(フォトン・ドラゴン)》1体。その攻撃力は4500。そして、カイトの残りライフは1600。

 ーーーつまり、これが通ればカイトの敗北だ。

 

「これで終わりなんだな!【ソロモン・デッドスコープ】!」

「カイト!!!」

「させるか!」

 

 そう叫ぶと、カイトは手札のカードを1枚抜き取り、素早くデュエルディスクに差し込んだ。

 

「俺は手札の《クリフォトン》のモンスター効果発動!このカードを手札から墓地に送り、自らのライフを半分支払うことで、ダメージを無効にする!」

 

 

『クリフォトン』(アニメ効果)

光/1/悪魔/攻300/守200

このカードを手札から墓地へ送り、自分のライフポイントを半分払う事で、自分が受ける全てのダメージは0になる。

「光子」または「フォトン」と名のついたカード1枚を手札から墓地へ送る事で、墓地のこのカードを手札に加える事ができる。

 

 

【カイト】

LP1600→800

手札2→1

 

 

「……ほんっと、しつこく粘るんだな」

「当たり前だ」

 

 ふん、と、カイトは鼻をならした。

 なかなか勝負を決められないことに苛ついているのだろう。ベフェールは何度かたんたんと足で地面を叩いた。

 

「まあ、邪魔なドラゴンはいなくなったからいいんだな」

 

 ベフェールは忌々し気にカイトを睨む。

 

「この効果を使ったターン、《ビロンズ》は攻撃できない。僕はこれでターンエンドなんだな」

 

 

【ベフェール】

LP2500/手札×2

 

モンスター

『DNo.44 占星暗黒龍ビロンズ』

 

魔法・罠×0

 

 

「何とか防いだかっ…!」

 

 ぶはっと遊馬がつめていた息を吐いた。

 まさに一進一退。ふたりとも次々に高ランクのモンスターを出して、相手のモンスターを破壊していく。

 

「次はカイトのターンか」

「手札1枚でどうするのか…」

「カイトサマ!カットビングデアリマス!!」

 

 

 

「……外野が五月蠅いんだな」

 

 ちらりとカイトを応援する遊馬や小鳥、そしてオービタルたちを、ベフェールは横目で見やった。

 

「どのみちお前のフィールドはがら空き。手札もドローカードを入れても2枚。お前に勝ち目はないんだな」

 

 けらけらと笑いこけるベフェール。

 カイトはそれを無視し、左腕につけた、白い三日月の形をしたデュエルディスクを少し持ち上げた。そしてデッキトップに、右手の人差し指と中指を添える。

 

(これが正真正銘、このデュエルの運命のドロー)

 

 デッキから顔を上げたカイトは、力の限りベフェールを睨みつけた。

 

「いくぞ!俺のターン、ドロー!」

 

【カイト】手札1→2

 

「…!(このカードは…)」

 

 引いたカードを見て、カイトはすぐさま頭を回転させる。とはいえ、手札は2枚。

 残るライフも僅かないま、とれる手段はひとつしかなかった。

 

「・・・俺はモンスターを裏守備表示でセットし、ターンエンド」

 

 

【カイト】

LP800/手札×1

 

モンスター

裏守備モンスター

 

魔法・罠×0

 

 

「モンスターを裏守備だと?」

 

 カイトらしくない、と凌牙は眉間に皺をよせた。

 

「確かに裏守備なら、あのモンスター(ビロンズ)の効果は意味はねえが…カイトのやつ、一体なんのつもりだ?」

「……いや、」

 

 凌牙の言葉を、同じくデュエルを静観していたミザエルが遮る。

 

「ミザエル?」

「おそらく、あのセットモンスターは…… 」

「いくんだな僕のターン!」

 

【ベフェール】手札2→3

 

「苦し紛れに雑魚モンスターを伏せてもだめなんだな!僕は装備魔法《暗黒龍の矛》を《占星暗黒龍ビロンズ》に装備!」

 

 ふぉん、と《ビロンズ》が黒いオーラを纏いながら、雄叫びを上げた。

 

 

【ベフェール】手札3→2

 

「《暗黒龍の矛》は、闇属性のドラゴン族モンスター・エクシーズにのみ装備できるんだな。このカードを装備されたモンスターがバトルでモンスターを破壊したとき、装備モンスターの攻撃力を500下げることで、もう一度攻撃することが出来るんだな!」

「くっ、」

 

 モンスターを破壊をすることで発動する、連続攻撃。一度目の攻撃でセットモンスターが破壊され、二度目はダイレクトアタックを食らう。

 

「これで終わりなんだな!《ビロンズ》で裏守備モンスターに攻撃!!」

 

 ばくっと《ビロンズ》が天に向かって口を開ける。すると、《ビロンズ》の口に真っ黒な球体が出来始める。それはだんだんと大きくなっていく。

 そして、大きくなった「それ」を…

 

 

 ーーーばくっ!!!

 

 

「は!?」

「え?」

「バカな…」

 

 大きくなった黒い球体を、《ビロンズ》は口に含んだのだ。

 

「《ビロンズ》、【ホロスコープ・ダークネス】!!」

 

 べフェールの指示に、《ビロンズ》は口に含んだその球体を、カイトの場のセットモンスターに向かって放った。そして、セットモンスターの姿が露わになる。

 

「俺がセットしていたのは《銀河魔鏡士(ギャラクシー・ミラー・セイジ)》だ!」

 

 

銀河魔鏡士(ギャラクシー・ミラー・セイジ)』(アニメ効果)

光/3/魔法使い/守800

リバース:800ライフポイント回復する。

このカードが破壊された時、1度だけこのカードを自分フィールド上にセットできる。

この効果でセットしたこのカードがフィールド上から離れた時、このカードはゲームから除外される。

 

 

「やはりな」

 

 ふっととミザエルは口元を少しつり上げて笑った。

 

「やはり…?ミザエル、お前カイトがなんのモンスターをセットしたのか気づいてたのか?」

「ああ」

 

 凌牙の問いに、ミザエルはひとつ頷いた。

 

「《銀河魔鏡士(ギャラクシー・ミラー・セイジ)》・・・月面でのデュエルで、私の《時空殲滅砲(タキオン・ダウンホール・キヤノン)》での連続攻撃を、カイトはあのモンスターでライフを回復して、ライフぎりぎりのところで踏みとどまったからな。おそらくはそうだろうと思った」

 

 破壊されていく《銀河魔鏡士(ギャラクシー・ミラー・セイジ)》をみながら、ミザエルは独り言のように呟いた。

 

「《銀河魔鏡士(ギャラクシー・ミラー・セイジ)》のリバース効果発動!俺のライフは800ポイント回復する」

 

【カイト】LP600→1400

 

「さらにこのカードが破壊されたとき、一度だけ自分フィールドに再セット出来る!!ただし、この効果で再セットされた《銀河魔鏡士(ギャラクシー・ミラー・セイジ)》は、フィールドから離れるときに除外される」

「なら、《ビロンズ》に装備された《暗黒龍の矛》の効果発動なんだな!モンスターを破壊したとき、攻撃力を500下げることで、もう一度攻撃出来るんだな!」 

 

 

『DNo.44 占星暗黒龍ビロンズ』

攻撃力3000→2500

 

 

「《ビロンズ》で攻撃なんだな!」

「《銀河魔鏡士(ギャラクシー・ミラー・セイジ)》の効果発動!俺のライフを800回復する!」

 

【カイト】LP1400→2200

 

「けどこれで《銀河魔鏡士(ギャラクシー・ミラー・セイジ)》は除外される。もう効果は使えないんだな!僕はもう1度《暗黒龍の矛》の効果発動!モンスターを破壊したとき、装備モンスターの攻撃力を500ポイント下げることで、もう一度攻撃することが出来る!」

 

 

『DNo.44 占星暗黒龍ビロンズ』

攻撃力2500→2000

 

 

「行くんだな、《ビロンズ》、ダイレクトアタック!!」

「ぐ、っ、…っ!」

 

 《ビロンズ》の攻撃を受け、カイトの体がどさりっと地面に叩きつけられた。

 

「カイト!」

 

【カイト】LP2200→200

 

「あれ?ライフが僅かに残ったんだな。まあいいや…僕は《暗黒龍の矛》のもうひとつの効果を発動。このカードを除外することで、デッキからカードを1枚ドローするんだな」

 

【ベフェール】手札2→3

 

「そして《暗黒龍の矛》がなくなったことで、《ビロンズ》の攻撃力は元に戻るんだな」

 

 

『DNo.44 占星暗黒龍ビロンズ』

攻撃力2000→3000

 

 

「僕はカードを1枚伏せてターンエンド、なんだな!」

 

 ちぇっと舌打ちをしながら、ベフェールはターンを終了した。

 

 

【ベフェール】

LP2500/手札×2

 

フィールド

『DNo.44 占星暗黒龍ビロンズ』

 

魔法・罠

伏せ×1

 

 

「おいカイト!大丈夫か!?」

「っ、問題、ない」

 

 遊馬の問いかけに、カイトはなんとか立ち上がりながら言葉を返した。

 

(やつのモンスター・エクシーズのほとんどが、バーン効果を持っている)

 

 残りのライフは200。次のターンであのDNo.を倒さねば、勝機はないだろう。

 

(手札にあるのは《銀河の魔導師(ギャラクシー・ウィザード)》1枚・・・)

 

 サーチかレベル変動効果のふたつを持つモンスター。

 エクストラデッキにあるのは、《輝光子パラディオス》と《No.62 銀河眼の(ギャラクシーアイズ)光子竜皇(・プライム・フォトン・ドラゴン)》の2枚。

 蘇生系のカードがくれば《パラディオス》、もしくは《光子竜皇(プライム・フォトン・ドラゴン)》を呼べるのだが…

 

「俺のターン、ドロー!」

 

【カイト】手札1→2

 

 引いたカードは、《貪欲な壺》。墓地のモンスターカード5枚をデッキに戻し、その後2枚をドローするカード。

 

「俺は魔法カード《貪欲な壺》を発動!」

 

 手札もない今、ここは賭けに出るしかない。

 

『貪欲な壺』

通常魔法(制限カード)

(1):自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。

そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。

その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

 

「俺が戻すのは、《No.107 銀河眼の時空竜》、《ギャラクシーアイズ・FA・フォトン・ドラゴン》、《超銀河眼の光子龍》、《フォトン・チャージマン》、《ディメンション・ワンダラー》の5体!」

「《ディメンション・ワンダラー》?」

 

 いつの間にそんなカードを…といいかけ、はっと気づく。

 

「まさかあのとき…!」

 

 

 

 

“《ビフロンス》の効果発動。stモンスターのみをエクシーズ素材としてエクシーズ召喚されたとき、相手のデッキトップ5枚を墓地に送るんだな”

“ちっ、デッキデス効果か…”

 

 

 

 

「あの時墓地に送られたカードの中に…?」

「デッキにモンスターを戻し…2枚ドロー!」

 

【カイト】手札2→1→3

 

「(・・・よしっ!)俺は魔法カード《死者蘇生》を発動!」

 

 

『死者蘇生』

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

「蘇れ、光の化身!《銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)》!」

 

 

 

銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)

光/8/ドラゴン/攻3000

 

 

「さらに《銀河の魔導師(ギャラクシー・ウィザード)》を通常召喚!」

 

 

銀河の魔導師(ギャラクシー・ウィザード)

光/4/魔法使い/攻0

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

このカードのレベルをエンドフェイズ時まで4つ上げる。

また、このカードをリリースして発動できる。

デッキから「銀河の魔導師」以外の「ギャラクシー」と名のついたカード1枚を手札に加える。

 

 

【カイト】手札3→1

 

「俺は《銀河の魔導師(ギャラクシー・ウィザード)》の効果発動!メインフェイズに、このカードのレベルを4つあげる!

銀河の魔導師(ギャラクシー・ウィザード)》のレベルは4、よってレベルは8になる!」

 

 

『銀河の魔導師』☆4→☆8

 

 

「俺はレベル8の《銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)》と

銀河の魔導師(ギャラクシー・ウィザード)》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

 カイトのもつ、レベル8を2体使った、最後のモンスター。

 

「現れろ!銀河究極龍No.62!宇宙にさまよう光と闇。その狭間に眠りし哀しきドラゴンたちよ。その力を集わせ、真実の扉を開け!

銀河眼の(ギャラクシーアイズ)光子竜皇(・プライム・フォトン・ドラゴン)》!」

 

 そのドラゴンが、今その姿を現した。 

 

『No.62 銀河眼の(ギャラクシーアイズ)光子竜皇(・プライム・フォトン・ドラゴン)』(アニメ効果)

光/8/ドラゴン/攻4000

このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、フィールド上に存在するモンスターエクシーズ以外の全てのモンスターは、そのレベルと同じ数値のランクを持つ。

1ターンに1度、フィールド上に存在する全てのモンスターのランクを1つ上げる事ができる。

このカードが戦闘を行う場合、このカードの攻撃力はフィールド上に存在するモンスターのランクの合計×200ポイントアップする。

フィールド上に存在するこのカードがフィールド上から離れる時、以下の効果を発動できる。

発動後α回目の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する。

この効果でこのカードを特殊召喚したターン、このカードが攻撃する時の攻撃力はα倍になる。

(α=このカードがフィールド上から離れた時の、このカードのエクシーズ素材の数)

 

 

「《光子竜皇(プライム・フォトン・ドラゴン)》の効果発動!1ターンに1度、フィールドにいる全てのモンスターのランクをひとつあげる!」

「? ランクを?」

 

 

『No.62 銀河眼の光子竜皇』☆8→☆9

 

『DNo.44 占星暗黒龍ビロンズ』☆8→☆9

 

 

「ランクを上げて一体なにを…」

「いけ、《銀河眼の光子竜皇》!《占星暗黒龍ビロンズ》に攻撃!この瞬間、《光子竜皇》の効果発動!このカードがバトルするとき、このカードの攻撃力はフィールドにいるモンスターのランクの合計×200ポイントアップする!」

「な、なんっ…!?」

「《光子竜皇》と《ビロンズ》のランクの合計は18!よって攻撃力が3600ポイントアップ!」

 

 

『No.62 銀河眼の光子竜皇』

攻撃力4000→7600

 

 

「こ、攻撃力、7600…!?」

「【エタニティ・フォトン・ストリーム】!!」

「ぐ、うわぁぁぁっ!?!?!?っ、ト、罠カード《虚宿(とみてぼし)》を発動、するんだな!!」

 

 

ずさぁぁぁ!!

 

 

 叩きつけられた体を起こしながら、ベフェールは前のターンに伏せたカードを発動させた。

 

「このカードは、元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスターが僕のモンスター・エクシーズにバトルしてきたとき、攻撃対象となったモンスターのオーバーレイユニットをひとつ墓地に送ることで、そのバトルを無効にするんだな!」

「ちっ…!」

「ただし、僕はバトルしてきたモンスターの攻撃力と元々の攻撃力の差の半分のダメージを受けるんだな」

 

 《銀河眼の光子竜皇》のいまの攻撃力は7600。元々の攻撃力は4000で、その差は3600。つまりその半分、1800のダメージをベフェールは受けることになるらしい。

 

【ベフェール】LP2500→700

 

「ちっ…俺は1枚セットして、ターンエンドだ」

 

 決められなかったことに、悔しさを隠しきれないのだろう。少々荒く、カイトは最後の手札を場に伏せた。

 

 

【カイト】

LP200/手札×0

 

モンスター

『No.62 銀河眼の光子竜皇』

 

魔法・罠

伏せ×1

 

 

 

「……惜しかったな」

 

 ぼそりと呟いたのは、誰だったか。遊馬は小さく頷いた。

 

「相手の引きは半端ない…間違いなく、《光子竜皇》を突破してくるな」

「だが、カイトの引きも負けてはいない」

『カイトの残りライフは200…しかし、次のベフェールのターンを凌げれば、まだ勝ち目はある』

 

クリリン腕を組みながら、アストラルはオッドアイをフィールドに向けた。

 

『しかし…』

「どうした、アストラル?」

《いや…姫は随分と遅いと思ってな》

 

 アストラルの言葉に、全員がそういえばそうだと思い出す。

 

「姫のやつ、どうしんだ?」

「確かにおせぇな…」

 

 言葉をこぼし、凌牙はDゲイザーを操作する。そして姫の番号を呼び出し、コールした。

 

「……でねぇ」

 

 何度コールを鳴らしても、姫は出なかった。

 

「兄様…まさかベフェールは、姫になにかしたんじゃ…」

「だとしても、聞いて素直に答えるわきゃねーな」

「…分かった」

 

 凌牙は一言そういうと、くるりと踵を返した。

 

「シャーク?」

「おい凌牙、どこ行くんだ」

「決まってんだろ。探してくる」

「けど、」

「見つけたらすぐ戻ってくる」

 

 デュエル中のカイト。Dゲイザーに応答しない姫。そして、その姫を探しに行くと言う凌牙。

 遊馬はカイトと凌牙を交互に何度かみた。デュエルを見届けるべきか、凌牙と共に姫を探すべきかーーー…が、意を決したように遊馬は顔をあげた。

 

「……分かった。シャーク、頼むぜ」

「ああ」

「……ふーん?」

 

 そこへ、ベフェールが間に入った。

 

「仲間を捜すの、そいつに任せるんだな?希望光神」

「そうだ。シャークを信じてるから、任せる」

 

 迷いなく頷く遊馬。その様子に、ベフェールは面白くなさそうに凌牙をみた。

 

「僕、知ってるんだな」

「なにを?」

「そいつは一度、あんたを裏切ったんだな」

「……!」

 

 その言葉に、凌牙ははっとした。 

 

 

『俺はナッシュ!バリアンのナッシュだ!!』

 

 

 確かにそうだ。 凌牙は一度、遊馬を裏切った。悩んで、悩んで悩んで、悩み抜いた末、バリアン世界のため、七皇を統べる者として、敵となり遊馬の前に立った。

 

「一度裏切ったそいつが、また裏切らないって言い切れるんだな?」

「ベフェールてめえっ!」

 

 あの戦いで凌牙と死闘を繰り広げたⅣが、怒りを露わにする。

 死闘を繰り広げたこそ、Ⅳには分かる。凌牙がどれだけ悩んだのか。

 遊馬や、自分たち…『神代凌牙』としての仲間をとるか。 それともドルベたち、バリアンの『ナッシュ』としての仲間をとるか。それこそ血反吐を吐く思いで、凌牙は決断したのだ。それを…

 

「違う」

 

 が、そんなⅣを止め、静かに言葉を発したのは、遊馬だった。

 

「シャークは、裏切ったりなんかしてないぜ」

 

 真っ直ぐにベフェールを見て、遊馬は口を開いた。

 

「裏切ってない?」

「ああ。だって俺は、シャークが裏切ったなんて思ってない」

 

 きっぱりと、遊馬は言った。

 ⅢやⅣ、そしてミザエルたちも、訳が分からないと遊馬を見た。ただひとり、アストラルだけは少しわらって、遊馬を見ていた。

 ーーーまるで、遊馬が続けようとしている言葉を知っているかのように。

 

「確かにシャークはあの時、バリアンになって俺たちの『敵』になったかもしれない。でも俺は、それを裏切ったなんて思ってないんだ」

 

 静かに、遊馬はひとつひとつ、ゆっくりと言葉を紡ぐ。それはベフェールに言っているというより、後ろで遊馬をじっとみる凌牙に言っているかのようだった。

 

「あのとき、シャークがどれだけ悩んで、俺たちとバリアンを天秤にかけたのか…Ⅳに聞いた」

 

 凌牙が苦しみ抜いた末、バリアンを選んだこと。『ナッシュ』になると決めても尚、『神代凌牙』を捨てきれず、苦しんでいたこと。

 その全てを、遊馬は戦いが終わった後にⅣから直接、アストラルと共に聞かされていた。

 

 

『まあ、結局俺はあいつに負けちまったけどな。でも、あそこまで気分のいい負けは初めてだったぜ』

 

 

 そういって、カラカラとⅣが笑って話を締めくくったのは、まだ記憶に新しい。そして、遊馬と共に聞き、互いにそのことを話したからこそ、アストラルは遊馬の気持ちを知っている。

 

「シャークは昔の…本当の記憶を取り戻して、昔の仲間のところに戻っただけだ。それで、戻ったのがたまたま、俺やアストラルが戦ってた敵だったってだけだ」

 

 だから俺は、シャークが俺を、俺たちを裏切ったなんて思ってない。いまでもシャークは、俺の仲間だ!

 遊馬はきっぱりとそう言い切った。

 

「そいつはバリアン世界の王様なんだな。そんな奴を仲間?」

「ああ、そうだ!シャークだけじゃない。他の七皇だって、俺の仲間だ!」

『君はシャークの裏切りを思い出させ、こちらの内部分裂を狙っていたのだろうが、残念だったな』

 

 どこか得意げに、ベフェールに向かっていうアストラル。ⅢやⅣたちも唇をつり上げ、頷いていた。

 

「遊馬…」

「シャーク、頼んだぜ!!」

 

 遊馬は親指を立てて、にかっと笑った。凌牙はふっと笑って、同じように親指をたてた。

 

「…あぁ、必ず見つけてくる!」

 

 そう言って踵を返し、茂みの中へと消えていった。

 

「あーあ、なんか面白くないんだな」

 

 はあ、とベフェールは長いため息を1つ。

 

「こいつとのデュエルは楽しいんだな。ウリエと同じか、それ以上なんだな。けどお前等のその信じるっていうのはつまらないんだな」

「貴様に理解してもらおうなどとは思っていない」

 

 いままで口を挟まなかったカイトが、ベフェールの言葉を一蹴した。

 

「貴様のターンだ。早く進めろ」

「……お前の言い方、なんだかウリエを思い出すんだなぁ」

「知らん。俺は俺だ」

「ふーん…僕のターン、ドロー」

 

 カイトの言葉を流しながら、べフェールはカードをドローする。

 

(シャークなら、きっと・・・!)

 

 凌牙は無愛想で素っ気なく見えても、本当は情に厚く、面倒見のいい先輩だ。きっと凌牙なら、姫を見つけてきてくれるだろう。

 姫のことは凌牙に任せ、遊馬たちは再びカイトとべフェールのデュエルに集中するのだった。

 

 

...




先週のARC-V、すっごく良かった・・・!
個人的に1番好きなのはMCSの遊矢vs沢渡なんですが、その次にはいりますね。

今までの黒咲だったら、アクションカードはおろか、ユート以外の人と進んでタッグ組んだり、あまつさえ遊矢のペンデュラムカード利用してペンデュラム召喚するとか、ちょっと考えられなかったなぁ、と私的に思うので。
だから、今回遊矢のカード使ってペンデュラム召喚したり、遊矢が「俺は俺の信じるデュエルをする。それでいいか?」の問いに「構わん」と言った時には、もうこいつらちゃんと仲間じゃん!!って思いました。

しかも、遊矢が死者蘇生で黒咲のシンキング・レイニアス蘇生→相生の魔術師とxys→ダベリオン召喚っていうのは、遊矢なりに「ユートと黒咲の意思を汲み取って、かつ自分が目指すエンタメデュエル」を表現してたのではないかな、と。

そしてデュエル後のタイラー姉妹www
素良といいデニスといい、アカデミアのエリートたちはエンタメに弱いなwww

そして予告で黒咲の死亡フラグたってますが・・・オベフォ相手で黒咲が死亡=カード化は、可能性的に低いんじゃないかなぁ・・・と。
サヤカ庇ってカード化とかなら、今の黒咲ならありえそうだけど・・・
ここで黒咲カード化されえたら、ユートが闇堕ちしちゃうので、それだけはほんと勘弁・・・


追記

と思ったら、黒咲まさかの物理退場www
デュエルで果てるんじゃなく、サヤカ庇って物理的に果てたwww
「戦場に果てる」ってそういう意味か!

にしても、遊矢は瓦礫に埋もれてもけろっとしてんのに、なんで黒咲はそれで果てるのwww
ステータス攻撃力と素早さにばっか振ってないで、守備力にも振れよ!
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