真・恋姫✝無双 新たなる外史   作:雷の人

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第十五話:任城の一日

:任城太守府

先の黄巾の乱の功績で新たに得たこの地には、氷影と桂花、蒼季、愛理、唯夏、真桜の六人が赴任し、治安、開発などに着手していた。

 

「桂花、北部の津の修繕具合はどうなっています?」

「はい、真桜と愛理を中心に八割方、完了しています・・・・今は蒼季と唯夏が相談して警備案を作成している頃かと」

「南壁はどうなっているかな?」

「真桜が既に修繕を完了、また改良案も提出されておりこちらに纏めてありますのでお目通しください」

「うん、分かったよ」

 

普段、氷影に対しデレっデレで引っ付いている桂花も、仕事中は至って真面目である、公私の区別のためでもあるし、そうしなければ氷影はおろか華琳の不況を買う事になるからだ。

そうなってしまえばいくら伯という叔父の口添えでもどうにもならない、それだけは避けねばならない、だから仕事を始めれば全力を尽くすのだ。

 

「氷兄、戻ったぞ」

 

蒼季を先頭にして愛理、唯夏、真桜が順々に入室してくる。

 

「四人共ご苦労様です」

「津の修理は完了した、今は様子見のために李通に300の兵を率いさせて駐屯させている・・・・二ヶ月様子を見て何事もなければ戻るように指示してある」

「対応としては十分でしょう、唯夏さん、真桜さんは任城の警備任務に戻ってください」

「俺と愛理は?」

「愛理さんには政務の方に回っていただきます、蒼季、君には華琳よりの召集令がかかっています」

「俺に?」

「はい、三日後までに陳留へと赴いてください」

「了解、それまでは?」

「休暇、という事で・・・・愛理さん、真桜さん、唯夏さんも明日までゆっくり休んでください、それまでは文欽さん、田豫さんに頑張ってもらいますので」

「あいよ」

「では休ませていただきますね」

「疲れましたよ」

「あーほなお言葉に甘えます」

 

執務室から退室する四人を見送れば。

 

「さて、私たちは頑張りましょうか」

「はい・・・・」

「一週間後に慧南さんと武栄さんがこちらに赴任してきます」

「そうなんですか?」

「ええ、着任当日は私と桂花さんは休暇なので・・・・」

「?」

 

首を傾げた桂花。

 

「私と一緒に街でも歩きませんか?」

 

微笑みながら提案する氷影に、最初はキョトンとした表情をする桂花、次第にみるみる眼が輝き、満面の笑みを浮かべて返事をするのだ。

 

「は、はい♪」

 

:任城南町

南町は任城で最も発展している商店街であり、必要なものは一通りここで揃う程である。

 

「んー、いい感じで発展してきたなぁ」

「そうですねぇ、仕事をするかいがあるというものです」

「ふむ、仕事の成果を実感する時でもありますね」

「せやなぁ」

 

四人で街を歩く蒼季、愛理、唯夏、真桜。

町並みの賑やかさに、自らの仕事を実感する。

蒼季は愛理、榊、真桜の優秀な腹心三人が黄巾の乱の後、昇格してしまったため、最近は「忙しい」と「仕事ってこんなに多かったっけ?」が口癖になりつつある。

 

「あーしっかし久し振りの休暇だなぁ・・・・」

「そんなに久し振りなん?」

「赴任以来かな、あとは半休とかだったしなぁ」

「何ですかその過密日程は」

「氷兄と桂花なんか武栄と慧南が来るまでは休み無しらしいからな」

「私たちは取り敢えず週二ぐらいで休んでましたからね」

「まぁせっかくの休暇だ、ゆっくりしようや」

 

:深夜:任城・曹純自室

昼間の遊んだ疲れと晩餐の飲酒で完全に爆睡している蒼季の部屋に、忍び込む影が一つ。

 

「・・・・んむ・・・・助け、て・・・・お願いだから・・・・市中引き回しは・・・・」

「どんな夢を見ているのでしょうねこのお方は」

 

窓から入る風に、茶色い髪が靡く・・・・そう、愛理だ。

 

「・・・・蒼季様・・・・」

 

もぞもぞ、と一緒の床に潜り込み・・・・

 

「~~♪」

 

ご機嫌なまま、眠気に身を任せるのだ。

 

:翌日:朝

 

「おはようございますー」

「大将、はよ起きてや」

 

何時ものように、蒼季を起こすために唯夏と真桜が入室してくる。

 

「・・・・ねぇ真桜、何か・・・・膨らんでません?」

「いやらしいなぁ唯夏は」

「意味が違います、何と言いますか・・・・蒼季様一人分にしてはもこもこと・・・・」

「そう言えばそうやなぁ・・・・・・」

 

顔を見合わせ、コクリと頷けば布団の端を二人が掴む。

 

『せーのっ!!』

 

バサッと捲り上げられた布団。

 

『!!!!?』

 

そこには、蒼季に抱かれて眠る愛理、しかもYシャツのような上着とパンツだけで。

 

「んん・・・・?」

 

ようやく、眼を覚ます蒼季。

 

「おぅ・・・・どうした?」

「蒼兄様・・・・それはどういう事でございましょうか?」

「大将、何やらかしてくれとんねん」

「あ?何言っ・・・・・・」

 

傍らに眠る半裸の愛理に、顔がみるみるうちに青褪め、冷や汗が滝のように流れ出す。

 

「お、おい愛理起きろ!」

「むにゃむにゃ・・・・おはよう・・・・ございまふぅ・・・・」

 

眼をこすりながら起き上がる愛理。

 

「なんで俺と同じ床で寝てんの!?」

「蒼季様」

「・・・・何?」

「昨夜は優しくしてくださって・・・・ありがとうございました」

 

その瞬間、唯夏と真桜の髪が逆立ち、背後に修羅が見えた、と後に蒼季は語る。

 

:任城執務室

 

「曹仁将軍!!大変です!!」

 

慌ただしく駆け込んできた兵士の様子に、ただならぬものを感じた氷影。

 

「何があったのです!?」

「はっ・・・・それが・・・・」

 

黄巾残党の襲撃か、もしくは他領領主が攻めて来たか、と身構えていると・・・・

 

「曹純将軍が李典将軍と曹休将軍に追われております!詳細は不明、ただ曹純将軍の表情が異様に怯えていた事と李典、曹休両将軍が螺旋槍と三節棍を振りかざしながらで我々では静止する事が出来ず何卒!曹仁将軍にお出ましいただきたいかと」

 

頭を抱える氷影、何をやっているんだ、と。隣の机に座っていた桂花も呆れ顔である。

 

「放置なさい、ただし城壁、市街地に被害が出るようならば直ぐに知らせなさい」

「御意!」

 

駆け出していく兵士を見送れば。

 

「さぁ、仕事をしましょう、桂花さん」

「はい♪」

 

桂花と愛理の二人は、今日は終始笑顔のままだった。




氷影が桂花の気持ちに応え始めました。
ちなみに蒼季と愛理の事ですが・・・・何もありません、添い寝しただけです、蒼季が寝相で愛理を抱き枕代わりに、愛理はそれだけで幸福度がMAXになって一緒に寝てました。
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