ラブライブ! ~寡黙な男子高校生とµ’sの日常~   作:孤独なcat

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こんちわー。

ダイエット編はこれで最後です。
ではどうぞ。


ダイエット編 Part3 ~2つのアクシデント~

海未「それでは、これまでのダイエットの状況を報告します」

穂乃果&花陽「「はい……」」

 

あれからまた数日。オレと海未から叱責された2人は懲りたのかいつも以上に真面目にダイエットに取り組んでいた。と思う。

 

いつもの部室で途中経過を発表するところである。

 

 

海未「まずは花陽。運動の成果もあって、何とか元の体重まで戻りました。」

昌信「良かったな。」

花陽「うん!昌信君が玄米くらいならって海未ちゃんに提案してくれたからだよ!」

昌信「ま、米だったら玄米で代えられるかと思ったからな。もちろん量に制限つけてな。」

 

米の代用によるダイエットで元の体重に戻った以上、花陽はこれでダイエットメンバーから離脱になる。

 

海未「次に穂乃果です」

穂乃果「は、はい!」

海未「あなたは変化なしです」

穂乃果「……ええ!? そんなあ!!」

海未「それはこちらのセリフです」

 

花陽が成功したなら自分もそれなりに減っていると思っていた穂乃果。

だが実際は何も変わっていない。

 

オレもやれやれと頭を掻く

 

海未「本当にメニュー通りトレーニングしてるんですか」

穂乃果「してるよ! ランニングだって腕立てだって!」

海未「昨日ことりからお菓子を貰っていたという目撃情報もありますが」

穂乃果「あ、あれは……一口だけ……」

海未「雪穂の話によると昨日自宅でお団子も食べていたとか」

穂乃果「あれは、お父さんが新作を作ったから味見してって」

海未「ではそのあとのケーキは?」

穂乃果「あれはお母さんが貰ってきて……ほら、食べないと腐っちゃうから!」

昌信「はあ…こりゃダメだ」

 

よくここまで詳細に把握してるな…って軽く驚く。

 

海未「何考えてるんです! あなたはμ'sのリーダーなのですよ!」

穂乃果「それはそうだけど……」

海未「本当にラブライブに出たいと思ってるのですか!」

穂乃果「当たり前だよ!!」

海未「とてもそうには見えません!!」

 

ガミガミ言い合っている2人をよそに、それを見ている凛と真姫と西島はついこんなことを思ってしまう。

 

凛「穂乃果ちゃんかわいそう……」

穂乃果「海未は穂乃果のことになると特別厳しくなるからね」

陽翔「さすがに過剰にもほどがあるような気がすんな…」

凛「……穂乃果ちゃんのこと、嫌いなのかな」

ことり「ううん、大好きだよ」

 

長年の幼馴染だからこそ分かるようだ。あれは愛ゆえの厳しさなのだと。

 

海未「穂乃果!! あなたという人はどうしていつもこうなのです! 私だってこんなにガミガミ言いたくないんですよ!!」

 

海未の怒号が響く。

 

陽翔「なあ、あれで大好きなんか??行き過ぎな気が…」

ことり「あはは……」

 

 

そんな時。

 

ガラガラとドアが開かれる音がした。

 

 

 

ヒデコ「あの~……」

 

 

普段から積極的にライブや生徒会の仕事を手伝ってくれる3人のうちの1人が困ったような表情でやってきた。

 

穂乃果「どうしたの?」

ヒデコ「それが……」

 

 

 

 

~*~

 

 

 

穂乃果「ええ!? 承認された!?」

 

 

 

 

ヒデコに呼ばれ急いで生徒会組とオレは生徒会室まで行った。

そこでヒデコに聞かされたのは、本来ならば絶対にあってはならない事だった。

 

ヒデコ「うん……美術部の人喜んでたよ……」

フミコ「予算会議前なのに、予算が通ったって」

 

生徒会室で待っていたらしいフミコも困ったようすで答える。

話を聞く限り、予算会議があって予算を決める流れが普通のはずなのに、いつの間にかに希望予算が承認されているのだ。明らかにおかしい。

 

海未「そんなことあり得ません! 会議前なのに承認なんて……」

昌信「何故だ…。原因は一体…。」

ことり「ぁ……ぁあ……」

 

ことりの異変に気付く。

何か紙を持っているらしく、それを確認するためにことりのもとへ駆け寄る。

 

穂乃果「ことりちゃん?」

 

そこには「承認」という2文字が捺印された予算申請書があった。

 

昌信「ッ!…」

穂乃果「何で?!」

海未「どうして承認されてるんです!?」

 

ことりが持っているのは美術部の予算希望の紙だが、それには判が押されていた。

 

ことり「多分……私……あの時……」

 

オレの記憶が正しければ、あの時ことりは海未にその予算申請書を渡されたはずだ。だとすると、ことりが何らかのミスで承認用の方へ申請書を入れてしまったかもしれない。

 

ことり「ごめんなさい……」

昌信「はぁ…今すぐ美術部のもとへ向かうぞ。」

穂乃果「え、昌信君も行くの?」

昌信「この出来事を目の前で見た以上、同じ船に乗ったも同然だ。ていうか、生徒会じゃねえけど最大限サポートするって一番最初に言ったぜ?とりあえず今すぐ向かおう。」

穂乃果「うん!ありがと!」

 

 

 

~*~

 

 

 

美術部の活動している部屋に着き、美術部の部長に事態の説明をしたが…。

 

美術部長「えぇ!? 今更言われても困るよ! そっちが承認してくれたんでしょ!?」

 

まあ予想していた通りの反応だ。

 

海未「いや、ですから……あれは間違いで……」

美術部長「だったらその時言ってくれればよかったじゃない!私もうみんなに言っちゃったし、今からダメだったなんて言えないよ!」

 

美術部長の言ってることはド正論だ。何も言い訳できない。

明らかに生徒会側(こちら)に非がある。

 

 

 

だからこそ誠意を込めて謝ることが大切である・

 

昌信「この件に関しては本当に申し訳ないと思っている。生徒会で改めて予算案を考えて部活全体を交えた予算会議で改めて予算配分を発表する。もちろん今後このようなことが起こらぬよう生徒会全体で気を付ける。だから今回の件はどうか許してほしい。」

 

オレは頭を下げる。

 

穂乃果「昌信君…」

 

頭を上げてオレは言葉を続ける。

 

昌信「今回の件に関して、部長がまた美術部員たちに『前の予算は無しになりました』って言ってもらうのは酷だ。美術部員全員の前で釈明しようと思っている。だから…頼む。」

穂乃果「お願いします!」

海未「お願いします!」

ことり「…お願いします!」

 

そしてまた頭を下げる。穂乃果たちもオレに続いて頭を下げた。

 

 

 

~*~

 

 

夕陽が生徒会室を照らすころ。

元生徒会長と元副会長も生徒会室に来てもらった。生徒会がゴタゴタしている間、部活の面倒を見ていた西島も合流した。

 

希「面倒なことになったね」

 

希も絵里も西島も険しい表情をしていた。

 

穂乃果「すみません……」

海未「注意しているつもりだったのですが……」

ことり「海未ちゃんが悪いんじゃないよ。私が……」

穂乃果「ううん、私が悪いんだよ。仕事溜めて海未ちゃん達に任せっぱなしだったし……。」

 

不穏な空気が生徒会室を蝕む。

 

昌信「しゃーねえよ。とりあえず大事なのはこれからどーすっかだ。予算のこととか。」

陽翔「だな。それに、達川が美術部の機嫌を更に悪くしないように何とかしてくれたからな」

海未「あの時はありがとうございました。」

昌信「気にすんな。んで、どーするよ?…絵里、希。生徒会の先輩として何かアドバイスくれないか?」

 

オレは2人に尋ねる。

 

絵里「……そうね。3年生に美術部OGの知り合いがいるから、私からちょっと話してみるわ」

希「そうやね。元生徒会長の言うことやったら協力してくれるかもしれないしね」

昌信「すまん、助かる」

海未「すみません……」

 

生徒会長として人望があった絵里ならば何とかしてくれるかもしれない。

ただ、さっきから穂乃果がずっと黙っている。何かを考えているような、真剣な表情。

 

穂乃果「でも」

 

絵里&希「「?」」

 

生徒会室を出ようとしていた絵里と希が止まり、海未やことりも疑問に思いながら穂乃果を見つめる。

 

穂乃果「私達で何とかしなきゃダメなんじゃないかな」

ことり「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「自分達のミスだもん。私達で何とかするよ! 今の生徒会は、私達がやってるんだから」

絵里「でも―――、」

 

絵里が何か言おうとしたが希に止められる。

 

昌信「穂乃果の言う通りだな。オレらで何とかしなきゃな。」

陽翔「オレも全力で手伝うぜ。」

昌信「あざっす。…てことで、悪かったな絵里、希。オレ達で何とかするから、部室で待たせてるみんなと一緒に帰っても大丈夫だ。」

 

絵里は最後まで腑に落ちない様子だったが希に連れて行かれた。

 

 

 

~*~

 

 

 

昌信「とりあえずこの書類の山を整理しなきゃな。」

海未「ええ。こっちは私と穂乃果、あれはことりがやりますので、昌信と陽翔はこれらの整理をお願いします。」

昌信「りょーかい。」

陽翔「っしゃ!気合いれていくぞ!」

 

何とかするにせよ、まずは目の前の溜まった書類を整理しなければ作業も満足に進めることができない状況だった。

しかし意外にも西島の要領が良かったこともあって整理は驚くほどのスピードで進んだ。

 

昌信「…西島。どうだ?」

陽翔「バッチグーよ。………よし!終わったぜ。」

昌信「おっけい。海未、何か他にやることあるか?」

海未「そうですね。昌信はことりの手伝いをお願いします。」

昌信「おう。」

陽翔「陽翔は…何か飲み物を買ってきてもらってもいいですか?」

陽翔「りょーかい!全員水な。」

 

てことで西島は買い出しに行った。

 

 

 

 

山田先生「(生徒会室ってことは、残ってるのは高坂達か)」

 

校内に残ってる生徒がいないか見回っていた山田先生が生徒会の近くに来た。おそらく生徒会の仕事をしているのだろうが、さすがに時間も時間だと思ったのだろう。

教師としては生徒を早めに帰さなければならないので、早く帰るよう言おうとした。

 

 

 

「おーい、早くかえ―――、」

 

開きかけだったドアの隙間から室内が見えた。

それを見て自然と言葉が途切れた。

 

ことり「海未ちゃん、そっちどう?」

海未「今計算が合いました」

穂乃果「こっちももうすぐ終わりそうだよ!」

昌信「オレんとこも問題ない。」

 

声をかけなければならないのに、何故か声が出ない。

あれだけ集中している4人を見てしまったら、邪魔をしてはならない気さえしてしまった。

 

陽翔「ちわっす。山田先生。」

 

そこに現れたのは買い出しから帰ってきて生徒会室に入ろうとしていた西島だ。

 

山田先生「西島か。あいつらは…」

陽翔「見ての通りっすよ。あともうちょいで終わると思います。」

山田先生「そうか。…ならいい。」

 

そう言って山田先生は去って行った。

 

陽翔「おーい、水買ってきたぞー」

 

 

 

書類の整理はもうそろそろ終盤を迎えていた。

 

 

 

~*~

 

 

 

そしていよいよ予算会議の日。

オレと西島は正式には生徒会役員ではないので出席できないので、ただただうまく行くよう祈ることしかできなかった。

 

 

 

しかしオレはどうしても心配なので浅井特製の盗聴器を会議室に仕掛け、会議の様子を聞くことにした。

(犯罪スレスレかもしれないが、まあ…バレなきゃ問題ない……………と信じたい。)

 

穂乃果「では、各部の代表が揃ったようなので、これより予算会議を始めたいと思います。まず始めに私から」

美術部長「はい」

 

穂乃果の視界を遮るかのように声を出して挙手した。

 

美術部長「その前に美術部の件について説明してもらえますか」

 

やはり来たか…。釈明に関してはオレたちで考えたから大丈夫なはず。

 

穂乃果「それでは説明させていただきます。美術部の予算の件に関しては、完全に生徒会のミスです。承認の書類箱に間違って入れたものに判を押してしまったもので弁解の使用もありません。ですが、予算会議前に承認することはやっぱりあってはならないと思います。ですので、謝罪と共に取り消しをお願いしたいと思います。」

 

今のところ良い感じだ。その意気だ。

 

穂乃果「それで予算ですが、音ノ木坂学院は今年廃校を免れた状態です。生徒の数も去年に比べて少ないのが現状です。そこで、勝手ながら生徒会で予算案を作成させていただきました。副会長お願いします。」

 

予算案の紙が部の代表全員に配られる。

 

海未「各部去年の予算と本年度提出されている希望額から暫定で振り分けてみました。各部とも要求額に届いていませんが、全ての部で希望の8割は確保しています。」

穂乃果「この予算案であれば、各部の今年度の活動に支障はきたさないと考えます。来年度、生徒が増えることを信じ、今年はこれで

 

 

 

ご理解いただければと思います。」

 

穂乃果「生徒会として精一杯考えました。」

海未「至らぬところはあると思いますが」

ことり「どうか、どうか…お願いします!」

3人「「「お願いします!」」」

 

釈明会見としては満点に近いとオレは思った。あとは各部の代表が納得してくれれば御の字だが。

 

にこ「予算案に賛成の人。」

 

にこが予算案の賛成するよう促すかのように挙手を募った。

そーいやにこはアイドル研究部の部長として会議に出ていたことを思い出した。

 

 

 

にこに釣られてか全員が挙手をした。

 

 

 

 

 

 

つまり、予算案が通ったのである。

 

 

 

~*~

 

 

 

夕方

生徒会の仕事を終えた3人がオレたちに合流した。

 

花陽「予算案通っちゃったのぉ?!」

穂乃果「ほ~んと危なかった~」

ことり「でもうまく行って良かったね。」

にこ「私のおかげよ!感謝しなs」

穂乃果「ありがと~にこちゃーん!」

 

実際にこがいなければ状況は変わっていただろう。それだけにこは大きな役割を果たしてくれた。

 

昌信「とりあえず予算会議は乗り越えたな。さて、ダイエットの続きを始めるか。」

穂乃果「それがね、さっき計ったら戻ってたの!」

昌信「そうか、戻ってたか・・・・・・って、マジか。」

全員「えぇ?」

 

穂乃果の急な報告に動揺を隠せなかった。

 

ことり「本当?」

穂乃果「うん!5人で頑張ってたら食べるの忘れちゃって…」

凛「分かりやすいにゃ。」

 

真姫はことりに近寄った。

 

ことり「真姫ちゃん」

真姫「ことりの言った通りね。」

ことり「え?」

真姫「信頼しあってるんだなって。」

ことり「うん。」

 

ことりは穂乃果と海未を見つめる。

 

ことり「お互い良いところも悪いところも言いあって、ちょっとずつ成長できてるんだな…って思う。」

昌信「かもしれねえな。」

真姫「昌信…」

 

オレは穂乃果はダイエット成功したからという理由でパンを食べようとして海未に見つかって追いかけられているところを見つめながら言う。

 

昌信「傍から見てたら喧嘩してるように見えても、今回の予算会議の件みたいないざという時があれば団結するもんだと思う。それが幼馴染ってもんなのかもな。」

 

オレは夕陽を見ながらふと呟いた。

 

昌信「いいな…幼馴染って。」

 

達川が音ノ木坂に入る前から持っていて、今もごくわずかに残っている孤独気質を夕陽の光によって浄化されていくかのように見えた。

 

昌信「オレもあーいう感じになれてるんかな…」

 

 

 

穂乃果「どうしたの?」

昌信「いや、何も。…今日はもう遅いし解散だ。帰ろう。」

 

そう言って11人みんなで帰路に就いた。




読んでいただきありがとうございました。

穂乃果の体重が変化なしっていうのと生徒会の予算申請受理でのミスという2つのアクシデントがあったものの何とかなりましたねー。

次は希編ですね。頑張ります。

そんでは。
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