ラブライブ! ~寡黙な男子高校生とµ’sの日常~   作:孤独なcat

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さて、いよいよアニメ本編でいう『私の望み』です!

まあ、温かい目で四で下せえ。


希の望み Part1 ~ラブソングはできるのか?~

秋葉のとある場所でラブライブ最終予選前の発表会へ来ているのだ。

 

端的に言えば試合前のインタビューみたいなものだ。

ということは、同じ地区予選を勝ち抜いた他のスクールアイドルもいるわけで、当然A-RISEもいる。

 

「それでは!最終予選に進む最後のグループを紹介しましょー!」

 

マイクを通して、観客にまで十分すぎるぐらいに届くボリュームでテンション高いレポーターが声を張り上げる。

 

「音ノ木坂学院スクールアイドル、μ'sです!!」

 

言われたと同時にカメラマンであろう人達のシャッター音がパシャパシャと鳴っている。

 

他のスクールアイドルの紹介が終わり、最後に俺達の学校のスクールアイドル、もといμ'sの紹介が始まろうとしていた。

 

オレと西島はサポート兼マネージャーということもあって運営スタッフ側の中に混ざって見守る。

 

「この4組の中からラブライブに出場する1組が決まります!」

 

ハロウィンでインパクト爆盛のレポーターが進行をしていく。

 

「ではまず最初に1組ずつ意気込みを言ってもらいましょう! まずはμ'sから!」

 

紹介が終わったと思ったらすぐにインタビューに入る。因みにこういうインタビューは事前にどういう質問が来るとかは聞かされていなかった。つまり、基本的にすべてアドリブで言わなければならない。

 

さて、穂乃果がどう答えるか…。

 

 

穂乃果「は、はい! わ、私達はラブライブで優勝することを目標にずっと頑張ってきました」

 

うんうん、今のところ問題はない。どのスクールアイドルだってラブライブに出て優勝することが目的なのだ。だから今の発言に問題視される個所はない。穂乃果のことだから変なこと言うんじゃないかとヒヤヒヤしていたが、大丈夫そうだな。

 

穂乃果「ですので! 私達は絶対優勝します!!」

 

…おいおい。いきなりデカいこと言ってしまったな。

 

穂乃果「あ、あれ……?」

 

「すすすす凄い!! いきなり出ました優勝宣言です!」

 

観客とかがザワつく中、スタッフの人達が同情のような視線を俺に送ってくるのが分かる。

 

それを察してか知らずかμ'sの隣にいるグループ、A-RISEメンバーのリーダー、綺羅ツバサがチラリと脇にいる俺の方へ意味ありげな笑みを浮かべながら見ていた。率直に言ってやめてほしい。

 

陽翔「あーあ。言っちまったな。」

昌信「はぁ…」

 

オレは頭を抱える。

 

 

 

オレと西島が帰ったら穂乃果にどう尋問するか考え、メンバーは穂乃果の発言に若干呆れている間、一人だけ様子が違っていた。

 

希である。

 

希「ついに…ついにここまで来たんや…」

 

 

 

 

 

~*~

 

 

 

にこ「何堂々と優勝宣言してんのよ!」

穂乃果「い、いや~、勢いで」

 

場所は変わっていつもの部室。

最終予選ももうそこまで来ているし、そこで何を歌うかなどのミーティングをしようというところだが…

 

昌信「全く…。呆れて何も言えない…って言いたいところだが優勝目指してるのは事実なんだよなぁ・・・」

 

なんやかんや穂乃果の言ったことは事実だし何も問題ねえんじゃねえかって西島と話してた。

 

真姫「そうね。実際目指してるんだし問題ないでしょ」

海未「確かに、A-RISEも言ってましたね。『この最終予選は本大会に匹敵するレベルの高さだと思っています』と」

穂乃果「そっか……認められてるんだ。私達」

 

まあ、その認識で間違いはない。学院の中に招待されたり、同じステージで踊ったり、何度か話したりしてるし、他のスクールアイドルと比べれば、あのラブライブ覇者に認められてると言っていいだろう。

 

絵里「それじゃこれから最終予選で歌う曲を決めましょう。歌える曲は1曲だから、慎重に決めたいところね」

 

いよいよ本題である。

予選だからといって手を抜くわけには当然いかない。何せ、その最終予選にA-RISEがいるのだから。

 

花陽「勝つために……っ」

 

するとにこが提案した。

 

にこ「私は新曲がいいと思うわ」

穂乃果「おお、新曲!」

凛「面白そうにゃ!」

海未「予選は新曲のみとされていましたから、その方が有利かもしれません」

 

花陽「でも、そんな理由で歌う曲を決めるのは……」

真姫「新曲が有利ってのも、本当かどうか分からないじゃない」

ことり「それにこの前やったみたいに、無理に新しくしようとするのも……」

 

 

絵里「昌信と陽翔はどう思う?」

昌信「オレよりも西島に聞いてくれ。お前なら何か思うことあるだろ?」

 

アイドル知識が豊富で、且つあの有名なベルスパのリーダーを務める西島だからオレよりも有効な意見を持ってるかもしれん。

 

陽翔「そーだなー…。まず、新曲についてだけど、確かに既存曲と違って新曲ならば、客は初めて聴くわけだし、それだけインパクトも与えられる。既存曲では出せない評価が出せるのは大きいし、悪くない。でも、仮にその評価が思ったより良くなかったらそれは失敗に終わってしまう。その点では既存の曲をやるっていうのも一理あるんだよな。今までで1番評価の高かった既存曲を練習して踊りのキレやブレない歌声を完成させて安定さを狙うっつーのも作戦と言える。でも新曲と比べるとどうしてもインパクトに欠けるんだよなー。」

 

昌信「つまりどちらも一長一短で決め難いってことか?」

陽翔「そーいうことよ。」

 

あーだこーだと悩んでいると希がふと呟いた。

 

希「例えばやけど、このメンバーでラブソングを歌ってみたらどうやろか」

 

ほんの数瞬だけ沈黙が部屋の空間を支配した。

直後に。

 

 

「「「「「「「「ラブソング!?」」」」」」」」

 

見事に8人がハモッた。こういう時息合ってるよな…。

 

花陽「なるほどぉ! アイドルにおいて恋の歌すなわちラブソングは必要不可欠定番曲には必ず入ってくる歌の一つなのに、それが今までμ'sには存在していなかった!!」

 

花陽がご丁寧にとてつもない早口で説明してくれた。

 

陽翔「そーいや今までラブソング的な曲はなかったな。確かにアイドルといえばラブソングみたいなイメージが世間一般だな。」

穂乃果「でも、どうして今までラブソングってなかったんだろう?」

ことり「それは……」

 

穂乃果の素朴な疑問にことりが察したようにある1人へ視線を移す。

そう、μ'sにおいて作詞担当と言えば1人しかいない。園田海未である。

 

海未「な、何ですかその目は!」

希「だって海未ちゃん恋愛経験ないんやろ?」

 

分かりきったように言う希。何だろう。すごい無情なこと言われたな。

 

だが、ここで海未は意外な反応をした。

 

海未「何で決めつけるんですか!」

穂乃果「じゃああるの!?」

ことり「あるの!?」

陽翔「マジか?!」

昌信「…」

 

オレは黙って見つめる

 

海未「何でそんな喰い付いてくるのですか……!?」

花陽「あるの!?」

凛「あるにゃ!?」

にこ「あるの!?」

海未「何であなた達まで……!」

 

めっちゃ詰め寄られてる。アイドルは恋愛禁止なんてのはよく聞くがまずスクールアイドルだし、それにもし過去に海未がそういう経験をしたとするなら穂乃果とことりは知ってるはずだ。

 

にこ「どうなの!?」

凛「あるにゃ!?」

花陽「あるの!?」

穂乃果「海未ちゃん!答えて!どっち!?」

ことり「海未ちゃん…」

 

ことりに至っては泣きそうになってるぞ?何で?

 

海未「そ、それは……ありません……」

 

その場に崩れ落ちて観念したように言った海未。

 

ことり「びっくりしちゃった~」

穂乃果「もう、変に溜めないでよ~。ドキドキするよ~」

海未「何であなた達に言われなきゃならないんですか!穂乃果もことりも無いでしょ!」 

穂乃果&ことり「「…うん」」

真姫「にしても、今から新曲は無理ね」

絵里「で、でも、諦めるのはまだ早いんじゃない?」

真姫「絵里?」

昌信「…」

 

絵里のやつ、今日はやけに必死だな。

 

希「そうやね。曲作りで大切なんはイメージや想像力だろうし」

海未「まあ、今までも経験したことだけを詞にしてきたわけではないですが……」

穂乃果「でも、ラブソングって要するに恋愛でしょ?どうやってイメージを膨らませればいいの?」

希「うーん…そうやね…例えば」

 

そう言ってオレと西島に視線を移す。

 

 

 

~*~

 

 

 

花陽「ぁ、あの……受けとってください!」

 

 

 

ところ変わって学校内の廊下。

即興で包装して作ったプレゼントみたいな物を持って差し出したのは花陽である。

それをビデオ撮影しているのは西島である。

 

海未「これでイメージが膨らむんですか?」

希「そうや。こういうとき咄嗟に出てくる言葉って結構重要よ」

 

確かに希の言っていることも一理ある。事前に考えて用意されていた言葉も響く人はいるだろうが、空っぽの状態でも必死に紡がれた言葉の方が本心は出ることもある。

 

穂乃果「でも、何でカメラが必要なの?」

希「そっちのほうが緊張感出るやろ?それに記録に残したほうがあとで楽しめるやろうし」

にこ「明らかに後者が本音ね」

希「まあまあ。じゃあ次、真姫ちゃん行ってみよう!」

真姫「な、何で私が!?」

 

いきなりの指名に焦る真姫。

 

陽翔「ほほう。奥ゆかしい花陽の次にツンデレ姫の真姫とは、中々に良い趣味をしてますのう、希さんや」

希「いえいえそれほどでも。そっちの方が陽翔君も嬉しいやろう? ツンデレ姫に好意を持たれる二次元感を一度は味わってみるのも良いやん?」

陽翔「つっても、次は達川がカメラ持つ番だけどな。」

 

いつのまに西島と希が意気投合していやがる。

 

陽翔「さあさあ!真姫のツンデレ具合をとくと見せてもらおうじゃないか!!早くやるぞ!!」

真姫「なんでそんなにノリノリなのよ!」

 

 

 

~*~

 

移動して中庭。

カメラはオレが撮影している。

 

真姫「はいこれ。いいから受け取んなさいよ! べ、別にあなただけにあげたんじゃないんだから、勘違いしないでよね!」

昌信「ぬぅぅっふッ…」

陽翔「うぉぉぉぉ!こ、これが本物のリアルで聞くツンデレ台詞か……あやうく萌え死するとこだったぜ。ぐはぁ」

 

危うくオレもぶっ倒れそうになった。西島は既に倒れている。

 

花陽「パーフェクトです! 完璧です!」

凛「マンガで見たことあるにゃー!」

昌信「たしかに。良かったんじゃねえか?オレもマンガで見たことあるぞ。」

花陽「百合漫画ですか?」

昌信「ちげぇわ」

 

さりげなくオレを百合男子にするんじゃねえ。てか、西島の見た夢を正夢にするな。

 

にこ「ふんっ! 何調子に乗ってるの!?」

真姫「別に調子に乗ってなんかないわよ!」

希「じゃあにこっちもやってみる?」

にこ「ふふーん! まったく、しょうがないわねー!」

 

何だろう。ろくでもないことが起きる気しかしねえ。

 

 

 

~*~

 

 

はたまた場所は変わってアルパカ小屋の中。カメラは西島

……何故ここ?

 

にこ「どうしたかって……分からないの……?」

 

もうスイッチは入っていていつものツインテールを結んでいるリボンを解くにこ。何気に演技が上手いせいか西島は少し見入ってしまう。(アルパカ小屋の中という謎シチュエーションはともかくとして。)

 

にこ「ダメっ、恥ずかしいから見ないで……」

 

何故か分らんがオレは視線を別の場所に向ける。

 

にこ「んもぅ……しょうがないわね……ちょっとだけよ……」

 

そう言って西島の方へ向く

 

にこ「髪、結んでないほうが好きだってこの前言ってたでしょ?…だから、あげる」

 

胸元のリボンを外し、カメラマンである俺の方へゆっくりと近づいてくる。そういやにこは何もプレゼント持ってないよな。西島に何をあげる気だ?

 

にこ「にこにーから、スペシャルハッピーなラブにこ―――、」

陽翔「あ、バッテリー切れた」

にこ「ぬぁんでよ!!!」

 

変な幕切れとなった。

 

 

 

~*~

 

 

 

あの後、部室に移動し話し合ったが結局良い案は出なかった。

 

穂乃果「何も決まらなかったね~」

海未「難しいものですね……」

 

下校時間になり大人しく帰る羽目になった。

 

真姫「やっぱり無理しないほうがいいんじゃない。次は最終予選よ」

 

真姫がそんな事を言いだした。

 

海未「そうですね。最終予選はこれまでの集大成。今までのことを精一杯やりきる。それが1番大事な気がします」

ことり「私もそれがいいと思う」

花陽「うん……」

 

それを皮切りに、海未やことり、花陽も頷いた。

良い案が出せないんじゃそういう結論に行き着くのは仕方ないことだろう。

 

しかし、一人だけ異論を唱えた。絵里である。

 

絵里「でも、もう少しだけ頑張ってみたい気もするわね」

真姫「絵里?」

昌信「そうか。」

 

他のみんなが他の手段にするという結論に行きかけた時、絵里が切り出した。

 

凛「絵里ちゃんは反対なの?」

絵里「反対ってわけじゃないけど、でもラブソングはやっぱり強いと思うし、そのくらいないと勝てない気がするの」

 

A-RISEが相手ならば、ここであえてラブソングを当てるのも悪くはない。若干ハイリスクでもあるがハイリターンなので捨てがたい部分がある。

 

穂乃果「そうかなあ……」

海未「難しいところですね……」

陽翔「どうすっかな」

 

西島も悩んでるが、かくいうオレも悩んでいる。最終予選に向けた曲は慎重に且つ迅速で冷静な判断で決めていかないといけないのだから。

 

絵里「それに、希の言うことはいつもよく当たるから」

 

このスピリチュアル女子高生の運は多分この全員の中で1番高いだろう。ちょっとした未来を見てるかのようにタロット占いをも当ててしまう。だから説得力もあるわけで……。

 

穂乃果「じゃあ、もうちょっと考えてみようか」

海未「私は、別に構いませんが」

陽翔「そうするか。ギリギリまでやってみるのもいいな。」

絵里「それじゃあ今度の日曜日、みんなで集まってアイデア出し合ってみない? 資料になりそうなもの、私も探してみるから。希もそれでいいでしょ?」

希「え? ああ、そうやね」

 

部室にいたときからどうも腑に落ちない事が1つだけある。

今回の件に関して、絵里がやけに必死なように見えて仕方ない。まるで希のために何かを成し遂げようとしているかのような。おそらく、いや絶対に希と絵里に何かあるに違いない。なぜ、絵里はラブソング、いや、希に拘るのか。

 

 

 

一人黙りこくって考え込んでいると、真姫が小声で話しかけてきた。

 

真姫「ねえ、昌信」

昌信「何だ?」

 

まあ、真姫がオレに聞きたいことは何となくだが察している。

何せ真姫が誰よりも絵里に今回の件に関して反対していたからだ。

 

真姫「この後…ちょっと付き合ってくれない?」

昌信「構わん。」




来週には投稿したいですね。
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