女だらけの聖戦士伝説に召喚された  真・恋姫†有双……になるはずが(仮)番外編   作:生甘蕉

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11話

 トルール城に帰って、嵐の玉でおきたことを話す。

 華琳ちゃんは、月ちゃんをお持ち帰りしてこなかったことを非常に残念がった。ナの国の王は可憐な聖少女として有名らしい。

「たしかに可愛かった」

「くっ……まあ、ガロウ・ランの3姉妹を手に入れたのだからよしとしましょう」

 嵐の玉を抜ける時やトルール城に帰ってくるまでが負担になったのか、人和の足が思ったよりも悪かったので、帰城後すぐにナースで治療した。自分たちもと言うので擦り傷だけだった天和と地和も。その後、他の娘たちと同じように赤い顔で俺を見るようになったので、もしかしたらオーラシップ治療には幻覚作用でもあるんじゃなかろうか?

 彼女たちは華琳ちゃんの下で働くことになったそうだ。意外にも歌手としての能力が高いらしく、慰安コンサートが主な任務になるらしい。

 初仕事はリの巨大戦艦完成式典になる予定だ。

 

「ナブロの砦は?」

「落とせなかったわ。あなたが嵐の玉に行った時点でバハムウトは撤退を始めたのだから当然よね」

「行方不明となられた隊長の捜索を優先させました」

「麗羽は悔しがっているでしょうね。かわりに雪蓮が調子づいてそうだけど」

 でも雪蓮って、元国王で今の王は妹さんなんでしょ。どんな娘なのかな?

 ……美少女なのは間違いないか。

 

「それと、麗羽のところの地上人がまたゼラーナに寝返ったわ」

「え?」

 そんなのいたか? 聖戦士ダンバインにも聖戦士伝説にもそんな話はなかったはずだけど。

「馬超が寝返りました。現在はゼラーナ隊と行動をともにしているようです」

 馬超か。張遼がアレンだとして、ジェリルとフェイのどっち担当なんだろう? どっちもレプラカーンだろうし、オーラバトラーじゃ判断できない。まあ、地上に出なければハイパー化もしないだろうから、どっちでもかまわないか。

 だけど、聖戦士伝説と違う動きは気になるな……。

 

 ともかく、これで第5章が終了だ。

 次は第6章。最終章にしなければいけない。第7章以降は地上だから続けるつもりはないのだ。

 

 

 お腹が大きくなって戦場にこられない華琳ちゃんの代理として、多島海に停泊中のブル・ベガーで麗羽と会う。

 俺のせいで前回失敗したと責任を擦りつけられそうになった。

「そうですね。わずか1艦のバハムウトがいなくなった程度で失敗する。これほどまでに麗羽軍が弱いとは予想できませんでした」

「なんですって!」

 麗羽が怒る。が、これも計算のうち。計算したの俺じゃないけどね。

 

「ふふ、麗羽殿も人が悪い。前回は手を抜いておられただけなのでしょう?」

「よくわかってらっしゃいますわね。おーっほっほっほ! 次こそは本気を見せてさしあげますわ!」

「期待していますよ。今度は作戦の邪魔をしてはまずいので、リの騎団は本国でラウの軍を引きつけます」

 さて、どうでるかな? これで意地になってナブロの砦を落とされたら困るけど、後で冷静になって戦力を無駄使いはしない、というのが華琳ちゃんたちの予想だ。

 むしろ、ラウにリを攻めさせ続けて、双方の疲弊を狙うんじゃないだろうか?

 

 トルール城に戻った俺を待っていたのは、ロアドの森で偵察部隊が凶暴化した飛竜(ドラウゲン)の群れに襲われ、これを殲滅したとの報告。

 あれ? 偵察部隊の方が負けて、フリーシナリオに入るんじゃないの?

 詳しい話を聞いてみると、偵察部隊は俺の教え子(カンストオーバー)たちだった。そりゃ、強獣なんぞには負けんわ。

 しかも、量産が始まったライネックを使っている。

 

 ライネックはドレイク陣営の主力機になるはずだったオーラバトラーだ。

 量産体制を整える前に地上界に追放されちゃったんで、一般兵はほとんど使わなかったんだけどね。

 オーラ係数は1.3とオーラ増幅器の性能も高く、オーラ力の少ない兵士でも力を発揮できる。うちの騎士や俺の教え子たちには関係ないけどさ。

 基本性能の高さだけではない。両肩と太腿にミサイルポッド、両腕にバルカン、コンバーターに大型ワイヤークローと武装も豊富だ。

 聖戦士伝説だとロウルートなら、これかボテューンが量産して騎団に与える最終機だ。カオスルートはなぜかライネックが手に入らないしズワァースがあるけどね。

 

「ラウの軍の侵入を防ぐために偵察、迎撃各部隊の強化を行ったのだ! おかげでこちらの被害は激減している」

「なるほど。国民に被害を出さないためにも必要な措置か」

 騎団(こっち)にも回してほしかったけど、ブラウニーで十分以上に勝てている現状では優先度は低いか。

 

「あまりの被害とこちらへの効果のなさに、ラウはリへの侵攻を減らしてカラカラの山岳地帯に戦力を集結しているわ」

「ゴラオンの完成が近いのかも」

「残るナは、アカシャの森にオーラバトラー隊を侵入させてきたわ。ボチューンと、それによく似た新型騎がまじっているようね」

 ボテューンか。ナの国のシーラ……月ちゃん親衛隊だな。

 

「そっちは俺たちが出よう。ボテューンとは戦っておきたい」

「そうね。バハムウトとビヒモスを出しなさい」

「了解しました。姉者、華琳さまを頼むぞ」

「わかっている。まかせろ!」

 まあ、俺の教え子たちもいるから、トルール城には近づけもしないでしょ。

 

 俺たちはゼラーナ級バハムウトとブル・ベガー級ビヒモスでアカシャの森に向かった。

「こちらです!」

 オーラシップの前を先行して案内するのは明命のスカルマ。

 スリムなバストールをさらに細身にしたようなオーラバトラーで、その装甲材は強獣の骨が用いられている。見た目通りに軽く、素早い機体だ。コンバーターにも1対の腕があり4本腕という珍しい姿をしている。

 聖戦士ダンバインにも聖戦士伝説にも登場しないオーラファンタズムのみのオーラバトラーだったのだが、真桜に強獣の骨を使ったオーラバトラーの話をしたら造ってくれた。あまり使わない強獣の骨を使うので、材料にはそれほど困らないと斥候用に少数が量産されている。

 

「いたぞ。ボテューンは速い! 用心してくれ」

 ボチューンのコンバーターを大型化したような純白のボテューン。

 よかった。ボテューンはやっぱり白じゃないとね。ナの国のカラーは白か。

 国ごとの色が聖戦士伝説と違うから不安だったんだ。ラウなんて赤だから、俺のダンバインとかぶってて紛らわしいよね。

 

 いたのは、ボテューン2、ボチューン4、ボゾン6。数の上ではむこうの方が多いか。

 ボテューン以外にも親衛隊が混じっているようだな。

 

「やはり速い」

「思ってた以上じゃ」

 量産機でトップの移動力を持つボテューン。同等の数値を持つ量産機はバストールしかなく、こんなのが量産されているのだから、ナのオーラバトラー開発能力は高いといえよう。その分巨大戦艦(グラン・ガラン)が外見だけで性能は残念みたいな扱いを受けてるんだけどさ。

 

 しかも操るのはナ軍トップであろう親衛隊。レベル差があるとはいえ、油断していい相手ではない。

 驚異的な移動力で一気に距離を詰めてくるボテューン。予備知識がなければかなり驚いたことだろう。

「だが!」

 ダンバインの背後をとり、斬りかかってきた敵の攻撃をかわし、今度はこっちの番。

「……硬いか」

 ボチューンと同じような見た目のくせに、耐久力は4割近く増えている。エフェクトが発生したクリティカルでも致命傷は与えられなかった。

 

「月ちゃん親衛隊だけのことはあるか」

 ゼラーナ隊と同じくらい手間取りながら、ボテューンを倒す。

 関羽も機体を乗り換えてくるだろうし、これからは一方的な戦闘はできなくなるのかな……。

 

「さすが隊長です」

「兄ちゃん、こっちも終わったよー」

 みんな無事のようだ。

「ボゾンとの撃ち合い、楽しかったぜ!」

 聖戦士伝説のボゾンは足が遅い射撃主体のオーラバトラーだ。撃ち合いなんかしないで近接で倒した方が楽なんだけど、猪々子のレプラカーンも移動力低いもんな。

 

「できる限り残骸を回収してくれ」

 聖戦士伝説ではここで、ボチューンと重装甲ボチューンを入手できるんだよね。……ボテューンが入手できればいいのに。桂花や真桜たちなら造ってくれないかな?

 

 

 そんな感じでラウやナの襲撃を防いでいると、アの巨大戦艦、ウィル・ウィプス完成の報が届いた。

「ついに完成したようね」

「やはり巨大戦艦の建造を優先して、ナブロ攻略には本腰を入れなかったか」

 助かったけどね。ナブロの砦はリの騎団が落とさないといけない。それが、バイストン・ウェルで決着をつける条件の1つだったから。

 もし、麗羽がナブロを落としちゃったら? その時は聖戦士伝説とは違う展開となったってことで、ウィル・ウィプス完成前に麗羽を倒す予定だった。

「麗羽が最後に残るのは仕方ないわね。……いえ、最後の敵はクの美以かしら?」

 華琳ちゃんは少し残念そう。そんなに早く麗羽を倒したいのかな?

 それともあれがラスボスってのが納得いかないのかも。

 

「コウイチ、ウィル・ウィプスと合流しなさい。こちらの巨大戦艦ももうすぐ完成するわ」

「了解」

「なら隊長、見てほしいもんがあるんや!」

 真桜に連れられて、機械の館に向かうとそこには青いダンバインの姿が。流琉ちゃん機だろう。……でもどこか雰囲気が違う気がする。

「改良型ダンバイン?」

「せや。キマイ・ラグが手に入らんなら他の強獣を使えばええやろ! っつーことで、装甲もマルスも材料ぜーんぶイチから見直して、組み合わせ方も強度が出るように工夫しとる。さらにや! こないだからよう回されてくるボチューンやボテューンも研究して、コンバーターも強化されとるんや。おまけに剣にオーラ力を集中させる機能つき。どや、至れり尽くせりやろ!」

 改良型ダンバインは聖戦士伝説オリジナルのオーラバトラーだ。本来なら第6章で手に入る機体ではないのだが……。重装甲ボチューンのかわりにこれになったのだろうか?

 色もあれは黒だったはずだし……まあ、それは塗ればいいのか。

 

「隊長の言う通り、オーラ増幅器も積んでおらんし、聖戦士にはぴったしやろ?」

 オーラ増幅器を搭載していると、必要なオーラ力は小さくてすむけど、限界オーラ力が設定されるんで能力にキャップがかかっちゃうんだよね。だから、聖戦士用に開発されたビルバインにも搭載されていないし。

「これって、筋力低いんじゃなかった?」

 改良型ダンバインには唯一とも言える欠点があって、ダンバインよりも筋力が低いというものなのだが。

「じっくりたっぷりねっとり時間をかけて開発したんや。ウチがそんなミスするわけないやろ!」

 どうやら、改良型ダンバインの上を行くらしい。ダンバインを手に入れてからけっこう経つ。流琉ちゃん機を修復しないで研究を続けていただけのことはあるようだ。

 

「隊長の使うてるダンバインもこっちに換装するんや。んで、その間は、こっち乗っといて」

「代機か。わかった。ありがたく使わせてもらうよ」

 うん。これで関羽が新主役メカ(ビルバイン)に乗って出てきてもきっと対抗できる。

 俺はもう99レベルになってしまってたので、機体の強化しかパワーアップの手段がなかったんだよね。

 レベルは教え子の育成のために戦闘を繰り返していたら、気づけば99になってた。経験値の増加はそこでストップしたから安心してるけどさ。

 

 自分だけ新しい機体になったのに若干気が引けながらも、多島海のウィル・ウィプスへと移動する。

「おーっほっほっほ! どうです、このウィル・ウィプスは。これでラウをケチョンケチョンにしてさしあげますわ!」

 ウィル・ウィプスの艦橋(ブリッジ)、その指揮官席はまさに玉座といった様相だった。

 今までのオーラシップのブリッジはとても狭かっただけにこの開放感はありがたい。

 

「いや、見事なものです」

「これさえあれば、無理に砦を落とす必要はありませんわ。カラカラに集結したラウの軍勢を蹴散らすだけでおしまいですわ!」

「わかりました。この巨大戦艦の勢いで一気にラウと決着をつけよう」

 ……そう上手くはいかないんだけどね。

 

 麗羽軍は多くのオーラシップを引き連れて、カラカラ山岳地帯を目指す。

 ちっ、こんなにブル・ベガーを造ってるとはね。

 

 カラカラには、ラウ軍とゼラーナ隊が集結していた。

 ゴラオンは……いないな。やはり聖戦士伝説と同じく、ゼラーナをピンチにしないと出てこないのか。

「仕掛けるしかないか。ゴラオンが出てきたら、正面には絶対に出ないでくれ」

「了解なの!」

 リの騎団が攻撃を開始する。ゼラーナ隊も反応してくれたようだ。

 

 騎団の戦力はこんな感じだ。

 バハムウト(沙和)、ビヒモス(秋蘭)。

 改良型ダンバイン(俺)、ブラウニー(季衣ちゃん)、ブラウニー(流琉ちゃん)、ガドラム(凪)、バストール(斗詩)、レプラカーン(猪々子)。

 

 ゼラーナ隊は、ゼラーナ(桃香)。

 ボチューン(関羽)、サーバイン(仮面白馬)、ボゾン(鈴々)、レプラカーン(馬超)。

 やはり関羽はボチューンに乗り換えてきたか。厄介だな。

「兄ちゃん、ゼラーナのボゾンはボクがやるよ!」

 季衣ちゃんはゼラーナ隊の鈴々と何度かやり合っていて、その度に口喧嘩になっているらしい。しかも口の方は分が悪いようだ。

 鈴々はキーン・キッス担当かな? はじめは太眉の蒲公英の方がキーンかと思ってたけど、彼女はゼラーナの操舵士でドワ・グロウ担当らしい。

「なら、馬仮面はあたいと斗詩だな!」

 レプラカーンとバストールのコンビネーションならサーバインにも対抗できるか。バストールの性能も聖戦士伝説の残念仕様ではなく聖戦士ダンバインのものっぽいし。

「わたしは馬超さんですね」

 となると俺がおニュー機の関羽の相手か。……こちらもオーラバトラーが新しくなっている。負けるわけにはいかない。

 

 そしてラウ軍。

 グリムリー数隻。ボゾンたくさん。グナンうじゃうじゃ。

 数えてる余裕なんかない。明らかに聖戦士伝説の時よりも多いな。

 雑魚とはいえ、相手にしていると面倒なのでゼラーナ隊への攻撃を優先させよう。

 

 ダンバインが近づくと、演舞のように青龍偃月刀を振り回すボチューン。そして通信機から届く名乗り。

『桃香さまの第一の矛にしてゼラーナの青龍刀、関雲長!』

 ああ、ダンバインの色が違うから俺だって気づかなかったのかな。

 いや、関羽ともなればオーラで俺だってわかるだろう。ならば、ラウ軍の士気を上げるため? 俺も名乗った方がいいのか?

「伝説に謳われるリの聖戦士コウイチ! オーラバトラーはダンバインじゃ!」

 迷ってたら祭が名乗っていた。その通信、全域に流れてない? 伝説とか恥ずかしいって……。

 

 目立ってると思いつつも戦闘開始。

「くっ、その力、ダンバインとは違うのか?」

 くふふふ。驚いてるよ関羽。見た目はダンバインだけど、別のオーラバトラーってくらいにパワーアップしてるからね。

 ……まあ、こっちもボチューンに乗り換えた関羽の強さに驚いていたりするけどさ。ラウやナの兵が使ってたボチューンとは桁違いの強さだ。

「そっちこそ。見た目ボチューンで中身ボテューンなんじゃないだろうな?」

「腕の差だ!」

 ごめんなさい。こっちは機体が別モノです。

 関羽のオーラ力も強くなってるし、早いとこ騎団のオーラバトラーを一新した方がよさそうだ。

 

 

「隊長、もう少しでゼラーナを墜とせそうです!」

 凪のガドラムがゼラーナを追い詰めている。

 すると突然、切り結んでいた関羽のボチューンが急に離れた。しかもゼラーナの救援に向かう方向ではない。

「これは……全機、急速退避! ゴラオン主砲の射線から離れてくれ!」

 俺が叫んだと同時にゴラオンが姿を現した。砦から発進したのだろう。

 ゴラオンとウィル・ウィプスを結ぶ直線から脱出するリの騎団。

 直後、その直線空間を光が覆いつくす。

 

「ふぅ。みんな無事じゃな。足の遅いビヒモスもなんとか回避できたようじゃ」

 ビヒモスにはウィル・ウィプスから離れているように指示しててよかった。

 さ、麗羽に通信しようか。……うん。素直に撤退に納得してくれた。

 

「コウイチ、撤退するぞ」

 もう少しゴラオンを眺めていたいのになあ。

 あれ、なんとか撃沈せずに入手できんもんだろうか?

 

 

 

 マウンテンファランにまで後退した俺たち。

 再びウィル・ウィプスにて対策会議。

 天然の要塞であるカラカラで戦うのを避け、他の敵拠点を攻略、孤立させることを決定する。

 麗羽軍はラウの王城、タータラ城を。リの騎団はナブロの砦を落とすことに。

 聖戦士伝説ではタータラ城をリの騎団で落とせば、オーラバトラー用の武器、『タータラの剣』が手に入るのだけど、ナブロの砦をリの騎団が落としていないと、『浮上』することになって地上界に追放されてしまうので、ナブロ1択だ。

「ではこれから、ナブロの砦を落としてくるよ」

 ……その前に寄るとこあるんだけどね。

 

 マウンテンファランを離れた俺たちは、多島海へと向かう。

 明命からの情報が入っている。漁師が巨大な影を度々見かけているというのだ。

 

「この付近でよく見られるとの噂らしい」

 現場に向かうとそいつらはいた。

「あのオーラマシンの色、ラウ軍だ!」

 グリムリーが3隻とオーラバトラーが数機。

 

 グリムリーは反ドレイク陣営が使うオーラシップ。武装はそれほどでもないが、オーラバトラーを10機搭載できる、空母か輸送艦といった艦だ。

 もっとも、10機とはいっても小柄なボチューンを10機なので、ドレイク陣営の大型機ではそこまで積めそうにない。

 それが3隻。補給部隊だろうか?

 護衛のオーラバトラーもボゾンだけでなく、ボチューンが混じっている。あの色はラウ軍所属のはずだが、ラウでボチューンに乗っているのは近衛兵だ。ゲームの時は気にならなかったが、よほど重要なものでも運んでいるのか?

 

「やはり、関羽とは違うな」

 いくら近衛兵のボチューンとはいえ、敵ではなかった。関羽のボチューンは別のオーラバトラーだと思うことにしよう。

「ずいぶんとグリムリーへの攻撃に気を使っておったのう」

「積荷が気になったからね。できる限り回収していこう」

 ナブロ攻略がちょっと遅れるけど、仕方ない。

 聖戦士伝説で入手できたのは『予備パーツ』だったのだけど……。

 

「兄様、見たことのないオーラバトラーがありました」

「これを運んでいたのかな。なんでさっきの戦闘で使わなかったんだろうねー?」

 出てきたのはゼルバイン。

 え? なんでこのタイミングでこれが?

 

 ゼルバインは聖戦士伝説オリジナルのオーラバトラーでビルバインの量産型だ。変形はできないが、オーラライフルとオーラキャノンを持っている。

 性能的にはボテューンとどっこいだが、移動力で負けている。ビルバインの量産機らしく高速移動してほしい。

 

 でもさ、まだビルバイン出てきてないんだけど。先行試作量産型ってやつ?

 どうせだったらボテューンの方が嬉しいのに。

 まあいいか。貰っておこう。

 

 真桜たちへの土産を入手した俺たちは、そのままナブロの砦へと移動。強襲を開始する。

 

 主力が出払っていて砦を守るのはグリムリー1隻とボゾンとグナン。

 さっきの補給部隊にも劣る。あるいは、ここに運ぶ途中だったのか?

 

 

「もう終わりかー。あたいの見せ場ねーじゃん。麗羽さま、タータラ攻略失敗してねーかな」

 砦の抵抗は大したことはなく猪々子が物足りながっていた。

「いえ、麗羽軍はタータラ城の守備隊を撃破、城を制圧しました」

 合流した明命が教えてくれた。

 これで最終決戦のオーラバトラーが手に入りそうだ。

 

 

 

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