「指令本部に報告です、帝国軍が攻めてきました、付きましては至急増援と作戦を・・・」
「了解、被害を最小に抑え戦況を保つよう尽力せよ」
「了解」
ったく、偵察部隊の20人でどうやって耐えろって言うのよ、あのハゲおやじ
ぶつくさと文句を言うもその文句で戦況は変わるわけでもないしたった二十人の人員が増えるわけでもない
「しょうがない・・・皆、よく聞いて?たった今増援がこっちに向かっている、帝国軍約2000に対してこっちは20、この意味が分かる?」
「圧倒的に不利ってことですか?」
「違う・・・」
「でっ・・・では・・・」
「ぶっ潰せ」
「聞いたか?saint of madnessの噂?」
「もちろん聞いた、兵力差100倍の戦を耐え抜くどころか帝国軍の指揮官の首を持ち帰ってきたらしいぜ?」
「うわぁ、マジかよ、えぐいな、それ」
「ほんとに女かよ?」
「実は男・・・とか?」
「貴様ら私語を慎め、訓練中であるぞ?」
「す、すいません」
「だがまぁいい機会でもある、なぜ兵力差100倍の戦を勝つことができたと思う?答えてみろ?」
「そ、それは・・・」
「わからんか?」
「は、はい」
「20人の中から機動力の秀でているものだけを選び残りの者は丘の上より戦況を機動部隊に通信、伝達を行った、これにより多数の軍隊より機動力が優れており、地形の有利を生かした、だから敵将の首を持ち帰ることができた、以上だ」
「は、はい、ご説明いただきありがとうございました」
「いいか、お前ら、兵量=戦力ではないのだ、状況を冷静に分析し、的確に行動することが大切なのだ、それが小国である我が国の戦い方である」
急に始まった教官の演説に周りの空気が圧倒されていくのが伝わってくる
「教官、具申させていただけますか?」
ここで見知らぬ誰かが声を出す
「なんだ?」
「資源も人口も少ない我が国では先ほどの教官のおっしゃる通り少ない人数で勝つ戦術が必要不可欠です、しかし今回の戦のアーネル少尉の作戦はお世辞にも成功率の高い作戦とは言えなかったはずです、あのような場面に遭遇した場合は援軍を待つのが最善の作戦であったと思います、それが小国である我が国がとるべき作戦ではないのでしょうか?」
「さすがは主席であるトゥルーボ訓練生というべきか、その通りだ・・・あくまで理論上では・・・」
「理論上・・・とは?」
「確かに理論上では先ほど貴様が言った通りの行動が最適と言えよう」
「では・・・」
「だがな、戦において理論が何の役に立つ?」
「いや、言い方を変えよう、確かに理論は大切だ、だがな?理論通り動いていればいいとか確率論とかが一体どれだけ役に立つだろうか?」
「しかし・・・」
「いいか?実際今回帝国軍は我が国に対して最適な攻め方をしたといえるであろう、だがその作戦は失敗し指揮官を失った、これが理論上だけではうまくいかない戦というものだ、覚えておけ」
「は、はいすいませんでした」
「ただ冷静に判断したその考え方は大切だ、大事にしろ」
「は、はい」
「・・・っていうことがあったんだよ」
「へー、で?」
「いや、そこは感動した!とかいうところじゃないの?」
「いや、別に俺関係ないし・・・」
「アーネル少尉とまではいかなくてもトゥルーボくらいにはなりたいよな?」
「俺は・・・別に・・・」
「まぁいいからさ、とりあえず訓練所にちゃんと来い」
「・・・やだ」
「お前な、訓練所に通えるということは、国の中から選ばれたエリート中のエリートだっていうことなんだぞ?」
「・・・」
「しかも、お前は国から直々に通うことを許された訓練所始まって以来、初めての特待生なんだぞ?」
「別に俺はなりたくてなったわけじゃ・・・」
「あぁもう、とりあえず明日は来いよな?」
「・・・」
「じゃあな」
「・・・うん」
こうしてヨーフが帰って俺は部屋に一人残された
ここで話は変わるが、俺は手短に重大発表をしようと思う
実のところ俺はつい15年ほど前に現代というか、地球というか・・・まぁ、何と言っていいかわからないがとりあえず転生した
俺には転生前の記憶があった、転生前の友達もいない、愛する人もいない、ケーブルとゴミに囲まれた薄暗い世界・・・
だからこそ俺が転生したということに気づいたときにどれだけ喜んだか、オタクだったら誰もが夢見る事であろう異世界に行けたのである、銃でも弓でも撃てるし剣だって振り回すことが出る、しかも何より魔法がある、この世界こそ俺が生きるべき世界であると本当に思った・・・
それから15年後・・・俺はこの世界に失望した
リアルに襲ってくる死の恐怖、昨日笑いあった仲間が次の日には死んでいる
そして何より・・・魔法なんてものはなかった
こうして異世界はどこぞの禁書目録の主人公よろしく俺の幻想をぶち壊してくれたのである
しかし幼少期に別の世界の知識を持っていると気づかれた俺は国の最高機関である貴族院に保護されそのうちの一人の貴族の屋敷に引き取るという名目で監視されているのである
特待生の理由だって同じである、もちろん国家機密であるから知っている人物は限られている、ただそれだけの理由だ
まぁそんなこんなで見事に俺の理想を裏切ってくれたこの世界で俺は二回目のニート人生を始めた・・・
初めまして宥凪です
ハーメルンさんに投稿するのは初めてになります、以後お見知りおきを・・・
普段はあまり書いていない異世界系の作品を書いてみました
あまりうまくかけているかといわれると辛いところは多々ありますが私ながらに一生懸命に書かせていただきたいと思います
投稿間隔、次話投稿予定共に未定ではありますができるだけ早く投稿できるように頑張ります
最後とはなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました
評価、感想共によろしくお願いします
では次話で会いましょう
さようなら~