ISN-インフィニット・ストラトス・ネクサスー 作:ノアJAM
それでは、気を取り直して…「進化-アンファンス-」お楽しみください
姫矢一輝がウルトラマンザ・ネクストとなってビースト・ザ・ワンを撃破してから、間もなく一か月が過ぎようとしていた今日、IS学園は年に一度の臨海学校を迎えようとしている。
IS学園からさほど遠く離れていないショッピングモールに、一輝は同室の更識簪とともに訪れていた。
「ねぇ、一輝」
「ん?何に、簪ちゃん」
なぜ互いに下の名前で呼び合っているのかというと、時は一輝の転校初日に遡る。
「あのさ……お互いの呼び方、どうしようか?」
一輝は簪に声をかけた。
「えっと、あなたさえよければ、簪でいい」
「あぁ、いきなり呼び捨てはちょっと……じゃあ、簪ちゃんでいいかな?俺も一輝でいいから」
「う、うん……ありがとう一輝」
簪が初めて一輝に見せた笑顔につられて、一輝も笑う。
「うん、これからよろしくね、簪ちゃん」
時を戻してショッピングモール。
「水着、どうしても買わなきゃダメ?」
「あ、いやぁ、ダメってわけじゃないと思うけど、せっかく海に行くんだから、買って
おいて損はないと思うよ」
「で、でも、人に肌を見せるのって、恥ずかしいよ」
「んー、じゃぁ水着はやめて、何か食べて帰ろうか」
「うん!!」
一輝と簪は水着を買わずに、二人で昼食を摂って学園に戻った。
翌日、一輝ら一年生は海に着いた。
これからのスケジュールを確認するため、千冬が全体への指示を飛ばす。
「今から午後五時までは自由行動だ。時間になったらまたここに集まるように。尚、今回の写真撮影を行うカメラマンを紹介する」
そのカメラマンは、一輝の父親だった。
「今回、皆さんの写真を撮らせていただきます、姫矢准です。よろしくお願いします」
すると、生徒たちが何やらざわめき始める。
「姫矢?……姫矢って姫矢君のことかな?」
「多分そうだよ、姫矢なんて苗字中々いないって」
すると、准が口を開いた。
「いつも息子が……姫矢一輝がお世話になっているようだな」
「ちょっと、父さん!!」
一輝はため息をつきながら前に出た。
「えっと、俺の父さんの姫矢准。あと、一夏と織斑先生の父親代わり」
更にざわめいてしまったので、千冬が強制的に解散させた。
カメラマン=姫矢准は、自分の仕事を全うしていた。准が向けるカメラの焦点は、水着姿で夏の海を楽しむ少女たち。
「……いい笑顔だ」
准はシャッターを切る。そこへ一夏が箒たちを連れてやって来た。
「姫矢さん、俺たちも撮ってくれよ」
「あぁ、……アレ?箒ちゃんにリンちゃん?大きくなったな」
箒とリンは准に軽く会釈した。准は一夏たちを並ばせてシャッターを切った。
「ありがとうございます。姫矢さん」
「いや、大したことじゃない。それより一夏、一輝を見なかったか?」
「一輝ですか?……ええっと…ああ、あそこです」
准は一夏にありがとうと言って一輝のところに向かった。
その頃一輝は、簪と互いのことについて話していた。
「そういえば、簪ちゃんって自分のIS作ってるんだってね」
「え!?だ、誰から聞いたの?」
「えっと、四組の子からね。簪ちゃんのことを教えてもらう代わりに、今度買い物に付
き合ってって言われたよ」
「そ、そうなんだ……」
簪は自身の顔が赤くなっていることに気づいていたが、一輝は気づいていなかった。
そんな二人は背後から声をかけられた。
「ここにいたのか一輝」
「あ、父さん…どうかしたの?」
「あっ!!ええっと、えっと…初めましてお父さん!!更識簪と申します!!」
「…ご丁寧に。一輝の父の姫矢准です。…悪いけど、一輝を借りてもいいかな?」
「あ、は、はい」
簪の了承を得たところで、准は一輝を連れて話を切り出した。
「一輝、お前はウルトラマンになったんだろ?」
「…!!…千冬さんから聞いたの?」
「あぁ。まさか、自分の息子がデュナミストになるとは思わなかった。……そこでだ。以
前デュナミストだった男として、一つだけ伝えておくことがある」
「…うん」
「一輝、光は絆だ。誰かに受け継がれ、それが消えることはない。俺が受け継いだ光は、今お前の中にある。その光、失うんじゃない」
「ありがとう、父さん。今の言葉、絶対に忘れないから。……さて、俺はそろそろ戻るよ。父さんも、皆の思い出をたくさん残してくれよ」
一輝と准は並んで歩き出し、仲間の待つ場所に向かった。
だが、そんな幸せな時間は簡単に破壊されてしまう。
ペドレオン―――――エタノールと人間を捕食するスペースビースト。体の95%が水分でできているため、物理攻撃が効きにくいのが特徴。
そのペドレオンが一輝たちの前に現れ、パニックに陥っていた。
既に一夏ら専用機持ちは交戦を開始していた。
その他の生徒は全員、ビーストから離れたところで見守っていた。そこには一輝の姿もあったが、一輝は千冬に言った。
「俺……行きます。ここからならすぐに」
「バカを言うな!!今ここで変身したら、どうなるか分かっているのか!?」
「今行かなきゃ、一夏たちは確実に死にます。それに、一夏たちを見捨てて後悔するよりも、助けに行って後悔するほうがずっとマシです!!」
「……勝手にしろ、私はもう知らん。だが、必ず生きて帰れ」
一輝は生徒たちや千冬に背を向け、エボルトラスターを取り出した。
「一輝……必ず、帰ってきてね」
「分かってるよ、簪ちゃん。……じゃあ、行ってくる!!」
(行くぞ、ネクスト)
―――――あぁ
一輝はエボルトラスターを引き抜き、天に掲げた。
「うおおおおおおおおお!!」
その瞬間、一輝の体は光に包まれた。
そして、その場にいた全員が一輝の正体を知ることになった。
ペドレオンの前に現れたウルトラマンの姿は、簪が付けた「ジュネッス」という形態だった。
「一輝、来てくれたのか!?助かったぜ!!」
一夏を見たウルトラマンはペドレオンに向き直り、上腕部の籠手を発光させ、それが光の刃となってペドレオンの胴体を切り裂いた。
その姿を見ていた一夏たちはウルトラマンを援護しようとするが、信じられない現象が起こった。ウルトラマンが切り裂いたペドレオンの胴体が瞬間的に修復されていたのだ。
そのことにウルトラマンの動きが一瞬止まった時、ペドレオンは触手を伸ばし、ウルトラマンを拘束した。すると、ウルトラマンの胸のエナジーコアが点滅し始めた。
「何かヤバそうだ……皆、一輝を助けるぞ!!」
一夏らはウルトラマンに巻き付く触手を切り離そうとするが、やはり瞬間修復されてしまう。
「クソッ!!何とかならないのかよ!!」
本来ISは、小型・中型ビーストに対する兵器。40mを越える大型には対処できなかった。
(一輝!!このままでは私も君も死んでしまう)
―――――分かってる!!……でもヤバいな。ネクスト、何かないのか?
(一つだけある。……だが、これは下手をすれば君の生命に関わる)
―――――そんなこと言ってる場合じゃないだろ!!いいから言ってくれ!!
(……私と君が完全に一体化する。体も心も全て)
―――――そうするしかないんだろ?
(だが、そうすれば互いの心に立ち入らないという約束を破ることになる)
―――――でも、……それ以外に一夏や父さん、皆を救う方法はないんだろ?……だったら、俺は構わないさ
(……分かった。これは、私と一輝との絆の力だ)
―――――絆……ネクサス!!
ウルトラマンの体が突如輝きだす。すると、ウルトラマンに絡みついていた触手が崩壊していく。それを見た准は言った。
「一輝……諦めるな!!」
一輝は激しい苦しみの中にいた。人間とウルトラマンとの完全な融合は、人間の体に大きな負荷がかかる。いくら合意の元での融合だとしても、これだけは避けられなかった。
―――――コイツは……想像以上にキツイ……
(一輝……私の力は弱体化しているとはいえ、生身の人間に耐えられるハズもない!!)
―――――確かに……これなら死んだ方が百倍マシだ……だけど……俺には守らなきゃならない大事なものが……大切な人がいるんだ……こんなところで…諦めて……たまるかぁぁぁぁぁぁ!!
輝きだしたウルトラマンが徐々にその姿を現していく。その姿は、ザ・ネクストに似ていたが、それではない。
それは、一輝が「守りたい」という願いを共に叶えるというウルトラマンと人間との絆から生まれた光の巨人「ウルトラマンネクサス」だった。
「進化-アンファンス-」いかがでしたでしょうか?
ウルトラマン出てきても、そんなに戦ってないじゃないかと思う方もいらっしゃるでしょうが、どうか、暖かい目で見守ってやってください
そろそろオリジナル設定を紹介しようかと思いますが、節目あたりで設定紹介をしたいと思います
次回、「悪魔-メフィスト-」
登場ウルトラマン ウルトラマンネクサス
登場怪獣 ペドレオン・ガルべロス・ダークメフィスト
感想・意見どしどしお待ちしております
それでは、この辺りで失礼します