ISN-インフィニット・ストラトス・ネクサスー 作:ノアJAM
今回から数話にかけて、番外編をお送りします
それでは、番外編其の壱「君だけを守りたい」お楽しみください
波乱の臨海学校から少し落ち着きを取り戻したIS学園に、学園祭が近づいてきた。
「えっと、今年の学園祭でのうちのクラスの出し物ですが……」
若干イラついた様子で教壇に立って喋っているのは織斑一夏。なぜイラついているのかは、黒板に表示されている出し物の案が原因だった。
その案とは、「織斑一夏・姫矢一輝のホストクラブ」、「織斑一夏・姫矢一輝とツイ
スター」、「織斑一夏・姫矢一輝とポッキー遊び」、「織斑一夏・姫矢一輝のファッションショー」。これに一夏と、奥の席にいる一輝は当然……
「「全部却下!!」」
すると、女子からの大ブーイングを受けた。それに負けじと二人は口をそろえて言う。
「「アホか!?誰が嬉しいんだ、こんなモン!!」」
女子たちが反論し始めた。
「アタシは嬉しいなぁ、断言する」
「そうだそうだ!!女子を喜ばせる義務を全うせよ!!」
「織斑一夏と姫矢一輝は共有財産である!!」
そして、一夏はそれを見ていた山田に助けを求めた。一輝においては、とうに諦めている。
「山田先生…ダメですよね?こういうおかしな企画は」
「え?えっと……私はポッキーなんかがいいと思いますよ。織斑先生はどうですか?」
「そうだな……フフッ、姫矢のホストだな」
一輝は思わずエボルトラスターと共にウルトラマンから受け取った「ブラストショッ
ト」を取り出して、千冬に狙いを定めようとした。
―――――よせ一輝!!
(止めないでくれネクサス!!このままじゃ、千冬さんに俺のファーストが取られちまう!!)
―――――何を言っているのか分からんが、とのかくやめるんだ!!
一輝とネクサスのやり取りは、誰にも聞こえていない。
すると、ラウラがふと案を提示した。
「メイド喫茶はどうだろうか?……客受けはいいだろう。それに、飲食店は経費の回収も行える」
「うん、いいんじゃないかな。一夏と一輝には、執事か厨房を担当してもらえばOKだよね」
シャルロットが同意すると、他の女子も賛同していく。
こうして、学園祭の出し物はメイド喫茶ではなく「御奉仕喫茶」となった。
そして、話し合いが終わった直後、山田が指示を出した。
「織斑君は、学園祭出店申請用紙を渡すので、後で職員室に来てください。それと、姫矢君に荷物が届いているので、今から職員室に来てくださいね」
一輝は山田と千冬と共に職員室に来ていた。
「あの……届いた荷物って、コレですか?」
「他に何があるというのだ?全くあの人は……お前からも言っておいてくれ。こういった
物を送るなとな」
「いやぁ、千冬さん、あの……」
「織斑先生と呼べ。ほら、受け取ったなら早く教室に戻れ」
「はい……織斑先生」
一輝は職員室を出て教室に戻ると、いつものように一夏は箒たちに囲まれている。
「よう一輝、荷物ってそれか?結構デカいな」
「あぁ、それにしても、何なんだコレ?まぁ送り主は父さんだから、怪しいモンではな
いはずだけど」
「…もしかして、アレじゃないか?」
「アレ?」
「まぁ、開けてみろよ」
いつの間にか、一輝の周りにクラスメートたちが立っている。それもそのはず、突然大きな荷物を持って入って来たのだ、気になるのも無理もない。
一輝は中身を見ようとすると、中に入っていた封筒を見つけ、それを読み始めた。
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一輝へ
もうすぐ学園祭だと千冬から聞いたので、これを送っておいた。
お前なら使うだろうと思ってな、人生に一度しかない学生生活だ。楽しんで過ごしてくれ
それと、二度と絶望したまま変身するな。これは父親として、デュナミストだった男としての言葉だ。忘れるなよ。
あと、臨海学校の時の写真が出来上がったから、それも一緒に送る。皆いい笑顔だった。
最後に、この言葉だけはどうか、心に刻んでいてほしい。
これから先、どんな事があったとしても……「諦めるな」
父、姫矢 准より
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「ありがとう父さん。この言葉、忘れないよ」
そして、一輝は中身を取り出した。それは……
「ギター…か。なんだか懐かしいな」
届いた荷物はの中身は、アコースティックギターだった。
「ねぇ、学園祭で一輝に歌ってもらうのはどうかな?そうすれば、お客さんも入ると思うんだけど」
そう言ったのはシャルロット。それに周囲の生徒が次々に賛同している中、一夏は言った。
「なぁ、何か歌ってみてくれよ一輝」
「え?」
「そうだなぁ…あ、お前昔よく歌ってた曲あっただろ?アレを皆にも聞かせてやってくれよ」
「昔……あぁ、あの曲か。……しばらく歌ってないからなぁ、下手だったらごめんな」
そう言って一輝はギターを手に歌い始めた。
「君だけを守りたい・つるの剛士Ver.」
一輝が歌い終わると、クラス全員から大喝采を受けた。
そして、幸か不幸か、一輝の歌が学園祭で歌われる事がその場で可決された。
その日の放課後、学園の屋上で一輝は皆の前で歌った「君だけを守りたい」の練習をしていた。
この曲は、元々世に出ていたものではなく、一輝がまだ幼かった頃、ある人物から教えてもらった曲だった。しかし、その人物はある日突然姿を消した。
「……ホント、どこ行っちゃったのかなぁ…もう一度会いたいよ、全く」
一輝はそう言って練習を再開した。
一輝が自室に戻ると、簪が出迎えた。
「あ、おかえりなさい一輝」
「ただいま、簪ちゃん」
二人は、互いのクラスの出し物について話していた。
「じゃあ、簪ちゃんのとこは展示なんだ」
「うん、うちのクラス文化系クラブの子が多かったから。……あ、写真部の子が、ウルトラマンの写真が欲しいって言ってたよ」
「え、ネクサスの?流石に写真はないと思うよ。ほら、俺あんまり変身してないから」
「そうだよね。写真があれば……ねぇ、一輝」
「うん?」
「ウルトラマンになって、スペースビーストと戦って怖くないの?」
「……怖いよ、でも俺が守りたい大切な人や仲間を守れずに失うほうが、もっと怖い。だから俺は戦うんだ。ビーストを倒すためじゃなく、大切な仲間や、簪ちゃんを守りたいから」
この時、一輝は簪を見ると、自身の胸の鼓動が早くなっている事に気づいた。
(なんだ?この胸の高まりは……どうして彼女を見てると、傍にいるとこんなにも胸が苦しくなるんだ?……そうか、俺は彼女が、簪ちゃんの事が…)
「好き…なんだ」
一輝からの思いがけない言葉は、簪の心を突いた。
「……え?」
「俺……簪ちゃんの事が、好きなんだ」
その言葉を聞いた時、簪の目から涙が流れた。
「え、簪ちゃん!?…ご、ごめん!!そんなに嫌だったなんて、ホントにごめんね。だから……!!」
一輝の言葉は途中で途切れた。なぜなら、彼の胸に簪が飛び込んできたからだ。
その勢いで、一輝は簪に押し倒される形でベッドに倒れこんでしまう。
「か、簪ちゃん?」
「一輝もだった……私、一輝が好き…ううん、大好き。でも、一輝が私の事好きじゃなかったら、他の誰かの事が好きだったらどうしようって、ずっと思ってた」
簪は、一輝の胸の中で涙を浮かべる。一輝は腕をそっと簪の背中に回し、初めて女の子を抱きしめた。
「そんな訳、ないよ…俺は、簪ちゃんといるだけで胸が苦しくなる。…けど、自然と心が安らぐ。そんな思いにさせてくれる君の事を嫌いな訳がないよ。だから断言出来る……簪ちゃんの事が好きだ。…俺と、その……つ、付き合ってほしい。…いいかな?」
簪は顔を上げて一輝を見る。
「うん……こんな、内気で何の取り柄もない私でよければ、…よろしくお願いします」
「こっちこそ、こんな突撃バカで、もう人間じゃなくウルトラマンになった俺だけど…よろしくお願いします」
この夜、一輝と簪は共に眠る事が出来ずに、見回りの千冬に大目玉を喰らった事も含めて、忘れられない夜を過ごした。
その頃、夜の街を一人の男が歩いていた。彼は、以前にも来ていたような口ぶりで言った。
「久しぶりだな…この世界は。…そういえば、あの子はどうしてるかな?」
男は壁に貼り付けてあるポスターを目にして言った。
「へぇ、学園祭があるのか。面白そうだし、行ってみようかな」
男はまた歩き出し、夜の街に消えていった。
彼の名は、アスカ・シン……またの名を、「ウルトラマンダイナ」
番外編其の壱「君だけを守りたい」いかがでしたでしょうか?
名目上、「番外編」としていますが、「英雄-ジュネッス-」の続きと考えていただいて構いません
さて、今回からの番外編でのゲストは、前回の予告通り「ウルトラマンダイナ」をゲストしてお送り致します
次回、番外編其の弐「学園祭、そして侵略者」
登場ウルトラマン ウルトラマンネクサス
登場怪獣 サーベル暴君マグマ星人
暗殺宇宙人ナックル星人
変身怪人ゼットン星人
ふたご怪獣レッドギラス・ブラックギラス
宇宙恐竜ゼットン
超巨大植物獣クイーンモネラ
それでは、この辺で失礼します