ISN-インフィニット・ストラトス・ネクサスー   作:ノアJAM

8 / 16
前回の投稿よりだいぶ期間が開いてしまい、申し訳ありません
今回から数話にかけて、番外編をお送りします
それでは、番外編其の壱「君だけを守りたい」お楽しみください


番外編其の壱・君だけを守りたい

波乱の臨海学校から少し落ち着きを取り戻したIS学園に、学園祭が近づいてきた。

 

「えっと、今年の学園祭でのうちのクラスの出し物ですが……」

 

 若干イラついた様子で教壇に立って喋っているのは織斑一夏。なぜイラついているのかは、黒板に表示されている出し物の案が原因だった。

 

 その案とは、「織斑一夏・姫矢一輝のホストクラブ」、「織斑一夏・姫矢一輝とツイ

スター」、「織斑一夏・姫矢一輝とポッキー遊び」、「織斑一夏・姫矢一輝のファッションショー」。これに一夏と、奥の席にいる一輝は当然……

 

「「全部却下!!」」

 

 すると、女子からの大ブーイングを受けた。それに負けじと二人は口をそろえて言う。

 

「「アホか!?誰が嬉しいんだ、こんなモン!!」」

 

 女子たちが反論し始めた。

 

「アタシは嬉しいなぁ、断言する」

 

「そうだそうだ!!女子を喜ばせる義務を全うせよ!!」

 

「織斑一夏と姫矢一輝は共有財産である!!」

 

 そして、一夏はそれを見ていた山田に助けを求めた。一輝においては、とうに諦めている。

 

「山田先生…ダメですよね?こういうおかしな企画は」

 

「え?えっと……私はポッキーなんかがいいと思いますよ。織斑先生はどうですか?」

 

「そうだな……フフッ、姫矢のホストだな」

 

 一輝は思わずエボルトラスターと共にウルトラマンから受け取った「ブラストショッ

ト」を取り出して、千冬に狙いを定めようとした。

 

―――――よせ一輝!!

 

(止めないでくれネクサス!!このままじゃ、千冬さんに俺のファーストが取られちまう!!)

 

―――――何を言っているのか分からんが、とのかくやめるんだ!!

 

 一輝とネクサスのやり取りは、誰にも聞こえていない。

 

 すると、ラウラがふと案を提示した。

 

「メイド喫茶はどうだろうか?……客受けはいいだろう。それに、飲食店は経費の回収も行える」

 

「うん、いいんじゃないかな。一夏と一輝には、執事か厨房を担当してもらえばOKだよね」

 

 シャルロットが同意すると、他の女子も賛同していく。

 

 こうして、学園祭の出し物はメイド喫茶ではなく「御奉仕喫茶」となった。

 

 そして、話し合いが終わった直後、山田が指示を出した。

 

「織斑君は、学園祭出店申請用紙を渡すので、後で職員室に来てください。それと、姫矢君に荷物が届いているので、今から職員室に来てくださいね」

 

 

 

 

 

 一輝は山田と千冬と共に職員室に来ていた。

 

「あの……届いた荷物って、コレですか?」

 

「他に何があるというのだ?全くあの人は……お前からも言っておいてくれ。こういった

物を送るなとな」

 

「いやぁ、千冬さん、あの……」

 

「織斑先生と呼べ。ほら、受け取ったなら早く教室に戻れ」

 

「はい……織斑先生」

 

 一輝は職員室を出て教室に戻ると、いつものように一夏は箒たちに囲まれている。

 

「よう一輝、荷物ってそれか?結構デカいな」

 

「あぁ、それにしても、何なんだコレ?まぁ送り主は父さんだから、怪しいモンではな

いはずだけど」

 

「…もしかして、アレじゃないか?」

 

「アレ?」

 

「まぁ、開けてみろよ」

 

 いつの間にか、一輝の周りにクラスメートたちが立っている。それもそのはず、突然大きな荷物を持って入って来たのだ、気になるのも無理もない。

 

 一輝は中身を見ようとすると、中に入っていた封筒を見つけ、それを読み始めた。

 

 

 

      -----------------------

 

    一輝へ

 もうすぐ学園祭だと千冬から聞いたので、これを送っておいた。

 お前なら使うだろうと思ってな、人生に一度しかない学生生活だ。楽しんで過ごしてくれ

 それと、二度と絶望したまま変身するな。これは父親として、デュナミストだった男としての言葉だ。忘れるなよ。

 あと、臨海学校の時の写真が出来上がったから、それも一緒に送る。皆いい笑顔だった。

 最後に、この言葉だけはどうか、心に刻んでいてほしい。

 これから先、どんな事があったとしても……「諦めるな」

                            父、姫矢 准より

 

      -----------------------

 

 

 

「ありがとう父さん。この言葉、忘れないよ」

 

 そして、一輝は中身を取り出した。それは……

 

「ギター…か。なんだか懐かしいな」

 

 届いた荷物はの中身は、アコースティックギターだった。

 

「ねぇ、学園祭で一輝に歌ってもらうのはどうかな?そうすれば、お客さんも入ると思うんだけど」

 

 そう言ったのはシャルロット。それに周囲の生徒が次々に賛同している中、一夏は言った。

 

「なぁ、何か歌ってみてくれよ一輝」

 

「え?」

 

「そうだなぁ…あ、お前昔よく歌ってた曲あっただろ?アレを皆にも聞かせてやってくれよ」

 

「昔……あぁ、あの曲か。……しばらく歌ってないからなぁ、下手だったらごめんな」

 

 そう言って一輝はギターを手に歌い始めた。

     「君だけを守りたい・つるの剛士Ver.」

 

 一輝が歌い終わると、クラス全員から大喝采を受けた。

 

 そして、幸か不幸か、一輝の歌が学園祭で歌われる事がその場で可決された。

 

 

 

 その日の放課後、学園の屋上で一輝は皆の前で歌った「君だけを守りたい」の練習をしていた。

 

 この曲は、元々世に出ていたものではなく、一輝がまだ幼かった頃、ある人物から教えてもらった曲だった。しかし、その人物はある日突然姿を消した。

 

「……ホント、どこ行っちゃったのかなぁ…もう一度会いたいよ、全く」

 

 一輝はそう言って練習を再開した。

 

 

 

 一輝が自室に戻ると、簪が出迎えた。

 

「あ、おかえりなさい一輝」

 

「ただいま、簪ちゃん」

 

 二人は、互いのクラスの出し物について話していた。

 

「じゃあ、簪ちゃんのとこは展示なんだ」

 

「うん、うちのクラス文化系クラブの子が多かったから。……あ、写真部の子が、ウルトラマンの写真が欲しいって言ってたよ」

 

「え、ネクサスの?流石に写真はないと思うよ。ほら、俺あんまり変身してないから」

 

「そうだよね。写真があれば……ねぇ、一輝」

 

「うん?」

 

「ウルトラマンになって、スペースビーストと戦って怖くないの?」

 

「……怖いよ、でも俺が守りたい大切な人や仲間を守れずに失うほうが、もっと怖い。だから俺は戦うんだ。ビーストを倒すためじゃなく、大切な仲間や、簪ちゃんを守りたいから」

 

 この時、一輝は簪を見ると、自身の胸の鼓動が早くなっている事に気づいた。

 

(なんだ?この胸の高まりは……どうして彼女を見てると、傍にいるとこんなにも胸が苦しくなるんだ?……そうか、俺は彼女が、簪ちゃんの事が…)

 

「好き…なんだ」

 

 一輝からの思いがけない言葉は、簪の心を突いた。

 

「……え?」

 

「俺……簪ちゃんの事が、好きなんだ」

 

 その言葉を聞いた時、簪の目から涙が流れた。

 

「え、簪ちゃん!?…ご、ごめん!!そんなに嫌だったなんて、ホントにごめんね。だから……!!」

 

 一輝の言葉は途中で途切れた。なぜなら、彼の胸に簪が飛び込んできたからだ。

 

 その勢いで、一輝は簪に押し倒される形でベッドに倒れこんでしまう。

 

「か、簪ちゃん?」

 

「一輝もだった……私、一輝が好き…ううん、大好き。でも、一輝が私の事好きじゃなかったら、他の誰かの事が好きだったらどうしようって、ずっと思ってた」

 

 簪は、一輝の胸の中で涙を浮かべる。一輝は腕をそっと簪の背中に回し、初めて女の子を抱きしめた。

 

「そんな訳、ないよ…俺は、簪ちゃんといるだけで胸が苦しくなる。…けど、自然と心が安らぐ。そんな思いにさせてくれる君の事を嫌いな訳がないよ。だから断言出来る……簪ちゃんの事が好きだ。…俺と、その……つ、付き合ってほしい。…いいかな?」

 

 簪は顔を上げて一輝を見る。

 

「うん……こんな、内気で何の取り柄もない私でよければ、…よろしくお願いします」

 

「こっちこそ、こんな突撃バカで、もう人間じゃなくウルトラマンになった俺だけど…よろしくお願いします」

 

 この夜、一輝と簪は共に眠る事が出来ずに、見回りの千冬に大目玉を喰らった事も含めて、忘れられない夜を過ごした。

 

 

 

 その頃、夜の街を一人の男が歩いていた。彼は、以前にも来ていたような口ぶりで言った。

 

「久しぶりだな…この世界は。…そういえば、あの子はどうしてるかな?」

 

 男は壁に貼り付けてあるポスターを目にして言った。

 

「へぇ、学園祭があるのか。面白そうだし、行ってみようかな」

 

 男はまた歩き出し、夜の街に消えていった。

 

 彼の名は、アスカ・シン……またの名を、「ウルトラマンダイナ」




番外編其の壱「君だけを守りたい」いかがでしたでしょうか?
名目上、「番外編」としていますが、「英雄-ジュネッス-」の続きと考えていただいて構いません
さて、今回からの番外編でのゲストは、前回の予告通り「ウルトラマンダイナ」をゲストしてお送り致します

  次回、番外編其の弐「学園祭、そして侵略者」
   登場ウルトラマン ウルトラマンネクサス
   登場怪獣 サーベル暴君マグマ星人
        暗殺宇宙人ナックル星人
        変身怪人ゼットン星人
        ふたご怪獣レッドギラス・ブラックギラス
        宇宙恐竜ゼットン
        超巨大植物獣クイーンモネラ

それでは、この辺で失礼します
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。