では、続きをどうぞ。
side 黒
さて、突然だが夢とは何か。それを考えてみよう。
夢は睡眠中のまぼろし覚のようなものであり、願望を形にしたものである。
だか、確か自分の記憶にある場所じゃないとこんなに綺麗に場所を夢には出せないだろう。
「……俺にはこんな所に来た覚えがない…。」
そう、ないのだ。1度も、見たことはあるが来たことはない。それなのになぜそこに居る子供の俺はここに居る。パッと見はなのはちゃんと同じくらいだろう。
それならまだ覚えてるはずだ。住んでた所なんだから
「俺が住んでた所は普通の家庭だったはずだ。なのに…どうしてだ…?」
二階建ての家で、家族は俺、母さん、父さんの3人。車も1台、庭はそこそこ広かった。そんな家庭のはず。
「こいつをよく見ればわかるか…?」
目の前に居る子供の俺を観察してみた。5分かそれくらいは見た。そして思ったことがある。
「………目が死んだみたいに虚ろだ。それと体の見える所にはないが傷が多いな。」
今の時点で分かることは無し。それでも、少しは考えられることがある。
「………夜天の書。いや、あの時は闇の書だったか。」
だが、今はまだ目覚めてはないはずだ。してるなら俺か風が気付いてる。
「わかんねぇな。仕方ない、着いていくか。」
どこに向かってるかは不明だが、この4人に着いて行った方が変に迷わずに済むだろ。
それから、10分程歩いた。
子黒(子供の俺)は1つの部屋の前で止まって襖を開けた。
そこには父さんと母さんが居た。
「お父様、お母様。参りました。」
「お父様お母様ぁ!?」
ま、まさか俺がこんな言葉遣いをするとは……。
「ええ、よく来たわね。もういいわよ。」
「はい。」
今の言葉で従者を下げるのかと思えば子黒が消えた。
いや、なんで消える?
「あなたに言ったのよ。そこで立ってる。」
「…………俺か?」
「そうよ。ほら、そこに座りなさい。」
座布団を指差されたから胡座で座った。
「なあ、あんたらは誰なんだ?ここはどこだ?」
「何を言ってのかしら、私達あなたの父と母で、ここは家でしょう?」
「俺の母さんと父さんはそんな目をしてない。それに俺の家はこんな大きくなんてない。」
「本当に?あなたが忘れてるだけかもしれないわよ?」
「そんなわけっ……!?」
いや、待て。俺は転生する時に少し記憶が抜けてると思ってた。それにどうして俺は和服を着慣れてるんだ。おかしいだろ、普通の家なら特別な時にしか着ることはない。
「……いい加減認めたらどうだ?」
今まで黙っていた父さんが口を開いた。
「お前はずっと寝ていただけだ。記憶でも飛んだんだろう。お前が夢だと思っている俺達が現実で魔法だとか言ってたのが夢だ。」
「違うっ!そんなわけがないだろ!?」
何か、ここを夢だと裏付けるものは…。
「そうだ、俺はさっきそこの従者に触ろうとしたら触れなかったぞ!」
「そんなもの、疲れてまぼろし覚でも見たんだろう。もう一度触ってみろ。」
さっき触れなかったのに今触れるかよ。
立ち上がって触れなかったの従者の肩に手を伸ばして……触れた。
「そこの、どうだ?」
「はい、触られていると感じます。」
「な、な…んで……。」
「これが現実だ。はっきりと分かっただろう。」
じゃあ、なのはちゃん達と過ごした日々は嘘だってのか…?
「認めないぞ…絶対に認めない。」
「強情なやつだ。おい。」
「はい。」
従者4人が俺の腕と足を掴んだ。
「!?息子にやることじゃないと思うぞ…?」
「こんなもの、ただの教育だ。
ふんっ!」
ドスッ!!
「っご…あ……。」
痛てぇ…鳩尾殴るかよ…。
「痛いか?わかっただろ。ここが現実だ。」
「……認めねぇ…。」
どうしてこの従者の拘束が外せない!?俺の肉体なら外せるはずだ!しかも殴られて痛いのもおかしいだろ!?痛みには慣れてるはずだろ!?
「まだダメか…。あれを持って来い。」
「既にこちらに。」
新しい従者が出てきて何か箱を持ってきた。
「なんだ…それは。」
「気にするな。ただの教育道具だ。」
いや、絶対違うだろ。
そんなことよりも、この夢から抜ける方法を考えないとな……。
「おい、これを繋げ。」
「おいおい、マジかよ……。」
両手両足に手錠を着けられて寝かされた。
予想はしてたが壊せない。
「今度はどんな事をしてくれるんだ?」
「………その余裕がいつまで持つか。楽しみだな。」
ペンチを片手に俺の右手を掴み。
ベリィッ!
「があああああ!?!?」
爪……剥ぐとか…。
その後も右手の爪が無くなるまで爪を剥がされた。
「はあっ…はあっ………。」
「耐えるか……。」
「当た……り前…だ。」
こんなもんで諦められないからな…!
「じゃあ、こんなのはどうだ?」
金槌を持って右腕を掴まれた。
「……あんた達、息子にやることとしては度が過ぎるぞ?」
「知ったことか。」
バキィッ!!
「〜〜〜〜っっっ!?!?」
「どうだ?泣いてもいいんだぞ?諦めてもいいんだぞ?」
「………だが…断る………。」
「そうか……。」
ボギィッ!!
「まだ……だっ…。」
「この現状こそが現実だ。早く認めろ。もう痛い目にあいたくはないだろう?」
何か、何か……。考えろ、思考を止めるな。
その間にも金槌で殴られていく。それでも思考だけは止めない。
「…………ああ、簡単じゃないか。」
「?どうした、気が狂ったか?」
「いや、夢ならイメージするだけで充分だとおもってな。」
「夢ではないと……っ!?」
金槌が振り下ろされた瞬間、俺の手がそれを止めた。
「何がいけなかったんだろうな?イメージの強さなのか。あんた達の見た目で現実だとどこかで思ってたのか。」
傷は治り、手にはアロンダイト、黒纏を身に纏って、俺は立っていた。
「き、貴様ァ………!!」
「さて、こんな趣味の悪い夢からは覚めるか。」
両親や従者だったものが触手や怪物に変わるのを眺めながら手に持ったアロンダイトに魔力を込める。
「ただ、1つだけ感謝出来る。
俺の記憶を思い出させてくれてありがとよ?」
「シネェェェェェェェェ!!!」
「アロンダイトォ!」
周りから俺に向かって飛びかかってきたのを回転斬りで魔力刃を周囲に飛ばした。
すると周りの景色にヒビが入り少しずつ崩れていった。
「こんな夢とはおさらばだ。
記憶は戻った。でも、俺はどうやって死んだんだ?」
セレナは多分嘘を吐いている。
「まあ、今度連絡できる時にでも連絡するか。」
いつ出来るかは不明だけど。
さあ、そろそろ夢が終わる。こんな虚構よりも、楽しい現実に帰ろう。
「ん………くぁぁあああっ。」
「あ、起きたの!」
「んぁ…?どうした?」
俺の胸の上にジュエルシードが落ちていた。………こいつか。
「つまり、こいつが原因ってことだな?」
砕いてやろうと手に力を入れる。モールス信号で「たすけて」とやってるが慈悲はない。
しかし、その前になのはちゃん達に止められた。珍しく衛宮も慌ててたな。
「なんだ…?あのクソッタレな夢はこいつのせいだろ?」
「違うよ!?このジュエルシードはお兄さんが魘される始めてから出てきて、ジュエルシードが出てきてから呼吸も安定してたんだよ?」
「ふむ……。こいつがねぇ?まあ、助かったよ。ありがとな。」
軽く指先で撫でると嬉しそうに(?)光った。
そして机の上に置いた。
「あ……。」
すぐになぜか俺の頭の上に乗ってきた。
「あん……?」
「黒のことが気に入ったのかな…?」
……そんな事言われても複雑な気分になるんだが…。
ジュエルシードを摘んで顔の前にやった。
「ふむ………一緒に来たいのか?はいなら1回、いいえなら2回だ。」
すると、1回光った。
「ん〜、仕方ないな。連れていくか。」
強く光った。いや、目が痛ぇよ。
「あ〜、わかったわかった。……リンディさんは…強請るか。」
「その話は後でいいけど、この子達に寝てた時の説明しなくてもいいの?私も聞きたいし。」
「ああ、それもそうだな。」
とりあえず話しとくか。
_______青年説明中_______
「という訳だ。」
「夢の中……どんな感じなんだろ?」
「それじゃあどうしようもないね〜。」
「あなたもよく無事だったわねぇ。」
「ジュエルシードじゃないなら、違うロストロギアなのかも…?」
「まさか、別の…?」
「「????」」
「なのはちゃんとアルフちゃんはあっちでお菓子食べてような?」
「「わ〜いっ!」」
さて、アホの子2人を除いて全員は理解出来たみたいだな。
ちなみに俺は他の新しい転生者だと思ってる。
前からある嫌な予感はそいつなのか、なんなのか。
〔マスター、セレナさんから通信です。〕
〔繋いでくれ。〕
〔お久し振りです。黒さん〕
〔ああ、久し振りだな。どうした?〕
〔はい、あのですね。お願いがあるのですが……。〕
〔新しい転生者の抹殺か?〕
〔な、なんでわかったんですか!?〕
〔いやら多分特典であろう攻撃にかかったから。〕
〔ぶ、ぶぶ無事なんですよね!?〕
〔大丈夫だ。それで?〕
〔あ、すみません。えっと、天界からあなたにある契約のお話がありまして。「面白いことが好きなら我々と契約すれば他の世界にも行かせてやる。その代わり、精神的に異常なもの、例えば今回送った転生者のような人間を殺して欲しい。」とのことです。〕
〔スケールが段違いだな……世界か…。まあ、面白そうだからいいぞ。その契約を受けようじゃないか。〕
〔あ、ありがとうございます!それでは、風さんに転生者のデータを送りますね!〕
〔ん、わかった。じゃあな。〕
〔はい、また。〕
…………すごいことになったな…。
『マスター、データが届きました。』
「ん、ああ。」
え〜、なになに?名前は
「『めんどくさいな(ですね)』」
でも、まあ、受けた仕事は達成しないとな。
「お〜い、俺に攻撃仕掛けてきたやつを抹殺する依頼が入ったからもういいぞ〜。」
そう言うと全員ほっとした。なんだ、この……信頼はされてるんだろうけど…。
〔マスター、高速で離れていく反応アリ。〕
〔なんてお粗末な……。〕
〔おや?反応が消えました。〕
〔あ〜……まあいい、次の機会だ。〕
ふう、これでよし。
「適当に過ごしてターゲットが出てくるのを待てばいいんだが……。」
待つのは嫌いなんだよな…。
「えいっ!」
「うおっと…。」
なのはちゃんが膝に乗ってきた。まあ、この子達と遊んでればいいか。
ゆっくりと頭を撫でてあげた。
「にゃ〜にゃ〜…♪」
「……御機嫌なことで。」
癒されるなぁ。
「黒お兄ちゃんは疲れてるのかにゃあ?」
「ん、まあ、夢の中でまでの戦ってたからな。
あ〜、にゃのは可愛いなぁ。」
ついつい可愛くて抱き締めた。
「にゃにゃっ!?……えへへ〜///」
「このまま寝てしまおうか…。」
さっき寝たのはむしろ疲れたし。また寝るのもアリだな。
「また寝ちゃうと夜眠れなくなるよ…?」
「む……それもそうだな。じゃあ、起きとくか。」
実は滅茶苦茶眠いんだがな……早めに寝ればいいか。
あ〜…でも、なのはちゃんの体温が暖かくて眠くなってきた…。
「黒……?黒〜…?」
おやすみ……。
ドンッ!
「いったぁ!?」
「フェイトが呼んでるんだからちゃんと起きてなさいよ。」
「プレシアさん…何かにつけてフォトンランサー撃つのは止めてくれ。」
「フェイトを慰めてからにしなさい。無視されたと思っていじけちゃったじゃない。」
フェイトちゃんの方を見ると、頬を少し膨らませて横を向いていた。
「ごめんな?フェイトちゃん、つい眠くなっちゃってなぁ。」
「……………。」
「えっと…なんだ?」
「撫でてくれたら許してあげるもん…。」
最近やけに甘えてくるな。まあ、いいけどさ。
それとプレシアさんは落ち着け。
「やれやれ……。」
女性の相手は大変なんだな……。
撫でるとふにゃりと顔を緩めた。
『女誑しですねぇ…。』
「ね〜?」
「?なんか言ったか?」
「『なんにも〜(ないですよ)。』」
まあ、いい。
それよりもだ。
「ふにゃあ〜…。」
「えへへ……。」
「うへ、うへへへっ…。」
可愛い女の子2人と気持ち悪くなった女性1人をどうにかしなければならないな。
「どうしたものか……。」
このままじゃタバコも酒も寝ることも出来ない。流石にずっと撫でて置く訳にもいかない。
「はい、2人共ここまでだ。プレシアさんもそろそろ直れ。」
「え〜っ!?」
「う〜ん…仕方ないかなぁ……。」
「はっ……!?」
そう言うとなのはちゃんは俺の胸に頭を置き、フェイトちゃんは俺の隣に座って袖を掴んできた。
「………あんまり変わってない気がするなぁ…。」
結局動けないし。
そういえば衛宮とユーノは……?
「あははっ、ババを引いちゃった。」
「はははっ、6が揃ったぞ。」
2人でババ抜きをしていた。………今度何か買ってあげよう。
「あっ、そうだ!折角だからみんなで写真撮ろうよ!」
「写真か、いいんじゃないか?」
「賛成なの!」
「うんっ!」
「たまには良いかもしれないわね。」
「「あはははは。」」
それからすぐに写真を撮ることになって、俺となのはちゃんとフェイトちゃんは位置を変えず、アリシアちゃんがフェイトちゃんの居る所と逆の所に、プレシアさんは俺の真後ろに、衛宮とユーノはその横に居る。
「じゃあ、撮るわよ。」
そして、フラッシュが焚かれ、写真が撮られた。
写真なんていつぶりだろうかな。目を瞑ってなきゃい いけど。
俺はちゃんと笑えてるだろうか?
後日、この写真をプレシアさんから貰い、まるで家族みたいだと柄にもなく思ってしまった。
事件の最中だが、こんな日常を大事にしたいな。
side out
感想、評価等あればどうぞ。