楽しみたいだけの転生者   作:黒色エンピツ

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いつもより比較的早めに投稿出来ました。

続きをどうぞ。


その20:ドラゴン狩れたからドラゴンスレイヤーじゃね?

side 黒

 

 

 

「ただいま〜。」

 

「ただいま帰りました。」

 

いや〜、旅行は楽しかったな。

土産も買ったし。はやてちゃんも帰ってるかな?

 

「おーい、誰か居ないのか?」

 

………居ないみたいだ。

 

『マスター、なのはさんからのメッセージで翠屋に皆さん居るそうです。』

 

「翠屋か。んじゃ、荷物置いたら行くか。アルトリアも準備してくれ。」

 

「はい。」

 

荷物は置いて、土産は袋に入れる。

 

「クロ、準備が出来ました。」

 

「よし、行くか。」

 

アルトリアが後ろに乗ってバイクを出した。

みんな喜んでくれるかな?

 

 

 

 

翠屋に着いたが、中から声が聞こえる。

 

「うーっす。」

 

「こんにちは。」

 

「あら、黒。旅行はどうだったかしら?」

 

桃子さん、かと思ったらプレシアさんが来た。ただし、翠屋の服を着て。

 

「あれ?プレシアさん、なんで翠屋の服を?」

 

「ここで働くことになったのよ。お金はあるけど何かしたいのよ。」

 

ああ、つまり暇なんだな。

 

「ああ、それとアリシアとフェイトの編入手続きが終わったわ。」

 

「へぇ、やっぱり聖祥?」

 

「ええ、知り合いも居るもの。」

 

「あの子達は制服も似合うだろうな。」

 

見てみたいな。

 

「ああ、ならあそこの席に居るわよ。」

 

「お、サンキュ、仕事頑張ってな。」

 

「もちろんよ。

でも、1つだけいいかしら?」

 

「なんだ?」

 

「ずっと気になってたけど、なんでアルトリアさんが抱き着いてるのかしら?旅行前はそんなにくっついてなかったはずよね?」

 

ああ、やっぱり気になるよな。

 

「まあ、絆が深まってたってことだ。気にするな。」

 

「絆以前の問題だと思うけど…。」

 

「んじゃな!」

 

片手を挙げてその場から逃げる。

ふー、危ない危ない…。

おっ、プレシアさんの言ってた席はあそこか。子供組は全員居るみたいだな。その前に…。

 

「なあ、アルトリア。流石に離れてくれると嬉しいんだけど。」

 

「嫌です。」

 

「そこをなんとか。」

 

「やっ。」

 

こんな時だけ甘えた声を出すのは卑怯だと思うんだ…。

 

「お〜い。」

 

近くに来て声をかけると全員がこっちを向いた。

おお…なんだよ、驚くじゃねぇか。

 

「あ、あの、黒さん…。」

 

「ん?ユーノか、どうした?」

 

「帰ってくるタイミング、最悪です。」

 

「はっはっは、帰ってくるのにタイミングなんてあるかよ。何言ってn「黒お兄ちゃん。」最悪だったみたいだな。」

 

ああ、なのはちゃん、そんな顔してたらユーノが怯えて…衛宮なんて泡吹いてるぜ?

おっと、よく見たらフェイトちゃんとはやてちゃんも怖い雰囲気を出してるじゃないか。

 

「おう、ただいま、なのはちゃん。」

 

「うんっ、おかえり。旅行は楽しかった?」

 

「楽しかったぞ。土産もちゃんと買ってきたからな。」

 

「ありがと。でも、少しお話があるから来て欲しいの。」

 

「話か、いいぞ。アルトリア、離れてくれ。」

 

「…むう。仕方ありません。」

 

やれやれ……考えないとな。

 

「こっちこっち!」

 

「こっちだよ!黒!」

 

「こっちやで!」

 

「こらこら、袖を引っ張るなよ。」

 

脱げる、和服だから脱げるから。ほら、右側が脱げたからぁ!?

 

「せめて服を直させてくれ…!?」

 

「「「ダメッ!」」」

 

「はい…。」

 

女性は怖いなぁ…ははは。

連れていかれたのは翠屋の奥の部屋だった。

 

「「「正座!」」」

 

「ああ…。」

 

正座は慣れたものだ。悲しいがな前世でよくしてたからな。

 

「…それで、なんでこうなってんだ?」

 

「この前の通信をレイジングハートに保存してもらってたの。でね、気になったからお母さんに見てもらったんだよ。」

 

「おのれレイジングハート!」

 

『自業自得だと思います。』

 

全く持ってその通りだな!

 

「これは……その、あれ、なんだよね?」

 

「……そ、そんなわけないだろう?フェイトちゃんとはやてちゃんはどう思う…?」

 

「そ、それは…お母さんに聞いたから、ね?」

 

「わ、私も図書館で読んだことあるから、知っとるよ?」

 

なんで知ってるんだ…!

 

「みんなこう言ってるし、お母さんも言ってたし、どうなの?黒お兄ちゃん?」

 

「……認めよう。酒の勢いだがした。」

 

「そ、それでどう思ったの…?」

 

「どう思ったって…まあ、責任は取るべきだと思ったな。」

 

指輪は給料3ヶ月分って昔に聞いたことがあるけど、俺の報酬で3ヶ月ってかなりの額になるよな。

 

「「「………。」」」

 

「指輪、どんなのが良いだろ……。」

 

「「「バカァァァ!!!」」」

 

「なぜだぁ!?」

 

3人から平手打ちを受けた。

何があった!?

 

「ちょ、なんでだ!?」

 

「知らないっ!フェイトちゃん、はやてちゃん、行こ!」

 

「うん!」

 

「行こ行こ!」

 

どこかに行ってしまった…多分席に戻ったんだろうな。

 

『マスター…。』

 

「風…女心は難しいんだな。」

 

『記憶が全部戻ったら、恋愛系のドラマやアニメ、小説等を見ましょうね?』

 

「なぜだ……?」

 

『必要だからです。いいですね?』

 

「分かったよ…。」

 

あの子達、どうしたら機嫌が治るかな…。

 

「風。」

 

『手伝いません。』

 

「まだ何も言ってねぇよ…。」

 

『予想出来ますよ。女の子の機嫌も治らせれないのですか?』

 

「…なんだと?」

 

『最強なのにそんなことも出来ないのですか?最強(笑)ですね。』

 

「……やってやろうじゃねぇか!」

 

『チョロいですね〜。』

 

その程度のこと、出来るに決まってる!

本気を見せてやろうじゃねぇか!

 

「お〜い、なのはちゃん。」

 

「ふんっ。」

 

「なあ、フェイトちゃん。」

 

「知らないもん。」

 

「はやてちゃ〜ん。」

 

「バーカ。」

 

話すら聞いてもらえないだと…。

 

「……………。」

 

『ちょ、マスターマスター。手から薄く血が出てます。』

 

「ん、ああ、悪い。」

 

気付かずに手に力が入ってたみたいだ。

たまには魔術で治してみた。

 

「ねぇねぇ、お兄さん。」

 

「なんだい、アリシアちゃん。お兄さんの心はズタボロだぜ?」

 

「うん、それはいいから。」

 

いいのか…。

 

「まだこの国の言葉に慣れないから教えて欲しいな〜って。」

 

まあ、小学校で3年だし、ある程度の読み書きは出来ないとダメだろうな。

 

「……わかった、教えるよ。国語なら得意だ。」

 

「やった!じゃあ、ここに座って!」

 

「はいはい。」

 

アリシアちゃんの隣に座ると膝の上に乗ってきた。

 

「…なんでそこ?」

 

4人からの視線がすごいんだが…。

まあ、気にしないでおこう。

 

「ここが分からないんだよね。」

 

「ああ、下線部の時の〇〇の心情か。ん?待て、読み書きは出来てるじゃねぇか。」

 

「まあまあ!いいでしょ?」

 

「そりゃ、いいけど。そうだな、この下線部の前後の文章を読めば分かるぞ。」

 

「ん〜っと……ここ?」

 

「ああ、その通りだ。こんな問題は高校でも出てくることが多いから覚えとくといい。 」

 

「は〜いっ!」

 

ん?周りから視線が……。

 

「なあ、みんなどうしたんだ?」

 

「あの…黒さん。」

 

「どうした、すずかちゃん。すずかちゃんも分からないことがあるのか?」

 

「い、いえ、そうじゃなくて……みんな驚いてるのは黒さんが勉強出来たことに驚いでるんです。」

 

「は……。」

 

マジで?

 

「え、なんだ、つまりみんなは俺が勉強出来ないって思ってたのか!?」

 

「「「うん!!」」」

 

前に出来るって言ったはずなんだけどなぁ……。

 

『マスターの日頃の行いでは?』

 

「嘘だろ……。」

 

これでもそこそこ頭は良いんだけど…。

 

「ねーねー、ここは?」

 

「あ〜?作者の気持ちか……これは頑張って書くしかないんだよなぁ…。」

 

「お兄さんはどう書いてたの?」

 

「俺はあれだよ。今みたいな直感はなくても前世でも直感だ。」

 

「?よく分かんない。」

 

「まあ、そうだろうな。でも、そういうのは本とか読んでたら自然と身に付く。」

 

「お兄さんも本読んでたの?」

 

「ああ。これでも本とか色々読んでたんだよ。文学少年だったんだぜ?」

 

「お兄さんが文学少年……想像つかないね!」

 

「そうかい…。」

 

お兄さんショックだぜ。

 

「次はね〜…ここ!」

 

「ああ、ここは……っと。フェイトちゃん?どうしたんだ。」

 

急に袖を引かれて驚いたが、よく見ると頬が膨れているな。

 

「あっ、えっと…ね。私も苦手だから教えて欲しいなって…。」

 

「そんなことか、もちろんだ。」

 

「うん!」

 

フェイトちゃんが右側に座る。

 

「さて、ここはだが……あ〜、なのはちゃん?なんだい?」

 

今度は左袖を引かれる。最近こういうのが多いな。

 

「わ、私も国語の成績あんまり良くないから…。」

 

「ん、分かったよ。」

 

フェイトちゃんに続いてなのはちゃんが左側に座る。

 

「んで、ここはだなーー」

 

全くなんでこうなるんだか…。後で桃子さんのシュークリームと士郎さんのコーヒーを頼もう…。

大体1時間くらいこの勉強会は続いた。最終的には小学生組全員と興味が湧いたのかはやてちゃんとユーノも入ってきていた。

 

 

 

 

「あ〜……久し振りに勉強の話なんてしたから疲れた…。」

 

『戦いだとこうはならないのに、情けないですね。』

 

「それとこれとじゃ別だ。」

 

「ありがとね、黒君。なのはは国語がどうしても苦手みたいだから助かったわ。」

 

「いいっすよ。

お礼ならシュークリームとコーヒーが欲しいっすね。」

 

「あら、じゃあ私の奢りね?ブラックよね?」

 

「はい、それで。」

 

奢りになるとは、たまには教師役をするのもアリかもな。

 

『そんなマスターに名指しの依頼です。』

 

「嘘だと言ってよ風…。」

 

『これが現実です。依頼主はある村の女の子からで、内容は…要するにドラゴンが村を襲ってるから助けてくれ、というものです。』

 

「ドラゴンねぇ…。報酬は?」

 

『その子のお小遣い全部らしいですよ。』

 

「……よし、その依頼は受けな『ちなみに映像もありましたよ、正直涙が出ましたね。マスターが来てくれるようにと鶴を折ってました。』よし、報酬は折り鶴で良い。シュークリームとコーヒー食ったら出るぞ。」

 

『了解しました。』

 

話し聞いてて泣きそうになったじゃねぇか。もし映像見せられてたら泣いてたぞ。BJ先生、あんた泣きもしないでこんなこと出来るなんてすげぇよ。

 

「お待たせしました。どうしたの?目が真っ赤よ?」

 

「いや、ちょっと依頼内容が…。これ食ったらすぐ行きますわ。」

 

「分かったわ。頑張ってね。」

 

「うっす。」

 

翠屋を出て誰にも見られてないことを確認して転移した。

 

 

 

 

「さて…来たは良いが。」

 

ファンタジー小説の村みたいだな、まあ、普通の村なんだが。

 

「家が全部焼けてるな……。」

 

手遅れだったか?

 

「気配は…あっちか。」

 

歩いていると木で隠された洞穴を見つけた。この中から多くの気配を感じる。

 

「すんませ〜ん、誰か居るか〜!」

 

声を出すと数人出てきた。その中の村長らしき人が1歩前に出た。

 

「……どちら様ですかな?申し訳ございませんが我等の村は現在ドラゴンに襲われております故、何もお出しするものはございませんぞ?」

 

「ああ、商人とか旅人じゃない。この村のお嬢ちゃんからドラゴン退治の依頼を受けた、楽島 黒という者だ。」

 

名前を言うと1人の金色長髪の女の子が飛び出てきた。

フェイトちゃんやアリシアちゃんに似てるな…。

 

「ほ、本当に来てくれたの!?」

 

「こ、これ!ソプラ、何をしておる!?」

 

『マスター、この子が依頼人です。』

 

「ん、分かった。

やあ、お嬢ちゃん。初めまして、楽島 黒だ。」

 

「そ、ソプラです…。」

 

「どこで俺への連絡方法を知ったかは分からないが、報酬はよろしく頼むぞ?」

 

「は、はいっ!村を救ってくれるのならなんでもします!あれで足りないのであれば私自身も…!」

 

周りの大人が騒いでるが…逆に俺が困るな。

 

「そんなのいらねぇよ。折り鶴でもくれよ。それと勝利でも祈っててくれ。」

 

「ご、ご武運を!楽島様!」

 

その言葉に既に歩いていたから手を挙げるだけで返事をした。

 

 

 

 

でかい魔力と気配を感じるな。

 

「さて……村に着いて早速お出ましか。

風、頼むぞ。」

 

『セットアップ』

 

風を刀に変えて肩に担ぐ。

 

「グオオオォォォオオォォ!!!」

 

山の後ろから出てきた……が、これは。

 

「予想よりも大きいな…。」

 

『予想の範囲内ですね。』

 

やっぱ万能だな。

 

「それじゃ、やるか。俺の後ろにランサースフィア3、数は60用意。」

 

『了解。』

 

さ〜て、龍狩りだ。

ブレスを吐いてきたのを横に走って回避。

 

「ファイア。」

 

小手調べに用意しておいたランサーを全て発射。直撃はしたがそこまでのダメージはなさそうだ。

ブレスを吐き終わったドラゴンが突進してくるが風を篭手に変えて正面から受け止める。

 

「ゴアアアァァ!!」

 

「どっちが力が強いか、勝負しようじゃねぇか!」

 

素の身体能力だから、どこまでいけるかな?和服の下から筋肉が出てくる。今まではこんなになるまで力を入れたことがないから、こうなるのは少し驚いたな。

 

「ま・だ・ま・だァァァァァ!!!」

 

「グゴガアアアアア!!!」

 

流石に押されてきたところで少しずつ身体強化も加えていく。このドラゴンなら少しで充分だな。

足元が下に沈みひび割れる。そして、ドラゴンを持ち上げていく。

 

「はっはー!こんなもんならまだまだ余裕だなぁ!」

 

そのまま頭上まで上げて地面に叩き付けて、鼻先を本気でぶん殴ると吹き飛んでいく。

俺も通常の魔法による飛行ではなく足の裏に足場用の薄い障壁を作ってそれを蹴って追いかける。

ドラゴンが空中で翼を広げて体勢を立て直すがその瞬間に頭を蹴り落とし、俺も降り立つ。

 

「そろそろ終いにしようぜ。」

 

『ソードフォーム』

 

「ガ……ガァアアアア…!!」

 

もう力が残ってないのか口を大きく開きながら噛み付いてきた、刀を鞘に納め居合の型で待ち続け噛み付いてきた瞬間に横に回避して首を切断した。

 

「悪いな。こっちも村の人達の生活が掛かってたから……まあ、恨んでくれてもいい。」

 

結構楽しかったのもあるし、感謝しよう。

 

『帰りましょうか。』

 

「ああ、そうだな。」

 

戻って報酬を受け取らねぇと。

 

 

 

 

「お〜い、ドラゴン狩り終わったぞ。」

 

声を出すと村人が出てきた。最初に来た時よりも多いから隠れてた人達だろう。

 

「楽島様〜!」

 

ソプラが走ってきた。周りに止められているが無視してるのか気付いてないのか…。

 

「そんな堅苦しくなくていい。黒でいい。」

 

「では、黒様と。」

 

「……それでいいか。」

 

話していると村長も来た。

 

「まさか本当に退治してくださるとは……なんとお礼を言えば良いか…。」

 

「気にすんな。依頼報酬ならこの子から貰う予定だしな。」

 

「でしたら、村の宴に来てくだされ。」

 

後少しではやてちゃんの誕生日だから早く帰りたいんだが…。

 

「いや、俺は別に報酬を貰ったらすぐに帰るつもりなんだが…。」

 

すると誰かが足に抱き着いてきた。いや、誰とは言わなくてもいいだろう。

 

「黒様…是非……!」

 

予想通りソプラだった。

 

「…………仕方ないな。分かったよ、宴に加わらせてもらおうか。」

 

誕生日までには帰ればいいか。

 

 

 

 

宴に加わるのは初めてだが、結構面白いな。

 

「黒様、楽しんでますか!」

 

「ああ、ソプラか。楽しませてもらってるぞ。」

 

この村は飯や酒が予想以上に美味い。1口飲んで驚いたぞ。

ここは贔屓にしても良いかもしれないな。

 

「思ってたよりも人数が居るんだな。」

 

「みんなドラゴンが現れてすぐに洞穴に必要な物だけを持って行ったので。ドラゴンも食料の蓄えてある所は狙わなかったようですし。」

 

「不幸中の幸いだな。」

 

「はい。それよりも、飲んでください!」

 

「ああ、そうだな。」

 

宴の時にこんな話をしなくてもいいだろう。

注がれた酒を一気に飲み干す。

 

「っはあ…その酒、結構強いな。」

 

少し酔いが回って来たぞ。

 

「折角だからと、村長様から頂いてきたお酒なのです。」

 

「そ、そうなのか……俺が酔う程ってすごいな…。

ソプラは飲むのは止めとけよ?」

 

「ふぁい…?」

 

…………言う前に飲んでたのなら仕方ない…。

 

「……なんかある前に。」

 

ソプラの額に指を当てて魔術で眠らせる。

 

「悪いな。また次は……酒とか買う時に合うかもな。」

 

周りを見るとまだ踊ったり飲んだりしているな。

 

「……宴が終わるまで飲むか。」

 

『飲み過ぎは厳禁ですよ?』

 

「………善処しよう。」

 

ずっと飲み続けて宴が終わった時にはかなり酔った。

 

 

 

 

「んっ……ふぅ…。」

 

『マスター、飲み過ぎです。』

 

「……うるふぁい…。」

 

ん〜、あたまがくらくらする〜。

 

『皆さん宴を終えて片付けを始めましたよ。私達も帰りますよ。』

 

「あ〜、わあったわあった……。」

 

『転移しますよから、位置か人物を指定してください。』

 

「らんだむ〜…。」

 

『仕方ないですねぇ…知り合いの名前でルーレットをするのでストップと言ってください。』

 

え…?いえでいいんじゃ…いっか。

 

『はい、スタート!』

 

「……すとっぷ。」

 

『おや…?ここですか。面白そうですね。』

 

やっとかえれる……。

 

「にゃ…?」

 

だれのこえだ?……むり、おやすみ…。

 

 

 

 

『マスター、マスター、朝ですよ。起きてください。』

 

ん…朝か…。

 

「んっ…くぁああ………。」

 

『おはようございます。早速ですが、そろそろ放してあげてください。』

 

掴んでる…?昨日は村で寝たはずじゃ……。

 

「く、黒…お兄ちゃん…。」

 

「……なのはちゃん?」

 

なんと…俺がなのはちゃんを抱き締めてるとは、驚いたなぁ。

 

「やあ、なのはちゃん。おはよう。」

 

「う、うん…おはよう…。」

 

「んじゃ、離れるぞ。ごめんな?」

 

「ま、待って!!」

 

今度は逆に抱き着かれた。

 

「えっ、えっとね、えっとね…。」

 

「落ち着いて落ち着いて。」

 

「う、うん…えっとね。もうちょっとこのままでいたいなって……。」

 

………まあ、子供がすることだし。

 

「ん、いいよ、おいで。」

 

「うん……。」

 

改めて抱き締めてみると、大きくなったなぁ…。

俺はもう成長することはないからそれを実感することも出来ないが、この子達の成長でそれを感じるか。

 

「もう、後10年もしたらなのはちゃんも成人か…。」

 

「うん…。」

 

「そしたら、きっとなのはちゃんも良い人見つけて、付き合って結婚でもするんだろうな。」

 

原作の未来は知ってるけど、ユーノと結婚するかもしれないな。衞宮とする可能性もあるかもな。

 

「け、結婚だなんて…。」

 

「でも、することになったら彼氏でも見せに来てくれよ。楽しみだな。」

 

「む……。」

 

「いてっ、なんだよ?」

 

叩かれてしまった。なぜだ…。

 

「黒お兄ちゃんのバカ。」

 

「バカって、酷いな。」

 

「バカなんだもん。バカ、バカバカバカバカ。」

 

「やれやれ……。」

 

「バカバカバカ…あう。」

 

「ほれ、よしよし。ごめんな?」

 

頭を撫でるとおとなしくなった。

 

「よし、今日は学校だろ?俺もあらぬ誤解があっちゃいけないからそろそろ帰りたいんだが?」

 

「あ、後もうちょっと、撫でてくれなきゃ許さないもん…。」

 

「……分かったよ。もう少しだけだからな?」

 

本当に猫みたいで可愛いから、つい甘やかしてしまう。

そういえば、なのはちゃんは俺に怒ってたよな。……まあ、いいか。

 

「よしよし、なのはちゃんは可愛いな〜。」

 

「にゃっ……えへへ〜。」

 

思ったことを口に出すと嬉しそうに笑ってくれる。守りたい、この笑顔とはこんな顔のことを言うんだろうな。

 

「なのは〜?入るわよ?」

 

「にゃっ!?お、お母さんちょつと待って!?」

 

桃子さんの声がした。いつもならなのはちゃんがもう起きて来る時間なんだろうな。来ないから心配になったのか。

なのはちゃんが離れようとしているがここで離したくはないな。よし。

 

「なのはちゃん、ぎゅー。」

 

「ふにゃ〜〜!?」

 

「あら……騒がしいと思ったら黒君が居たのね。」

 

「どうも、桃子さん。昨日振りっす。」

 

「ええ、昨日振りね。

依頼はどうだったの?」

 

「無事に終わりましたよ。その後宴に参加したんすけど、飲み過ぎて酔っ払って風がなのはちゃんの所に転移させたんでしょうね。」

 

まあ、そのお陰でなのはちゃんを可愛がれているんだが。

 

「それなら良いわ。でも、なのはもそろそろ学校だから放してあげてね?」

 

「そうですね。このまま運びますか。」

 

「そうね。なのはも嬉しそうだからいいでしょ。」

 

「よ、よくない〜!?」

 

なのはちゃんを抱き締めたままで立ち上がり桃子さんに付いていく。

リビングに着くと椅子に降ろしてあげた。が、不満みたいだ。

 

「どうしたんだ?」

 

「む〜…。」

 

睨まれても可愛いだけなんだが…。

 

「何か言いたいなら言ってくれよ?」

 

「ふんっ!黒お兄ちゃんなんて嫌い!」

 

「なん……だと…………!?」

 

あまりの一言に膝から崩れ落ちてしまう。

まさか…これが、あの反抗期か……!!なのはちゃんに嫌いと言われてしまった……。

 

「く、黒お兄ちゃん…?」

 

「すまない、なのはちゃん。こんなお兄ちゃんですまない…。」

 

「ど、どうしたの!?」

 

「桃子さん…これが、反抗期というものなんすね…。」

 

「これは違うんじゃないかしら…?

ほら、なのはからも言ってあげて。」

 

おお…まさか嫌いと言われる日が来るとは…。

どうやって対処しようかを悩んでいると袖を引かれる。

 

「なんだい…なのはちゃん。」

 

「えっとね……こ、今回は許してあげる…その代わりに…。」

 

「そ、その代わりに……?」

 

「ちゅ、ちゅーして?」

 

ちゅー?ちゅーと言うことはキスか。

キス、小学三年生にキス。

頭の中にした後の様々な予測が生み出される。

 

 

【なんとあの楽島 黒はロリコンだった!?】

 

【楽島 黒、ロリコン疑惑浮上。】

 

【楽島 黒、まさかの小学生にキス。】

 

【最強の自由人の恋人の対象年齢は15以下。】

 

 

だ、ダメだダメだ!?容易に想像出来てしまう!?

 

『マスター…ここには知り合いしか居ませんよ?』

 

「だ、だけどな…。」

 

『これだからヘタレは…。』

 

「だ、誰がヘタレだ!?や、やるよ。それでなのはちゃんの気が済むんだったら!」

 

気合を入れろ、楽島 黒。俺ならやれる。大丈夫だ。むしろこんな可愛い女の子とキス出来るんだからご褒美じゃないか。何を躊躇う必要がある?

 

「よし、分かった、キスしよう。」

 

「う、うん…!」

 

「なのは〜、頑張りなさ〜い。」

 

桃子さん、悪いが静かにしてくれ。

なのはちゃんの前でしゃがみ肩を掴む。それに合わせてなのはちゃんが目を瞑り、頬が赤く染まる。

 

「よ、よろしくお願いします…。」

 

「ああ。」

 

そして少しずつ距離が近くなり……。

 

「ん…。」

 

「んぅ……。」

 

キスをした…。

アルトリアとキスした時にも思ったが、唇が柔らかいな。

 

「ん……む…。」

 

「…………ん。」

 

このキスはいつまで続ければ良いんだろう?桃子さんがいる訳だし学校もあるからずっとしている訳にもいかない。

さて、どうしたら…。

 

「なのは、良い感じよ。舌も入れちゃいなさい!」

 

「ぅん……あむ…。」

 

「んぐぅぅ!?」

 

桃子さん!?煽らないでくれませんかねぇ!?本当に舌が入ってきたじゃないですか!?

 

「ぷはっ、ちょ、なのはちゃんもう良いだろ…むぐっ!?」

 

「ん〜……。」

 

待て待て、トリップするな。こら、ちょっと、洒落にならないから、頭押さえないで。

 

「〜っは!?」

 

「あっ……むう…残念。」

 

「残念なもんか…充分だろ……。」

 

娘って言ってもいい年齢の女の子と舌を絡ませながらキスとか…誰にも言えねぇよ……。

した感想は……良かった。ああ、良かったとも。

 

「あらあら、もう終わり?」

 

「桃子さん、頼むから煽らないでください…。」

 

「良いじゃない。黒君も実は良かったでしょ?」

 

「ごふっ!?ななな何を言ってるんすか!?」

 

「お母さんにはバレバレなのよ?」

 

俺の母じゃないでしょうに。

 

「はぁ…じゃあ、帰りますね。いい加減帰らないと心配するし。」

 

「朝ご飯も食べて行けば良いじゃない。」

 

「いや、でも……。」

 

「私も大好きな黒お兄ちゃんと朝ご飯食べたいな〜…?」

 

な、なのはちゃん……!!

 

「よし!食べようか!」

 

「やったー!黒お兄ちゃんはなのはが食べさせてあげるね?」

 

………はぁん?

 

「冗談だろ?俺は自分で食べるから良いよ。」

 

「なのはが食べさせてあげるの。」

 

「……いや、俺も大人だかr「黒お兄ちゃん嫌い。」ああ、是非とも食べさせて欲しいな。実は昨日の依頼で筋肉痛になってて飯を食うのも大変なんだよ。」

 

「うん!任せて!」

 

結局朝食はなのはちゃんを膝に乗せた状態でなのはちゃんに食べさせてもらった。

起きてきた士郎さんと恭也の目が痛かった…。

余談だが家に帰った後もアルトリアとはやてちゃんに怒られることになった。

 

 

side out




次の話でついに闇の書が出てきますよ。

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