楽しみたいだけの転生者   作:黒色エンピツ

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今年最初の更新です。

続きをどうぞ。


その21:時間を忘れて何かをする時は周りへの配慮も忘れてはいけない。

side 黒

 

 

 

今ははやてちゃんの誕生日前日の23時59分だ。

 

『マスター、もしもの時の準備を。』

 

「ああ、問題ない。」

 

「なーなー、姉ちゃん、なんで兄ちゃんあんなピリピリしてるん?」

 

「それは分かりませんが…私の直感もこれから何かあると示してますね。」

 

……5…4…3…2…1…来た!!

目の前に闇の書が転移してくる。

俺は既にセットアップしており、アルトリアも今武装した。

そして闇の書が光ると4人の人間?が出てくる。

まずはピンク色の髪の女性。

 

「我ら、夜天の主のもとに集いし騎士。」

 

次に金髪の女性。

 

「主ある限り、我らの魂尽きることなし。」

 

そして筋肉隆々の男。

 

「この身に命ある限り、我らは御身のもとにあり。」

 

最後に赤髪のロリ。

 

「我らの主、夜天の王、八神はやての名のもとに。」

 

ふむ…全員下を向いてるな。

 

「うむ、面を上げい。」

 

「「「「はっ!………は?」」」」

 

「はっはっはっ、びっくりしたか?目の前に主じゃなくて知らない男が居て。ちなみにはやてちゃんならお前らが急に出てくるもんだから気絶したぞ。」

 

「「「「主ぃぃぃぃ!?!?」」」」

 

仲が良いな。

 

「き、貴様ら!何者だ!?」

 

何者か…。

 

「この子のお兄ちゃんだ!」

 

「私はこの子のお姉ちゃんです!」

 

今にもドヤァと効果音が付きそうな顔とポーズをする。………完璧だ…。

 

「……んんっ!名前は?」

 

「楽島 黒だ。戦争屋兼殺し屋をしてる。」

 

「アルトリア・ペンドラゴンです。元王の現使い魔をしています。」

 

「……それで、主はやてとの関係は?」

 

「「お兄ちゃんだ(お姉ちゃんです)!」」

 

「……。」

 

ん?なんでそんな頭が痛そうにしてるんだ?

 

「まあ、はやてちゃんが起きるまで待っててくれよ。

そこの赤髪のちっこいのは菓子でも食うか?」

 

「ちっこいのって言うな!あたしにはヴィータって名前があるんだよ!

後お菓子は貰うからな。」

 

「はいはい。分かったよ。」

 

その後菓子を食べた時の顔を見てほっこりしたのは内緒だ。

 

 

 

 

「う、う〜ん…。」

 

「ん、起きたか、はやてちゃん。」

 

「うん…おはよう、兄ちゃん……って誰この人達!?」

 

「ああ、なんか簡単に言うとはやてちゃんの使い魔みたいなもんだな。つまりアルトリアだ。」

 

「へ〜、そうなん。姉ちゃん使い魔やったん!?」

 

「あれ?知りませんでしたか?」

 

「う、うん。ずっと同棲しとると思っとった…。」

 

「これでも私、元騎士王なんですよ?それで英霊のなりそこないみたいになって今はクロのサーヴァント。いえ、ここでは使い魔ですね。」

 

「騎士王…えっと、アーサー王物語のアーサー王がそう呼ばれてたような……。」

 

これは素直に驚いた。最近の子供はアーサー王物語も読むのか…。翻訳されたやつか?

 

「ええ、私がそのアーサー王。本名アルトリア・ペンドラゴンです。」

 

「じゃ、じゃあその手に持ってるのが…。」

 

「はい、エクスカリバーです。」

 

「……ううん。」

 

「待てはやてちゃん!?また気絶しようとするな!?」

 

「はっ!?ご、ごめんな。」

 

「まあ、伝説の人物が目の前に居るとなるとこうもなるか…。はやてちゃん、自己紹介な。そっちの4人もだぞ。」

 

「う、うん。八神はやてや。よろしゅうな?」

 

「私は剣の騎士シグナムと言います。よろしくお願いします。」

 

「私は湖の騎士シャマルです。よろしくお願いしますね?」

 

「もぐもぐ……あっ!?あたしは鉄槌の騎士ヴィータです!よろしくお願いしますっ。」

 

「私は盾の守護獣ザフィーラです。よろしくお願いします。」

 

「うんっ!

なあ、兄ちゃん、使い魔って兄ちゃん姉ちゃんみたいなもんなんよね?」

 

「ああ、そうだな。」

 

「じゃあ、私達は今から家族や!」

 

「あ、主はやて、私達はあなたの剣であって…。」

 

「シグナムは、私と家族になるの嫌なん?」

 

「そ、そういう訳では…。」

 

「ふ〜ん…。なあ、ヴィータ。私と家族になれたら嬉しい?」

 

「へ?あ、あたしか?う〜ん……出会ったばっかりだからよく分かんないけど、優しそうだからなりたい、かな?」

 

「じゃあ、シャマルは?」

 

「そうですねぇ…はやてちゃんと家族になると楽しそうだと思いますよ?」

 

「ザフィーラは?」

 

「……私は主が言うならば喜んで。」

 

「うんうんっ!みんな優しいな〜。シグナムは〜?」

 

「う……なれれば、嬉しいです…。」

 

「じゃあ、みんな家族やね!」

 

そして話しが終わって落ち着いた頃にふと思い出したことがあった。

 

「なあ、シャマルさん。」

 

「何でしょう?それとさんは付けなくてもいいですよ?」

 

「あ〜、わかった。んじゃ、シャマル、湖の騎士って言ってたよな?」

 

「言いましたね。」

 

「俺も一応湖の騎士なんだよ。これも自称だけどな。」

 

まあ、別に湖の乙女に育てられた訳でもないけどな。………訂正だ、やっぱ無しだな。今度ちゃんとこういう名乗りは考えとくか。『自由人』だといまいちだ。

 

「そうなんですか…?」

 

「ああ、実際には俺の師匠が湖の騎士なんだが…。ちょっと待っててくれ。

はやてちゃん、少しいいか?」

 

「ん、何?」

 

「ちょっとした問題だ。アーサー王の円卓の騎士だったランスロットの持っていた剣はなんだか知ってるか?」

 

「知っとるよ!円卓の騎士の中で1番好きやからな!アロンダイトやろ?」

 

おお、これはランスロットも喜ぶだろうな。

 

「正解だ。じゃあ正解者にはこの剣を見せてあげよう。」

 

袋からアロンダイトを取り出す。うん、最近はアロンダイトが手に馴染んできたな。

 

「?これもすごい剣なん?」

 

「ああ、アロンダイトだ。」

 

「へ………?」

 

「アロンダイトだ。」

 

「………きゅう…。」

 

「あ〜…気絶したか。」

 

そんなにか…。ってかランスロットが師匠って前に説明……したよな?

 

「そ、その剣はそんなにすごいものなんですか?」

 

「そうだな……伝説上の剣だ。でも、アルトリアが持ってるエクスカリバーの方が知名度としては圧倒的に高いだろうな。」

 

アルトリア以外が呆然とした。あ、違った。ヴィータちゃんだけ菓子食ってる。お、アルトリアも一緒に食べ始めた。

 

「まあ、はやてちゃんの味方なんだ、事情は話そうか。」

 

 

_____青年ザックリと説明中_____

 

 

「ってことだな。理解したか?」

 

このフレーズは好きだな。

説明してる間にはやてちゃんも目を覚ました。

 

「なんとか…。」

 

「…一応ですが。」

 

「黒君はすごい人ってことですね?」

 

「ああ、うん。それが1番分かりやすいかも。」

 

まず転生出来る確率ってどんなもんなんだろうな?

 

「あの、少しいいですか?」

 

「ん?なんだシグナムさん。」

 

「私もさんなどは付けなくてもいいです。」

 

「……ああ、わかった。じゃあ、そっちも無理して敬語じゃ無くていい。そっちの3人もな。」

 

呼び捨てはあまり慣れてないんだがな…。

 

「ああ、わかった。

それで、私と手合わせ願いたいのだが…構わないだろうか?」

 

手合わせ……たまにはいいか。

 

「まあ、いいぞ。

ただし、寝てからだ。」

 

「なぜだ?」

 

「子供は寝る時間だからだ。午前3時だぞ?見ろ、はやてちゃんがもう寝かけてるだろ。」

 

指を指した方向には眠たそうに目を擦るはやてちゃんが居る。

 

「………わかった。」

 

渋々って感じだな……。

さて、ヴォルケンズはどんなもんかな?

 

 

 

 

次の日、結界の中で俺とシグナムの2人が向かい合って立って、残りのみんなは離れた場所でこっちを見ている。

 

「準備はいいか?」

 

「問題ない。」

 

今回は黒纏はお休みだ。

風をセットアップして篭手の状態で待機している。ほとんど無手での戦いはしたことがないからな……。

ちなみに服装は和服の方だ。

シグナムもセットアップしている。

 

「武器は…?さっきは剣を持っていたようだが。」

 

「大丈夫だ、色んな武器が使えるからな。」

 

「わかった。では、行くぞ!」

 

「楽島 黒、推して参る……。」

 

身体強化は無しだ、素の身体能力でどれほどの力か…。筋力はドラゴンの時にある程度分かったが、動けるかは分からないからな。

距離はあまり離れてないため強く踏み出して接近し殴るが剣で受け流される。右足の前蹴りを腹に当て、怯んだところを突き出した右足で震脚をし、右の掌底を腹に当ててそのまま捻りを加えると吹き飛んでいき地面に落下した。

それに合わせて俺自身も地面に降りる。

 

「ふむ……身体強化無しでもそれなりには動けるか。」

 

『今のはまだ緩めなので全力の数値の13%程になりますね。』

 

「無理な挙動は出来ないか…。」

 

『しかし、ほとんどの行動は速度や力は異なりますが可能です。』

 

「じゃあ、今の本気ならまだ力が出せるな。」

 

やっぱ成長に限界が無いから出来ることだな。改めて身体能力すげぇと思った。

 

「くっ……!今あのでまだ本気では無いのか…?」

 

「ああ、まだまだ序の口だ。」

 

「強いな…では、次はこちらの番だ!」

 

シグナムが接近してきて力強く剣を振り下ろしてきたのを側面を叩いて流すし、右の膝蹴りを掌で受け止める。今度は剣を振り上げてきたが半身になって避ける。次は横薙ぎ、袈裟斬り、逆袈裟、突きと続いた攻撃を全て避けるか受け流す。

 

「はあっ…はあっ……。」

 

「動きは良いな。少なくとも、今の俺の知り合いの子達よりは強い。」

 

「子、ということは子供か…。」

 

「侮っちゃダメだ。あの子達はこれからもどんどん強くなるからな。すぐに追い抜かれるかもしれないぞ?」

 

「……あなたを超えるくらいまでもか?」

 

その言葉で無意識に口角が上がる。

 

「それは無理だな。」

 

「なぜだ…?」

 

「俺はあの子達に自分は最強と言ったんだ。なら、その子達にも負けたら意味が無いだろ?」

 

「それは…そうだな。」

 

「まあ、それもあるけど実際はただの男のプライドだ。そんなに気にするな。」

 

「……変な人だな。」

 

「二つ名は『自由人』だからな。」

 

「他の人からも変人扱いされているんだな…。」

 

全く、酷い言い方だな。

 

「…ま、いいか。んじゃ、これで手合わせは終わりだ。疲れたろ?」

 

「え?いや、疲れたがまだ……。」

 

「やれたとしてもあんま手の内を見せるようなことはしない方がいいぞ。切り札は隠してこそだからな。」

 

「む…わかった……。だが、また手合わせはしてもらうぞ。」

 

「ああ、別にそれはいいぞ。」

 

戦闘訓練くらいはしておきたいしな。

 

「黒、これからどうするのだ?」

 

「ん、俺はちょっとアルトリアと用事があって遅くなるからはやてちゃんと帰っててくれるか?どうせなら俺達が帰ってくるまでにもっと仲良くなっててくれ。

ああ、後、昼飯ははやてちゃんが作ってくれるからな。」

 

「ああ、わかった。では、また。」

 

「おう、またな。アルトリア、行くぞ!」

 

「あっ、はいっ!」

 

アルトリアと合流して結界が解除されたのを確認し、歩いて目的の場所へ向かっているとはやてちゃん達の気配はどんどん離れていくが、付いてきている気配と視線を感じる。

 

「………おい、さっきから付いてきてるやつ。正確には猫か、あんまこっちを探ってくれるなよ?後が怖いからなぁ…?」

 

屋根に乗ってる1匹の猫に気絶しない程度の殺気をぶつけると慌てて走り去っていった。途中で気配が消えたから転移をしたんだろうな。

 

「風、ログは?」

 

『取れました。いつでも転移可能です。』

 

「そうか。」

 

「そんなことよりもクロ、早く行きましょう。」

 

「ああ、そうだな、行くか。」

 

「ケーキですよ!ケーキ!」

 

「分かってる分かってる!飯もケーキも桃子さんに無理言って翠屋を貸切にしてもらえたから大丈夫だ!」

 

「やりました!」

 

はやてちゃんへのプレゼントは包丁に決めて完成してるが、包丁だけだと、なんだかな…。

 

「風、残った鉱石でアロンダイトとエクスカリバーをクロスさせたペンダントみたいなの出来ないか?」

 

『可能です。』

 

「んじゃ、頼むよ。どれくらいで出来る?」

 

『マスター達が家に帰る頃には完成します。』

 

「流石だな。」

 

さて、プレゼントは完璧だな。ケーキや料理も問題ない。

 

「では、私達は何をすれば?」

 

「飾り付けとかの準備だ。」

 

「ふむふむ、それは頑張らないといけませんね。」

 

両手を握って気合を入れてんの可愛いな。指輪…サファイアがいいかもしれない。

 

「クロ?」

 

「ん、なんだ?」

 

「いえ、声を掛けても返事をしないので。考え事ですか?」

 

「ああ、まあ少しな。」

 

危ない危ない。アルトリアにバレちゃダメだ。

それから雑談をしていると翠屋に到着した。

 

「うーっす。」

 

「おはようございます。」

 

「あら、早いのね。」

 

「ええ、まあ、はやてちゃんの誕生日っすからね。

それと、無理言ってすみませんね。」

 

「私もお手伝いしたいので。」

 

「あらあら、良いのよ、誕生日なんだからパーッとやりましょ?

それと、アルトリアさんはいいお嫁さんになれるわねぇ。今度プレシアさんも呼んで料理の練習しましょうか。」

 

「お、お嫁さんだなんて……。」

 

顔を真っ赤にしてるのも可愛いな。

そんなことを思っていると桃子さんが小声で話しかけてきた。

 

「ところで、黒君としてはどうなの?」

 

「どうとは?」

 

「アルトリアさんのことよ。どうするのかしら?」

 

「今は指輪で悩んでますね。」

 

「つまり結婚するつもりなのね?」

 

「そりゃ、まあ、責任を取るのもありますよ。ですが、そうでなくてもアルトリアは魅力的な女性なんで遅かれ早かれ結婚を申し込むでしょうね。」

 

「幸せ者ね〜。なのはのことも忘れずにね?」

 

「なのはちゃんのことは忘れたことはないっすよ?」

 

「そういうことじゃないのよね〜。まあ、いいわ。あの子が自分でしてくれるでしょ。」

 

……?よく分かんねぇな。

 

「それじゃあ、プレシアさんの所も呼ぼうかしら?きっと楽しくなるわよ。」

 

「そうっすね。フェイトちゃんやアリシアちゃんはやりたがりそうですしね。」

 

「なのはもやりたいって言ってたから丁度良かったわね。」

 

「それじゃあみんな来るまで待っときましょうよ。」

 

「そうね、学校から帰って来るまでまだ時間もあるし、何か食べない?」

 

「じゃあ、シュークリームとコーヒーで。

アルトリアは…。」

 

「どうする?」と聞こうとアルトリアの顔を見ると下を向いて顔を赤くしながらブツブツ言っていた。

 

「………アルトリア!」

 

「は、はい!?新婚旅行はブリテンですか!?」

 

………まだ早いが、候補に入れておこう。

 

「そうじゃない。桃子さんが何か食うかって聞いてるけどどうする?」

 

「で、では、シュークリームと紅茶で…。」

 

「ふふっ、分かったわ。出来るまでイチャイチャしてるといいわ〜。」

 

イチャイチャって……。

そう言って桃子さんは行った。シュークリーム2つとコーヒーと紅茶だし、すぐ戻ってくるか。

 

「あの、クロ…。」

 

「ん、なんだ?」

 

「手を握っても…いいですか?」

 

なるほど握手ーーそんな風に思うほど俺も鈍感じゃない。

 

「ああ、いいぞ。」

 

そして手を握ってきたが、予想外の握り方だった。そう、所謂恋人繋ぎだ。どこで覚えたのやら……。

 

「……温かいですね。」

 

「…そうだな。」

 

本当に、アルトリアの手は暖かいな……。どうして人の温かさはこうも安心出来るんだろうな。でも、悲しいことにこうして人の温もりを感じるよりも、人を殺した後の冷たさを感じることの方が多いんだよなぁ。

 

「クロ?どうかしましたか?」

 

「ん?いや、なんでもないぞ。」

 

ダメだな、こんなことを考えちゃいけないな。

 

「そうですか。何かあったら相談してくださいね?」

 

「ああ、悩んだりした時はそうしよう。」

 

悩み事か…結婚式はどこでしようかとか、なのはちゃんとフェイトちゃんとはやてちゃんにこの前のことをどうやって謝ろうとかか…。

 

「お待たせしました。シュークリーム2つにコーヒーと紅茶で〜す。」

 

「ああ、どうも。」

 

「ありがとうございます。」

 

「良い雰囲気ね〜。私も士郎さんとイチャイチャしちゃおうかしら。」

 

「茶化さないでくださいよ。

ところで、士郎さんはどこに?」

 

「今はまだ道場だと思うわ。今日は貸切だし、少し長めに動いてるのね」

 

ああ、なるほど。

 

「………。」

 

「どうした、アルトリア?…ああ、シュークリーム足りなかったのか?」

 

「い、いえ!?そ、そんなことはありませんよ!!」

 

とか言いながら目は俺のシュークリームに釘付けじゃねぇか。

 

「我慢しなくてもいい。食べたきゃ食べていいんだぞ?」

 

「しかしそれではクロのが……。」

 

「いいんだよ、遠慮すんな。」

 

「むう…では、こうしましょう。」

 

全く、食べたかったら素直に言ってくれりゃいいのに。

 

「あーん、です。」

 

「……待て、なんでそうなった?」

 

「さ、流石に全部貰う訳にはいかないので、1口はクロが食べてください。」

 

「そんな気を遣わなくても…。」

 

「ダメですから、あーん。」

 

………俺の周りは頑固なやつが多いな。

 

「…あーん。」

 

うん、美味いな。流石桃子さん。

 

「ふふっ、アルトリアさんったらなかなかやるわね。」

 

……士郎さんのコーヒーも美味いな。

コーヒーを飲んでるとプレシアさんが入ってきた。

 

「おはようございます、桃子さん。」

 

「あら?おはようございます、プレシアさん。早いのね?」

 

「え?今日はお店開くんじゃないんですか?」

 

「今日ははやてちゃんの誕生日会をするから貸切なのよ。伝達ミスかしら?」

 

「あ……そういえばそうだったわ…。」

 

プレシアさんもうっかりする事なんてあるんだな。

こういう所はフェイトちゃんに似てるかもな。

お、プレシアさんがこっちに来た。

 

「あなた達もどうしたのよ?こんなに早く来て。」

 

「誕生日会の飾り付けの手伝いに決まってるだろ?」

 

「私もです。」

 

「そう、でもそれなら飾り付けをしなくていいのかしら?」

 

「ああ、それはな。なのはちゃん達が手伝うかもしれねぇから帰ってくんの待ってんだよ。

あ、プレシアさんもなのはちゃんが帰ってきたらフェイトちゃんとアリシアちゃんを呼んでくれるか?」

 

「ん〜…そうね。あの子達には色んな事を経験してほしいし、いいわよ。」

 

誕生日会の準備の経験って必要か……?まあ、祭りも準備が楽しいってのはよくあるから、そんなもんか。

 

「それじゃ、小学校が終わるまで待機だな。」

 

女性陣の中に男が1人ってのはあれだが士郎さんが後で来るだろうし、別に居心地が悪いと言う訳でもないからいいか。

さて、なのはちゃんはいつ頃帰ってくるかな。

 

 

 

 

「桃子さ〜ん!これはどこっすか?」

 

「それは…あっちね。」

 

あれから時間が過ぎ、時間は午後4時。

なのはちゃんも帰ってきて、テスタロッサ家やアリサちゃん、すずかちゃん、ユーノ、衛宮も来て飾り付けをしている。

 

「飾り付けもなかなか難しいな……。」

 

「あ、黒お兄ちゃん、ここが違うよ?」

 

「なんだと…。」

 

飾り付けめ、侮れないな。

 

「ここは……こうだよっ!」

 

「なるほど…なのはちゃんは器用だな。」

 

「そ、そうかな?」

 

「ああ、そうだと俺は思うぞ。」

 

「……黒お兄ちゃんは器用な女の子とかはどう思うの?」

 

「俺か?そうだな、女の子らしくて良いんじゃないか?別に器用不器用で判断はしないけど。」

 

「そっか。うん、それならいいの。」

 

何が目的かは分からなかったが、まあいいか。

えっと、ここの飾りは…こうか。

 

「黒、ここは違うよ。」

 

「む…ここも違うのか。」

 

「うん、ここは……こうっ。」

 

「おお、フェイトちゃんも器用だな。」

 

「すごいでしょ…?」

 

フェイトちゃんを褒めるともっと褒めてと言わんばかりに見つめてきた。………犬の耳と尻尾が見えた気がする。

 

「ああ、すごいな。俺には出来ない。」

 

頭を撫でてあげるとふにゃりと笑うのがまた可愛いな。

 

「黒お兄ちゃん!なのはもなのはも!」

 

「はいはい、分かったよ。」

 

なのはちゃんも撫でてあげるとこれまたふにゃりと笑って可愛い。

2人共髪がサラサラふわふわで撫で心地いいからクセになりそうだな。

そんな事を考えながら撫でているといつの間にか飾り付けが終わっていた。

 

「「「あれ………?」」」

 

お、終わってる…?

周りを見てみると桃子さんとプレシアさんとリニスが厨房で料理を作っていて、他は適当に座ってゆっくりしていた。

時計を見ると5時を指していた。

 

「……撫でることは時間をも超越するのか。」

 

恐ろしや…。

 

『あ、マスター。そろそろはやてさんを迎えに行った方がいいのでは?』

 

「お、おう、そうだな……。

アルトリ…ア………?」

 

「……なんですか?」

 

不機嫌だ。結構不機嫌だ。

 

「あー、いや、はやてちゃん達を迎えに行こうぜ?」

 

「では、ナノハとフェイトと行けばいいではないですか。」

 

「いや、アルトリアと行きたいんだが…。」

 

なのはちゃんやフェイトちゃんと一緒に行くとはやてちゃんを驚かせられないと思うし。

 

「わ、私とですか……?」

 

「ああ。」

 

「し、仕方ないですね。そこまで言うなら一緒に行ってあげましょう。ほら、行きますよ。」

 

「お、おい、引っ張るな引っ張るな!?」

 

それと顔が緩んでるぞ。

 

「では、行ってきますね!」

 

「は〜い、気をつけてね。」

 

「おおおおおおおおお!?!?」

 

引っ張んなってぇぇぇ!?

そのまま俺はアルトリアに引き摺られてて家に帰ることになった。

そして、俺の服が……ボロボロになった…。

 

 

 

side out




A'sまではまだまだかかりそうです……。
他にも書きたい話があるので付き合ってくれると嬉しいです。

感想・評価等あればよろしくお願いします。
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