提督は男の娘!?   作:十文字9418

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リアルが色々と忙しかったため、前回から一ヶ月も空いてしまいました…。

次の投稿はもう少し早くしようと思っております。


補佐官が着任しました…?

厳しかった残暑も薄くなり、そろそろ衣替えが必要になってくる今日この頃。

ここ舞浜鎮守府も例外ではなく、鎮守府にいる艦娘達も私服の衣替えをしている。

 

そんな中、とある部屋ではちょっとした騒ぎが起こっていた。

 

「…ほら、加古! 早く起きなさい!」

 

そう言いながら布団を引っ張っているのは、重巡の古鷹だ。

すると、布団の中からまだ眠そうな妹の加古の声が聞こえてきた。

 

「ん〜…、後…五分…」

 

「…そう言ってもう三十分は経ってるんですけど? いい加減起きなさい!」

 

古鷹が厳しい口調で言うと、布団の隙間から加古がのそっと顔を出した。

 

「だってさぁ…寒いんだもん。今日は出撃ないし、一日くらいこのままゆっくりさせてよ」

 

「加古、貴女毎回同じような事言ってますよね?ダメです。しっかり起きて服の衣替えを済ませておきなさい」

 

古鷹はそう言うと布団から手を離し、いつも出かける時に持っていく鞄を手に取った。

 

「…あれ? 出かけるの?」

 

「少し服が小さくなってしまって…冬ものも今の内に見ておきたいからね」

 

身支度を済ませ、古鷹はもう一度布団にくるまったままの加古に向かい合った。

 

「もし、私が帰ってきた時にこのままの状態だったら…今日は廊下で寝てもらいますからね!」

 

そう言い残すと古鷹は部屋から出ていった。

それを見送った加古は大きなあくびをしながらこしこしと目をこすった。

 

「怖いなぁ…。まぁ、もうちょっとくらいゆっくりしても…いい…よ……ね…」

 

zzz…

 

 

 

加古の事を少し不安に思いつつも、古鷹は鎮守府の外に出てきた。

まだ冬ではないとはいえ、風が冷たく身が縮こまるのを感じた。

 

そんな中、古鷹は鎮守府の門を開け町の方へ歩きだそうとした時…後ろから声をかけられた。

 

「…あの…」

 

古鷹が振り向くと、そこには女の子が一人立っていた。

見たところ年齢も背丈も自分と同じくらいで整った顔立ちがとても印象的だった。

 

「はい、なんでしょうか?」

 

古鷹がそう訊くと、その子は遠慮がちに訊いてきた。

 

「…ここって舞浜鎮守府ですよね?」

 

「ええ、そうですよ。…何か御用ですか?」

 

するとその女の子は古鷹に向かって敬礼をした。

 

「今日から舞浜鎮守府に補佐官として着任となった者です! よろしくお願いします!」

 

「…補佐官……着任…?」

 

古鷹は首を傾げた。

 

無理もない。今朝の朝礼では提督はそんなこと一言も言ってなかったのだ。

確認しようにも、今日は本部で定例会があるそうで提督と秘書艦の吹雪はいない。

 

そんな古鷹の様子に女の子は思い出したように口を開いた。

 

「あっ、もしかして何も聞いてないんですか?」

 

「…はい、一言も…」

 

「あー…無理もないですね。急に決まった事らしくて、簡単な手紙しか送れなかったらしいですし…」

 

そう言われ古鷹はなるほどと思った。

 

司令室に行くたび、山のように積んである書類に目を通していく提督の姿を見ているので、あの中に紛れていたら気づかないかもしれない可能性は十分にあった。

 

「そうですか! 私は古鷹型重巡洋艦、一番艦の古鷹です。よろしくお願いします…えっと…」

 

そこで古鷹は言葉を詰まらせた。

それに気づいた女の子はクスリと笑いながら自己紹介を始めた。

 

「そう言えば、まだ自己紹介してませんでしたね。私、供恵といいます。よろしくお願いします。古鷹さん。…あの、もしよければ提督さんのところまで案内してもらえませんか?」

 

そう言われて、古鷹は少し困ったような表情になった。

先ほども言った通り、本部での定例会のため提督は今、鎮守府にいないのだ。

古鷹が腕時計で時間を確認すると、一〜二時間後には帰ってくるはずだという事がわかった。

 

「すいません、提督は定例会に出席されているので、今はいないんです。後二時間ほどで戻るはずですが…」

 

「…そうですか。…では、それまで鎮守府内の案内をしてもらえませんか?」

 

確かに鎮守府の案内は必要であるし、案内をしている間に提督は帰ってくるだろう。

 

ちゃんと案内できるかと多少の不安はあるが…

 

「わかりました。私でよければ案内しますよ」

 

「…よかった。よろしくお願いします」

 

古鷹達は鎮守府の中に入っていった。

 

 

 

「ここは食堂です。今は誰もいませんが、食事時は大勢が集まるんですよ」

 

「わぁ…凄く広いね! ここのご飯ってやっぱり美味しいの?」

 

鎮守府を案内するうちに、古鷹と供恵はすっかり打ち解けた。

供恵はとても無邪気で人懐っこい性格で古鷹にとってはまるでもう一人妹のように感じた。

 

「もちろん。普段は間宮さんや伊良湖さんが担当ですが、稀に提督も作ってくださるんですよ」

 

「提督さんも?」

 

「はい、提督はとても料理がお上手なんです」

 

古鷹がそう言うと、供恵がポツリと呟いた。

 

「…やっぱり…」

 

「やっぱり? …供恵さん、提督とお知り合いなんですか?」

 

すると供恵は微笑を浮かべながら頷いた。

 

「…ちょっとね。そうだ、古鷹ちゃん。一つお願いがあるんだけど…提督さんには私の名前を言わないで欲しいの。提督さんを驚かせたいんだ」

 

手を合わせて頼み込む供恵を見て、古鷹は快く承諾した。

 

そして、二人はいよいよ司令室に向かった。

 

 

 

古鷹が司令室の扉をノックすると中から声がかかった。

 

「開いてるよ。中へどうぞ」

 

聞こえてきたのは紛れもなく提督の声だった。

古鷹達は扉を開け、司令室に入った。

 

提督達はまだ帰ってきたばかりらしく、コートを脱ぎ、ハンガーにかけていた。

 

「古鷹ちゃん? 珍しいね。どうかしたの?」

 

「提督、今日から補佐官として配属されたという人をお連れしました」

 

古鷹がそう言うと、提督は目を丸くした。

 

「え? そんな話聞いてないけど…」

 

提督は吹雪に視線を送るが、吹雪も把握していないようで首を横に振った。

 

そんな提督達の様子に古鷹も不安げに供恵の方を見た。

供恵は司令室に入った時からずっと下を向き、顔を上げようとしない。

 

「どうしたの? 大丈夫?」

 

心配そうに古鷹が訊くと、提督も供恵に近づき視線を合わせるようにしゃがんだ。

 

「気分でも悪いの? そうだったら…」

 

その時、突然供恵が動き…提督に抱きついた。

そして、耳元で囁いた。

 

 

「…本当に変わってないね…」

 

 

その声を聞いた瞬間、提督は目を見開き、驚いたように呟いた。

 

「…ともちゃん…!?」

 

「久しぶり…『お兄ちゃん』!」




今回は後日談無しで、艦娘紹介に入ります。

〇古鷹
どんな人にも礼儀正しく、優しい性格
ただ、妹である加古の怠け癖にはほとほと手を焼いている

〇加古
古鷹の妹
面倒な事が苦手でそういったことはすぐに後回しにするため、よく古鷹に怒られている



今回はあまり時間をかけられなかったので、少し変になっている部分があるかもしれません。
誤字等ありましたら、知らせてください。

では、次回をお楽しみに…
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