お久しぶりです。感想を頂いたおかげで、こうして更新できました。ありがとうございます。
「あ、団長さぁん!」
真っ先に気付いてくれたのはやはりセントポーリアであった。花組の斬撃クラスには他にも、オンシジュームやロイヤルプリンセスなんかが在籍している。同じ斬撃クラスではあるものの、ナイフ、双短剣、長剣と扱う武器は個々に異なる。それをまとめて指導するブルーロータスには脱帽だ。
「団長さん、見学ですね?」
ブルーロータスに確認されて、俺は少しだけ考えてから答えた。
「俺も少し、組み手をしようかと思ってさ」
木刀なんかはこちらにもあるだろうと思って、持って来てはいない。だが、制服の下は動きやすい格好にしてある。
「生徒達にとってもいい経験になりますね。では……誰がいいでしょうか?」
「はい!」
真っ直ぐに手を挙げたのはロイヤルプリンセスだった。おっとりとしたセントポーリアに代わってクラスの雑務をこなす委員長タイプと書類には書いてあった。彼女も貴族の身だが、世界を想って候補生として頑張っている。その真っ直ぐな眸を見て、俺は彼女との組み手を申し込んだ。
「それでは、始め!!」
審判役となったブルーロータスの号令で組み手が始まる。俺は剣道における最も一般的な構えである正眼に木刀を構えている。ロイヤルプリンセスは右手右足を下げ、剣先をこちらに向けて警戒している。お互いに木刀ではあるが、防具の類は一切していないため、気を抜けば怪我をすること間違いなしだ。
「やぁ!!」
気合一閃。上段から振り下ろされた一撃を、俺は木刀の鍔でしのぐ。力押しで弾き、隙だらけになった腹部へ手首を返して木刀を振るう。剣道で言う面返し胴だ。ただ思った以上にロイヤルプリンセスが後退しており、木刀の中心で撃つことはできなかった。すぐさま木刀を上段へ構えなおし、警戒は怠らない。
「流石は世界花に選ばれた団長……お強いです。ですが、まだまだ!!」
地面を強く蹴って、迫り来るロイヤルプリンセス。剣の構え方からして、横薙ぎに斬り払うのだろう。だが、
「ふん!」
ロイヤルプリンセスの木刀へ一閃。軽い音と共に地に落ちる木刀。俺の木刀はと言うと、ロイヤルプリンセスの肩に当てられている。
「勝負あったな」
木刀を肩に担ぎ、片膝を突くロイヤルプリンセスに手を差し伸べる。
「お強いですね、団長は」
がっくりとした声音で呟くロイヤルプリンセス。そんな彼女に、俺は頭を振る。
「俺が君に勝てたのは、対人戦の経験差だ。俺は害虫相手に戦いを挑むことはできない。君は、君の真っ直ぐな剣を誇るべきだ」
「ありがとうございます、団長!」
ロイヤルプリンセスと握手を交わすと、他の斬撃クラスの面々から拍手が沸いた。気恥ずかしい思いをしながら、皆の方へ戻ろうとすると、練兵場の入り口に現れたナズナが叫んだ。
「た、大変です!!」
慌てた様子のナズナからは、事態がただ事ではないことが察せられる。
「一体どうしたんですか? 非常事態ですか?」
ブルーロータスが冷静に問いかけると、ナズナは深呼吸をしてから口を開いた。
「ウィンターローズ女王、ノヴァーリス陛下がブロッサムヒル領内で行方をくらましたと、連絡が入りまして……」
「ノ、ノヴァーリス様が!?」
狼狽するロイヤルプリンセス。当然だ、彼女はウィンターローズの貴族なのだから。蕾組のホワイトパンジーもかなり動揺している。
「落ち着けロイヤルプリンセス。今こそ君の剣を役立てる時だろう? ナズナ、ウィンターローズ女王陛下の捜索、俺たちが引き受けよう。誰を同行させればいい?」
「しょ、少々お待ちください。セントポーリアさん、貴女を班長に任命します。班員を選抜し向かわせますゆえ、正面ゲートで待機してください」
「では、参りましょうか~」
緊急事態の最中でありながら、いつもと変わらないセントポーリアを何と評すればいいか分からないものの、彼女に続いてロイヤルプリンセスと共にフォス花騎士学校の正門前まで向かう。バランスを考えれば各属性から一人ずつと誰か―この場合はロイヤルプリンセス―というメンバーになるだろう。
「あぁ、彼女たちが今回のメンバーのようですね」
ロイヤルプリンセスが頷くということは、かなり優秀な生徒を集めたのだろう。まだ遠くてシルエットしか見えないが……ひょっとして彼女ら、だろうか。
シナリオをどうしようか悩んでいた頃に実装されたメインストーリー。沿うか沿うまいか考えた結果、沿うことにいたしました。うまく繋がっているでしょうか? 組み手シーンを書いている頃はまだ実装前でしたので。
次回、花騎士3名が登場! 団長の皆様はご存知ですよね? 2月に更新できればいいのですが。受験次第です。サクラさん咲いて!!