「ふーん、アンタが団長? あ、歓迎会で見てるんだったわ。あたしはアブラナ、学生だからって適当な作戦で行動させたら承知しないわよ?」
フォス花騎士学校の正面ゲートに立つ三人の花騎士。そのうちの一人、やや色素の薄い金髪と紫水晶を彷彿とさせる瞳が印象的なアブラナ。
「ふふ、アブラナったらさっきまでずっと前髪をいじっていたくせに。団長さん、誤解しないであげてくださいね。彼女、本当はとっても優しい子ですから」
「ちょっと、ギンランったら、な、何言い出すのよ!!」
おっとりと口を開いたギンランに慌てふためくアブラナ。ギンランは白に近い銀髪をポニーテールに結い、服装はまさに貴婦人のそれといった風の花騎士だ。もっとも、衣装の透ける部分と胸当てがなければの話だが。
「改めまして、花騎士のギンランです。花言葉は貴婦人。団長さんとの初任務、楽しみですわ。この出逢いが、運命のそれなら……なおさらなのですが、ね」
ギンランが自己紹介を終える頃、ナズナが正門前までやってきた。それから、もう一人の花騎士、ワレモコウに自己紹介するように促す。
「名前はワレモコウです? ベルガモットバレー出身で、戦略を立てるのが得意です? その、話すのは苦手ですが、変化には対応していくです? 花言葉ですから」
特徴的な口調のワレモコウ。ただし、戦略眼は冴え渡るものがあるとナズナの報告書にも書いてある。あと、彼女の格好はベルガモットバレーにしばしば居る和装だ。ただし、どことなく中華っぽいが。
「今回はこのメンバーで探索へ向かいます」
今回の捜索隊、かなりの精鋭であることに間違いはない。ナズナに向かってしっかりと頷く俺。そんな俺に、ナズナが小箱を渡してきた。あけると、そこには指輪が一つ。
「これは?」
「世界花に選ばれし団長にのみ渡される“ソーラーリング”です。害虫を撃破した際や、いわゆる陽力の祭壇を通過した際に得られる陽力を溜め、溜まり切ったら任意のタイミングで放出することが出来るリングです。これによって、花騎士たちを援護できる仕組みなのです」
ナズナの説明はゲーム内の
「その紋章が光輝く時が満タンになったサインです。発動時は天へ掲げること」
「分かった、助かるよ。じゃ、行ってくる!」
「団長さん! 勘違いを一つしていますよ!」
「え?」
花騎士五人と共に門を開けようとする俺に、ナズナが驚いた声を上げる。驚いたのは俺なのだが。
「私も同行しますよ。置いてかないでくださいよぉ」
「そう、なのか。じゃ、改めて、出発だ!!」
字数ギリギリだった……。