「なんでもおっしゃってくださいね。」
近海の制圧から一週間がたった。鎮守府には徐々に海軍軍令部から戦力が廻されてきている。
しかし艦長たちは陸軍船舶隊に配属になることは不名誉に思っているらしい。
それもそうだ。相変わらず陸さんと海さんは仲が悪い。
そんなある日、海軍の哨戒機が南西諸島沖に数km行ったところに巡洋艦を含む前衛艦隊を発見した。
勿論軍令部は隠そうとしたが陸もそうはいかない。直ちに私のところにも指令が来た。
「なにか…お言付けが来ていますね」
発 陸軍参謀本部 宛 陸軍船舶隊
テキゼンエイカンタイヲゲキハシナンセイショトウノジンルイヲホゴセヨ
全国数箇所の鎮守府に一斉に届いたこの電文は勿論我々の鎮守府にも届いた。直ちに艦隊の編成並びに作戦書を書かなくてはならない。
参謀本部はあまり頼りなく軍令部は助けてくれない。鎮守府ごとにかかっているのだ。
書類の記入は簡単だった。ただ、頼りないのは作戦だった。作戦指示書を書くのは初めてであった。
陸軍の哨戒機の報告によればあまり敵艦隊は大規模ではないが、戦艦を使うことにした。編成は戦1重1駆4だ。
「高雄、出撃いたします!」
流石に今回は参謀長殿はいらっしゃらなかったが、軍楽隊は賑やかであった。
今回は高雄さんとゆっくり話せる。これが楽しみで仕方が無いのである。
高雄の陸軍式の制服も見慣れてきた。大きな胸についた船舶兵の証だけは少し気になる。
おっといかんいかんと私は高雄さんには気づかれていないことを確認し作戦指示書とにらめっこを始めた。どうも心配である。
三日もしないうちに戦線近くの泊地に到着した。海軍の補給を嫌々受け戦線に殴り込みに行く。
どうやら巡洋艦程の軽艦艇しかいないらしい。戦艦の艦長は嫌気がさしていた。名前は日向というらしい。
「戦艦日向、出る!」
半日ほどの休憩の後艦隊は南西諸島に向かい動き出した。見送りは海兵たちの嫌味だ。
驚くことに敵から我々に戦闘を仕掛けてきた。信号旗どころではない。直ちに戦闘旗を掲げ戦闘に入る。
「敵は。敵は。」
見張り員も焦っている様子だ。一喝しなければならないと思い立ち上がると高雄が艦内放送で焦りを落ち着かせた。
「敵!軽巡1駆逐2!前衛艦隊です!」
流石の戦艦と重巡の火力と言っていいだろう。戦闘は1時間もしない内に終了した。
戦果は三隻撃破。参謀どもはこの戦果に満足し帰還を促してきたが、私は進軍を命じた。
この戦闘で士気も高まっており、制海権把握も可能だと感じたからである。結論をいえば制海権把握は出来た。しかし、駆逐2隻に損害が出、入渠を強いられた。どうも士気の差が出ているらしい。艦内という閉鎖環境の士気を高める方法は陸軍では教わらない。
不安を残しながら我が艦隊は鎮守府に帰投した。道中、沢山の将兵を載せた輸送船団に遭遇した。"士気"という言葉に悩まされていた私は軍旗を敬礼の際掲げた。これは私の意地でもあった。
行きは良い良い帰りは怖いなどという歌があるが帰りは良かった。東京湾に入港し急ぎ国防省に向かう。今度は飲むことができない。と落ち込んでいた私に高雄はビールを買ってきた。船の中でという彼女の優しい声に私は涙を流しそうになった。
相変わらず軍令部は嫌味ったらしく報告書を読む。私が何度軍刀を抜こうとしたか、誰にもわからなかっただろう。所違えば参謀本部は相変わらず我々を歓迎する。話を聞けば帰りにすれ違った陸軍の連中は無事南方諸島を攻略したそうだ。
話が長引きそうだったので、お断りを入れ我々は艦に戻った。鎮守府に向かわねば。まだ明日も明後日も戦争は続くのだから。
第2話完
ボーキサイトが一千近くなってしまいました。
フジツボです。実は艦これの私は未だに大佐なんです。
故にいつ物語の主人公の階級を上げようか迷っております。
相変わらず短文です。何故なら1時間ほどで書いているからです。
短文の方が読みやすいし...ごめんなさい1-2では長文は無理です!