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ーカツ、カツ、カツ
薄暗い石畳の廊下に足音が響き渡る。足音の持ち主の二人が廊下を歩いていた。
どちらも軍服を着込み、女性が見れば間違いなく二重の意味で黄色い声をあげるぐらいの容姿の青年だった。
片方は白銀の髪を束ねて肩から垂らした髪型の青年、もう一人は軍帽を被った金色の短髪の青年。
「…それでディフェリア、卿は何故此処にいるのかね?」
「おや?私が此処にいては不満かね、獣殿?」
獣殿と呼ばれた金髪の青年が共に歩いている白銀の青年ーーディフェリアに疑問に思っていた事を尋ねるとディフェリアは怪しい笑みを浮かべて獣殿にそう返す。
「不満、という訳ではないのだが……今日はクリスマスだ。卿は婦人と一緒にいなくて良いのかね?」
「ふむ、これは痛い所を突かれたな。だが、こうなったのは娼婦にうつつを抜かし殺されかけた高官殿のせい、おっとつい口が」
「ディフェリア……、卿の気持ちはわからなくもないが口に気をつけろ。私が卿の首を跳ねる、という事にさせんでくれよ」
「クク、ククク、確かにそれは私も遠慮させてもらう」
ディフェリアの一歩間違えれば首が物理的に飛んでしまうような言葉に獣殿は釘をさすがディフェリアは肩を竦めながら応える。
「まあ、いい。それで少し前に卿が日本に行っていたがそれはどうなった?」
「少し前って五年前だが?まあ、別に構わんが一族の者が魔術儀式に参加したのでね、それに少し協力しただけだよ」
「結果は?」
「敗北だよ、サーヴァントを下に見すぎたが故に」
「サーヴァント、確かその儀式に召喚する英霊の事だったかな?」
獣殿はディフェリアの話しに時折疑問に思った事を挟みながら聞いていた。
「然り、過去現在未来の英雄達が記録されている座より、儀式の為に召喚し戦わせる存在、それがサーヴァント」
「なるほど、時間の概念が無いのか」
「そう、もしかしたら獣殿が召喚出来るやもしれんよ?」
「私は英雄などではない」
「まあ、そういう事にしておきましょう」
ディフェリアはそう、笑みを浮かべながら言い、二人共薄暗い廊下の闇へと消えて行った。
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壁一面に幾何学的な模様が描かれた石造りの部屋、そこにシキと金色の少年がいた。
彼らの前の床には魔法陣と呼ばれるモノが描かれており、暗闇で淡く輝いていた。
「汝、三代の言霊を纏う七天」
詠唱が既に大詰めとなりそれに応じてシキの言葉が強くなっていく。
「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーー!!」
最後の言葉と共に魔法陣から魔力が吹き出す、ソレを見てシキと金色の少年はその顔に笑みを浮かべる。シキは自分の目的の英霊を召喚出来た、のと金色の少年と同じくこの聖杯戦争が面白くなる、と確信して。
吹き荒れる魔力が次第に晴れ、そこには金色の髪に紺色の服装の少女がいた。
「サーヴァント・ルーラー、召喚に応じて参上しました」
ここにシキのサーヴァントが召喚された。
「問いましょう、貴方が私のマスターですか?」
Zeroとは違うFateが此処に始まる。どのような物語になるのか、まだ誰もシキや金色の少年すらもわからない。
ーーでは、此処にFate/Anotherを始めるとしよう。
これよりの物語はまさに神のみぞ知る。
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深夜、遠坂邸にて聖杯戦争第一戦が開幕した。その一戦を多くのマスターが己の使い魔を通して確認していた。無論、そこにはシキの使い魔も存在していた。
遠坂邸に侵入する、全身黒ずくめに白い骸骨の仮面を付けたアサシンのサーヴァントこと百貌のハサン・サーバッハ。
アサシンは遠坂邸の庭に張られた対侵入者用の結界をすり抜けて行き、中心の起点に手を掛けた時にそれは起こった。
アサシンの腕を起点ごと矢が射抜いたのだ。
射抜いたのは遠坂のサーヴァント、アーチャー。それは翠緑色の衣装を身に纏い野性味と気品を併せ持った少女だった。
その後、アサシンはアーチャーに放たれた矢によって消滅した。
「うわー、アイツじゃないけどエゲツねー」
遠坂邸の戦いをシキは使い魔を通して見ていた。
「まあ、僕じゃあないからああなるのは仕方が無いと思うよ」
「あのアサシンは分身でしょうか?」
シキたちは遠坂邸で行われた戦いとは言えない戦いの感想言い合っていた。
「うん、ジャンヌそれはわかってるから」
「百貌のハサンだっけかな?ハサン……うん、なんとも可哀想な真名だね」
「マスターが悪いだけだと俺は思っているが?」
「流石にそれは言い過ぎかと」
戦いについての感想のはずがアサシンについてボロクソ言っているだけになってるが…。
ジャンヌと呼ばれたサーヴァント、ルーラーはマスターであるシキと協力者の金色の少年の言葉に苦笑いを隠せない。
「つか、俺だったら百貌じゃなくて呪腕か山の老人呼ぶわ」
「僕だったらそもそもアサシン召喚しないけどね」
「えーと、私は基本中立なので」
「俺に召喚された時点で中立か?」
「中立じゃないよね?」
「……はい」
アサシンへの批評からいつの間にかにジャンヌへの口撃へと変わっていた。それにジャンヌは誰が見ても分かるような落ち込みようだった。
それを見て、シキと金色の少年は苦笑した。
「やれやれ、ジャンヌ落ち込まないでくれ」
「そうだよ、別に君が戦うわけじゃないんだから。中立なんて気にしなくても」
「ですよね!別に気にしなくてもいいですよね!」
「まあ、基本戦いは他の奴らを使うからお前は適当に頑張ってくれ」
「はい!頑張りますマスター!」
「……そもそも彼らを使うから君が頑張るとこなんてそもそも無いんだけどね」
「…………」
「…………」
シキと金色の少年のフォローによってジャンヌは元気を取り戻したかと思ったら金色の少年の一言に空気が凍った。シキは笑みを浮かべた状態でジャンヌはやる気に満ちた顔の状態で凍り付いた。
この後、シキとジャンヌが普通に戻るまで金色の少年が笑っていた。
次回はもう少し早く更新できる様に頑張ります。