Fategoで爆死したり部活で大尉の絵を書いていたりして遅れました。
夜のベルリンを走る車、その後部座席に二人の男がいた。
「それでディフェリア、何の用で私を何処に連れていこうとしているのだ?」
金髪の軍人、獣殿は隣に座る銀髪の軍人ディフェリアにそう問いかけるとディフェリアは笑みを浮かべながら、
「ええ、これ以上私と彼女との時間を高官殿が起こした事に割けられたくないのでね。さっさと解決しようかと」
そう言った。その時、ディフェリアの眼は笑っていなかったが。
「なるほど、得意の遠見かね」
「然り、直に着くでしょう」
「ならば、それまでの間先ほどの話しの続きを聞かせてもらおうか」
「ええ、わかりましたよ」
ディフェリアは獣殿の言葉にうなづき、話しを始めた。
「聖杯戦争が万能の願望器たる聖杯をめぐる戦い、という事は話しましたかな?」
「ああ、そこは聞かせてもらった。それにしてもその聖杯はこの国の上層部が使えば戦争に勝利出来るという事か?」
「いえ獣殿、心配には及びませんよ。運命とは変えれるモノと変えれないモノがある」
「つまり、卿はこの国が勝つ事は無い、そう言いたいのか?」
ディフェリアの言葉に獣殿は鋭い目線でディフェリアを見るがディフェリアはそんな事などどうでもいい、と言わんばかりに嗤った。
「誰もそうとは言っていないな、ハイドリヒ。俺はただ、この国が聖杯を手に入れる事など永劫ありえん、そう言っているに過ぎんな」
ディフェリアは口調を変え、獣殿ーーハイドリヒを姓で呼びそう言った。
「運命は変わらん、ドイツは絶対に聖杯を手に入れる事は無い。何故ならそれが変わらない運命なのだから」
「………」
「宝石剣を用いてもその運命だけ見つからない」
ハイドリヒはディフェリアの言葉に何も挟まず聞いていた。
「運命は変わるモノと変えれないモノがあるのは言ったろう。変えれる運命はお前だけだ、ハイドリヒ」
「此処にいるのが俺ではなく、蛇であったならお前の運命は変わったろう」
「フッ、卿のその口調は久しぶりに聞いたな」
「は?」
ハイドリヒのその言葉にディフェリアはまるで鳩が豆鉄砲を受けたかのような表情をしていた。
「最後に聞いたのは確か……卿と初めて会った時かな?」
「……いや、お前が色々と人外じみてんのは元から知ってたがその返しは流石に予想してねぇよ」
ディフェリアはもはや呆れしかないような声音でハイドリヒにそう言った。
「さて、話しの続きをしようか」
「何でだよっ!?」
ディフェリアのツッコミが車内に虚しく響いたのだった。
■◆■◆
シキの屋敷の書斎にてシキは携帯電話で誰かと電話をしていた。この光景を他の魔術師たちが見たら卒倒する事間違いないだろう、何故なら魔法使いが科学の産物を普通に何の忌避感もなく使用しているのだから。
「やあ、カリヤーン。そちらの調子はどうだい?」
『カリヤーンって言うなよ。まあ、最近は大きい仕事があって結構良い感じだけどよ』
カリヤーン、と呼んでいる男は軽い感じの話し方のシキに呆れた気配を漂わせてシキに応える。
「そうか、それは良かった」
『ところであの娘は元気にしてるんだろうな?』
「当たり前だ、君の家と違って自分の意思を尊重するし、一応不老だからそんなわざわざ受け継がせるような事はしないさ」
男の少し強い口調の問いにシキは侵害そうに答える。
『もしもあの娘に、桜ちゃんに何かあったら怨むからな』
「怨まれてたまるか、口約束だろうが契約は守る。それに桜はウチの娘だ、たとえウッカリ時臣が返せ、と言ってきても渡しはせんよ」
『ッ!……そうか』
シキは少し口調を変えて男に言う。それに男は息を呑み穏やかな口調で返し電話は切れた。
「ふぅ、バサカロットが召喚はもうありえないだろうし、そもそもマキリの参加は無い。なら、別に俺が召喚しても構わないだろう?」
誰に言ってるのかわからないシキの独り言がシキの書斎に響いた。
「お父さん、誰に話してるの?」
「あ」
自分の書斎に娘が入って来てそれを聞いていた事に娘が話しかけるまでまったく気づいていなかった時点で遠坂時臣をウッカリと呼べないのだが。それから娘が金色の少年と母親を呼んで来るまでシキは書斎の端で三角座りをしていたそうな。
◆■◆■
「お父さん大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。お父さん頑張るから」
「シキ、いい加減素に戻りなさい」
「そうだね、ちょっと引くねそれ」
「えっと、マスター頑張ってください」
「お父さん、頑張って」
青みのある銀色の髪の娘に心配されたシキは娘に心配をかけないように答えたが自分の妻と金色の少年に辛口で口撃され、サーヴァントのジャンヌともう一人の娘に慰められていた。
「ジャンヌと桜のフォローが逆に痛い」
「ハァ」
シキは胸を抑え顔を歪ませるがそれを見た妻のリザは溜息をつきながらトーストがのった皿をテーブルの上に並べていく。
「ほら、ちゃんとして」
「ああ」
シキは苦笑いし、トーストを食べ始める。そこには魔法使いとしての姿はなく、ただの平凡な家族の景色が広がっていた。
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