殺し屋と問題児達が異世界から来るそうですよ? 作:ハルみんX
「わりぃ…約束…破っちまったな…」
タツミはそう言いながらアカメの腕の中で息絶えた……
──はずだった。しかし、彼は今絶賛落下中だった
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
上空4000mから落下している4人と1匹は落下地点に用意してある緩衝材の様な水膜を通り湖に落ちていく
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺り込んで空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぞコレ。石の中に呼び出されて動けないほうがまだ親切だ。」
「…?いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない。」
「そう。身勝手なのね。」
そう言いながら金髪の少年と黒髪の少女は岸に上がる
「此処は…どこだろう?」
先程猫を引き上げてた茶髪でショートカットの少女は服を絞りながら岸に上がる
「さぁな、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねぇか?」
少女の呟きに金髪の少年が応える
「まず間違いないだろうけど、確認しとくぞ。お前たちにも変な手紙が来たのか?」
「そうだけど、まずはそのオマエって呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後、気を付けて。そこの猫を抱えている貴女は?」
「…春日部耀。以下同文。」
「そう、よろしくね。そこの野蛮で凶暴そうな貴方は?」
「高圧的な自己紹介ありがとよ。見た目のまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれよな、お嬢様。」
「そう、取り扱い説明書をくれたら考えてあげるわ十六夜君。」
「ハハッ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけよ、お嬢様。」
「やっぱり遠慮しとくわ。最後にそこの鎧を着ている貴方は?」
「…俺はタツミだ。」
「(うわぁ…、問題児たちばかりみたいですねぇ…。)」
湖に落ちてきた四人を見てうさ耳のついた少女は物陰に隠れながら陰鬱そうに重くため息をついた
十六夜は辺りを見回して苛立たしげに言った
「…で、呼び出されたのはいいんだけど、何で誰もいねぇんだよ。この場合、紹介状に書かれてた『箱庭』のことを説明するやつがいるんじゃねぇのか」
「そうね。何の説明も無いままでは動きようがないもの。」
「………この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど。」
「(全く持ってその通りです!黒ウサギが出ていくタイミングがありません!)」
密やかにツッコミをいれる。パニックにでもなっていれば飛び出して状況説明をしやすいのだが、こうも落ち着いていたらタイミングが無くなってしまう
「(悩んでいてもしょうがないですね。腹を括りますか。)」
黒ウサギがそう腹を括った瞬間
「しゃあねぇから、そこら辺全部そこに隠れている奴に聞くか」
物陰に隠れていた黒ウサギは心臓を掴まれたかのように
飛び跳ねる
「なんだ、貴方も気づいてたの。」
「当然、かくれんぼでは負けなしだぜ。」
「…風上に立たれたら嫌でも分かる。」
「気配がまるわかりだしな。」
「……へぇ、面白いなお前ら。」
「や、やだなぁ、そんな狼みたいに怖い顔をされると黒ウサギは死んじゃいますよ?えぇウサギは昔から狼と孤独には滅法弱い生き物なのです。ここはそんな脆弱な黒ウサギに免じてひとつ穏便に話を聞いてはくれませんでしょうか?」
「断る」
「却下」
「お断りします。」
「なんだよ。」
「アハッ、とりつくしまもございませんね。(肝っ玉は及第点、鎧の方は別としてこの状況でNoといえる勝ち気は買いです。問題児ばかりなのが難点ですが。)」
両手を挙げて降参のポーズをとる黒ウサギ、しかしその目は冷静に問題児達を値踏みしていた。それに黒ウサギはおどけつつも、どう接するか考えを張り巡らしていると
「えい。」
「ふぎゃ!」
「ちょっとお待ちを!触るのならいざ知らず、初対面でいきなり黒ウサギの素敵耳を引っ張るとはどういう了見ですか!?」
「好奇心のなせる業。」
「このうさ耳本物なのか?面白そうだな。」
今度は十六夜が右から掴んで引っ張る
「じゃあ、私も。」
さらに、耀と交代で飛鳥が左へとうさ耳を掴み左右にうさ耳を引っ張られた黒ウサギは助けを求める目でタツミを見るが
「…(何故俺は生きている?俺はあそこで死んだはずだ。)」
と考えていた
その日、黒ウサギの叫び声が森中に響いたという
どうすか?誤字脱字などの指摘や、これからの展開のリクエスト等々随時受け付けているッス。