冒険者の時の口調について説明を追加しました
三重の城壁で囲まれた王国の城塞都市エ・ランテル。この都市の一番外側の門に併設された検問所に詰めている隊長は大きく欠伸をした。開門する朝は忙しいが、今は昼。まばらにやってくる旅人や行商人を相手にするだけだ。不審な者を通さない重要な仕事ではあるが、都市に入る者がいなければ暇なのだ。
隊長が部下に買いに行かせた昼食を食べようとすると、外が何やら騒がしくなリ始めた。食べるのを止め、外に出る準備をしていると部下が報告に来る。
「隊長、来てください」
「何があった」
「不審な二人組がいます」
「分かった。私が話を聞く」
立て掛けていた剣を腰に付け詰め所を出た隊長は、一目で騒ぎの原因である二人を見つけた。まず一人目は漆黒の金属鎧を着ている戦士。魔獣に騎乗している。鎧には金と紫の華美な装飾が入っており、値段は幾らするか見当も付かない。グレートソードを二本背負い深紅のマントで覆っている。冒険者は魔獣を騎乗動物にしている事があるが、この男が騎乗している種類の魔獣を見た事はない。
二人目は一言で言うなら絶世の美女。こちらは鎧を着せた立派な馬に跨っている。年齢は十代後半から二十代。冷たさを感じさせる切れ長の黒い瞳、艶やかな黒髪のポニーテール、労働を感じさせない色白の肌。10人いれば10人が振りかえる美貌を辺りに振りまいている。このあたりでは見ない人種だ。南方から来たという商人がこんな感じだったろうか?
美女に見惚れている部下の頭を叩いて正気に戻し、魔術師組合へ今日の担当を呼びに行かせる。隊長は何かあった時の為に残りの部下を連れ二人に声を掛けた。
「エ・ランテルに入りたいとのことだが、少し聞きたい事がある。詰め所まで同行してもらいたい」
美女の顔が若干険しくなる。彼女が何かを言おうとする前にそれを鎧を着た戦士が手で制して答えた。
「私たちはここに冒険者の登録に来たのだが、何か問題が?」
冒険者志願。隊長は二人の様相にある程度納得する。冒険者というものは異質な人間が多い。これから名を売ると言うのであればなおさら目立つようにしているのも当然か。
「問題と言う訳ではないが、魔獣を市内に入れると言う事であれば規則で幾つか聞く事がある」
「・・・分かった」
男が魔獣を降りる。美女の方は馬を降り、馬を手のひらサイズの像に戻す。周囲にいた全員が馬がマジックアイテムだった事に驚いた。
「それでは案内してくれ」
「暇だ・・・・」
はくたくは詰所の近くで座ってぼんやりと空を眺めていた。鞍は外して横に置いてある。詰め所にアインズとナーベラルが連れて行かれ、自分も付いて行こうとしたのだが、責任者らしき男に止められてしまった。
自らをアインズの騎乗獣にする案はナザリックの者たちからは反対されたが、誰かを乗せる事はユグドラシル時代によくやっていたので抵抗感は無かった。よくギルドメンバーを背中に乗せて戦ったものだ。敵対ギルドの拠点を襲撃した時には破城鎚や攻城櫓を背負った事もあった。
はくたくは兵士や足止めをくらっている者から、興味と恐れの混じった視線を受ける。子供がはくたくに近づこうとするが、親に引きとめられていた。
(検問の反応やこの周囲の視線を見るに、自分みたいなのは珍しいんだろうか…ありふれた存在なら行動が楽になるのになあ)
暫くするとアインズとナーベラルが帰ってきた。詰所の窓からは少し前にやってきた、魔術師らしき男が驚きの顔でこちらを穴が空きそうな程見つめている。
「モモン、詰め所で問題は無かったか?」
「いや、何も。それじゃあ行こうかハク、ナーベ」
「はっ、モモン―――さん」
そこにいた者全員の視線を浴びながら、二人と一匹は門をくぐった。
隊長が彼らが門をくぐるのを見送っていると、部下が話しかけてくる。
『彼らはいったい何者ですか?』
『遠くの国から冒険者になりに来たと言っていたが、それ以上の事は分からん』
『あいつがあんなに驚いてるの初めて見ましたよ。何があったんで?』
『あの美女が使っていた馬のマジックアイテムを魔法で調べたら、少なくとも金貨千五百枚はする事が分かったそうだ』
『そんなに!』
『さあ、仕事に戻るぞ。今考えなくとも、彼らが見た目どうりの実力ならあっという間に街の噂になるだろうよ』
冒険者ギルドに向かいながら<伝言>でアインズが詰め所で起こった事をはくたくに説明する。
『ここに来た目的やら色々と聞かれましたが、問題はありませんでした』
『街からやって来た魔術師っぽい奴に睨まれてましたけど?』
『ああ。あれは私たちを調べるために魔術師ギルドから派遣された男だそうです。私たちに<
『検査した手前、文句は言えない訳ですね』
『ええ。彼から魔術師ギルドにいい感じで噂が流れると良いのですが』
『しかし、それだけではあの視線はちょっとおかしい気がします』
『一応何も調べさせない分からせないというのは怪しいので、ナーベラルに渡していた
『それが?それって騎乗召喚アイテムガチャのコモンアイテムですよね?』
『ええ。ですがこれを調べた魔術師は腰を抜かしてましたよ』
カルネ村で捕えた騎士や陽光聖典からある程度の現地通貨を得たが、大半はセバスとソリュシャンの二人に工作費として渡してしまった。現地通貨を得る手段としてナザリックで余り価値の無いアイテムを売る事も考えていたが、あの程度のアイテムでさえ貴重と判断されるのならば迂闊に売る事は出来ない。
『それだとアイテム売却による金策は止めた方がいいですね』
『ええ。これからの冒険者稼業でそれなりに稼げればいいんですが』
周囲の目を集めながら暫く歩いた後に三人は目当ての意匠が記された看板を見つけた。捕虜からの情報が正しければあれが冒険者組合の建物のはず。アインズを先頭に建物に入ると、全員の目線がこちらに向いた。中にいた冒険者たちは職業もランクもバラバラだが全員が今入ってきた三人、いや二人と一匹を見る。その視線を受けながらアインズ達はカウンターまで行きアインズが受付に一言告げた。
「ここで冒険者登録が出来ると聞いたのだが」
組合から出てきたアインズとナーベラルは組合から支給された銅のプレートを付けていた。はくたくはプレートを付けてはいないが一枚の羊皮紙を持っていた。
「これで冒険者としての一歩を踏み出したという訳だなモモン」
「ああ。だが魔獣を冒険者として登録するというのは無理だったようだ。すまない」
「まあこの許可証を貰えたからとりあえずはいいという事にしよう」
アインズとはくたくは対等の関係、ナーベラルはアインズの付き人という設定なので冒険者の時には敬語は使わない事になっている。はくたくは手の羊皮紙を広げる。自身をモモンの使役する魔獣として登録し、エ・ランテルでの滞在を許可する旨の文章と冒険者ギルドの印が押されている。これでここに来るまでのように一々巡回の衛兵に誰何されるような事にはならないだろう。国によっては亜人の冒険者がいるのだから、人語を解するはくたくを冒険者として登録できないかアインズは頼んではみたが、規則で突っぱねられてしまった。
「アイツらを少し痛めつけて登録させてきましょうか?はくた――ハクさん」
「呼び捨てでいいぞナーベ。我々は新参者なんだから悪評を立てるような事は慎まなければならない。それに、そんなことしなくてもじきに向こうからプレートをよこしてくれるさ」
「というと?」
「冒険者ってのは一言で言えばモンスターの掃除屋だ。登録時の説明にあったが彼ら基準で強いモンスターを倒せる、ミスリルランク以上の冒険者ってのは何所でも不足している。適当に強いモンスターをぶちのめせば、余所に引き抜かれないようにそれくらいの事はしてくれるだろうよ」
「なるほど。そこまで考えになられていたとはさすがはハク――さん」
(いやいや買いかぶらないで欲しいんだけど。というか規則で断られたぐらいで実力行使に出るって、やっぱ手元に置いといて正解だな)
「あれが組合から紹介された宿屋で合っているかな?どうだナーベ?」
アインズが一つの看板を指差す。ナーベラルが組合から渡されたメモを確認した。
「そのようです。モモンさ――ん。しかし本当にあのようなボロ宿に滞在されるので?」
(さっきから様って言いそうになってる・・・)
「今は駆け出し冒険者。あれに泊まるのが分に合った生活だろう。」
アインズがそう言うと、三人は宿屋へと向かっていった。
場末の酒場。入った酒場兼宿屋はそう言うのがふさわしい様相を呈していた。床はゴミや食べカスで汚れ、店内は灯りに乏しく薄暗い。客は一人を覗いて全員男であり、柄の悪そうな雰囲気が酒場全体から漂う。
酒場の客は何かを眺めている女一人を覗いて全員が、新参者のこちらを値踏みするように粘つく視線を投げかけていた。ある者は戦士の装備に、ある者は美女の美しさに、ある者は魔獣の力強さに。それぞれ自分が一番気になる者を観察していた。
『これはなんというか・・・・』
『如何にもな場所、って感じですねモモンガさん』
アインズとはくたくはナーベラルを連れ店の奥まで進んでいく。周囲の目線が気になるが無視する。店の奥のカウンターには頭を剃りあげ、屈強な体をした店の主人と思われる男が掃除をしながらこちらを見ている。
「宿だな。何泊だ」
アインズが一瞬考えた後、男に答えた。
「一泊でお願いしたい」
男の視線がアインズとナーベラルのプレートに向かう。
「・・・お前ら銅のプレートか。相部屋でいいな?泊まるなら魔獣は裏の厩舎をタダで使わせてやる」
「三人部屋、無ければ四人部屋にしてくれ」
「・・・お前ら組合にここを紹介されたんだろ?新人がここに連れてこられる理由を知っているか?」
「いや、知らない。教えてくれるか?」
「少しは手前の頭で考えろ!その兜の中身は空っぽか!」
屈強な男に苛立った声で恫喝されても三人は何とも思わない。子供が怒った所で怖がる必要など無いのと同じだ。はくたくがアインズと主人の会話に口を挟んだ。
「それを教えるのもアンタの役割だろ?腹の探り合いはさっさと止めて教えてもらいたいな」
「・・・お前喋れるのか?」
「喋れないと思っていたのか?あと畜生じゃないんだから裏の厩舎は勘弁してくれ」
酒場の主人は短い間驚いた顔をしていたが、すぐに顔を何時もしているだろうしかめっ面に戻る。
「相部屋を勧める理由を教えてやる。ここに泊まるのは銅と鉄プレートの駆け出しが多い。そいつらで横の繋がりを持つなり、チームを組む為ってのが理由だ。個室で寝泊まりすると他人との接点は出来ないからな。もう一度聞くぞ。相部屋と個室どちらだ?」
「個室で頼む。飯は不要だ」
「三人でも自信ありってか?まあいい。前払いで一日八銅貨だ」
アインズが革袋から銅貨を主人に支払い、それを受け取った主人が裏に消える。主人は帰ってくるとアインズに鍵を投げた。薄暗いがアインズは暗視能力によりそれを問題なく受け取った。
「それが部屋の扉と荷物を入れる宝箱共有の鍵だ。階段を上がってすぐ左の部屋を使え」
アインズがはくたくとナーベラルを連れ階段へと歩き始めようとすると、それを妨害するように足が横から投げ出された。足を出した男は下品なにやけ顔をしている。男をを咎める者は誰もいない。アインズとはくたくは余りにテンプレートすぎる展開に苦笑した。二人は<伝言>で打ち合わせをする。
『こうも映画や小説まんまの事をやられるとは思ってなかったですね』
『通過儀礼って奴でしょうが・・・はくたくさんどうします?』
『舐められるってのは気に入りませんし死なない程度に脅かしてやりましょう』
アインズは差し出された足を蹴り飛ばす。かなりの力で蹴り飛ばされたのか。足を差し出していた男はバランスを崩し椅子から転げ落ちた。
「おっと済まない。この兜のせいで見えなかったようだ。許してくれ」
「手前ぇ・・・・舐めた真似しやがって!」
立ち上がった男は怒りのせいか若干顔が赤い。男の視線がアインズ、はくたくと移りナーベラルで止まる。
「てめえの無礼はその美人を一晩貸してくれたら許してやるよ」
(予想通りすぎて演劇でもやってるみたいな気分だな)
殺気を放ちながら進み出ようとするナーベラルに手を上げて牽制しながらはくたくは一歩前に出る。
「ここでは抑えろナーベ。・・・おい!お前」
「な、なんだ!?やろうってのか!」
アインズではなく、はくたくが出てきた事で男の手が剣に伸びる――が、はくたくが胸倉を掴む方が速かった。
「それは抜かないほうがいいぞ?怪我したくないならな」
はくたくはそのまま片手で男を持ちあげる。周囲がざわめき始めた。
「は、放しやがれこの化け物!」
「放してほしいか?なら放してやろう」
はくたくは逃れようと必死にもがく男を放してやった。正確には放り投げたのだが。男は一度天井にぶつかり間抜けな声を上げた後、テーブルの一つに叩きつけられた。男はうめき声を上げているから死んではいないが、起き上がる様子は無い。
「最初に喧嘩を売ってきたのはその男だ。他に文句のある奴はいるか?」
はくたくは回りを見渡すが、誰も抗議はしない。
「文句はないようだな。壊れた物の弁償は――」
「俺たちがやっておきます!」
間髪いれず投げ飛ばされた男と同じテーブルに座っていた男が答えた。奴の仲間だろう。
「じゃあ頼む。それでは行こうモモン」
改めて三人が階段に向かおうとすると
「おっきゃああああああ!」
という絶叫が背後で起こった。振り返ると赤毛の女が立ち上がって怒りの形相でアインズに迫ってくる。アインズの前まで来るとその女は抗議の声を上げた。
「あんたら待ちなさい!」
「私たちが何か?」
「何かじゃないわよ!あんたのシモベがあの男をぶん投げたせいで、私の、私の大切な治癒のポーションが割れちゃったじゃない!弁償しなさいよ!」
はくたくが投げた男のせいで彼女のポーションを割ってしまったらしい。
「たかがポーションだろ?」
はくたくがボソッと呟くとその女がギョロリとはくたくの方を向いた。
「何よ、あんたなんかに私のポーションの価値が分かるの?あれは私が毎日倹約を重ねに重ねてやっと買ったポーションなの!それを」
「それがあんたにとって大切なのはよく分かった。それなら弁償は喧嘩をふっかけてきたそいつらにするのが筋だろう」
「毎日飲んだくれてるあいつらに払える訳ないわよ!あんたの主人はそんな立派な格好してるんだから、治癒のポーションの一つや二つ、それか代金の金貨一枚と銀貨十枚位は持ってるでしょ!」
これは少し対応に困る。アインズもそう思ったのか<伝言>が飛んでくる。
『はくたくさん、ちょっと困ったことになりましたね』
『これ、突っぱねたらケチが見た目だけの貧乏人に見られますよね』
『ですが手持ちの治癒のポーションは赤いから怪しまれます』
この世界に出回っているポーションは青い。赤いポーションを渡すのは・・・いや、それを逆手に取ろう。はくたくは一つのアイデアを思いついた。
『・・・いや、渡しましょう。私に考えがあります』
『なんです?』
『時間をかけると怪しまれるのでとりあえず渡してください。部屋で話します』
アインズが
「治癒のポーションだ。これで問題は無いか?」
「・・・ええ。それならひとまず問題は無いわ」
女が手をポーションに伸ばすが、その手がポーションを掴む直前に手をヒョイとアインズが引っ込める。
「え?」
「ただし渡すには条件がある。さっきの発言を訂正しろ。私とハクとは友人だ。主人とシモベではない」
アインズは先程の女の発言が気に入らなかったのだ。女はポーションを取り上げられて一瞬ムスっとしたが、謝罪した。
「適当な事を行って済まなかったわ」
アインズははくたくを見る。はくたくは肩をすくめる。アインズは女にポーションを渡す。
「これでこの件は終わりだな」
アインズ達は宿屋の階段に足を掛けるが、登らず宿屋の主人の方に振り返る。
「忘れていた。冒険に最低限必要な道具を用意してくれ。組合でここで頼めば用意してくれると聞いている」
「夕飯までには用意が出来る。金を用意しとけよ」
「ああ。じゃあ行くぞ」
そして三人は宿屋の階段を上がっていった。
「どうしてあのポーションを渡したんです?」
部屋に入って早速アインズが聞いてくる。ベッドに腰掛けながらはくたくは答えた。
「この世界のポーションは青い。そうですね?」
「ええ。ですから怪しまれるんじゃないですか」
「そこまで計算済みですよ。あの場で彼女がポーションを受け取らなかったら、少し不味かったですけどね」
はくたくの聴覚には階下のあの赤毛の女と酒場の主人の会話が聞えている。あの女はブリダと言うらしい。
「下の会話を聞いてますが酒場の主人もブリダも…すみませんあの赤毛の女の事です。二人ともあのポーションの色については知らないみたいですね。なので酒場の主人の伝手でリィジー・バレアレという一流の薬師の所へ鑑定に持っていくみたいです」
そこまで言うとアインズもはくたくの目的を察した。
「・・・もしかしてあのポーションを専門家に見せるのが目的ですか?」
「そうです。エ・ランテルの外にシャドウデーモンと八肢の暗殺蟲を待機させてますよね?シャドウデーモンにあのブリダという赤毛の女を監視するように伝えてくれませんか?」
アインズが<伝言>を使ってシャドウデーモンに尾行の指示を出す。
「監視するように伝えました。我々が直接持っていくと問題があるかもしれないから彼女に持っていくように仕向けた、という事ですね」
「ええ。向こうの技術で作れない物を見せた時の反応が分かりませんから」
「薬師がポーションを見た後は?」
「薬師が興味を持ったなら向こうからこちらに接触してくるでしょう。危険なものと判断された場合は、隠密部隊に口封じとポーションの回収を頼もうかと思います」
「分かりました。それにしても・・・予想はしてましたが・・・」
アインズが周囲を見回して溜息をつく。部屋には小さな机とマットの代わりに藁が敷かれている宝箱付き寝台、それだけだ。ナザリックと比べたら犬小屋に等しい。
「まあ最底辺の宿ですからこんなもんでしょう。ランクも上がればきっといい宿に泊まれますよ」
「そうだと良いですけど。それにしても冒険者って現実になると夢の無さそうな職業ですね」
「まあそんなもんですよ。憧れの職業に実際になってみたら思ってたのと違う、アインズさんも経験しませんでした?」
「ああ・・・社会人になりたての頃はそんな感じでした」
はくたくはナーベラルがブリダに殺気を放ってなかった事に気付く。
「そういえばナーベラル、ブリダへの殺気をよく抑えたな」
「はくたく様が押さえろと指示されたので、あの場では抑えていました」
「そうか。これから冒険者として行動するからには似たような事はこれからもあるだろうから頼むぞ?」
「はっ」
(そういう感情を抱くなってのが理想だが、抑えられるならまあいいだろう)
はくたくはアインズに提案する。
「こうして宿も取れましたし、外に行きませんか?」
「そうしましょう。私とはくたくさんは街を見て回る。ナーベラルはここで待機しシャドウデーモンの報告を受けろ。あとアルベドに定時連絡をしておけ」
「了解しました」
二人は部屋を出て階段を下りると再び酒場の視線を集めながら街へと出て行った。