ポケットモンスターBW【主人公は転生者】   作:シューティングスター

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第10話 まずはそのふざけた『幻想』をぶち殺す

負けらんねぇ……!

秘密と、オレのポケモンたちの為にも絶対に負けらんねぇ……!!

 

 

ポケモンセンターの野外フィールドで、Nと対峙するオレ。

オレの目からは、闘志が湧き出ている。

 

 

 

「見せてやる、ボクのトモダチの力を!!

チョロネコ、行くんだ!!」

 

「フニャァァオ!!」

 

「こいつらとの未来の為にも勝つ!!

ミロカロス、いっけぇ!!」

 

「ミロォォォッ!」

 

 

 

相手は____、チョロネコ?

 

確かに原作通りではあるな。

でも、ポケスペじゃチョロネコがアホみたいに強かったからな。

 

絶対に油断はしちゃいけない。

 

 

 

「ボクたちの先行だ!

チョロネコ、つじぎり!!」

 

「フニャッ!!」

 

 

 

ヒュッ___、と、音がなる。

気が付けばチョロネコはオレが見ていたところには居なくて、すでにミロカロスを斬りつけた後だった。

 

 

「ミ、ミギィィ……!?」

 

 

な、なんだよ、今の!?

油断してたわけじゃないけど、明らかにチョロネコなんかのスピードじゃないぞ!?

 

それにチョロネコの攻撃にしては、一撃が重過ぎる!

つじぎりだからきゅうしょにあたったのか!?

 

 

 

「ぐっ!れいとうビームで反撃だ!!」

 

「ミィィィィ!!」

 

「右に跳ぶんだ!

それからみだれひっかき!!」

 

「ニャッ、フニャウッ!!」

 

 

Nの指示通り、軽快にステップして躱すチョロネコ。

また目にも留まらぬスピードで接近して来た。

 

そのあり得ないスピードに、ミロカロスも動揺を隠せていなかった。

 

まずは落ち着かせないと!

 

 

「落ち着け、ミロカロス!

こごえるかぜで反撃だ!」

 

「!! ミフゥゥゥゥ!」

 

 

オレの指示で若干の正気を取り戻したミロカロスは、広範囲に凍てつくような冷たい風を吹く。

 

これが当たれば、相手のすばやさを一段階下げられる。

あのあり得ないスピードも少しは落とせるんだけど…。

 

 

「あなをほるだ!!」

 

「ニャッ!」

 

 

自慢の鋭い爪で、ガリガリと穴を掘るチョロネコ。

その作った穴に飛び込んで、こごえるかぜを見事に躱した。

 

 

 

 

 

 

 

 

え?【あなをほる】だと?

 

 

 

 

 

 

 

「ミッ!ミロォ……!」

 

 

姿が消えたチョロネコを、キョロキョロと探すミロカロス。

 

こっからどうやって組み立てよっかな……!

 

 

「地面にむかってハイドロポンプッ!!

その勢いで飛べェ!!」

 

「!! ミロォォォォッ!!」

 

 

指示の通り、ロケットのように発車したミロカロス。

これならあなをほるは当たらない!

 

更にこっからッ!!

 

 

 

「ニャァァッ!! ………ニャ?」

 

 

勢いよく穴から飛び出してきたチョロネコだったが、空中に居たミロカロスに当たるハズもなく、攻撃は空を切るだけだった。

 

 

 

「チョロネコ、上だ!!」

 

「フニャ!?」

 

「ミロカロス!

落下しながらアクアテールぅ!!」

 

「ミィロォォォォ!!」

 

 

オレの前世の世界なら、ミロカロスにアクアテールを覚えさせる奴なんてほぼ居ないだろうな。

 

でも、この世界はゲームとは全然違う。

 

だから物理技の一つや二つくらいあった方が便利なんだよな。

 

 

っと、無駄話はここまで。

 

 

反応が遅れたチョロネコに上空からのアクアテールを回避する手段はないハズだった。

 

 

 

「さっき掘った穴に飛び込め!

そのままこっちまで戻ってくるんだ!」

 

「!! ニャッ!!」

 

 

モグラのように自分が掘った穴に再び飛び込んだチョロネコ。

その穴を伝ってNのそばまで移動した。

 

回避は出来ないと思われたアクアテールは、あっけなく外れた___

っておもっただろ?

でも、転んでもタダじゃ起きてやらねぇよ!!

 

 

 

「そのまま地面をブッ叩けッ!!

じならし!!」

 

「___ミィッ!!」

 

 

バゴォォォン!

と、轟音が鳴り響く。

 

落下を加えたアクアテールが地面を砕き、その轟音に負けず劣らずの衝撃が、チョロネコに向かって地面を走る!

 

これを躱す為には___、跳ぶしかない!!

 

 

 

「っくぅ!

ジャンプして避けろ、チョロネコ!!」

 

「ニ、ニャンッ!」

 

 

よし!!

予想通りッ!!

 

 

「もらったァ!!今度こそ当てるぞ、ハイドロポンプッ!!」

 

「ミロォォォォッ!!」

 

 

いくらスピードが有るポケモンだって、ひこうタイプでもない限り自由に空中は動き回れない!

 

これなら当たるか、相殺するしか手段はない!!

 

もっとも、チョロネコの能力とわざでミロカロスの一致ハイドロポンプを相殺なんて出来るわけがないけどな。

 

 

 

「ーーーっ、読まれたか!

あくのはどうをぶつけろ!!」

 

「ニャォォォォン!!」

 

 

え?

 

【あくのはどう】?

 

BW2なら教えわざ化されてる可能性もあるけど、このBW時代では覚えられる手段はない!!

 

思い返せば、さっきのあなをほるにも違和感を感じた。

 

ひょっとしたら一番最初のつじぎりも、“きゅうしょにあたった”わけじゃないかもしれない。

 

あの攻撃力と素早さが素の能力なのかもしれない。

 

オレたちの戦ってる相手はーーーーーか?

 

 

 

 

ッドォォォン!!

 

 

ハイドロポンプとあくのはどうがぶつかり合って相殺された。

 

 

威力、能力ともに優っていたミロカロスのわざが相殺。

 

間違いねぇな。

こいつはーーーーーだ。

 

だとしたら普通には勝てない。

 

だったらNの方を揺さぶってみるか___!

 

 

 

 

 

「おい、Nッ!!」

 

「なんだい?

敵と話すつもりなんてないんだが?」

 

「どうしてそこまでトレーナーとしての実力がありながらポケモン解放に拘るんだ!?」

 

「そんなもの、決まっている!

ポケモンには無限の可能性がある!

その可能性をトレーナーや、人間が潰しているんだ!

だからボクはポケモンと人間を引き離す!」

 

「違う!

むしろ、人間とポケモンが合わさることで新しい可能性が生まれるハズだ!

なんでそれが分からない!?」

 

「ならキミはあの男のようなトレーナーの元にいて、ポケモンたちが新たな可能性が生まれると思えるのか!?」

 

「確かにあいつは間違ってた!

でも、すべての人間があの男のようにポケモンと触れ合ってるわけじゃない!

本当にポケモンと離れたくないと思ってるトレーナーから、ポケモンを引き離すことは正しいのか!?」

 

「そうだ!

今はまだ正しいと言い切ることは難しいかもしれない!

だが、二匹のドラゴンポケモンに『理想』と『真実』を認めてもらって英雄になり、チャンピオンになりさえすれば、ボクのしようとしてることは正しくなる!」

 

「それならポケモンの意志はどうなるんだ!?」

 

「ポケモンの意志だと?」

 

「トレーナーと離れたくない、って思ってるポケモンでさえもお前は解放するのか!?

そんなことをしてポケモンが喜ぶ世界を作れると思ってるのか!?」

 

「そんなポケモンが居るわけない!

ボクはそんなポケモンは今まで見たことない!」

 

「そうかい!

ならオレのミロカロスは何て言ってる!?

オレもお前と一緒でこいつの意思は理解できる!

こいつが仲間になってから日は浅いけど、少なくともオレの元から離れたいなんてことは聞きたことねぇぞ!!」

 

「そんなハズは………。

いや、こんなのじゃダメだ。

その程度の誤算で決意を緩めるわけにはいかない!

二匹のドラゴンポケモンに認められるには、はっきりとした『理想』と、『真実』が、必要なんだ!!

だから、考えを変えるなんてことはしてはいけない!!」

 

「ならお前の言う『理想』と『真実』はなんだ!?」

 

「“ポケモンの解放”こそが『理想』!

“解放がポケモンの為になること”が『真実』!

この考えは絶対だ!」

 

「“解放”が『理想』!?

“それがポケモンの為になること”が『真実』!?

笑わせんじゃねぇッ!!

お前の考えなんてもんは『理想』でも『真実』でもねぇ!!

 

 

ーーーただの『幻想』だッ!!!

 

てめぇがポケモンを解放するってんなら!!

まずはそのふざけた『幻想』をぶち殺すッッ!!!」

 

「ボクの考えが『幻想』だと!?

ふざけるなっ!!

さっきあったばかりのキミに何が分かるっ!?

チョロネコ!!

ナイトバーストォォォォォッ!!!」

 

「きゅーーーーんっ!!」

 

 

 

 

 

来た!!

恐らく奴が持つ最強の特殊わざ、ナイトバースト!!

これを利用しなきゃ勝機はねぇ!!

 

 

 

「ミロカロス!

ミラーコートだァァァッ!!」

 

「ミィィィ、ロォォッ!!」

 

 

ミロカロスの目の前に薄い幕のようなものが出現する。

だが、夜を連想させる程の黒い衝撃波は、あっさりとミラーコートをブチ破った。

 

 

「ミグゥゥ……ッ!」

 

 

全身にナイトバーストを浴びて、苦しそうにするミロカロス。

 

ふんばれ……ッ!踏ん張ってくれ!!

 

 

「ムダだ!

ナイトバーストの直撃を浴びて、立って居られるハズがない!!

ボクたちの勝ちだ!!」

 

 

何をゴチャゴチャ抜かしてやがる!

勝手に勝った気でいてんじゃねぇよ!!

 

 

「今だ!!

貰ったもん全部倍にして返してやれェェェェッ!!!」

 

「ミィィィィィイイイ!!!」

 

 

壊れたハズのミラーコートが再生したて、さっきのナイトバーストよりも、更に倍のナイトバーストがチョロネコに___、いや、チョロネコの姿をした幻影に向けて発射された。

 

 

 

 

 

そして爆煙が巻き起こる____!

 

 

 

 

 

 

 

 

反射されたナイトバーストによって起こった爆煙が晴れて来た。

 

Nのポケモン、チョロネコではなくゾロアークが、目を回して倒れていた。

 

一方、オレのミロカロスも、ミラーコートによってすべての力を使い果たしたようで倒れていた。

 

 

って、こんな分かり切ったこと確認してる場合じゃねぇよ!

 

 

「ミロカロス!」

 

「ゾロアーク!」

 

 

 

オレもNも、お互いのポケモンの元に駆け寄った。

 

ミロカロスは___、

どうやら瀕死だけで済んだみたいだな。

 

 

「ミロカロス、大丈夫か?

ごめんな、オレにもっとトレーナーとしての実力があれば、あんな指示を出さずに済んだのに………。」

 

【きになさらないで下さい。

むしろ、あの指示はあの状況下でならば最善だったと思います。

自分を責めるのはおやめ下さい。】

 

「そうか、本当にごめんな……。

よく頑張ってくれたな!

ボールに入って休んでてくれ。」

 

 

ミロカロスに一声かけてから、ボールの中に戻した。

 

さて、Nの方はどうかな……?

 

 

 

「ありがとう、ボクのトモダチ。

ゆっくり休んでくれ。」

 

 

Nの方も、ゾロアークに一声労いの言葉をかけてやってから、ボールに戻した。

 

やっぱりあの男とは違うな。

 

こーゆーところはサトシとか、そーゆータイプのトレーナーにそっくりなのに……。

 

とか考えてると、Nから歩み寄って来た。

 

 

「……いつからチョロネコがゾロアークだったことに気がついていたんだい?」

 

「あなをほるの時点で変だとは思ってた。

チョロネコはあなをほるを覚えなかったような気がしてたからな。

それに、パワーもスピードもとてもチョロネコのものとは思えなかった。

けど、あくのはどうを使ってきた時点でゾロアークだって確信したよ。

チョロネコにあくのはどうを覚えさせる手段が、現時点では発見されてないハズだからな。」

 

「キミはそこまで頭を使ってバトルをしていたのか……。

まさか途中でボクに話しかけてきたのは……?」

 

「多分お前の考えてる通りだと思うぜ。

ゾロアークだったらナイトバーストは持ってると思ったからな。

お前を挑発して誘発しようと思った。」

 

「じゃあ、あの言葉は全部挑発の為のものだったのか!?」

 

「まっさかァ!

本気も本気、超本気だったぜ!

全部、オレの本心だった。」

 

「そうか………。

今回は引き分けだ。

キミのことは一切詮索しないでおく。

それにしても、キミ程の人間からも、ポケモンを解放しなければならなくなるのが悲しいね。」

 

「ハッ!

冗談言ってんじゃねぇよ!

それを止める為なら何度だってお前とバトルして、そんでもって勝ってやる!」

 

「フッ____!

そうかい、なら、止めてごらん。

 

 

そういうと、Nは立ち去って行った。

 

 

 

これがオレたちとプラズマ団の因縁の始まりだった。

 

 

 

 

 

 




なんだかんだで一番そげぶを書きたかった。
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