ポケットモンスターBW【主人公は転生者】 作:シューティングスター
申し訳ないです。
「いやー、それにしても薄暗いっスね!?
欠陥住宅かなんかじゃないんスか?」
爆風と土煙が晴れ、そこを歩くユウキたち3人。
一歩ずつ、ローブの男に近づいてゆく。
「き、貴様!
入口のエレキネットは!?
まさか……!?」
「あ、そうそう。
ここ、いかにも古そうだったし、邪魔な蜘蛛の巣みたいなのが有ったからブッ飛ばしときましたよぅ?」
「「「どぇえ!?」」」
団員たちもこれには驚いた。
つまりさっきの爆発はエレキネットを破ろうとしたす時に、勢い余ってできた爆発だったからだ。
「チェレンッ!?無事なのッ!?」
「あ、あぁ、なんとか無事だよ!」
トウコはまずチェレンの身が無事かどうかを確認した。
「てゆーか真面目に心配してくれたのはトウコだけじゃ___?」
『ないか。』と、言うつもりだったが、言うのをやめた。
「「…………!!」」
入ってくるなり軽い口調だったユウキとベルの表情が、明らかに軽い口調と合ってなかったからだ。
2人は誰がどう見てもキレていると言われる顔をしていた。
軽い口調は、自分たちの怒りの感情を押し殺す為の手段だったのだ。
最も、これはユウキが事前に一人でキレて勝手に突っ走るなと指示してあったからである。
まぁ、トウコはすでにギリギリのようだが……。
「やってくれますね、皆さん。
何の為のエレキネットか全く分からなかったじゃないですか。」
「っさいわよ!!
よくもまァポケモン盗んでチェレンまで傷つけようとしてくれたわね!?
一発殴らせろこのゴミ野郎ッ!!」
「今キレんなバカトウコ。
入る前に言ったことを忘れたのか。」
「っ!!
普段一番あんたがキレてそうなとこなのに、よく我慢できるわね!?」
「____ いいから黙れ。」
喚くトウコを、半ば無理矢理黙らせる。
ガキじゃねんだから言うこと聞けよなァ。
「わり、言い過ぎた。
でも、お前の気持ちは痛い程分かるから。
別にその怒りをずっと押し込めろって言ってる訳じゃねぇだろ?
あいつをブン殴んのはきっちりやることやって、安全を確保してからだ。
そん時オレも一緒に殴ってやる。」
「…………。」
落ち着きを取り戻したのか、静かにオレの話を聞くトウコ。
これでちったァ話やすくなったか?
「そりゃオレだってキレてねぇってわけじゃねぇよ?
でもな、この状況は周りも見ないで1人で突っ走ってどーにかなる状況じゃねぇ。
ま、キレ無い理由はそれだけじゃねぇけど _____ 。」
「…………うん。
ゴメンね、勝手に一人でキレて……」
オレに諭され、少々の落ち着きを取り戻したトウコ。
これで一人で突っ走りそうな人物は居なくなった。
「トウコ、ベル!
お前らはしたっぱ共の相手をしてくれ!」
「えっ!?
あたしとベルだけで!?」
「あんなにもいるんだよぅ!?」
突然の無茶振りに焦る2人。
そりゃ相手はまだ10人近くいるからだよな。
「だいじょーぶだって!
あのしたっぱ共のポケモンは全部育て屋から奪ってきたもんだ。
ロクに連携も取れねぇような奴らにゃ絶対負けねぇよ、お前らなら!
でもま、ゴンベもそっちに送るからみんなで頑張ってくれ!」
不安になる女子2人を、優しくフォローしてやる。
それに、ゴンベも一緒に戦うというので、かなり心強くなったらしい。
「ゴンベ、思いっきり暴れてこい!
手加減はいらねぇぞ!!」
「ッゴォォォンッ!!」
「よし、あたしたちも行くわよ、ベル!!」
「う、うん!!いくよーっ!!」
「貴方たち、あの小娘2人を痛めつけて逃がさないようにしなさい。」
「「「ハッ!!」」」
そして舞台は移り変わった。
「不思議な人物ですねぇ、貴方は?」
「は?どーゆー意味だ?」
洞窟の半分は、したっぱ共とトウコ達が戦っている。
オレとリーダーらしき七賢人は、もう半分のスペースで孤立していた。
そして、謎の質問。
「とても貴方の体の年齢と精神年齢が合っていないような気がしまして……」
「あー……よく言われるわ。」
そりゃあ転生した時のまま。
つまり精神年齢は高校生のまま変わってねぇからな。
流石に10歳のガキなら仲間傷つけられたら、あの場面でブチギレてもおかしくねぇしな。
「そんな貴方のことだ。
一筋縄ではいかないのでしょう…!」
____ 来る!
「サンダース、ミロカロス!」
「ぎゃーーう!!」
「ミィィィッ!!」
「ギガイアス、サンダースにストーンエッジ!
デンチュラはミロカロスに10まんボルト!!」
「ギガィ……!」
「ヂュラァァ!!」
それぞれ狙いを絞った攻撃が飛んでくる。
ここはどうするか……!?
「サンダース、でんこうせっかでミロカロスの前へ!!」
「ぎゃうっ____!」
まずはストーンエッジを高速で動いて躱す。
このあとは……!
「いけっ、突っ込めサンダース!」
「ぎゃう!!」
「なんですと!?
10まんボルトを!?」
そう。
サンダースの特性は『ちくでん』。
でんきわざを受けるたびに回復する。
つまりでんきわざでのダメージは通らない!!
「そこからワイルドボルトォッ!!」
「ぎゃおーーーん!!」
10まんボルトを吸収しながら更に突っ込む!
「ッチィ!
ギガイアス!デンチュラの前に立ちなさい!!」
「ッガイ……!」
デンチュラに狙いを絞ったワイルドボルトを、防御の高いギガイアスで受けようとする。
なるほど、そう来たか!
「跳べ、サンダース!」
「ぎゃう!!」
ギガイアスを目の前にして、ぴょいと跳び越えたサンダース。
更にここへ一撃ッ!!
「ブチ込めミロカロス!
ハイドロポンプ!!」
「ミィィィ、ロォォォォッ!!」
「ギッカイッ!?」
サンダースはギガイアスに当たる直前でジャンプ。
その下を通って効果抜群のハイドロポンプが、ギガイアスに直撃した。
「サンダース、デンチュラに10まんボルト!」
「ぎゃぁぁぁ、おーーーんっ!!」
「ぢゅっ!!?」
今度は、デンチュラに攻撃する。
サンダースの持ってる技で、有効打はなかったけど、悪くはないダメージを与えたみたいだ。
「お、おのれぇ、たかが子ども一人にここまで……!」
おーおー、相手は悔しそうな顔をしてるねェ。
でもな、チェレンをボコろうとした罪は、こんなもんじゃすまさねぇぞ!!
「サンダースはミサイルばり、ミロカロスはれいとう____ 」
「もう手段は選ばんぞガキがァアアア!!!
ギガイアス、洞窟の入り口をストーンエッジで壊せ!!
デンチュラ、洞窟のランプすべてにシグナルビーム!!」
「ーーーッ!?なんだと!?」
「ギッ、ガァァァ!!」
「デンヂュラァァァ!!」
ギガイアスの放った鋭い岩が、洞窟の入り口を破壊し、デンチュラから出た七色のビームは、オレたちが戦っているサイドのすべてのランプを破壊した。
そのせいで相手の姿が全く見えねぇ……!
「汚ねぇぞてめぇ!!
正々堂々バトルしやがれ!!」
「正々堂々ォ!?
聞いたこともない言葉ですなァ!!」
____ のやろォォ……!!
化けの皮が剥がれてきやがったな!
でも、向こうからも見えてないなら攻撃のしようがないハズ……!
「ギガイアス!
2体に分散させてロックブラスト!!」
「ッガイ!ガイ!ガイ!ガイ!」
「ミロォッ!?」
「ぎゃいんっ!?」
そんなことを考えてたら、それぞれから打撃音と悲鳴が聞こえてきた。
「あ、当ててきたッ!?」
「どうしたァ!?
先ほどまでの威勢はどこへ行ったんだァア!?」
っくそ、このままじゃ不利だ!
サンダースにフラッシュは覚えさせてねぇし、ランプも完全にぶっ壊れてるからもっかい電気を灯す事も不可能だ。
それなら……!
「二人とも、明かりのある場所まで移動するぞ!」
「ミッ!」
「ぎゃう!」
相手に聞こえない程度のちっさい声で、二匹に指示を出す。
とりあえずは相手が見えないと話にならん!
オレたちは明かりのある場所まで目掛けて走り出したが____。
「チュラ、デンチュッ!!」
「やはり動き出しましたか。
奴らの進路方向にステルスロック!」
「ギィガァァァッ!!」
「!?」
なんだ!?
急に浮かんだ岩が出てきた!?
これってステロか!?
しかもこれが邪魔で明かりのある場所まで動けねぇ……!
つか、それ以前になんでオレたちが動いたのが分かったんだ!?
「いわなだれ!これで決めなさい!!」
突如、大量の岩がサンダースたちの上から降ってきた。
「サンダース、まもる!
ミロカロスは~~~っと、アクアリング!!」
サンダースには防御系の技があるからいいけど、ミロカロスにはそんな技がない。
少々迷ったけど、アクアリングで体力を回復させる事にした。
けど、このままじゃジリ貧でしかねぇ!
バトルの指示をしながら相手の策を見破るなんて、今のオレじゃとてもできない。
誰かもう1人助けが欲しい!
トウコとベルは手が離せないし、あとは………いた!!
「っ、チェレン!聞こえてるか!?」
「聞こえてるよ、ユウキ!」
「ちょっと力を貸してくれ!
お前もみりゃわかるけど、明かりが無くなってからあいつのデンチュラとギガイアスに一方的に攻められんだ!
こっちは見えないから攻撃出来ねぇし
、なんとかしてこの場を切り抜けたい!!」
「わかった、少し考えさせてくれ!」
「頼む!それまでの時間は絶対稼ぐから任せな!」
頼むぜ、チェレン!
お前だけが頼りなんだよ、今は…!
助けに来て助けられるなんてカッコつかねぇけど、この際プライドなんざ捨ててやらァ!
「おまえら!
もう少しだけ堪えてくれ!
チェレンなら絶対になんとかしてくれる!!」
「ぎゃう……!」
「ミィ…!」
◇
頼られたんだ、ボクは。
今、力の無いボクが頼られたんだ。
なら、全力で応えなくちゃならないッ!!
まずは、与えられた情報を整理してみる。
フィールドは完全な暗闇。
相手の姿は目視では確認できない。
それなのに、奴らのギガイアスは正確に攻撃を当ててくる。
これはなぜなんだ……!?
くそっ、分からない……!
「何かヒントになりそうなものは……!?」
暗闇にも徐々に目が慣れてきたので、バトルの被害を受けないところを歩き回る。
すると、ガシャッ!
____ と、何かがポケットから落っこちた。
「何か落としちゃったな。」
あー、もう!
時間が無い時に限って余計な手間ばかり掛かってメンドーなんだから!!
けど、その落し物を拾ってからボクの身体と思考が固まった。
「そうだ、図鑑を使って調べれば……!!」
なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだ!
と、後悔しながらも図鑑を起動させる。
ウィ〜〜……パチパチッ、ヴヴヴッ!
遅い。
図鑑の起動が遅すぎる!
前はもっとスムーズだったのに……!?
落とした時に故障でもしたのか!?
いや、でもアララギ博士は図鑑は頑丈だから電気でも浴びせない限り正常に動くって言ってたし……?
しかも変な音まで混じってたぞ?
「いわなだれが来るぞ!
上にむかって10まんボルトとハイドロポンプ!!」
「おーーーんっ!!」
「ロォォォォッ!!」
ユウキの声が聞こえてくる。
確実に防戦一方って感じだ。
早くなんとかしないと!
フォン!!
あ!
電源が入った!!
「まずはギガイアスのデータを……!」
タッチパネルを操作して、ギガイアスのページを探した。
『 たいないの コアで エネルギーを あっしゅくして うちだす こうげきは やまを ふきとばす いりょく。 オレンジいろの けっしょうで たいようこうせんを きゅうしゅうして くちから エネルギーを うちだす。』
あんまりこの状況に関係したことは書いてなさそうだな。
「ついでだ、デンチュラのことも調べたら何か分かるかもしれない。」
やっぱりギガイアスだけで相手の位置を把握できてるわけじゃないってことなのか?
分からないことだらけだ。
パチパチッ………
突如、聞き慣れない音が手からなった。
無論、ボクの手から火花が散った訳では無い。
え?
なんか図鑑からヤバい感じが……!?
ッバチィンッ!!
「うわぁ!??」
図鑑からどでかい火花が散った。
その衝撃で、ボクは図鑑を地面に再び落っことした。
ホントに今日は踏んだり蹴ったりじゃないか。
図鑑の液晶は光ってるからまだ壊れてなさそうだけど……?
あれ?図鑑の画面が……?
◇
「ミィ、ミィ、ミィ……」
「ぎゃぅ、ぎゃぅ……」
「ちくしょうッ……!」
ダメだ、もうHPも僅かだし、PPの残りがもう尽きる……!!
相手の技の相殺に使い過ぎたかッ……!!
もうあと1回10まんとドロポンを使えるのがやっとだ!
それぞれ一発だけじゃあいつらは仕留められねぇ……。
ここまでか _____ !?
「ちょこまかとしぶとく逃げ回ったようだが、ここまでかァ!?
そろそろトドメをさしてやろうじゃないか!!」
ヤバいッ、来る!!
「っ!!
二人とも相殺の準備を ____ 」
「ユウキッ!!分かったぞッッ!!!」
「あぁ?」
来たか!
これで今まで耐えた甲斐があったぜ!!
「その言葉を待ってたぜ、チェレンッ!!」
正直次の話もどれくらいになるか分からないです……