ポケットモンスターBW【主人公は転生者】 作:シューティングスター
しばらくは書き溜めがあるので、一日一話ペースで投稿しようと思ってます。
「よっ、こいしょっ、と!」
超速達マルマイン便で届いたプレゼントボックスを、
オレの部屋の机に置いた。
さ、後はみんなが来るのを待つだけだな。
「おっじゃまっしまーっす!!」
早速一人来たようだな。
女であろう高い声。そして元気な発音。
この声の正体はーーー
「やっほー!お邪魔してるよー!」
「おー、邪魔すんなら帰れー、トウコー。」
「あ、ゴメンねー!
………って違うッ!
なんであんたの部屋に来てたった3秒で
帰んなきゃなんないの!?」
「オレが言ったから。」
「理不尽ッ!ジャイアン並みの理不尽ッ!」
ーーーオレのボケには的確にツッコんでくれる、
幼馴染その1のトウコだ。
BWのストーリー上なら、
チェレン・ベル・主人公(男or女)の3人の筈なんだが、
オレが完璧なイレギュラーな存在だから、
旅立ちは4人って事になっちまった。
人数とボールの数が違うかもしれんが、
その辺は博士がなんとか合わせてくれてんだろ。
「つーかお前が最初って珍しいな。
ベルは遅刻確定として、チェレンはどうした?」
「ああ、チェレンならもうすぐーーー」
「おばさん、お邪魔します。」
「ーーー来たみたいよ。」
「だな。」
玄関のドアが開いて、オレの母ちゃんに一声かけたみたいだ。
そろそろ上がってくるだろうな。
「お邪魔するよ、ユウキ。」
「おー、邪魔すんなら帰れー、チェレーン。」
「…………………。」
あれ?
トウコと全く同じ絡みなのに……
チェレンからすっげー冷たい視線が……
「どうしてキミはポケモンに関しては天才的な知識を持ってるのに、日常的にはこんなにバカなことしか言えないんだい?」
「うぐっ!」
「人間完璧はいないと言うけど、
やっぱりポケモンの知識が有るとコミュニケーション能力が欠けちゃうのかい?」
「はぅっ!!」
「キミには感心させられるのか、失望させられるのか……。」
「しくしく……ぐすん。」
チェレンの毒舌に耐えきれずに号泣したオレ。
そのままトウコに慰めてもらうつもりで寄って行く。
「チェレン……。
イジるのはその位にしてあげて?
じゃないとイジりからイジメに発展するよ?」
うう…トウコ優しい……。
トウコさんマジ天使!!
「イジり?何を言ってるんだい?
ただ思ったことを言っただけだよ?」
「………………。」
「………………。」
こんな風にオレのボケが一切通じず、
ツッコミを超えた毒舌で、オレの心という名のきゅうしょを、まるで初代のきりさくのように、
ズバズバと切り捨てていく。
それがオレの幼馴染その2のチェレンだ。
昔はもっと良い子だったのに……
お母さんそんな風に育てた覚えはありません!
「おや……?
やっぱりベルはまだ来てないのかい?」
「ええ、まだよ。
あの子のマイペースは相変わらずね。」
「てかさ、もう先にポケモン選ばねぇ?
どうせベルのことだからまた一時間後とかにーーー」
「そんなに待たせないよぅ!!」
「「「!?」」」
あれ?聞き覚えのある声が……?
「はぁ、はぁ、お、お邪魔しまーす。
あと、待たせてゴメンね?」
声のした方に振り返ると、
息を切らしたベルが、階段の前に立っていた。
「おー、邪魔すんならーーー」
「もう、ひどいよぅ!チェレン、トウコ!
こんな日位はわたしだって早く来るよぅ!」
ベルの スルースキルLv100 はつどう。
「「でも結局遅刻したじゃん。」」
「いや、だからさ、邪魔すんならーーー」
「うっ……二人ともひどいよぅ!
これでもわたしからしたら進歩だよ?」
ベルの スルースキルLv100 はつどう。
ユウキの こころに ふかいきずを あたえた!
「ベル………。
そろそろユウキにもかまってあげて?
じゃないと、そいつ悲しみで死んじゃうから。」
「ふぇ………?
あ、ユウキ居たの?」
「オレの家ですけどッ!?
むしろ居て当然なんですけどッ!?」
こんな風に、オレがボケるつもりだったのに
あいつがマイペース過ぎて、いつのまにかオレがツッコミに回るという珍事件が、毎回勃発する。
それがオレの幼馴染その3のベルだ。
◆◆◆
「よし、これで揃ったな!」
「ああ。」
「ええ!」
「うん!」
全員が部屋に揃って、一段落がついた。
それを確認し終わり、
遂にプレゼントボックスに手を伸ばす!
そしてオレはリボンをほどき、蓋へと手をかけたーー!
「さぁ………!
新しいポケモンとのご対面だァァァァッ!!」
パカッ!!
「「「「3つしかない……だと……!?」」」」
そう。
プレゼントボックスの中には、
3つしかモンスターボールが入ってなかった。
これには、
ツッコミ役のトウコも、
ボケもツッコミもしないチェレンも、
超マイペースなベルも、
みんなオレと同じネタに走るしかなかった。
ここに集まったトレーナー志望は4人。
なのにモンスターボールの数は3個。
おかしい。どう考えてもおかしい。
これは明らかに博士の不備だ。
「ちょっと研究所行ってポケモン奪ってくる。」
「落ち着いて、ユウキ!
それじゃ強盗やロケット団となんら変わりないわよ!?」
「じゃあサンダースのミサイルばりで博士を壁に貼り付けてから、
ポケモンをもう一匹ください。
って交渉してくるわ。」
「それ“交渉”という名の“恐喝”ッ!!
お願いだからもっと冷静になって!!」
「トウコのいう通りだよ。
そこまで怒ることじゃないだろう?
幸いみんな一匹はポケモンを持ってるんだから。」
「だって誰か1人が1匹少ないっていう不公平な条件になっちまうじゃねぇか!!
そんなん認めらんねぇよ!!」
「わ~い!新しいポケモンだ~!
どれにしようかな〜?」
ベルだけ唯一状況を分かってない。
マイペース過ぎるぞ。ヤドンか、お前は。
さっきチェレンが言ってたが、
トウコはヤナップ。
チェレンはバオップ。
ベルはヒヤップをもうすでに手持ちに加えてる。
オレが知らない間にサンヨウシティまで遊びに行って、
そこで仲良くなった子からもらったみたいだ。
もちろんポケモンを持った親がサンヨウシティまで
同伴してだぞ?
「あー!
なんか箱みたいなのと紙が入ってるよー!」
「えっ!?」
ベルの一言で、全員の視線がプレゼントボックスに寄せられる。
その中にはまごうことなきポケモン図鑑。
そして博士からの手紙が入ってた。
『ハーイ!ヤングボーイにヤングガール!
ポケモンの数なんだけどどうしても合わせられなくて
数が足りなくなっちゃった!(てへぺろ☆
悪いけど、みんなで相談してね?(てへぺろ☆
ポケモン図鑑はちゃんと4つ有るからね?(ドヤァ?
ポケモン図鑑はこれからみんながトレーナーになる証よ?(キリッ!
だから絶対に無くさないようにね?(キリッ!
それじゃあ、みんなの旅が良い旅になるように
祈ってるわ(ばいばーい☆』
「…………………(ト」
「…………………(チ」
「…………………(ベ」
「………………効果音多いわァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「ツッコむとこそこッ!?」
「違うだろ、ユウキ。もっと謝りに気持ちを込めてないことを指摘するべきだろう。」
「だってこれはねぇよ!いくらなんでも!
よし、ちょっと博士にサンダースの10まんボルト撃ち込んでくるわ!!
どっかのチャンピオンだって人にはかいこうせんブチ込んでんだから問題はないだろ!?」
【え!?ぼくそんなことするの!?】
横に居たサンダースはそう言ってるような表情に見えた。
なんでか分からねーけどさ、
ポケモンでも目ェみたら相手の意思的なもんを分かるんだよ、オレ。
多分転生した時にちょっとした特殊能力みたいなのが備わったみたいだ。
「ねぇねぇ、そろそろ誰がどのポケモンを選ぶが決めなーい?」
「「「!!」」」
たまにあるんだよなァ、ベルが話の核心をつく事が。
「誰って……言われても……ねぇ?」
トウコはチェレンとベルに視線を移した。
「こればっかりは……な…。」
チェレンも同じようにベルとトウコを覗く。
「誰が一匹が少ないんだもんねぇ…。」
いつもポワポワしてるベルも、事の重大さを読み取って、トウコとチェレンと目を合わせた。
どうする………?
誰か1人がプレゼントされたポケモンを諦めなきゃならない。
確かにみんなポケモンを一匹は持ってる。
けど、この中で進化したポケモンはオレのサンダースだけだ。
イッシュでの希少価値も高い。
それにオレには前世の知識が有る。
だったらーーー
ーーー決めた!!
誰か1人が悲しまなきゃならないんだったら、
オレが進んでーーー
「あたしさ、諦めるよ。」
「ーーーッ!?トウコ!?」
「おや、奇遇だね。
ボクも、同じ事を考えてた所さ。」
「チェレンッ!?」
「えー!?ダメだよぅ!!
わたしが諦めるんだよぅ!!
わたしなら一匹でも大丈夫だもん!!」
「ベルまで………っ!」
何言ってんだよッ………!
お前が一番危なっかしいくせに………!!
「何言ってんだ!オレが諦めるんだよ!!」
「「「あ、どうぞ」」」
「ぅおおおおおおおおおおおおおおい!!!
なんでダチョウなんだよォォォォォォォォォォォォォォ!!!?」
◆◆◆
おかしいとは思ってたよ。
あいつら、オレとは目ぇ合わせようとしてなかったもん。
でもまさか、マイペースなベルや漫才嫌いのチェレンまでもが乗ってくるとは思わなかったけどな。
「じゃああたしはポカブね!」
「うん!それじゃあ、わたしはツタージャね!
チェレンはミジュマルだよ!」
「ベル、なんでキミが決めるんだい?
ま、ミジュマルが良かったんだけど。」
ちょうどみんな選び終わったところだな。
……なんか仲間外れにされた気分。
自分で諦めるって言ったのにーーーな。
「あれぇ?ねぇねぇユウキ!
手紙の裏に続きがあったよ!」
「続きィ?」
ベルから手渡された手紙を、
裏返しにしてみた。
その手紙にはたったの2行しか、書かれていなかった。
『ユウキ君だけ
研究所まで来てね。』
………オレだけ?
なんでオレだけなんだ?
特別これといってあの人に用事はなかったような気がするんだが。
「それじゃあ、博士のところまでお礼を言いに行こう。」
「あ、それならオレだけで言ってくるわ。
ちょうど研究所まで行かなきゃならなくなったし。」
「え?でもボクたちだって………」
「気にすんなって!
お前だって旅を楽しみにしてたじゃねぇか!
だったら先に出発しろよ!」
チェレンは礼儀が正しすぎるからな。
それに融通が聞かない。
だからこーゆーときはちょっと強引な位がちょうどいいんだよ。
「ね、チェレン?
ユウキだってここまで言ってるんだからさ、甘えたっていいんじゃない?」
「………わかったよ。
後は任せていいかい?」
「おう!また旅で会おうぜ!」
トウコに後押しされて、ようやく折れたチェレン。
まったく!
真面目ってのは長所でも短所でもあるな。
みんなも出て行ったし、オレも研究所に行くとするか!
欠点でもよかったところでも、感想をお待ちしてます。