ポケットモンスターBW【主人公は転生者】 作:シューティングスター
「ゔーん……。」
朝。
それは人々にとっては清々しいものだろう。
だが、オレの朝は違った。
「ゴンゴン~。」
まず、腹をすかしたゴンベが、勝手にボールから出て来て身体を揺さぶられて起きる。この時は半分はまだ寝てたな。
「頼むからァ~、もー~~ちょいだけ寝かせてくれェ~~。あと6時間ぐらい~。」
あいつらはセンターで回復されてるから元気なんだろうけど、オレはまだまだねみぃんだよ!
「ゴン~~。」
「ぎゃうっ!」
え?
なんでサンダースまで出てくるの?
「ゴン!ゴンゴ、ゴォーン!!」
「ぎゃう~。ぎゃぎゃぎゃおん!」
ちょっと待ってくれ。
お前らの目を見ないと何を喋ってるか全く分からん。
「ゔゔゔゔゔっ!!」
あれ?
その鳴き声は確かふるいたてるだったかな?
なんで今そんなわざ使うんだ?
「ぎゃぁぁぁぁ、」
ちょっとまて、お前今10まんボルトのチャージしてる?
誰に向けて撃つんだ!?
「おーーーーーんっ!!」
「ぎょわぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」
あ、オレだったんだ……。
フシュー、と、オレの身体から焼け焦げた音が出る。
いくらオレの寝起きがわりぃからってふるいたてるを一回積んでからの10まんはねぇだろ……!
「ぅおいッ!!いや起きなかったオレが悪りぃけども!
完全な逆ギレだけども!やりすぎだろッ!!」
【ご主人!時計見て!ヤバいって!】
「は?時計ってーーー」
時計の短針は9の文字を刺している。
あ、完っ璧な寝坊だ。
トウコ今頃キレてるだろーなァ。
「すまん、起こしてくれて助かった。ゴンベもな。」
オレを起こしてくれた二匹の頭を撫でてやる。
【どういたしまして♫】
【それより腹減った~。】
「ははっ、そうだな。飯にするか!」
一旦二匹をボールに戻し、オレは食堂に向かった。
「おっそーい!!どんだけ待たせんのよ!!」
「ホントにすまん!!夜中まで今度のトウコの誕生日に何をあげるか考えてたら、つい……。」
「え!?そんなこと考えてたの!?」
「120%ウソ。」
「アンタって奴はァァァァァァ!!!」
朝からふざけまくるオレたち。
これ以上は手を出されるからやめとこ。
「まぁ、落ち着けって!
それより朝飯って食ったのか?」
「誰かを待ってたからまだ食べてないのよッ!!」
「だから悪かったって!自販機でジュース奢るから、な?」
「むぅ……。それならイイけど……。」
よし、ジュースで釣られるなんて軽い奴よのうw
「さ、朝飯にしようぜ。」
「…うん。」
ー食堂ー
ポケモンセンターでは、宿泊、食事共にトレーナーに限っては無料だ。自分たちのトレーナーカードを見せれば、料金は全て払わなくて済む。
だから食住タダのトレーナーになろうとする奴は多い。
でも、そんな上手いようにはいかない。
一定期間以内にポケモンリーグに出場しないと、トレーナーの権利が剥奪される。
だからトレーナーとして食っていけるのは、ほんの一握りってことだ。
あ、ちゃんとポケモンのご飯もここで食べさせて貰えるぞ?しかも、金を出せば旅の分を買うことができる。
ホントに便利な施設だよなァ、ポケモンセンターって。
「ご飯よー!出ておいで!」
「ポッカー!」
「ヤナヤナー!」
ポケモンたちにもご飯を食べさせようと、ボールから出すトウコ。オレも出さないとな?
「みんな出て来い!朝飯だ!」
「ぎゃおーん!」
「ゴーン♫」
「ミロッ!」
「お前らー、家じゃないんだからできるだけ固まって食べるんだぞ?特にミロカロスは身体がでかいからな。」
「ミィッ!」
あらかじめ注意もしておいた。
ミロカロスからの返事も返って来たし、
オレもそろそろ飯に___って、あれ?
ザワザワ……… ザワザワ……
ザワザワ…… ザワザワ……
急に騒がしくなった、っていうかオレに視線が集まってるのか?
いや、違う。オレじゃない、オレのポケモンたちだ。
「ユウキ、なんか騒がしくなってきたわよ?」
「オレも今思ってた。それよりもオレのポケモンたちがめちゃくちゃ見られてるんだけど?」
「当たり前でしょ!?
あんたの手持ちにイッシュのポケモンが一匹もいないからじゃない!」
「___あ。」
やっと気づいた。
トウコに言われてやっと気づいたわ。
そりゃあ見たことも無いポケモンがいたら誰でも騒ぎ始めるよな。
中にはデジカメまで使ってる奴までいるし………。
「デジカメ?」
ポケモン世界でデジカメといえば、一人思い浮かぶ奴がいる。
えーと、なんだっけかな?アニメでサトシに対してめちゃくちゃ挑戦的な態度ばっかとりやがるクソ生意気なトレーナーの………えーと、シュー………なんとか?
シュー……なんとかなんだよ。
もうイイや、シューなんとかにしとこ。
とはいえ、手持ちの写真をパシャパシャ撮られるのは気分が悪りぃ。
一言声かけとくか。
「ちょっと行って来る。そのまま飯食っといてくれ。」
「んー。わかった。あんまりボコボコにしちゃダメよ?」
あとでお前をボコボコにするぞ、トウコ?
と、思ってオレは席を立った。
「おい?なにやってんだ?」
「見たら分かるだろう?写真を撮っているんだ。
なにせ、イッシュでは見かけないポケモンばかりだからね?」
このクソガキッ………!!ムカつくッ……!!
だが落ち着け。トウコにもボコボコにするなと釘を刺されたばっかだ。我慢だ、我慢。
「その前にトレーナーのオレに許可って取るもんなんじゃねーの?」
「え?ああ、君がトレーナーだったのか。
ゴメン、勝手に撮って悪かったよ。」
おろ?案外素直だな。もっとサトシの時みたいにつったかかってくると思ってたのに。
「それで、あのポケモンたちのことを教えて貰えないかな?」
「ああ、いいぜ。
あの黄色いトゲトゲしたポケモンが、サンダース。
主にカントーで見かけるな。
すごい勢いで飯を食ってるポケモンが、ゴンベだ。
シンオウでよく見かけるな。
長くてキレイなポケモンが、ミロカロス。
ホウエンのポケモンコンテストでは有名なポケモンだよ。」
「カントー……ね。
どうやってゲットしたんだい?」
「サンダースはタマゴから孵して、育てた。
ゴンベも、タマゴから孵ったばっかのところを譲ってもらった。
ミロカロスは昨日1番道路でゲットした。
これでイイか?」
シューティーの反応を伺うオレ。
すると、とんでもない言葉が返って来た。
「キミ、本当にポケモントレーナー?」
「___は?」
そりゃあ、ポケモンと旅をしてるんだからトレーナーに決まってんだろ?
「どうしてタマゴから育てるんだい?
タマゴから孵ったポケモンなんて弱くて使い物にならないじゃないか?
野生のポケモンの方が強くてすぐ戦力になってくれる。
基本だろ、このくらい?」
「………。」
オレは空いた口が塞がらなかった。
でも、黙って聞いてると段々腹が立ってきた。
「それに1番道路でミロカロスをゲットしただって?
何あり得ないことを言ってるんだい?
それでもコンテスト向きのポケモンを捕まえる方がおかしいけどね!
基本がなってないんだよ、基本が!」
もう限界。我慢できん。
「オレが言いたい事は3つだけだ。」
「何を言うつもりなんだい?
せいぜい悪あがきにしかならないけどね?」
「1つ、オレはポケモントレーナーだ。
2つ、タマゴから育てても、キチンと育てたら、野生のポケモンなんてすぐに上回る。
最後の3つめだ。
お前は人間か?」
自分が出せる一番低い声で言った。
突然の言葉にシューティーも、面をくらってる。
「勝手に人のポケモンの写真撮った挙句、そのポケモンたちをバカにするだと?
ふざけんのも大概にしろ。
オレに基本がなってなかったら、てめぇには常識がねぇんだよ……!!」
あ、イライラし過ぎててめぇって言っちゃった。
なんか語尾も、ちょっと怒りを込めちゃったかな。
「きっ、基本がなってない奴に基本がなってないって、言って何が悪いんだ!?
僕はちゃんと基本を徹底してる!!」
反論されたのが癇に障ったのか、大声で反論するシューティー。
オイオイ、周りが注目してるじゃねぇか。
「お前の言う基本ってぇのはなんだ?
初対面の人間に挨拶もせずに写真を撮ることか?
それとも人が大事にしてるポケモンをバカにして罵ることか?」
「ふんっ!キミが言ったところで説得力がないけどね!?」
「あ?
そのセリフ、そっくりそのままてめぇに返してやるよ。」
険悪する雰囲気。
周囲は、完全にオレたちしか見ていない。
こりゃぁ、問題起こしたと思われてんな。
「………キミとは話が合わないね。
ボクはバトルクラブに行くよ。」
「お前がどこに行こうと関係ねぇよ。
いちいち報告なんかすんな。鬱陶しい。」
「ッッ!!」
その言葉に腹が立ったのか、シューティーは拳を作って、オレに向かって振りぬこうとした。
オレは内心殴ったら10倍返しにしてやる。
と、思いながら、痛みが来るのを待った。
でも、痛みが来ることはなかった。
「ミロォォォッ!!」
「うわぁっ!?」
ずっと状況を見ていたミロカロスが、オレが殴られると思い、シューティーに向けてれいとうビームを当てた。
シューティーの下半身は凍りついて動かなくなった。
「ぎゃぁぁぁ、おーーーーんっ!!」
「ぐぁぁぁぁッ!!?」
サンダースは怒りを込めて10まんボルトを浴びせた。
オイオイ、それは……!!
「ゴーーーン!!」
「がッ____!?」
なんとゴンベのメガトンパンチはシューティーの腹にジャストミート!
シューティーはそのまま壁にぶっ飛んだ。
こいつらァァ……!!
「なにしてんだお前らッ!!」
急に怒鳴ったため、3匹は肩をビクッと震わせた。
「なんでシューティーを攻撃したんだッ!?
どんな理由があってもポケモンが人を攻撃するのはダメだろうが!!」
ただしロケット団、てめーらはダメだ。
【だってぇ……】
【ご主人がバカにされるのが許せなかったんだもん。】
【出過ぎた真似をして申し訳ございません。
でも、正直あの人間……いえ、ゴミクズはバスラオよりも腹が立ったのです。】
酷すぎるぞミロカロス。
でも、あの子からしたら人間はちょっと悪いイメージなんだろうな。
はぁ……。
オレを慕ってくれるのは嬉しいんだけどなァ。
「ーーーオレの為に怒ってくれたのは嬉しい。
でもそれだからって人を傷つけるのはもっとダメだ。
ホントにあいつにムカついたんなら、あいつとバトルした時にその怒りをぶちまけろ。わかったな?」
「ぎゃう……。」
「ゴン……。」
「ミィ……。」
3匹からはしょんぼりした返事が返って来る。
ちょっと心が痛むけど、これは絶対に怒っておかなきゃならない。
シューティーに謝らせようとしたけど、すでに立ち上がってオレたちを睨みつけていた。
「なんてことをするんだ!!!
ボクに殴られると思ったからってポケモンにボクを攻撃するように指示してたんだろ!?」
「はぁ?
そんな汚ねぇ真似しねぇよクソ野郎。
全部こいつらの意思だ。
お前がオレを殴ろうとしたから守ろうとしてくれたんだよ。」
「ウソだッ!!
ポケモンがトレーナーの為に指示もなく攻撃するなんてありえない!!」
「別に信じる信じないはお前の勝手だ。
お前がどう言おうとオレはこいつらに指示なんて出してねぇ。
ま、だからってさっきのを全部こいつらのせいにするわけにはいかねぇけどな。」
「そんなこと信じるもんか………!!」
完全にオレを敵とみなして、睨みつけるシューティー。
めんどくせーなァ。
さっさとトンズラするか。
「いい加減にしなさいよあんたッ!!」
センター内に女の叫び声が響き渡った。
その叫び声をあげたのは他でもないトウコだった。
いや、ちょ、もうトンズラするつもりだったんですけどw
「さっきから黙って聞いてたらいちゃもんばっかつけて!!
そんなにいちゃもんが好きならわざマシンでも拾って来いやッ!!」
「ッ!?」
うわぁ~、めっちゃキレとるがな。
昔からトウコは怒ったら制御が効かなくなるからな。
もうとめらんねぇや。
「元はと言えば、全部あんたが悪いんじゃないの!!?
他人のポケモンの写真を勝手に撮って!!
挙句、そのポケモンとユウキをバカにして!!
自分のこと棚に上げてんじゃねぇよッッ!!!」
トウコさーん、女の子がそんな言葉使いじゃダメですよ~。
オレの為に怒ってくれるのは嬉しいけど、そのままじゃ血管がプッツンいっちゃいますよー。
「別にボクは____」
「しゃべんなクソ虫ッ!!
あんたが悪いことにはなんも変わりないでしょーがッ!!
これ以上余計なことしゃべって話こじらせるんじゃねぇよッ!!!」
トウコさーん。
もう言ってることがすっげぇめちゃくちゃですよー。
「ゃ、ぁ、ぇ………」
「しゃべるんならはっきりしゃべれッ!!
なにしゃべってんのか聞こえねぇよッ!!」
おーい、そろそろやめとけよー。
周りの方々がドン引きしてんぞ~。
つーか、しゃべるなって言ったのはお前だぞ~。
「~~~ッ!!
ボクは間違ってなんていないんだッ!!」
「ほォ………。
まだそんなことが言えるの?
だったらバトルで決着をつけようじゃない。」
「バトル?キミとボクで?」
「無論、戦うのはユウキよ。」
「なんでやねんッ!?」
思いっきりツッコんだわ。
今の話の流れからどうやってオレがバトルすることになるんだ!?
「何言ってんのよ。
あんたがバトルして勝てば、あんたの力もポケモンたちの力も、認めさせることができるじゃない。
逃げるなんて許さないわよ?」
「や、そーゆーのはオレの許可を取ってから___」
「も、ん、く、あ、ん、の………!?」
ゴゴゴゴゴゴォ………!!!
「___全力で戦わせていただきます。」
ミュウツーもテレポートで逃げ出すくらいのプレッシャーで脅されるオレ。
はぁーあ、ここまで来たらやるしかねぇな。
「バトルをするようだね。
先にバトルクラブで待ってるよ。
____逃げるなよ。」
「「ぬかせ、基本厨が。」」
旅の目的地をサンヨウシティから、バトルクラブに変更だ。