今回は遊戯王要素が皆無です。
ゆっくり見て行ってください!!
「やっっったぁぁぁ!!!翼さんのCDゲットォォォ!!!」
「響、うるさい。他の客の迷惑だ」
「はぁ~い、うふふふふふ!!」
あのデュエルの後、10数件の店を探し回ってやっと見つけた、ん、だけど…
「いや~、それにしてもよかったですねぇ~」
「…あのさ、シーア、お前」
「なんですか?告白ですか?」
「いや、違う。そうじゃなくて、お前……」
俺はシーアが持っている袋を見て言う。
「なんでまた買ったの?三枚買ったって言ってなかったっけ?」
「これは布教用ですよ、ファンの常識ですよ?」
「じゃあ…い、いや何でもない」
俺は思った、そういえばこいつからCD買えば良かったんじゃね?布教用に買うくらいだし…、と思ったが、まあ、買えたことだし言わないことにした。
「さて、そろそろ店でるか」
「は~い、ああ~早く帰ってCD聞きたいなぁ~」
「ひーちゃんは、甘いですね…私なんか、ポータブルCDプレイヤーを持ってますよ」
そう言って、バックから実物を取り出すシーア。
「うおっ、それ何年前のだよ…」
「ネットで買いました」
「いいなぁ…、よっし、シーアちゃん…いやシーア様ちょっと聞かせてください!!」
バッと、俺たちの前に出たかと思うと、流れるような動作でスライディング土下座をする。
「こ、これは伝説のスライディングDO☆GE☆ZAっ!!」
「お願いします!!」
「お前にプライドはないのか…」
「無い!!」
「即答!?」
「いいでしょう!!一緒に…き・か・な・い・か?」
ゾクッ!!
今、一瞬、寒気が…
俺が突如襲った訳のわからない寒気に身を震わせていると、二人は肩を寄せ合って、ポータブルCDプレイヤーからのびるイヤホンを片耳ずつ付け合い曲を聴いていた。
…翼の新曲とか俺も聞きたいぞ、こんちくしょうっ!!
それと、そのゆるゆりな感じはどうにかならないものか…
とりあえず、その雰囲気を打ち消すために話しかけてみる。
「あの~、俺にも聞かせていただけないでしょうか…?」
「……」
「……」
ふう、オーケイオーケイ…
いいぜ、俺をほっといて曲を聴くっていうのなら…
まずはそのゆるゆりをぶち殺す!!
べ、別に翼の曲が聞きたいだけなんだからねっ!!
無視とか気にしてないから、本当に…(涙)
「ああ!!士遊お兄ちゃんが道の片隅で膝を抱えて地面にのの字を書いてる」
「はぁ…めんどくさい人ですね…」
別に構って欲しくなんかないやいっ!!
響たちは「しょうがないなぁ…」と言うと、俺の耳にイヤホンを入れてくる。
そのイヤホンから歌姫と呼ばれるにふさわしい歌声が耳に入ってくきた。
「うおぉぉおおおおおおお!!!テンション上がってきたー!!!!!!」
「「復活早っ!!」」
と、いうことがあり、日が落ち夕焼け空になった街を俺たちは歩いていた。
そして、とあるコンビニの角を曲がった瞬間のことだった。
俺たちの目の前には―――――
灰、灰、灰、灰、灰灰灰灰灰灰灰灰
「な、なんだよこれ!!まさか―――」
「≪ノイズ≫…」
シーアが呟いた一言で、俺は一瞬、目の前が真っ黒になった。
俺の頭をフラッシュバックする光景…
―――お前たちは、生きろ…
―――早くいきなさい!!
―――にーちゃん!!逃げろ!!
―――生きるのを諦めるな!!ここはあたしが引き受けるからさ…
―――か、奏!!嫌だ!そんな…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
頭が痛い、動悸が激しい、吐き気がする…
頭痛が耐え切れないほど酷くなった、その時!!
「た、助けてぇぇぇぇ!!!!!」
幼い少女の声が響き渡った。
その声に、ハッとなり頭痛が治まる。
「今の声…」
「行くぞ!!助けに!!」
「はい!!」
俺たちが悲鳴が聞こえた方に行くと、カタツムリのようなノイズと人型のノイズが、小学生の女の子を囲っているところだった。
「やばいぞ!!あれは!!」
「仕方ありません!!士遊さん、突っ込んでください!!」
「死ねと!?≪ノイズ≫は人を触れただけで灰にするって知ってるよな!?」
「上からなら大丈夫です!」
「そうか!!なら…」
俺は全速力で走り、横にあるビルを蹴り上げ、ノイズを飛び越えて、女の子を回収する。
「きゃ!!お、お兄ちゃんは誰?」
「通りすがりの
「…う、うん!」
女の子を抱き上げる。
(さて、どうしようか…)
周りを見るとノイズ、ノイズまたノイズ…
後ろは壁…絶体絶命だな…
「士遊お兄ちゃん!!私たちがノイズを何体か引き付けるから、その内に逃げて!!」
「わかった!!」
ノイズの何体かは大声を出した響たちの方に向かっていった。
しめた!!少し壁が薄くなった。
「行くぞ、しっかり捕まっておけよ!!」
抱き上げた女の子が俺の服をぎゅっと持ったことを確認すると、俺は後ろの壁に向かって全力で跳躍し、壁に体が真横に行くように蹴る。
そして、そのまま壁を二・三回、前に走るように蹴り、薄くなったノイズの壁のすぐ横に着地する。
着地の衝撃を殺した俺は、そのまま全速力で走りノイズから逃げるのだった。
~一方そのころ~
私たちは逃げていた。
「はぁはぁ…お兄ちゃんたち逃げれたかな?」
「大丈夫でしたよ、チラッと見た感じ壁走りで脱出してました」
「か、壁走り!?」
士遊お兄ちゃんは忍者だったのかぁ…
うん…、忍者じゃねえ!!
それにしても、さっき士遊お兄ちゃんが無茶したこと未来が聞いたらまた怒るんだろうなぁ…
それを抑える私…
はぁ、朝からついてないなぁ。授業では怒られるし、翼さんには恥ずかしいとこ見られたし、手札事故したし、CDは買えないし、ノイズに追いかけられるし、未来を抑えなきゃいけないし…あ~、やっぱり私、呪われてるかも…
「ひーちゃん!!」
「えっ!!っわ!!」
シーアちゃんが私を押し倒すように飛びかかってくる。
その上、ちょうど私の頭があったところをノイズが弾丸となって通過していく。
「し、シーアちゃんありが「お礼はいいから、早く逃げましょう!!」う、うん」
当分、逃げ回ることになりそうだ。
そして、日はもう沈んで辺りは薄暗くなっていた…
「う、はぁはぁ…ここまでくれば大丈夫…」
女の子を助けて士遊お兄ちゃんと別れて一時間ほど…
私たちはどこかのビルの屋上へと逃げていた。
「さすがに、こんなとこまで追いかけてはこないよね…」
「あ、それ俗にいうフラグってやつ…」
「…」
「…」
「ま、まさかぁ~こんなことで…」
「おい、馬鹿やめろ」
「「「「「ギュピギュピ」」」」」
…嫌な音が聞こえた。
ギギギギと首を動かし背後を見ると…
あら不思議、そこにはたくさんのノイズさんが!!
「「…」」
「(つ∀`*)ヤレヤレ」
「\(^o^)/」
「(´・ω・`)」
「(。´Д⊂) ウワァァァン!!」
…絶体絶命!?
~女の子、士遊組は?~
俺は女の子を背負って、路地裏を走っていた。
「大丈夫か?結構揺れたみたいだが…」
「だ、だいじゅぶ…」
大丈夫…ではなさそうだな。
少し休むか…
「それにしても、災難だったな…」
「う、うん…」
全くこんな小さい子でもノイズは襲いやがって…
ほっと一息つこうとすると、来た道の反対側の路地裏の出口からノイズの集団が現れた。
「「「「「ギュピギュピ」」」」」
「チィ!!少しも休ませてくれないか!!悪い!!」
舌打ちをすると、一言少女に断りを入れてから、少女を背負う。
そして、そのまま来た道を引き返そうと走り出す。
だが、来た道の方からもノイズが現れ路地裏をふさがれた。
(これはマジでヤバイな…)
じりじりと両方から徐々に距離を詰められる。
俺はとっさに辺りを見渡し何かないか探る。
「あった!!」
俺はもう少しでノイズの手が触れるというところで、路地裏の壁に設置されたハシゴを伝って上に上がる。
「はあ、はあ!!!」
何とか上に上がりきり、息切れした呼吸を整える。
「ヤバかった!!!死ぬかと思った!!!」
少女を抱えながらはかなりつらいものがある。
しかし、いつまでもこうしているわけにはいかない。
奴らはすぐに追ってくる。
急いでここを離れないと…
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ギュピギュピ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「なんか増えとるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」
先ほど追ってきていたノイズは4倍程度に増えて、俺たちを追ってきていた。
俺は少女をしっかりと抱え直し、屋上から屋上へと飛ぶ。
どこかの家の屋根を蹴り、違う家の屋根に着地する。
屋根からどこかのビルの屋上、屋上から民家の屋根へと飛んでいくうちに、着地できるビルが周りに無くなり、追い詰められてしまった。
「前門のノイズ後門の転落ってとこか…いや、うまくないな」
崖なら、断崖絶壁とか表現できたんだけど、ビルの場合はどう言ったらいいのだろうね?
とか、言っているうちにじりじりとノイズは距離を詰めてくる。
「う、うあ、お、お兄ちゃん…」
うん、ごめんね、お兄ちゃんちょっと現実逃避しちゃった。
「大丈夫、生きることを諦めなければきっと道は開ける…少なくとも俺はあいつからそう学んだ!!」
―――生きるのを諦めるな!!
ふと俺の脳裏にその言葉がよぎる。
…そうだ、あいつは…あの槍を持ったあの子はいつだって諦めなかった!!
だから…
「俺は絶対に!!諦めねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
―――その覚悟、伝わりました…ならば受け取りなさい、この力を!!
そう俺の耳に女の声が聞こえた。
次の瞬間、カッ、と俺のペンデュラムが赤い光を放ちだす。
「!?なん…ぐ、わぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
赤い光が俺の全身を包み込み、赤い空に柱となって上がっていく。
そして同時刻…他の場所でも、光の柱が昇っていたのだった。
~響、シーアside~
「すごくまずい状態ですね…」
「うん…」
私たちは多数のノイズに囲まれているところです。
じりじりとこちらに近寄ってきていて、ビルの片隅に追い詰められています。
「どうしたら…」
「…」
どうしたんだろう?シーアちゃんは黙り込んで…
「つか…いや、でも…こん…こで見せる…には…」
ぶつぶつとシーアちゃんは聞き取りにくい声の音量で話す。
「シーアちゃん!シーアちゃん!?」
「でも、使わな…二人とも…死ぬ…」
「死ぬ…?」
たまたま聞き取れた言葉に私は体を硬直させる。
死ぬ?私たちが…?そんな…
意識をした瞬間に、暗いものが押し寄せてくる。
そのまま絶望して、諦めかけたその時…
―――生きることを諦めるなっ!!!
…そうだ、私は諦めない!!
「たとえ、もう助かる可能性がないとしても、私は絶対に諦めたりしない!!」
「生きることを!!諦めて…たまるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
カッ、と胸の傷跡から光が漏れ始める。
「え?何、何なの?」
そして、困惑する私の脳内に、ある歌詞が浮かんでくる。
私はその歌を感じるままに歌い上げた。
「Balwisyall Nescell gungnir tron…」
瞬間、オレンジ色の光の柱が立ち昇った。
赤色の光が収まる、そこには機械的な赤い鎧のようなものをまとい、腕に少し形の変わった決闘盤を付けた、士遊の姿があった。
オレンジ色の光が収まる、そこには拳に大きなガントレットをつけ、脚にはヒールの付いたグリーブを履いた、響の姿があった。
運命は回る…
日常が非日常に変わっていく…
はい、いかがでしたか?
楽しんでいただければ幸いです。
さて、次回の話でもしましょうか…
次回も遊戯王要素が少ししかありません…
と、いいますか遊戯王要素が出てくるのは、もう少しシンフォギアを使いこなせるようになってからです。
それではまた次回!!