決闘絶唱シンフォギア~魂継ぐ者~   作:星屑英雄

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何とか投稿できました。

それでは、続きどうぞ!!


前回までのあらすじ

親友の遊太とデュエルすることになった士遊だが、遊太の古代の機械デッキの前に絶体絶命のピンチに陥ったのだった。


第六話 古代の駆動 下

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

 遊太は己の引いたカードを見て、少し口の端を釣り上げそのカードを手札にしまう。

 何を引いたんだ……?

 

「メインフェイズ、ギアギガントXの効果でオーバーレイユニットを使い、古代の機械箱を手札に。さらに古代の機械箱の効果でデッキから攻撃力または守備力が500の機械族・地属性モンスターを手札に加える。俺は守備力500の古代の機械騎士を手札に」

 

 モンスターを増やした? ……まさか、来るのか? この場面で!? 遊太のエースが!!

 遊太は俺の驚愕をよそに、ゆっくりとさっきドローしたカードを手に取り、俺に見せつけるように発動させる。

 

「さて、これで準備は整った。手札より魔法カード『融合』発動!! 手札の古代の機械箱と古代の機械騎士と古代の巨人を融合!! 古代(こだい)機械(きかい)(つど)いて、今究極の力が鼓動する!! 融合召喚!! レベル10 古代の機械究極巨人!!」

 

古代の機械究極巨人 攻撃力4400

 

 機械の駆動音と共にゆっくりとその巨体を起き上げ、顔を上げる。そして、その瞳にブォンッと赤い光が宿り、辺りに咆哮を響かせた。

 

「こ、攻撃力4400!!」

「出やがった!!」

 

 未来がその攻撃力に驚きの声を上げるが、俺は本当に余裕がない。古代の機械究極巨人の圧倒的なプレッシャーを直に感じているのだから。

 遊太はすぐさま攻撃体勢に入った。

 

「行くぞ!! バトル!! 古代の機械究極巨人でオッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンを攻撃!! アルティメットパウンド!!」

「ぐ、があああああ!!!!」

 

8000-(4400-2500)=6100

 

 メテオバーストが破壊され、ダメージが衝撃となって俺を襲う。あまりの衝撃に、俺の体は大きく後ろに吹き飛ばされた。

「兄さん、大丈夫!?」

 

 駆け寄って来てくれた未来に「大丈夫だ。デュエルで吹っ飛ぶなど日常茶飯事だから」と伝え、俺はデュエルに戻る。

 

「二体のトゥーン・アンティーク・ギア・ゴーレムで攻撃!! トゥーンパウンド!!」

 

6100-(3000+3000)=100

 

「これで終わりだ!! ギアギガントXで攻撃!!」

「兄さん!!」

「それを……待っていた!!」

 

 俺は未来の声にこたえるように伏せられていたカードを発動する。

 

「トラップカード発動!! ドレインシールド!!」

 

 ドレインシールドの効果により、ギアギガントXの攻撃は無効化され、その攻撃力分ライフポイントを回復させる。

 

100+2300=2400

 

 今まで、罠・魔法をアンティーク・ギア固有の能力で発動を封じられていたので発動できなかったのだ。だが、これで希望はつながった。

 遊太は悔しそうにターンエンドの宣言をする。

 

「っち!! 凌ぎ切ったか……ターンエンド!!」

「まだだ!! 罠カードオープン!! 活路への希望!! 活路への希望の効果によって、ライフを1000払い、相手とのライフポイント差2000ごとに一枚ドローする。お前とのライフポイント差は6600ポイント!! よって、三枚ドロー!!」

 

2400-1000=1400

 

 ライフが引かれると共に、俺はカードを三枚ドローする。

 

「まだ、これじゃない……」

 

 最後の望みをかけて、カードをドローする。

 

「ドロー!!」

 

 光を描きながら、カードはドローされる。

 

「来た!! メインフェイズに移行し、ペンデュラム召喚!! 揺れろペンデュラム!!現れろ、俺のモンスターたち!! オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン! EMペンデュラム・マジシャン!!」

 

 二体のモンスターが並び立った。

 

「ペンデュラム・マジシャンの効果は使わない」

 

 これで、準備は整った!!

 俺は、ドローしたある魔法カードを発動する。

 

「さらに、ミニマム・ガッツを発動。こいつはモンスター一体をリリースすることで、相手モンスター一体の攻撃力を〇にし、そのモンスターを破壊した場合、その元々の攻撃力分のダメージを与える!! 俺は、ペンデュラム・マジシャンをリリース!!」

 

 ペンデュラム・マジシャンがリリースされ、エクストラデッキへと帰って行く。魂として残ったペンデュラム・マジシャンが古代の機械究極巨人に必死にしがみつき、その機動力を奪い、攻撃力がドンドン下がり0となった。

 

「さあ、幕引きと行こうか!」

 

 オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが大きく口を開け、火球を生み出す。火球は大きく、大きく、さらに大きくなりオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと同等の大きさとなった。

 

「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃、螺旋のストライク・バーストォ!!」

 

 放たれた咆哮は螺旋を描き、動けない究極巨人に直撃し、貫き、爆散させる。

 

「そして、リアクション・フォース&ミニマム・ガッツで、フィナーレだ!!」

 

 オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンのリアクション・フォースの効果でオッドアイズの攻撃力の2倍つまり、5000がダイレクトでライフから引かれ、トドメにミニマムガッツの効果で古代の機械究極巨人の攻撃力のダメージが一気に遊太を襲う。

 

「ぐああああっ!!」

 

 たまらず、後ろに吹き飛ばされ地面を転がった。

 

8000-5000=3000-4400=-1400

 

 

士遊 WIN!!

 

 

 

 

「と、いう訳で割り引いてもらうぜ!!」

「はいはい……こう何度も割り引かれてちゃぁ、商売にならないよ……」

「ま、でもいいデモンストレーションにはなっただろ?」

 

 回りを見てみると、何人かの子供がキラキラした目で決闘を見ていた。

 

「すげー!! ミニマムガッツつえー!!」

「俺、マジカルシルクハットが気になったぜ、まさかそういう使い方が出来るなんてな!! 墓地発動のダメージダイエットやブレイクスルースキルでもいいし。俺、買って帰る!!」

「やっぱ、ペンデュラムいいなぁ……でも、シングルは高いし、パックでも出るけど封入率は低めだし……あっ、でもパック買っちゃお!!」

 

「な?」

「はぁ……しょうがない、か……」

 

 肩を落としながら、レジに行き、会計を始める。

 

「18000円から2000円引いて、合計16000円ね」

「じゃ、20000円で」

「あ、兄さん……」

 

 俺は自分も払おうとした未来を手で制し、20000円を渡す。

 

「あ、釣りはいらねーから」

「は? ちょ、じゃあさっきのデュエルの意味は!?」

「ああ、あれは未来にこの店のルールを教えるためのもん……って、いうのは建前で久しぶりにお前と本気で戦いたかったからな」

 

 ニッと笑ってそう言うと、遊太は一瞬あっけにとられたように口を開けたが、仕方ないな……と、いう表情で2万円をレジに入れた。

 

「また、来なよ? チャンピオン」

「よせよ。元、だ」

 

 短く言葉を交わすと、遊太は「ありがとうございました!!」と言って次の客の会計を始めるのだった。

 

 

 

 しばらく街中を未来と二人、無言で歩いていた。

 

 ち、沈黙が痛い……なんで、未来は無言なんだ? 未来は俺に何も言ってくれない!! ……だから、無言で歩いてるんだっつーの……

 と、俺が下らない事を考えているのが分かったのか、俺の脇腹に向かって手刀で突きを入れてくる未来。……今度は物理的に痛い。

 

「……ねえ、兄さん」

「なんだ、未来」

 

 いきなり声が真剣なトーンになったので、下らない事を考えるのはやめにしてしっかりと未来の言葉に耳を傾ける。

 

「……」

 

 なぜ聞いてこないか? それほど聞きにくい事なのだろうか? いや、多分未来の事だ。自分の中で言おうと思ってはいる。そうでなければ、声をかけてこない。それでも聞いてこないというのは、迷っているからだろう。これだけ悩むというのは、十中八九、響の事だ。

 大方、自分がそれを聞いてしまうことによって響に何かデメリットが生じることを恐れているのだろう。しかし、聞きたい。そんなところではないだろうか?

 

 ここは俺から切り出した方が早そうだな……

 

「響の事か?」

「!! う、うん……」

 

 ビンゴ。俺がピタリとあてたことで、このままでいてもしょうがないと思ったのか、ポツリポツリと話し始めた。

 

「最近、響の帰りが遅かったり、帰って来てもすぐに何処かに行っちゃって……二人で話していても上の空の時もあるし、何してるのって聞いても誤魔化すだけだし……また、危ないことをしてるんじゃないかって、私心配で……」

 

 そっか、シンフォギア関連の事は一般人には秘密だしな……下手に知ったりしたら未来も危険に巻き込みかねない。きっと二人とも辛いのだろう。

 

「ねえ? 兄さんは知ってるの? 響がやってること……」

 

 これは、言うべきなのだろうか? いや、響が黙っているのだ。俺が言ってしまう訳にはいかない。

 なら言うべきは……

 

「ああ、俺は知ってる。けど、言えない」

「そっか……」

 

 未来は少し残念そうに、しかし、さっきとはうって変わって雰囲気が明るくなって言葉を続ける。

 

「なら、響は大丈夫だね」

「なんで……そう、言いきれる?」

「だって、兄さんがついてるから」

「――――ぁ」

 

 真剣な表情でそう断言する未来を見て、言葉を聞いて、俺は何も言えなくなる。

 

――全く、兄さんは……しょうがないなぁ――

――やったー!! ありがとう兄さん!!――

――優勝おめでとう、兄さん!!――

――おれ、兄さんの事信じてるんだ!!――

――に、い……さん……生き……て……――

 

 その未来の姿に、俺の頭にアイツ(・・・)との記憶がフラッシュバックする。

 アイツと未来の姿が重なって、俺は何かを言おうとするが、言葉が出てこない。

 

「兄さんなら、響をちゃんと助けてくれる。私はそう信じてるから……」

「……俺は、そんなに信用されるような男じゃない」

 

 そうだ、俺はそんな大した奴じゃない。俺は――■■を失って――アイツを……■■■■を失って――守れないものだらけで……

 

「俺じゃ……何も守れな「そんなことないよ?」え?」

「だって――――」

 

 未来は笑顔で続きを言った。

 

「いつも、私達を守ってくれてるから」

「……」

「大きな犬に噛みつかれそうな時庇ってくれたりとか」

「そんな、昔の話……」

 

 十年も前の話だ。

 未来は首を振って「それだけじゃない」と、言葉を続ける。

 

「二年前のライブの事件の後も前も、ずっと守ってくれてるって知ってるもん」

「けど……結局、守れずに響に怪我を……いや、そもそも俺が誘わなければ!!」

「でも、ノイズが襲ってきたのは兄さんのせいじゃない」

「俺のせいじゃなくても!! 響に怪我をさせてしまったのは事実だ!! 響がいじめられたのも!!」

「それは、兄さんの方が大怪我を負ってたじゃない!! いじめの問題も――――」

 

 そこまで言い合った所で気づく。複数の人が俺たちの事を白い目で見ていることを。

 

 そうだ、ここはまだ商店街だった。

 俺と未来は、急に恥ずかしくなって、「「ど、どうもすいませんでした……」」と言って、そそくさと逃げだした。

 

 

 そして気がついたら、リディアンの寮の近くだった。

 未来は、少しこちらを見た後、こう言った。

 

「とにかく!! 兄さんは、響を守ること!! それと、自分を責めすぎない事!!」

「でも……」

「でももヘチマもないの!! それじゃあ、また今度!!」

「お、おう……」

 

 ビュッと、走って寮に入って行ってしまった。

 流石、元陸上部……と、感心しながら俺は自分の家に帰っていった。

 

 

 

 俺は、家に帰って来ていた。

 

「ただいま~」

 

 しかし、俺の声にこたえるものは誰もいない。

 この家には俺しか帰る者はいない。

 

「もう、慣れた、と思ってたんだけどな……」

 

 少し寂しさが込み上げてきた。

 その時、ピロリンッ!! と、スマートフォンがなりメールを受信する。俺はメールボックスを開け内容を確認する。

 その、メールの内容は――――

 

『兄さん!! 響と流星を見に行くから兄さんも来ること!!』

 

 と、未来からこんな感じの内容のメールが来た。

 少し、胸の中に暖かいものを感じた気がした。

 俺は、『了解』と短く打つと、キッチンに行き、自分の夕食を作り始めたのだった。

 

 

 

 

 と、まあそんなことがあり、流星を見ることになったのだが……

 

 当日、俺と響はとある地下鉄の入り口前にいた。

 俺はあくびを噛み殺しながら、スマホをいじり。響は未来に電話で平謝りしている。

 

「うん、ごめん、未来……急用が入っちゃって、流星一緒に見れないかもしれない……」

『……また? もしかして、兄さんもいる?』

「うん、お兄ちゃんも一緒にいる」

『そっか……なら大丈夫だね。わかった、流星は取っておいてあげるから後で、三人で見よ?』

「未来……? いいの?」

『うん、私は響を信じることにする。どんなことがあっても、私のところに戻って来てくれるって。だから……いってらっしゃい』

「うん!! 絶対に未来の、私の陽だまりのところに帰るから!!」

『待ってる。あっ、そうそう、兄さんにも一応無茶しちゃダメって言っておいて。きっと聞いてくれないと思うけど……』

「わかった、伝える。じゃ、早く片付けば行くから!!」

 

 響は電話を切ると俺に向かって頷き、地下鉄のホームの中を睨む。

そこには、うじゃうじゃとノイズの集団がいた。

 俺と響は、ギアを纏うため歌を紡ぐ。

 

「Target!!」≪OK!Lock on!!≫「Duel」≪Duel start≫

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

 ギアを纏うと響がポツリっと言葉をもらす。

 

「……ああもう!! 未来と流星群見たかったぁ!!」

「そう言えば、俺も未来に流星群を見ようって誘われてたな……なあ、行ってもいいんだぞ? 俺が片づけておくからさ」

「ううん……これは私がやらないといけないことだから」

「そうか……なら、早く終わらせて行かないと、なっ!!」

 

 俺と響は、俺の言葉が終わると同時にノイズに飛びかかる。響はノイズを殴り、蹴り、掴みかかり、時にはこけたり、攻撃を受けたり、危なげに倒していく。俺は手刀でノイズを切り裂き、回し蹴りを右左と連続で繰り出し、そのままの勢いで地面を蹴り、周りのノイズを巻き込みながら地面に叩きつけ、一掃していく。

 

『一回り大きなノイズの反応がある、気を付けろ!!』

「わかってます、よっと!」

 

 ノイズを爪で引き裂きながら俺は風鳴おじさんに答える。

 そうしていると、ブドウのようなノイズが見えた。

 

「お兄ちゃん!!」

「ああ、あれだな」

 

 俺と響は頷き合うと同時に飛びかかる。

 ブドウノイズは背負った実(?)のようなものを俺たち向かって放って来た。その実が俺の目の前で爆発する。

 

「お兄ちゃん!?」

 

 響がそう叫ぶが俺は爆風の中を突っ切ってブドウノイズに一撃をくらわそうとする、が、他のノイズを残しブドウノイズだけ一目散に逃げだした。

 さらに運悪く他のノイズたちが俺の行く手を阻み襲い掛かってくる。

 

「っち、響、先に行ってくれ!!」

「うん、わかった!!」

 

 響がブドウノイズを追うのを見届けると、俺はノイズに視線を戻す……

 

「って、なんか増えてないか!?」

 

 さっきは10体ほどだったが倍近く増えている。隠れていたのか、追加で出現したのか、何故かはわからないが倒すしかない。

 ため息をつきながら、俺はノイズに飛びかかっていった。

 

 数分後、ノイズを倒し響に追いついた。しかし、そこでは駅の天井に穴が開いて夜空が見えていた。

 

「響!ノイズは?」

「逃げられちゃった、でも大丈夫!!」

 

 そう言って、響は天井の穴……空を指す。

 

 そこには……

 

流星(シューティングスター)……?いや、あれは!」

 

 歌が聞こえてくる。

 そう、あの青い流星は!!

 

「ロックマn「って、違う!? 翼さんだよ、翼さん!!」冗談だ」

 

 青い流星――――翼により、ブドウノイズは一分もたたないうちに両断された。

 

「はー、未来との約束に間に合いそうでよかったぁ~」

 

 ノイズが両断されたと共に響が大きく伸びをしながらそう言った。

 

 

「それはどうかな?」

 

 

 バッと、俺と響きは後ろを振り向き、声が聞こえてきた方向に向かって構えをとる。

 ゆっくりと闇を引き裂きながら現れたのは、白――――

 

 バイザーで顔が見えないが、くっきりと体のラインが見える白い鎧に身を包んだ少女がそこに現れたのだった。

 

 

 




ふう、やっと書けた……

スランプになったり、大学の課題に四苦八苦したり、ゼミの受講願書の期限過ぎてて灰になりかけたり、FGOしたり……

色んなことがありましたけど、やっと他の作品もこの作品も書けそうです。

しかし、まあ、自分にはデュエルを書く能力が無いってことがよくわかりましたよ……
何とか早くに投稿したいと思いますので、次回も見てください。
よろしくお願いします。
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